戸田建設の平均年収は1,038万円です(2026年3月期 有価証券報告書)。平均年齢は44.27歳、平均勤続年数は18.35年となっています。
国内の給与所得者の平均給与は478万円、正社員に限っても545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。戸田建設の水準はその約1.9倍から2.2倍にあたります。
ただし1,038万円はあくまで全社平均です。施工管理職と事務系、管理職と非管理職では年収に大きな差が生まれており、年代によっても中身は大きく変わります。この記事では有価証券報告書の数字を起点に、年代別・職種別の実態と、準大手ゼネコンという立ち位置で年収を上げる道筋を整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起戸田建設は病院や学校、文化施設など公共性の高い建物に強みを持つ準大手ゼネコンです。スーパーゼネコンと単純に比べるのではなく、同じ準大手の会社と並べて見ると実態がつかみやすくなりますよ。
戸田建設の平均年収は1,038万円|有価証券報告書の最新データ


戸田建設の直近の平均年収は1,038万円です(2026年3月期 有価証券報告書、平均年齢44.27歳、平均勤続年数18.35年、従業員4,404名)。経年の数字はIR BANK 戸田建設 平均年収の推移にまとまっています。
有価証券報告書の平均年間給与は、賞与と基準外賃金を含み、単体の従業員だけを対象にした金額です。連結の従業員数は4,404名よりさらに多く、グループ会社の社員は含まれません。求人票の年収と比べるときは、どの範囲の数字かを先に確認しておくと判断を誤りません。
まず5年分の推移から、この1,038万円がどの位置にある数字なのかを確認します。
直近5年の平均年収推移
戸田建設の平均年収は、2022年3月期から2026年3月期までの5年間で162万円増えています。ただし単調に伸びたわけではなく、2023年3月期にいったん落ち込んでいます。
| 決算期 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 876万円 | 44.6歳 | 4,175名 |
| 2023年3月期 | 835万円 | 44.1歳 | 4,215名 |
| 2024年3月期 | 841万円 | 44.1歳 | 4,231名 |
| 2025年3月期 | 941万円 | 44.6歳 | 4,315名 |
| 2026年3月期 | 1,038万円 | 44.27歳 | 4,404名 |
出典はIR BANK 戸田建設 平均年収の推移(有価証券報告書の記載値を集計)です。
2025年3月期から2026年3月期にかけて97万円という大きな伸びが見られます。従業員数も着実に増えており、採用を広げながら給与水準も引き上げている局面といえます。
平均年収が前年から97万円増えた理由
戸田建設は2025年に「中期経営計画2027」を策定し、建築・土木事業の垂直展開と、戦略事業との水平展開を掲げています(EDINETDB 戸田建設 中期経営計画)。
事業構成を見ると、建築が54.7%、土木が19.3%を占める一方、海外グループ会社10.2%、環境エネルギー事業0.5%と、再生可能エネルギーなど新規事業の比率も伸び始めています。
2026年の稼働開始を目指す浮体式の洋上風力発電事業など、脱炭素分野への投資も進んでいます。建設需要の回復と新規事業の立ち上がりが重なり、業績連動の賞与が押し上げられたと見るのが妥当です。
従業員数も2025年3月期の4,315名から2026年3月期の4,404名へ89名増えています。採用を広げながら平均年収が上がっているため、単に若手が増えて数字が薄まったわけではありません。
戸田建設の企業情報とゼネコンとしての強み


戸田建設は1881年創業、東京都中央区京橋に本社を置く東証プライム上場の準大手総合建設会社です。資本金は230億円で、病院や学校、文化施設など公共性の高い建物の施工に強みを持っています。
無借金経営を続ける財務健全性の高さも特徴の一つで、業界内でも安定した会社として知られています。官公庁関連の案件が多く、景気変動の影響を受けにくい事業基盤を持っています。
この財務の安定感が年収の下振れを抑える要因にもなっています。景気後退時でも急激な賞与カットが起きにくい点は、長く働くうえでの安心材料になります。
有価証券報告書の1,038万円は戸田建設単体の従業員が対象です。連結ベースにはグループ会社の社員は含まれず、各社の給与水準で決まります。求人票の提示年収を見るときは、どの範囲の数字と比べているのかを先に確認しておくと判断を誤りません。
戸田建設の年代別・年収推移


戸田建設は役職とグレードの上昇に比例して年収が伸びる給与体系です。20代は主任昇格前の水準にとどまりますが、30代以降に差がつき始めます。
20代・30代の年収
20代は目安で450万円前後です。新卒の初任給は月給22.8万円程度(学部卒、諸手当別)で、入社数年は全国平均に近い水準からのスタートになります。
30代になると主任や係長級への昇格が始まり、年収は700万円台まで伸びる社員が増えてきます。現場の責任範囲が広がる時期で、資格手当や役職手当の有無が年収差に直結します。
40代・50代の年収
40代以降は課長や所長級への昇格が進み、年収1,000万円を超える社員が中心的な層になってきます。50代ではさらに幅が広がり、部長級やそれに準じる役職者は平均を大きく上回ります。
口コミサイトの集計でも、50代の年収は988万円という数字が報告されています(34人の投稿ベース、キャリコネ 戸田建設の年収・評判)。全社平均の1,038万円に近い水準まで積み上がっていることがわかります。
額面年収と手取りの差
年収600万円の手取りは目安で460万円から480万円程度です。社会保険料と税金の負担は年収が上がるほど増えるため、1,000万円を超えると手取りは額面の7割前後まで下がる点を踏まえておく必要があります。
賞与の比率が高い給与体系では、月々の手取りだけを見ると物足りなく感じる時期もあります。年間を通した総支給額で比較することが大切です。
年代別の年収は個人の評価や配属によって幅があります。同じ30代でも現場所長を任されている社員と、担当者レベルの社員では差が出やすいため、あくまで目安として参考にしてください。



ゼネコンは資格手当の種類が多い業界です。一級建築士や施工管理技士などの資格を取得すると、基本給とは別に手当が積み上がっていくので、早い段階での資格取得が年収アップの近道になりますよ。
戸田建設の職種別・グレード別の年収の違い


戸田建設の年収は職種によって構造が異なります。全社平均の1,038万円は総合職の平均値に近く、職種ごとの実態を見ないと自分に当てはまるかどうか判断できません。
施工管理(現場監督)職の年収傾向
施工管理職は現場に出る時間が長く、現場手当や出張時の諸手当が実質的な上乗せになります。繁忙期は残業が発生しやすい一方、手当を含めた年収は職種の中でも高めに出る傾向があります。
資格手当も厚く、一級建築施工管理技士や一級土木施工管理技士を取得すると、基本給に加えて月数万円単位の手当が積み上がります。
設計・技術職の年収傾向
設計職や技術研究職は専門性が重視される分野です。一級建築士などの資格取得者には資格手当が支給され、経験年数とともに裁量の大きいポジションを任されるようになります。
現場手当が付きにくい分、基本給とボーナスの比重が高いのが特徴です。プロジェクトの規模によって評価が変わりやすい側面もあります。
管理職とグレード制度の関係
戸田建設は等級制度に基づいて昇格し、グレードが上がるごとに基本給と役職手当が段階的に増えていく仕組みです。管理職になると裁量労働制が適用され、時間外手当の扱いが変わります。
評価は成果と役割の達成度で決まるため、同じグレードでも評価次第で年収に差がつきます。管理職以上は賞与の変動幅も非管理職より大きくなる傾向があります。
全社平均の比較は入口としては有効ですが、施工管理同士、設計職同士で比べないと判断を誤ります。求人サイトで年収を確認する際も、募集職種とグレードをそろえて比較することをおすすめします。
戸田建設の年収を準大手ゼネコン3社と比較
戸田建設は準大手ゼネコンに分類される会社です。大林組や清水建設などのスーパーゼネコンと比べるより、規模の近い同業他社と並べたほうが実態に近い比較ができます。
西松建設の年収


西松建設の平均年収は1,062万円です(2026年3月期、平均年齢43.8歳、平均勤続年数18.9年、従業員3,442名、決算スピード分析 西松建設の平均年収推移)。戸田建設より24万円高い水準です。
東急建設の年収


東急建設の平均年収は1,028万円です(2026年3月期、平均年齢43.5歳、平均勤続年数18.0年、従業員2,562名、決算スピード分析 東急建設の平均年収推移)。戸田建設とほぼ同水準です。
五洋建設の年収


五洋建設の平均年収は936万円です(2026年3月期、平均年齢41.3歳、平均勤続年数16.7年、従業員3,991名、決算スピード分析 五洋建設の平均年収推移)。海洋土木に強みを持つ会社で、平均年齢が若いことが平均年収にも影響しています。
4社をまとめると、戸田建設の年収水準は準大手ゼネコンの中でも上位に位置しています。
| 会社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 戸田建設 | 1,038万円 | 44.27歳 | 18.35年 |
| 西松建設 | 1,062万円 | 43.8歳 | 18.9年 |
| 東急建設 | 1,028万円 | 43.5歳 | 18.0年 |
| 五洋建設 | 936万円 | 41.3歳 | 16.7年 |
4社とも2025年3月期から2026年3月期にかけて年収が大きく伸びている点が共通しています。建設業界全体で人手不足と資材価格の上昇が続き、賃上げ競争が起きていることがうかがえます。
ゼネコン各社は3月期決算が多いものの、発表のタイミングによって最新データの年度がずれることがあります。比較するときは決算期が同じ年度かどうかを必ず確認してください。
戸田建設の年収はゼネコン業界内でどのレベルか
準大手ゼネコンの中では高水準の戸田建設も、スーパーゼネコン4社(大林組・清水建設・鹿島建設・大成建設)と比べると差があるのが実情です。スーパーゼネコンの平均年収はおおむね1,100万円から1,300万円台で推移しており、戸田建設の1,038万円はその一段下に位置します。
大手ゼネコンとの年収差
差が生まれる主因は手がける案件の規模です。スーパーゼネコンは超高層ビルや大規模インフラなど単価の大きい案件を手がけることが多く、一件あたりの利益率も高くなりやすい構造があります。
戸田建設は病院や学校など公共性の高い中規模案件を得意とする会社です。安定した受注が強みである一方、超大型案件の比率はスーパーゼネコンより低くなります。
年収差が生まれる構造的な理由
従業員数の違いも影響します。戸田建設の単体従業員数は4,404名で、スーパーゼネコン各社の1万名規模と比べるとコンパクトです。一人当たりの売上効率が年収の原資に直結するため、規模の差がそのまま年収差として表れやすくなっています。
一方で戸田建設は無借金経営を続ける財務の健全さがあり、業績が落ち込んだ年でも急激な賞与カットが起きにくい傾向があります。安定を重視するなら、規模の差を補う材料になります。
年収だけを見るとスーパーゼネコンに分がありますが、案件規模が大きいほど激務になりやすい面もあります。年収と働き方のバランスをどちらで取るかを軸に比較すると選びやすくなります。
戸田建設の年収に関する口コミ・評判
口コミサイトの集計では、戸田建設の平均年収は492万円です(正社員34人の投稿ベース、平均年齢28.5歳、キャリコネ 戸田建設の年収・評判)。
有価証券報告書の1,038万円との差は546万円と大きく開いています。回答者の平均年齢が28.5歳と若手中心であることが、この差の主因と考えられます。
年代別の口コミ集計では20代432万円、30代662万円、50代988万円という数字が出ています。50代になると有価証券報告書の全社平均に近づいており、年功とともに差が縮まる構造がうかがえます。
給与制度に対する社員の評価
口コミでは賞与の業績連動性が高いという指摘が複数あります。業績がよい年はしっかり還元される一方、受注状況によって賞与額が変動しやすい点は理解しておく必要があります。
資格手当の制度は評価が高く、施工管理技士や建築士などの資格取得を後押しする風土があるとされています。
残業・激務と年収のバランス
口コミ集計では月平均残業時間が30.8時間、有給消化率は45%です(キャリコネ調べ)。建設業界の中では突出して激務というわけではないが、現場の繁忙期には残業が増えやすいという声が目立ちます。
残業代は別途支給される運用のため、繁忙期の残業がそのまま年収に反映される面もあります。ただし健康面とのバランスは個人の裁量に委ねられる部分が大きく、働き方への満足度は配属先の現場によって差が出やすいようです。
口コミサイトの数字は投稿者の年齢層や職種に偏りが出やすいという前提があります。平均年収だけでなく、投稿者の属性もあわせて確認すると実態に近づきやすくなります。



口コミサイトの数字は、有価証券報告書と前提が違うので単純比較はできません。投稿者が若手中心なのか、どの職種が多いのかを見たうえで、自分に近い条件の口コミを探すのがコツです。
戸田建設で年収を上げる方法


戸田建設で年収を上げる道は大きく3つあります。社内でグレードを上げる、成長中の新規事業に関わるポジションへ異動する、外部へ転職するという選択です。
社内での昇格と資格手当の活用
もっとも堅実な方法は社内でのグレード昇格です。一級建築士や施工管理技士などの資格を取得すると資格手当が積み上がるため、早い段階での資格取得が年収アップの土台になります。
評価制度は成果と役割の達成度に基づくため、担当する案件の規模や難易度を広げていくことも昇格の近道になります。
海外事業・再エネ事業への異動
中期経営計画2027では海外グループ会社や環境エネルギー事業の拡大が掲げられています。浮体式洋上風力発電など新規事業に関わるポジションは、今後ポストが増える可能性がある分野です。
新規事業は裁量が大きく評価されやすい一方、立ち上げ期特有の負荷もあります。希望する場合は社内公募や人事面談で意思表示をしておくとチャンスをつかみやすくなります。
転職によるキャリアアップ
社内での昇格に時間がかかる場合、同業他社やデベロッパーへの転職でキャリアアップを図るという選択肢もあります。施工管理の経験者は業界内での需要が高く、好条件での転職がしやすい職種です。
転職エージェントを使えば、公開されていない非公開求人や、年収交渉の相場観を教えてもらえます。在籍しながら情報収集だけ進めることも可能です。
今の年収に不満がなくても、市場価値を定期的に確認しておくことはキャリアの選択肢を広げます。転職エージェントへの登録は無料なので、まずは自分の経験がどう評価されるかを確認するところから始めてみてください。



戸田建設のように財務が安定した会社に長く勤めるのも一つの選択ですし、資格と経験を武器に外へ出るのも一つの選択です。どちらが正解ということはないので、自分の優先順位をはっきりさせてから動くのがおすすめですよ。
戸田建設の年収に関するよくある質問
ここまでの内容と重なる部分もありますが、検索されやすい質問を改めて整理します。
戸田建設の初任給はいくらですか
学部卒の初任給は月給22.8万円程度です(諸手当別)。大学院卒や高専卒など学歴区分によって金額は異なり、入社後は資格取得や配属によって手当が加算されていきます。
戸田建設の残業時間はどれくらいですか
口コミ集計では月平均30.8時間という数字が報告されています。現場の繁忙期は残業が増えやすい一方、残業代は別途支給される運用のため、年収への反映はあります。
戸田建設の平均年収は今後も上がりますか
建設業界全体で人手不足と資材価格の上昇が続いており、賃上げの流れはしばらく続くと見られます。中期経営計画で掲げる新規事業が軌道に乗れば、業績連動の賞与にもプラスに働く可能性があります。
平均年収は有価証券報告書が公開されるたびに更新されます。転職や将来設計の判断材料にする場合は、必ず最新の決算期の数字を確認する習慣をつけておくと安心です。
まとめ
戸田建設の平均年収は1,038万円で、全国平均の約2倍、準大手ゼネコンの中でも上位の水準です。ただしこの数字は全社平均であり、年代・職種・グレードによって実態は大きく異なります。
20代は450万円前後からのスタートですが、30代以降に昇格が進み、40代以降は1,000万円を超える層が中心になります。施工管理職は現場手当が厚く、設計・技術職は資格手当と基本給の比重が高いという違いもあります。
西松建設や東急建設といった同規模の準大手ゼネコンと比べても遜色のない水準にあり、無借金経営による財務の安定感も戸田建設ならではの強みです。一方でスーパーゼネコンとの年収差は残っており、規模の違いが背景にあります。
社内での昇格を目指すのか、新規事業への異動を狙うのか、あるいは転職で市場価値を試すのか。いずれの道を選ぶにしても、まずは自分の現在地を正確に把握することが年収アップの第一歩になります。









