図書館司書はやめとけ?言われる理由と年収・将来性、向いている人を解説

図書館司書はやめとけと言われる理由のアイキャッチ

図書館司書は、本や資料の分類・貸出、調べもの相談(レファレンス)、読書イベントの企画などを担う専門職です。本好きに人気のある資格ですが、就職情報サイトや口コミでは「図書館司書はやめとけ」という声も見かけます。

この記事では、図書館司書が「やめとけ」と言われる具体的な理由を、公的な調査データや求人情報とあわせて整理します。向いている人の特徴や、それでも目指す場合に押さえておきたい対策もあわせて解説します。資格取得を検討している人はもちろん、すでに司書として働いていて今後のキャリアに迷っている人にも参考になる内容です。

この記事のポイント
  • 公共図書館の正規職員は少なく、会計年度任用職員など非正規雇用が中心の構造
  • 日本図書館協会の調査では会計年度任用職員の平均月収は正規職員の約半分とされる
  • 司書資格は試験ではなく大学の科目履修や司書講習で取得できる
解説者

FOCUS AGENT:東田 尚起

FOCUS AGENT なおき

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。

自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。

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図書館司書がやめとけと言われる理由

図書館司書が「やめとけ」と言われる背景には、非正規中心の雇用構造・低賃金・正規採用の狭き門・仕事内容への誤解という4つの要因が重なっています。資格そのものの取りやすさとは対照的に、働く環境面での厳しさが指摘されやすい職種です。

ここでは、公共図書館の雇用の実態、待遇面の具体的なデータ、正規職員になる難しさ、世間のイメージと実務とのギャップという4つの角度から理由を整理します。

図書館司書がやめとけと言われる理由

会計年度任用職員など非正規中心の雇用構造

公共図書館で働く職員の多くは、会計年度任用職員と呼ばれる1年ごとの契約更新が前提の非正規雇用です。コウキによるコラムでは、日本図書館協会(JLA)の調査結果として、公共図書館の職員の4割以上、学校図書館では9割近くが会計年度任用職員として雇われていると紹介されています。

東洋経済オンラインの取材では、ある公立図書館で会計年度任用職員として働く女性の月の手取りが約9万8000円だったという実例も報じられています。資格を取得しても、正規職員として採用されなければ雇用の不安定さがついて回りやすい構造です。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

司書という仕事に憧れて資格を取る人は多いですが、採用される先の雇用形態まで調べている人は意外と少ないものです。求人を見るときは「正規」か「会計年度任用職員」かを必ず確認しましょう。

正規職員との待遇差が大きい

日本図書館協会が2023年に実施した調査によると、会計年度任用職員の平均月収はフルタイム勤務で約17万3000円、正規職員の平均は約31万9000円とされ、両者の差は14万円を超えています。司書資格の有無や実務経験の長さが給与に反映されにくい雇用形態であることがうかがえます。

現代ビジネスが取り上げた大学図書館の事例でも、業務委託の契約社員として働く司書の時給は900円から1200円程度で、賞与・昇給がほとんどないケースが紹介されています。資格を持っていても時給が変わらない運用になっている職場もあるとされ、待遇面の厳しさが「やめとけ」という声につながっていると考えられます。

雇用形態月収の目安
正規職員(地方公務員)約31万9000円(JLA2023年調査の平均)
会計年度任用職員(フルタイム)約17万3000円(JLA2023年調査の平均)
民間委託・契約社員(時給制の例)時給900円〜1200円程度(取材事例)

正規職員への採用が狭き門

公立図書館の正規職員は地方公務員にあたるため、各自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。司書の正規採用は毎年一斉に行われるわけではなく、欠員が出たタイミングで若干名を補充する形が中心のため、募集そのものが少ないのが実情です。

そのため、複数の自治体や国立国会図書館などを並行して受験し、何度か不合格を経験してから内定を得たという体験談も見られます。司書資格を持つ人は毎年一定数生まれる一方、正規職員としての採用枠は限られており、資格取得と安定した就職が直結しない点が「やめとけ」と言われる大きな理由の一つです。

  • 正規採用の募集人数が少なく、欠員補充型が中心
  • 試験は一般教養に加えて司書の専門知識も問われる
  • 複数自治体・複数回の受験が前提になりやすい
  • 非正規から正規登用枠で採用される例もあるが数は限られる

このように、資格を取ること自体の難易度よりも、正規職員として採用されるまでの道のりの長さが課題として挙げられます。

「カウンター業務だけ」という世間のイメージとのギャップ

現代ビジネスの記事では、司書の仕事が「カウンターに座っているだけで暇そう」と見られがちな一方、実際には資料の選定・分類、レファレンス対応、読書イベントの企画、情報検索の指導など専門性の高い業務を幅広く担っていると指摘されています。

貸出・返却のカウンター業務は仕事の一部にすぎず、利用者からの調べもの相談に答えるレファレンスサービスや、学生・地域住民向けの講座運営なども司書の重要な役割です。業務量の多さと専門性が正しく評価されにくいことへのもどかしさも、現場で働く司書が感じやすい負担として語られています。

採用試験に挑むタイミングを逃さないようにするためには、志望する自治体の広報誌や採用ページだけでなく、国立国会図書館や都道府県立図書館など複数の採用元を同時に調べておくことも有効です。募集時期は自治体ごとにばらつきがあるため、年間を通じて情報収集を続ける姿勢が欠かせません。

ワンポイントアドバイス
求人票の雇用形態を必ず確認する

「司書」という職種名だけでなく、正規職員か会計年度任用職員かを求人票でしっかり確認すると、入社後の収入イメージのズレを防げます。

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