「営業職でキャリアアップしたいが、どう転職すればいいかわからない」「同じ営業職のまま年収を上げるべきか、異職種に転換すべきか迷っている」「キャリアアップのための転職先選びの基準を知りたい」。こうした悩みを持つ営業職の方は多くいます。
住まキャリの解説によると、同じスキルを持っていても選ぶ業界次第で年収が200万円以上変わることも珍しくないとされています。営業職のキャリアアップは「転職先を変える」だけでなく、「年収アップの転職」「スキルアップの転職」「役職アップの転職」という3つのパターンがあり、どれを目指すかで選ぶべき転職先が変わります。
この記事では、営業職のキャリアアップの3パターンと目的別の転職先・3年後の市場価値から逆算した業界選びの方法を整理します。
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株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
営業職のキャリアアップには3つのパターンがある
「キャリアアップのための転職」と一口に言っても、目的によって最適な転職先は全く異なります。まず自分がどのパターンのキャリアアップを目指しているかを明確にすることが、転職先選びの起点になります。
パターン1:同じ営業職のまま年収を上げる転職
「営業という仕事は好きだが、今の会社・業界では年収の天井が見えている」という場合は、業界・商材・企業規模を変えることで年収アップを狙う転職が最も即効性があります。9Eキャリアの解説によると、営業職は「年齢や勤続年数よりも実力を重視する傾向が強く、若手であってもキャリアアップしやすい」職種です。高単価・無形商材・インセンティブ型の業界に移ることで、同じスキルでも年収水準が大きく変わります。
パターン2:営業経験を活かして異職種にキャリアチェンジする転職
「営業職としての天井を感じており、別のキャリアに転換したい」という場合は、営業で培ったスキルを活かした異職種転換が有効です。マーケティング・事業企画・コンサルタント・カスタマーサクセスなどが代表的な転換先です。営業経験者の異職種転換は「即戦力と未経験の中間」として評価されるケースが多く、純粋な未経験者より有利なポジションを取れます。
パターン3:役職・マネジメントでキャリアアップする転職
「今の会社では役職が上がる見込みがなく、マネジメントに挑戦したい」という場合は、プレイングマネージャーや営業マネージャー・チームリーダーとして採用してもらえる企業に転職するというアプローチがあります。規模の小さな企業や成長期のスタートアップは、プレイヤーの実績があれば年次に関わらず早期にマネジメント職に就けるケースがあります。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起営業のキャリアアップは『年収アップ』『異職種チェンジ』『マネジメント挑戦』の3パターンで戦略が全く異なる。多くの人が曖昧なまま転職して『思ってたと違う』となる。私の支援で感じるのは『同じ営業で年収上げたい』なら高単価業界への転職が最速。『異職種は準備が必要だが営業経験者は有利』。『マネジメント志向ならスタートアップが狙い目』。自分のゴール像を明確にしてから動くことが転職成功を分けます。
年収アップを目指す営業転職で選ぶべき業界と職種
「同じ営業職のまま年収を上げたい」場合、業界選びが最も重要です。SQiL Career Agentのデータ(2025年最新)によると、高年収の営業職には「単価の高さ・インセンティブの設計・無形商材かどうか」という共通点があります。
年収アップを狙える業界と年収水準の目安
以下は年収アップを狙える主な業界と、現実的な年収水準の目安です。「年収1,000万円超え」という数字は実在しますが、業界ごとに達成難易度と離職率が大きく異なります。
| 業界・職種 | 年収目安 | 難易度 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| M&A仲介営業 | 1,000〜2,500万円以上(20代で達成例あり) | 非常に高い | SQiL調査で「20代で2,000万円超えも珍しくない」一方、離職率も高い。成果が出るまでの期間の精神的・経済的負担が大きい |
| 外資系保険(生保) | 500〜1,500万円(インセンティブ次第) | 高い | 友人・知人ネットワークが尽きると急激に成約が減るケースがある。継続率管理が重要 |
| SaaS・IT法人営業 | 500〜1,000万円以上 | 中〜高 | 市場価値が高く将来性がある。年収だけでなくスキルの蓄積量も大きい |
| 人材業界(人材紹介) | 400〜800万円(インセンティブで上振れ) | 中(未経験可) | 入社3年で年収600〜800万円の事例多数(SQiL調査)。未経験から始めやすい |
| 投資用不動産営業 | 600〜1,500万円(成果次第で青天井) | 中〜高 | テレアポ・飛び込みが多い職種あり。離職率が高い企業も存在するため実態確認が必要 |
| 医療機器・製薬MR | 500〜800万円 | 中〜高(専門知識が必要) | 安定性が高く残業も比較的少ない。ただし知識習得に時間がかかる |
「年収1,000万円超え」を最短で達成できるのはM&A仲介・投資用不動産だが、離職率と初期の辛さも業界随一です。「高年収×高難度×高離職」というトレードオフを理解した上で選ぶことが重要です。一方でSaaS・IT系法人営業は「年収×スキルの蓄積×将来の市場価値」のバランスが最も取れています。
3年後の市場価値から逆算した業界選びの考え方
「今の年収をいくら上げられるか」だけで転職先を選ぶと、3年後に「また転職したい」という状況になりやすいです。「今の年収アップ額」ではなく「3年後にどのスキルが手元に残るか」を軸に業界を選ぶことが、長期的なキャリアアップには重要です。
3年後の市場価値が高い業界と低い業界の違い
3年間その業界で営業を続けた後、転職市場でどう評価されるかという観点で選ぶと、業界選びの基準が変わります。
| 業界 | 3年後に残るスキル | 次のキャリア選択肢 |
|---|---|---|
| SaaS・IT法人営業 | 課題解決型提案力・IT知識・データ活用・ストック型ビジネスの理解 | コンサルタント・カスタマーサクセス・事業開発・起業と幅広い |
| M&A仲介 | 財務分析・M&A実務・経営者との折衝力 | PE(プライベートエクイティ)・戦略コンサル・起業・事業承継コンサル |
| 人材紹介 | HR知識・候補者対応力・法人折衝力 | HR Tech企業・事業会社の採用部門・HR系コンサル |
| 投資用不動産 | 不動産知識・富裕層折衝・ファイナンシャルリテラシー | 同業他社・IFA・不動産AM(狭い) |
| 医療機器・製薬MR | 専門領域の医学知識・医師・薬剤師との折衝力 | 医療系コンサル・ヘルスケアスタートアップ(専門性が高く替えが効きにくい) |
異職種転換でキャリアアップする場合のおすすめ転職先
「営業職のまま年収を上げる」のではなく、「営業経験を活かして別職種でキャリアを広げたい」という場合の転職先は、前の記事「営業から転職」でも整理していますが、特にキャリアアップという観点で重要な職種をここでは整理します。
キャリアアップ観点で特におすすめの3職種
以下の3職種は、営業経験者が転職市場で「キャリアアップ転換」として高く評価されやすく、かつ3年後の選択肢を広げてくれる職種です。
- コンサルタント(ITコンサル・経営コンサル):年収600〜1,200万円以上。営業で培った「顧客課題の発見→提案→実行支援」のフローがそのままコンサルの業務フローと一致します。転職難易度は高いですが、「コンサル経験者」というブランドは次のキャリアで最も汎用性が高いスキルセットです
- カスタマーサクセス(CSM):年収450〜750万円。SaaS企業を中心に採用ニーズが急増しており、営業経験者が最も転換しやすい職種のひとつです。「継続率・活用率の向上」という成果指標が明確で、営業の「数字に向き合う力」がそのまま活きます
- 事業企画・事業開発:年収500〜900万円。営業の「市場感覚・顧客の課題理解・数値管理力」が企画職で直接評価されます。難易度は高めですが、マネジメント層への昇進が見えやすい職種です



営業からの異職種転換でキャリアアップするなら『コンサル・CS・事業企画』の3択。私の見方では、コンサルは『難易度高いが次のキャリアで最強ブランド』。CSは『転換しやすく、SaaS成長業界で3年後の選択肢が広がる』。事業企画は『市場感覚が活きて、経営層へのパスが見える』。どれを選ぶかで5年後のポジションが変わる。自分の『得意な部分を活かしたいか』『新領域で基礎から学びたいか』で判断することが重要です。
営業職のキャリアアップ転職で失敗しやすいパターン
キャリアアップを目的とした転職でも、準備不足や選び方の誤りで失敗するケースがあります。事前に把握しておくことで同じ失敗を避けられます。
「年収だけ」で転職先を選ぶ失敗
M&A仲介・投資用不動産・外資系保険は確かに高年収ですが、離職率の高さ・成果が出るまでの精神的・経済的負担・限られた転職先というトレードオフがあります。「年収だけ」で選んで1〜2年で辞めると、転職市場では「定着しない人材」という印象を与える懸念があります。年収と同時に「この業界で3年続けられるか」を判断基準に加えることが重要です。
転職時の「現職の実績の見せ方」が弱いケース
キャリアアップ転職で書類通過率が低い最大の原因は、「担当業務の羅列だけで、成果の数値が一切ない職務経歴書」です。「売上目標・達成率・前年比・顧客数・新規開拓件数」を数字で示さないと、採用担当者は「どれくらい優秀な営業だったか」を判断できません。特にキャリアアップ転職では、現職での「実績の高さ」が転職先の年収レンジの交渉材料になるため、数字の整理に時間をかけることが重要です。
「スキルの翻訳」をしないまま異職種に応募するケース
営業からコンサルタントや事業企画への転換を目指す場合、職務経歴書に「営業実績の数字」だけを並べても採用担当者には刺さりません。「この営業経験が、コンサルタントの業務のどの部分でどう再現されるか」という翻訳が職務経歴書に必要です。「顧客課題のヒアリング→解決策の提案→合意形成→実行支援」というプロセスをコンサルの言語で語れると、書類通過率が大きく上がります。



営業のキャリアアップ転職失敗は『年収だけで選ぶ→定着しない』『実績の数値化忘れ』『スキル未翻訳』の3パターン。私の支援経験で見ると『高年収企業で1年退職』は転職市場で非常に不利。年収と『3年続けられるか』を同時に判断する必要がある。そして『営業実績を数字で示す』『その経験が異職種でどう活きるか翻訳する』この2点で書類通過率が劇的に変わります。小手先じゃなく準備が全てです。
営業転職キャリアアップに役立つエージェントの選び方
キャリアアップを目的とした営業転職では、「現職の実績を最大限に評価してくれる業界・企業への転職実績があるエージェント」を選ぶことが重要です。年収交渉の代行・非公開求人へのアクセス・スキルの翻訳を含む職務経歴書の添削が、キャリアアップ転職の成功率を大きく左右します。以下の3社はキャリアアップを目指す営業職の転職支援実績が豊富です。
リクルートエージェント
業界最大手で非公開求人へのアクセスが豊富です。SaaS・IT・コンサル・人材業界など幅広い業界への営業キャリアアップ転職実績があります。年収交渉の代行まで一貫してサポートしてもらえます。キャリアアップ転職をスタートする際の最初の登録先として最適です。
マスメディアン
マーケティング・デジタル・SaaS・法人営業領域に特化した転職エージェントです。営業職からカスタマーサクセス・マーケティング・事業企画への異職種転換を目指す方に特に有効で、スキルの翻訳を含む職務経歴書の添削対応が強みです。
マーキャリNEXT CAREER
ハイクラス・SaaS・コンサルへの転職に強みを持つエージェントです。年収600万円以上のポジションへのキャリアアップを目指す営業経験者に向いており、M&A仲介・コンサルタント・外資系営業などの高年収求人へのアクセスと年収交渉のサポートが評価されています。
まとめ:営業職のキャリアアップ転職を成功させる3つの手順
営業職のキャリアアップ転職を成功させる鍵は、「今の年収アップ額」ではなく『3年後の市場価値』を軸に転職先を選ぶことです。M&A仲介・投資用不動産のような超高年収業界は魅力的ですが、離職率と初期の負担を理解した上で選ぶ必要があります。SaaS・IT系法人営業は「年収×スキル蓄積×将来の選択肢」のバランスが最も優れており、キャリアアップ転職の入り口として有力です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 手順1(今週中) | 「年収アップ・スキルアップ・役職アップ」の3パターンのどれを目指すかを決める。「今の年収をいくら上げたいか」と同時に「3年後にどのスキルが手元に残っているか」を判断軸に加える |
| 手順2(1〜2週間以内) | 現職の「売上目標・達成率・顧客数・前年比」を数値化した職務経歴書を作成する。異職種転換の場合はスキルの翻訳(営業経験を応募職種の言語に変換)を職務経歴書に追加する |
| 手順3(並行して) | リクルートエージェント・マーキャリNEXT CAREERなどキャリアアップ転職に強いエージェントへ登録し、現職の実績の評価と年収交渉のサポートを受けながら非公開求人にアクセスする |
本記事が、営業職のキャリアアップ転職を検討されている方の参考になれば幸いです。











