- IT営業の転職先は、商材と企業タイプで大きく分かれる。
- 平均年収は商材によって約460万〜600万円と差がある。
- 経験者は技術営業・ITコンサルなどへ広げやすい。
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IT営業の転職先の全体像と商材別の違い

IT営業の転職先は、扱う商材と企業のタイプの2つで整理すると選びやすくなります。同じ「IT営業」でも、ハードウェアを売る仕事とSaaSを売る仕事では、顧客の層も営業のやり方も別物です。
まずは商材別に、どんな転職先があり、どんな営業スタイルになるのかを押さえておきましょう。
商材別の主な転職先
IT営業の求人は、売る商材によって大きく5つほどに分かれます。それぞれ、営業の進め方や求められる知識が違います。
| 商材タイプ | 主な転職先の例 | 営業の特徴 |
|---|---|---|
| ハードウェア | ITメーカー、機器ベンダー | 既存顧客との関係維持と、更新時の提案が中心 |
| SIer(システム開発) | 大手SIer、中堅SIer | 顧客の課題を聞き取り、開発案件として提案する課題解決型 |
| SaaS・クラウド | SaaSベンダー、クラウド事業者 | サブスクリプション型で、新規開拓から導入後の継続まで担当 |
| セキュリティ・AI | セキュリティ企業、AIソリューション企業 | 技術理解が深く求められ、専門性が武器になる |
| 受託開発・Web系 | 受託開発会社、Web制作会社 | 案件ごとの見積もりと要件の擦り合わせが中心 |
ギークリーのIT営業解説でも、ハードウェア営業、SIer営業、クラウド(SaaS)営業、AIソリューション営業などに分けて紹介されています。転職先を探すときは、まず「どの商材を売りたいか」から決めると、求人の絞り込みが進みます。
企業タイプ別の特徴
商材とは別の切り口として、企業のタイプでも働き方は変わります。ギークリーの解説では、IT営業の転職先として大手、ITメーカー、SIer、SaaSベンダー、スタートアップ、コンサルティングファームが挙げられています。
- 大手企業(NEC、富士通、日立製作所、NTTデータなど)は、研修や福利厚生が整っており、大型案件に関われる
- SaaSベンダー(マネーフォワード、freee、Sansanなど)は、分業が進み、インサイドセールスや営業の型が確立している
- スタートアップ(SmartHR、カケハシ、RevCommなど)は、営業にとどまらずマーケティングやカスタマーサクセスまで担当する場面が多い
- コンサルティングファーム(アクセンチュア、デロイト トーマツ、PwCコンサルティングなど)は、提案力と業界知識が問われる
企業名はギークリーの解説に掲載された例で、採用状況は時期によって変わります。この4タイプに共通するのは、入社後に任される範囲の広さが企業ごとに大きく違うという点です。
未経験で入りやすい転職先の見極め方
マイナビエージェントの解説では、IT営業は未経験からチャレンジしやすい職種とされています。ただし、どの企業でも未経験者を歓迎しているわけではありません。
未経験者の採用に積極的かどうかは、商材の成長性と、入社後の研修の有無で判断できます。求人票に「未経験歓迎」とあっても、研修内容が書かれていない場合は、面接で教育体制を確認しておくと安心です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起IT営業は「商材で別の仕事」と考えたほうが失敗しません。転職先を探すとき、最初に商材を決めてから企業を見ると、求人の比較が一気にやりやすくなります。
企業名から探し始めると、商材の違いが見えづらくなります。気になる企業が見つかっても、まず「何を売る仕事か」を求人票で確認してから比較すると、ミスマッチを減らせます。
未経験からIT営業へ転職する場合の転職先


未経験からIT営業を目指す場合、狙い目は未経験採用に積極的な分野です。営業経験があれば、IT知識が浅くても評価されやすい傾向があります。
ここでは、未経験者が入りやすい分野、評価される経験、学んでおきたい資格の3点を整理します。
未経験採用に積極的な分野
マイナビエージェントの解説では、IT営業は前職で営業経験がある人ならその経験を活かせる職種とされています。さらに、20代前半はポテンシャル採用が狙いやすく、20代後半からは経験やスキルも重視されるとしています。
分野としては、成長が続くSaaS・クラウド、セキュリティ、AI関連が候補になります。これらは新しい商材が次々に出てくるため、業界経験の長さよりも学ぶ姿勢が評価されやすい分野です。
評価される経験とスキル
未経験でも評価されるのは、ITの知識そのものよりも、顧客の話を聞いて課題を整理する力です。IT営業は顧客と技術担当者の橋渡し役を担うため、ヒアリング力と説明力が土台になります。
- 前職の営業実績(目標達成率、新規開拓数、継続率などを数字で示す)
- 顧客の課題を聞き出し、提案書にまとめた経験
- 社内の他部署と連携して案件を進めた経験
- IT用語や新しい製品を自分で学んだ経験
4つに共通するのは、数字と具体例で語れることです。職務経歴書に実績を書くときは、役割と成果をセットで載せておくと伝わりやすくなります。
取得しておきたい資格
IT営業に資格は必須ではありません。ただ、マイナビエージェントの解説では、未経験者はITパスポートや基本情報技術者試験を取得すると有利になるとされています。
ITパスポートはIPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、IT全般の基礎知識を問われます。基本情報技術者試験は、その一段上の位置づけです。資格そのものより、IT業界への本気度を示す材料として面接で効きます。



資格は「持っているだけ」では決め手になりません。なぜその資格を取ったのか、学んだ内容を営業にどう活かすのかまで話せると、面接官に伝わります。
応募してから勉強を始めるより、応募前にITパスポートの学習を始めておくほうが、志望動機に説得力が出ます。学習中の状況でも、面接で話せる材料になります。
IT営業の転職先別の年収目安


IT営業の年収は、商材によって水準が変わります。転職先を選ぶときは、年収の高さだけでなく、その年収がどんな仕組みで決まるかまで見ておくと判断を誤りません。
商材別の平均年収
ギークリーの解説に掲載された平均年収を、商材別に並べると次のとおりです。
| 商材・営業タイプ | 平均年収の目安 |
|---|---|
| クラウドサービス(SaaS)営業 | 約600万円 |
| パッケージ営業 | 約600万円 |
| IoT系AIソリューション活用営業 | 約600万円 |
| Web系AIソリューション営業 | 約580万円 |
| ハードウェア営業 | 約500万円 |
| ITクラウドサービス営業(IaaS・PaaS・BaaS) | 約500万円 |
| オンプレミス受託開発営業 | 約480万円 |
| SIer営業 | 約460万円 |
| 受託開発営業(モバイル・Webアプリ・先端技術) | 約460万円 |
最も高い約600万円と最も低い約460万円を比べると、同じIT営業でも約140万円の差があります。転職先を選ぶ段階で、商材による年収の天井がすでに違う点は押さえておきたいところです。
年収が伸びやすい転職先の条件
年収が伸びやすいのは、成長している商材を扱い、成果が報酬に反映される仕組みがある企業です。外資系では、基本給に加えて業績に応じたインセンティブが支給される形が一般的とされています。
- 成長分野の商材(SaaS、AI、セキュリティなど)を扱っている
- インセンティブや評価制度の内訳が求人票に明記されている
- 昇給の基準が、営業成績とスキルの両面で示されている
固定給とインセンティブの比率は、求人票で必ず確認したい項目です。年収の上限が高く見えても、成果が出なかった年の下振れ幅が大きい場合があります。
額面と手取りの違い
求人票の年収は額面で、実際に受け取る手取りは税金や社会保険料が引かれた金額です。年収の見え方に引っ張られず、生活費とのバランスで判断する視点が欠かせません。
提示された年収は、固定給とインセンティブに分けて確認し、固定給だけで生活が成り立つかを試算しておきましょう。固定給の水準は安定性の指標になります。



年収の数字は、商材と報酬体系をセットで見ないと比較できません。同じ600万円でも、固定給中心なのか、成果連動が大きいのかで働き方は大きく変わります。
求人票の「想定年収」は、成果が出た場合の金額であることがあります。面接では「固定給の部分はいくらか」「インセンティブの支給実績はどのくらいか」を確認してください。
IT営業経験者のキャリアアップ転職先


IT営業の経験者は、現在の営業職を続ける以外にも、転職先を広げやすい立場にあります。顧客対応と技術理解の両方を経験している点が、他職種からも評価されます。
専門性を高める転職先
営業の専門性を高める道としては、技術営業(セールスエンジニア)とインサイドセールスがあります。ギークリーの解説でも、専門性を高める選択肢として挙げられています。
技術営業は、顧客への技術的な説明や導入支援まで担う職種です。英語力に加えて、クラウド、データベース、ネットワークの知見があれば、外資系の求人も視野に入ります。
コンサルタントやマネジメントへの転職先
営業現場で経験を積んだあとは、ITコンサルタントやアナリスト、営業マネジャーへ進む道もあります。マイナビエージェントの解説でも、IT営業は将来的にITコンサルタントを目指せる職種とされています。
コンサルタントを目指す場合は、高い技術力や資格でスキルを証明しておくと有利です。マネジメント職は現場経験を積んでから目指すと、市場価値が上がりやすいとされています。
人事・マーケティングなど社内異動の選択肢
IT営業から、人事やマーケティングなどのバックオフィスへ進む道もあります。ギークリーの解説では、専門知識があると社内異動で評価されやすいとされています。
営業で身につけた顧客理解や提案力は、マーケティングで直接活きます。転職せずに異動で職種を変えられる会社かどうかも、入社前に確認しておきたい点です。



IT営業の経験は、営業職以外でも通用する強みになります。ただ、どの方向に進むかで必要な準備は変わるので、先に目指す方向を決めてから動くことをおすすめします。
どの転職先に進む場合でも、現職の実績を数字で整理しておくことが前提になります。売上、新規獲得数、継続率などを、日頃から記録しておくと職務経歴書が書きやすくなります。
IT営業の転職先を選ぶ3つの判断軸


求人が多いと、条件の比較だけで迷ってしまいます。ここでは、IT営業の転職先を選ぶときに使える3つの判断軸を紹介します。
どの軸も、求人票や面接で確認できる内容に落とし込んでいるため、そのまま応募前のチェックに使えます。
商材の寿命と将来性
1つ目の軸は、商材の寿命です。市場が伸びている商材なら営業の機会が増えますが、成熟した商材では新規開拓が難しくなります。
マイナビエージェントの解説では、AIやIoT、5G、DXなどのトレンドを押さえておくことが面接対策になるとされています。商材がどのトレンドに乗っているかを説明できると、企業研究の深さも伝わります。
営業スタイルとの相性
2つ目の軸は、営業の型です。新規開拓が中心か、既存顧客のフォローが中心か、インサイドセールスのように非対面で進めるかで、日々の動き方が変わります。
- 新規開拓型は、成果が数字に出やすく、インセンティブも大きい傾向がある
- 既存顧客型は、関係構築が中心で、安定して働きやすい
- インサイドセールス型は、電話やオンラインが中心で、分業が進んでいる
自分の強みが「開拓力」なのか「関係構築力」なのかを先に決めておくと、企業ごとの営業の型と照らし合わせて選べます。
求人票で確認したい項目
3つ目の軸は、求人票に書かれた情報の質です。研修や評価の仕組みが具体的に書かれているかは、入社後の働きやすさに直結します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 研修制度 | IT基礎や商材知識の研修期間と内容が書かれているか |
| 評価制度 | 固定給とインセンティブの比率、評価の基準が明示されているか |
| 営業の型 | 新規開拓、既存フォロー、インサイドセールスのどれが中心か |
| 商材 | 扱う商材の種類と、今後の展開が説明されているか |
この4項目が揃っている求人は、入社後のイメージを持ちやすい求人です。記載が少ない場合は、面接で質問して確認しておくとよいでしょう。



3つの軸は、全部を満たす会社を探す必要はありません。自分が一番譲れない軸を1つ決めておくと、迷ったときの判断がぶれません。
商材、営業スタイル、求人票の情報のうち、自分が譲れない軸を1つ決めてから応募先を探しましょう。軸が決まっていると、面接での質問も具体的になります。
IT営業の転職先の探し方と志望動機のまとめ方


転職先の候補が絞れたら、実際に探して応募する段階に入ります。IT営業の転職では、情報収集の手段と志望動機の作り込みが結果を左右します。
転職エージェントを活用した探し方
IT営業の求人は商材ごとに採用条件が違うため、IT業界に詳しい転職エージェントを使うと情報が集めやすくなります。マイナビエージェントの解説でも、専任のキャリアアドバイザーによる書類や面接の対策が利用できるとされています。
エージェントには、希望する商材や年収の条件に加えて、譲れない軸も伝えておきましょう。条件を具体的に伝えるほど、紹介される求人の精度が上がります。
志望動機で伝えたいポイント
志望動機で最も重視されるのは、なぜIT業界、あるいはその商材を選ぶのかという理由です。マイナビエージェントの解説でも、異業種から転職する場合は「なぜIT業界を目指すのか」を盛り込むことが大切とされています。
- IT営業を選んだ理由(前職での経験や気づきと結びつける)
- その商材と企業を選んだ理由(事業内容や強みを調べた内容)
- 入社後に活かせる強み(数字で示せる実績)
3つを一本の話としてつなげると、説得力のある志望動機になります。応募先ごとに、2つ目の内容は必ず書き換えてください。
面接で聞かれやすい質問
面接では、志望動機のほかに、前職の実績や営業での工夫、IT知識の学習状況がよく聞かれます。未経験者は、これまでにどのように学んできたかを具体的に答えられるよう準備しておきましょう。
経験者は、扱った商材名や顧客規模、達成した数字をあらかじめ整理しておくと答えやすくなります。回答は結論から先に話し、根拠となる数字を添えることを意識すると、面接官に伝わりやすくなります。



転職エージェントは、自分に合う商材を見つける壁打ち相手としても使えます。複数のエージェントに相談して、紹介される求人の傾向を比べてみてください。
エージェントごとに得意な商材や企業の規模が違います。2〜3社に登録して紹介される求人を比べると、自分に合う転職先の傾向が見えてきます。
IT営業の転職先に関するよくある質問
IT営業の転職先を探す方から多く寄せられる質問に、順番にお答えします。
文系出身でもIT営業に転職できますか?
文系出身でも、IT営業に転職できます。IT営業に求められるのは、顧客の課題を聞き取る力や提案力であり、特定の学部の知識ではないためです。マイナビエージェントの解説でも、IT営業は未経験からチャレンジしやすい職種とされています。入社後にITの基礎を学べる研修がある企業を選び、ITパスポートなどの資格学習を応募前に進めておくと、より採用につながりやすくなります。
IT営業の転職先として安定しているのはどこですか?
一般に、安定性を重視するなら大手のITメーカーやSIerが候補になります。研修や福利厚生が整っているため、未経験者でも学びながら働きやすい環境です。一方で、成長性や裁量を重視するなら、SaaSベンダーやスタートアップが向いています。安定を取るか、成長の機会を取るかで選ぶ先は変わるため、自分が重視する軸を先に決めておきましょう。年収の高さだけで決めず、固定給の比率や評価制度も合わせて確認してください。
IT営業とセールスエンジニアの違いは何ですか?
IT営業は、顧客への提案から契約までを担う職種です。セールスエンジニア(技術営業)は、営業に同行して技術的な説明やデモ、導入支援を担当します。IT営業の経験を積んだあとに、技術面を深めてセールスエンジニアに進む道があります。クラウドやデータベース、ネットワークの知見を高めるほど選択肢が広がり、外資系の求人にも応募しやすくなります。営業と技術のどちらに強みがあるかで、目指す職種を選ぶとよいでしょう。
調べても分からない点は、面接や面談の場で直接質問して構いません。研修や評価制度について具体的に質問する姿勢は、入社意欲の表れとして好意的に受け取られます。
まとめ
IT営業の転職先は、商材と企業のタイプで選ぶのが基本です。同じIT営業でも、平均年収は商材によって約460万円から約600万円まで差があるため、年収の仕組みまで確認して比べる必要があります。
未経験の方は、SaaS・クラウドやセキュリティなど採用に積極的な分野から探し、ITパスポートなどの学習を応募前に始めておくと安心です。経験者の方は、技術営業やITコンサルタントなどへ進む道もあります。
転職先の判断軸は、商材の寿命、営業スタイルとの相性、求人票の情報の3つです。迷ったときは、IT業界に詳しい転職エージェントに相談して、自分に合う転職先を一緒に整理してみてください。
出典・参考情報
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FOCUS AGENT:東田 尚起


株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。









