「派遣営業はきついと聞くが具体的に何が大変なのか知りたい」「派遣会社の営業に転職を考えているが自分に向いているか判断できない」「今の派遣営業がつらくて、業界を変えるべきか職種を変えるべきか迷っている」。こうした疑問を持つ方は多くいます。
アゲルキャリアの解説によると、派遣営業がきつい理由はノルマの厳しさ・クレーム対応での板挟み・達成感の得にくさ・休みの取りにくさ・労働時間に対する給料の低さという5つに集約されるとされています。他の営業職と根本的に違うのは、扱う商材が「人」であることです。この記事では、派遣営業がきつい理由・商材が人であることの特殊な難しさ・向いている人の特徴・きつさへの対処法まで解説します。
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攻めキャリエージェント:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
派遣営業がきつい5つの理由
アゲルキャリアの解説をもとに、派遣営業特有のきつさを整理します。営業職全般のきつさに加えて、人材業界ならではの負担がある点を理解しておくことが重要です。
他社との差別化が難しくノルマ達成が厳しい
アゲルキャリアの解説によると、派遣スタッフの需要は年々高まっている一方、この業界では他社との差別化が難しいため顧客の奪い合いが次第に激しくなっており、営業にはノルマが設定されている場合も多く、これを達成するのが大変とされています。専門的なスキルを持つ派遣スタッフを一から教育するよりも効率的に確保できるという需要側のメリットが、そのまま供給側の競争の激しさにつながっています。
派遣スタッフと派遣先企業の両方からクレームを受ける
アゲルキャリアの解説によると、トラブルが起きた場合自社のスタッフと相手企業双方のクレームに対応しなければならず、スタッフからは派遣先企業の待遇が悪いといった不満、相手企業からはスタッフのミスが多いといった不満が寄せられ、両者の板挟みになるケースが多くストレスも溜まりがちとされています。ひとキャリの解説でも「クライアントや求職者との調整、社内の業績プレッシャー、競合他社との競争など様々なストレス要因が存在する」とされており、この板挟み構造が精神的な消耗の中心になっています。
仕事の成果が目に見える形で残りにくい
アゲルキャリアの解説によると、一般企業ではプロジェクトが成功すると目に見える成果があがったり自分の仕事が形として残ったりすることが多いが、派遣会社は人と人をつなぐ仕事のため仕事が終わったからといって何か形に残るわけではなく、営業にやりがいや達成感を得にくいという人も多いとされています。数字としての契約実績は残っても、モノづくりのような手触り感のある達成感を求める人には物足りなさを感じやすい仕事です。
派遣先の営業日に合わせるため休みが取りにくい
アゲルキャリアの解説によると、スタッフがトラブルを起こしたときにはその対応のために出勤しなければならず、自分の会社と相手企業の休業日が同じとは限らないため、相手企業が自社の休業日に営業していた場合は休業日でも出勤しなければならないとされています。誰がどこでトラブルを起こすかは予測不可能なため、休みの日でも常に気を張っていなければならず、精神的にも悪影響が及びやすいとされています。
業界の利益率が低く労働時間に見合わない給料になりやすい
アゲルキャリアの解説によると、日本人材派遣協会のデータでは会社全体の利益のうちスタッフの賃金と保険料のみで全体利益の約80パーセントを占めており、会社の利益率は1.2から1.6パーセントほどで、ほかの業種に比べると非常に低いとされています。この業界構造そのものが、残業時間や休日出勤の割には給料が上がりにくいという結果を生んでいます。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起派遣営業のきつさは、「商品」が意思を持つ人間である点と、薄利多売の構造にありますね。板挟みの調整や休日対応の割に実入りが少ないのは、業界の構造的限界です。ただ、不確実性の高い「人」を動かし、労働市場を回す泥臭い調整力は、他業界でも通用する最強の汎用スキルと言えます。
扱う商材が人であることの特殊な難しさ
5つの理由に加えて、派遣営業が他の営業職と決定的に違うのは、扱う商材が「人」であるという点です。この特殊性を理解しておくことが、派遣営業のきつさの本質をつかむ鍵になります。
キャリアアクションの解説によると、無断欠勤や契約満了前に突然やめてしまう派遣スタッフも多いので、フォローして回るのが大変とされています。すべらない転職の解説でも「派遣の人も簡単に辞めてしまい、そのたび取引先から怒られることもあった」という実体験が紹介されています。モノやサービスであれば納品すれば完結しますが、派遣した人材が予告なく現場に来なくなる、突然辞めるといった事態は、営業本人にコントロールできない部分で信用問題に直結します。テンプスタッフの現場社員の声でも「派遣個別契約書の締結など、何かトラブルが起きてしまった場合はこの契約書が基準となるため、内容を間違うわけにはいかないという緊張感を常に持っている」とされており、書類ひとつのミスが許されない緊張感も、商材が人であることに由来する特有の負荷です。
新規開拓営業と既存営業できつさが違う
派遣営業は「新規開拓営業」と「既存営業」に分かれており、この2つはきつさの質が大きく異なります。すべらない転職の解説によると、この中で離職率が高いのは新規開拓営業で、信頼ゼロから顧客を増やしていかないといけないことに加え、ノルマ達成に対するストレスやプレッシャーに耐えられなくなってしまうとされています。まったく取引がない会社への電話でのアポ取りや訪問から始め、取引先企業が求める人数分の派遣スタッフを紹介していく新規開拓営業は、営業の中でも1番ハードとされており、それだけ離職者も多いとされています。同じ派遣営業でも、既存の取引先を担当する既存営業であればこの負荷はやや軽減されます。
派遣営業に向いていない人の特徴
キャリアアドバイザーAgentの解説をもとに、派遣営業でつまずきやすい人の傾向を整理します。
- 慎重すぎて自分から動けない人 新規開拓のための飛び込み営業や積極的な提案が求められるため、行動力がないと営業活動がうまくいかないとされています
- ストレス耐性が低い人 派遣スタッフや派遣先企業の担当者から相談やクレームを受けたり、ノルマがきつく感じたりする場面が多いとされています
- 人と接すること自体が苦手な人 日常的に多くの人と接する仕事のため、対話そのものが苦手な人には向いていないとされています
- 約束を守るのが苦手な人 遅刻をする、言ったことを忘れるといった行動は信用を失いやすく、派遣スタッフと顧客企業双方との信頼関係構築に支障をきたすとされています
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起派遣営業は「人」という不確実な存在を扱うため、フットワークの軽さと高い対人スキルが必須ですね。この仕事で求められるのは、単なる誠実さ以上に、予想外のトラブルを楽しめるほどの図太さと、泥臭い関係構築をいとわない圧倒的な行動量です。受動的な姿勢では心が折れやすい職種と言えます。
派遣営業に向いている人の特徴とやりがい
きつさがある一方で、派遣営業ならではのやりがいを感じている人も多くいます。アゲルキャリアの解説によると、派遣会社の営業は人と人をつなげる仕事であり、人間関係に気を使わなければならない反面、人から感謝される場面はほかの職業よりも多く、案件が1つ成功すれば相手企業とスタッフのどちらからも感謝されるとされています。人に感謝されるのがうれしい、人のために頑張ることが好きという人には向いている仕事です。またキャリアアクションの解説では「さまざまな業界の会社とやりとりを行い役員と話す機会もあるので人脈が広がり、法人営業経験が今後の転職やキャリアパスに活かせる」ともされています。
派遣営業がきつい場合の対処法
現在派遣営業でつらさを感じている方向けに、退職を決断する前に試せる考え方を整理します。
業界の問題か職種の問題かを切り分ける
アゲルキャリアの解説によると、自分の仕事の成果が目に見える方がいい、結果を何か形として残したいという人には派遣会社という業界が向いていないのかもしれず、人と接するのが苦手で人間関係でストレスが溜まりやすい人には営業という職種が向いていないとされています。「派遣という業界が合わないのか」「営業という職種が合わないのか」を切り分けることが、次に取るべき行動を正しく選ぶ第一歩になります。
営業を続けたいなら業界を変える選択肢がある
アゲルキャリアの解説によると、派遣会社に問題があって営業職を辞めたくない方は違う業界の営業職を探してみると良いとされています。すべらない転職の解説でも「人材派遣の営業を経験している人はコミュニケーション能力や提案能力、顧客折衝能力などが評価されるので、その後の転職先も比較的決まりやすい」とされており、派遣営業で培った経験は他業界の営業職でも評価されやすい強みになります。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起派遣営業の経験は、過酷な調整業務を生き抜いた証として他業界から高く評価されますね。きつさを感じたら、まずは問題が「人」を扱う業界構造にあるのか、それとも「営業」そのものにあるのかを見極めるべきです。培った折衝力を強みに、より仕組みが整った環境へ戦略的に動く好機と言えます。
派遣営業から広がるキャリアパス
きつさを乗り越えて経験を積んだ先に、どのようなキャリアが描けるのかを知っておくことも、続けるか転職するかを判断する材料になります。
キャリアアドバイザーAgentの解説によると、一般的なキャリアパスとしてまず挙げられるのが、営業職としての実務経験を積みマネージャーとなることで、マネージャー職では自分自身が取引先を持つ以外に部下の管理や教育なども担い、責任は大きくなる分給料アップも見込めるとされています。派遣営業を突き詰めたいという人には、この道が向いています。
一方で、派遣営業で積んだ法人営業経験を他の業種に活かすキャリアパスも可能とされています(キャリアアドバイザーAgent調べ)。営業だけでなく人事や健康保険などの法律領域の事柄に触れる機会もあるため、多業種の企業と接する中で得た知識を活かして社会保険労務士などの資格取得を目指す人もいます。歩合制を採用している企業であれば、頑張り次第で高額報酬を目指すことも可能で、すべらない転職の解説では「やり方次第では1,000万円プレーヤーも夢ではない」ともされています。
転職エージェントの選び方
派遣営業からの転職を考える場合、人材業界の実態に詳しいエージェントへの相談が有効です。以下の3社は人材・法人営業のキャリア相談に強みを持っています。
リクルートエージェント
業界最大手で法人営業の求人が多く、人材業界内での転職から異業種の法人営業への転換まで幅広く比較検討できます。非公開求人へのアクセスと書類添削・面接対策まで一貫したサポートが受けられます。
マスメディアン
マーケティング・デジタル・SaaS・法人営業領域に特化した転職エージェントです。派遣営業で培った折衝力・提案力をマーケティングやSaaS営業へ活かしたい方に有効です。
マーキャリNEXT CAREER
SaaS法人営業のハイクラス転職に強みを持つエージェントです。派遣営業の法人折衝経験を武器に、SaaS企業のフィールドセールスやカスタマーサクセスへキャリアアップしたい方に向いています。
まとめ
派遣営業のきつさは、ノルマの厳しさ・スタッフと派遣先の板挟み・達成感の得にくさ・休みの取りにくさ・業界構造による給料の低さという5つの要因に加えて、扱う商材が人であるという根本的な特殊性から生まれています。新規開拓営業と既存営業でも負荷の質が異なるため、自分がどちらを担当しているかによっても感じ方が変わります。
きつさを感じたときは、まず「業界の問題か職種の問題か」を切り分けることが重要です。人と人をつなぐ仕事だからこそ味わえる感謝や達成感もあり、法人営業として培った経験は他業界への転職でも評価されやすい強みになります。まずは自分が感じているきつさの原因を整理し、業界に詳しいエージェントに相談しながら、自分に合う環境を見極めることをおすすめします。
本記事が、派遣営業のきつさと向き合っている方の参考になれば幸いです。

