株式会社ゼンショーホールディングスの平均年収は、2025年3月期の有価証券報告書によると816万7千円です。ただしこれは持株会社単体の数字で、実際に「すき家」の店舗運営を担う子会社の社員の年収とは大きな差があります。
本記事では、有価証券報告書の公式データと、口コミサイトに寄せられた社員の実感値を突き合わせながら、ゼンショーホールディングスとすき家の年収の違い、職種別・年代別の実態を整理します。日本マクドナルドホールディングスや吉野家ホールディングスとの比較、年収を上げるための具体的な選択肢もあわせて解説します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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ゼンショーホールディングスの平均年収は816万円|有価証券報告書の最新データを解説
株式会社ゼンショーホールディングスの平均年収は816万7千円です(2025年3月期有価証券報告書)。平均年齢は40.1歳、平均勤続年数は9.1年、従業員数は852人となっています。
有価証券報告書に記載される平均年間給与は、賞与や各種手当を含んだ金額で、上場企業に開示が義務づけられている一次情報です。まず基準として押さえておきたい数字ですが、この852人という従業員数の少なさには理由があります。
ゼンショーホールディングスは2011年10月に純粋持株会社体制へ移行しており、852人の大半は経営管理や事業統括を担う本部人材です。全国の「すき家」「なか卯」「ココス」などの店舗で働く社員は、それぞれ別法人であるすき家やなか卯などの事業会社に所属しています。
平均年収の推移|右肩上がりの成長カーブ
ゼンショーホールディングスの平均年収は、2016年3月期589万円、2017年3月期596万円、2018年3月期605万円、2019年3月期610万円、2020年3月期619万円と推移し、直近の2025年3月期には816万円まで伸びています。
国内外食チェーンの再編や海外事業の拡大にともない、持株会社に集約された経営管理人材の待遇が着実に引き上げられてきたことがうかがえます。この5年あまりで200万円近く上昇している点は、外食業界の中でも珍しい伸び方です。
この数字だけを見て「ゼンショーは年収816万円」と判断するのは早計です。次に、なぜこの数字と現場の実感にギャップが生まれるのかを見ていきましょう。
平均年齢40.1歳・従業員852人が意味すること
平均年齢40.1歳、従業員852人という数字は、ゼンショーホールディングスが外食の現場を持たない管理部門中心の組織であることを示しています。新卒や若手社員が数多く在籍する店舗運営会社とは、人員構成そのものが異なります。
口コミサイトの集計では、ゼンショーホールディングスグループの回答者ベース平均年収は530万円程度(223人の回答)という数字も見られます。これは有報の852人よりも幅広い層(店舗運営会社からの出向者や過去在籍者を含む可能性がある)を含んだ集計と考えられ、数字の性質が異なる点に注意が必要です。
有価証券報告書の平均年収は、その法人に実際に籍を置く社員だけの数字です。ゼンショーのようにグループ経営の場合、対象法人が「持株会社」なのか「店舗運営の事業会社」なのかで数字の意味がまったく変わります。
ゼンショーホールディングスとすき家の年収差が生まれる理由

「ゼンショーホールディングス 年収」で検索する人の多くがイメージする店舗の仕事は、実はゼンショーホールディングスではなく株式会社すき家という別法人の仕事です。すき家の平均年収は口コミベースで395万円程度とされ、ゼンショーホールディングスの816万円とは420万円以上の開きがあります。
この差は不正確な数字ではなく、持株会社体制という組織構造そのものに起因します。まずこの仕組みを理解しておくと、求人票や口コミの年収を読み解きやすくなります。
持株会社体制の仕組み
ゼンショーは2011年10月に「株式会社ゼンショーホールディングス」を中核とした純粋持株会社体制へ移行しました。持株会社は自ら外食事業を行わず、すき家・なか卯・ココスなど各事業会社の株式を保有し、グループ全体の経営戦略・管理を担う立場です。
この体制移行にともない、旧ゼンショーが行っていた牛丼事業は、事業会社である「株式会社すき家」に承継されました。さらに2014年には地域に根ざした店舗経営を進めるため、すき家は北日本すき家・関東すき家・東京すき家・中部すき家・関西すき家などの地域会社に分社化されています。
すき家は非上場の完全子会社
株式会社すき家は非上場で、ゼンショーホールディングスが全株式を保有する完全子会社です。有価証券報告書の開示義務がある上場企業のゼンショーホールディングスと異なり、すき家単体の平均年収は公式には開示されておらず、口コミサイトの集計値が実態把握の主な手がかりになります。
エン・ジャパンの集計では、すき家の平均年収は395万円(正社員20人の回答、平均年齢33.2歳)、年収範囲は250万円から850万円と報告されています。外食業界平均とされる429万円前後と比べると、やや下回る水準といえます。
「ゼンショー」「すき家」の求人は、応募先が持株会社(ゼンショーホールディングス)なのか、すき家などの事業会社なのかで年収水準が大きく変わります。募集要項の会社名を必ず確認しましょう。
- ゼンショーホールディングス(持株会社)は816万円(2025年3月期有報、852人)
- すき家(店舗運営の事業会社)は395万円程度(口コミ集計、非公開)
- 日本マクドナルドホールディングス(同じ持株会社体制)は1,293万円(2025年12月期有報)
この3社の数字を並べると、同じ外食大手でも持株会社か店舗運営会社かによって年収水準が大きく異なることが一目で分かります。転職や求人検討の際は「どの法人に応募しているか」を必ず確認することが重要です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起求人票に「ゼンショーグループ」とだけ書かれている場合、実際の所属法人を面接や内定通知書で必ず確認しましょう。同じグループでも法人によって給与テーブルがまったく異なります。
ゼンショーグループの職種別・グレード別の年収の違い

すき家の年収は、同じ会社の中でも職種によって差があります。口コミサイトの集計によると、専門サービス系が500万円程度である一方、営業系は363万円程度にとどまるなど、職種間で130万円以上の開きが見られます。
全社平均だけを見ていると、この職種間格差は見えてきません。自分が目指す職種の水準を具体的に確認しておくことが、入社後のギャップを防ぐポイントです。
職種別の年収水準
| 職種 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 専門サービス系(商品開発等) | 500万円程度 |
| 販売・サービス系(店舗運営) | 413万円程度 |
| 企画・事務・管理系 | 390万円程度 |
| 営業系(スーパーバイザー等含む) | 363万円程度 |
スーパーバイザー(SV)として複数店舗を巡回・指導する立場になると、一般の店舗スタッフより責任範囲が広がる分、評価によって年収に差が出やすい職種です。
店長・店長候補の年収目安
求人データベースの推定によると、店長候補(社員)の年収は498万円程度で全国平均を上回る一方、店長の年収は300万円程度という推定も見られます。数字だけを見ると逆転しているように映りますが、これは店舗規模や個人の経験、地域会社ごとの給与テーブルの違いによるばらつきが大きいためと考えられます。
深夜シフトを担当する社員は、入社1年目から月給と賞与年2回が保証され、年収ベースで300万円以上の水準になるとされています。深夜帯は時給も日中より高く設定されており、シフトの組み方次第で年収に差が生まれやすい仕組みです。
店舗運営職は基本給に加えて、深夜手当・店舗の売上連動賞与など変動要素が多いのが特徴です。求人票の年収レンジだけでなく、手当の内訳まで確認すると実態がつかみやすくなります。
ゼンショーホールディングスの年収は外食業界内でどのレベルか
ゼンショーホールディングスの816万円という数字は、外食業界の持株会社の中でも高い水準です。ただし同じ持株会社体制をとる日本マクドナルドホールディングスの平均年収は1,293万円(2025年12月期有報)とされており、ゼンショーホールディングスをさらに上回っています。
一方、吉野家ホールディングスの平均年収は725万円(2026年2月期有報)で、ゼンショーホールディングスの方がやや高い水準にあります。この比較はあくまで持株会社同士の数字である点に注意が必要です。
外食大手・持株会社同士の比較
| 企業(持株会社) | 平均年収 | 有報基準期 |
|---|---|---|
| 日本マクドナルドホールディングス | 1,293万円 | 2025年12月期 |
| ゼンショーホールディングス | 816万円 | 2025年3月期 |
| 吉野家ホールディングス | 725万円 | 2026年2月期 |
国内外食大手3社の持株会社を比べると、ゼンショーホールディングスは中間的な水準にあります。ただしいずれも、実際に店舗で働く社員の大半は別の事業会社に所属している点は共通しています。
日本の給与所得者平均との比較
国税庁の民間給与実態統計調査によると、日本の給与所得者の平均年収は459万円前後とされています。すき家の395万円程度という数字は、この平均をやや下回る水準ですが、初任給や若手層の割合が高い点を踏まえると、外食業界内では標準的な範囲に収まっているといえます。
外食業界は店舗数・従業員数が多く、若手の比率が高いため、全社平均だけを見ると年収が控えめに見えやすい業界です。年代別の伸びしろも合わせて確認すると実態がつかみやすくなります。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起外食業界は店舗数・従業員数が多く、若手の比率が高いため、全社平均だけを見ると年収が控えめに見えやすい業界です。年代別の伸びしろも合わせて確認するのがおすすめです。
ゼンショーグループの年代別・年収推移

ゼンショーグループの年収は、年代が上がるにつれて着実に上昇する傾向があります。口コミサイトの集計データをもとに整理すると、次のような水準感になります。
外食業界は年功的な評価と昇格試験による実力評価が組み合わさっており、じっくりキャリアを積み上げる働き方に向いています。
20代の年収
20代の平均年収は262万円程度とされています。店舗スタッフとして接客・調理・発注などの基礎業務を通じて、外食の実務を一通り経験する時期にあたります。
この時期にスーパーバイザーや本部への異動を視野に入れて実績を積めるかどうかが、その後の年収カーブに大きく影響してきます。
30代の年収
30代の平均年収は374万円程度とされています。店長やスーパーバイザーへの昇格が視野に入り、担当する店舗や地域の規模が広がっていく時期です。
後輩の指導やシフト管理を任される機会も増え、マネジメントの素養を身につけ始める時期でもあります。この時期の経験の積み方が、その後のエリアマネージャー候補としての評価にもつながります。
40代以降の年収
40代では454万円程度、50代では558万円程度、60代以降でも572万円程度の水準が維持されるとされています。エリアマネージャーや本部の管理職への昇格が、この年代の年収を大きく押し上げる要因になります。
店舗運営から本部機能へキャリアを移せるかどうかが、40代以降の年収の伸びに直結しやすい構造です。役職登用のタイミング次第で、同年代でも年収差が生まれやすい点は押さえておきたいところです。
年代別の数字はあくまで平均であり、配属店舗の規模や本部異動の有無によって個人差が生まれやすい点に注意しましょう。
ゼンショーホールディングスの年収に関する口コミ・評判
すき家の口コミサイトでは、賞与について「残業代や夜勤の給料込みで同年代よりもかなり多い」という声がある一方、「クレームの件数が賞与に直結していて給料的には安定しない」という指摘も見られます。有報の数字だけでは見えない、現場で働く社員のリアルな実感値を見ていきましょう。
3ヶ月に1回の試験によって昇格・昇給のチャンスが多く、実力主義で現場配属されると営業手当もつくため本社勤務よりも年収が高くなる傾向がある、という口コミも見られます。
口コミに見る評価の傾向
- 残業代・夜勤手当込みで同年代より多いという声がある一方、賞与はクレーム件数に連動し安定しないという指摘もある
- 3ヶ月に1回の昇格試験があり、実力主義で昇給のチャンスが多いとされる
- 現場配属で営業手当がつくと、本社勤務より年収が高くなるケースがあるとされる
- 深夜シフトは時給が高く、シフトの組み方次第で年収に差が出やすいとされる
この4つに共通するのは、固定給そのものより、手当や実力評価による変動部分の比重が大きいという点です。
額面と手取りの目安
年収395万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は目安でおよそ310万円から320万円程度になります。年収816万円クラスになると、手取りは目安で580万円から620万円程度と、額面との差がより大きくなる点にも注意が必要です。
賞与は会社業績やクレーム件数などに連動する部分があり、年によって変動します。額面の年収だけでなく、賞与の変動幅も含めて生活設計を考えることが大切です。
有報の平均年収は特定法人の社員だけの数字、口コミは投稿者の年齢層や職種に偏りが出やすいという特性があります。どちらか一方を鵜呑みにせず、両方を参考にしながら判断するのがおすすめです。
ゼンショーホールディングスで年収を上げる方法

ゼンショーグループで年収を上げる方法は、大きく分けて社内での昇格・キャリアアップと、経験を武器にした転職の2つの方向性があります。
ここでは、社内での評価軸と社外での市場価値という2つの視点から具体的に見ていきます。
社内での昇格試験・スーパーバイザー登用の活用
すき家では、3ヶ月に1回実施される試験に合格することが年収アップの近道とされています。店舗スタッフからスーパーバイザー、さらにエリアマネージャーへと役割を広げることで、営業手当を含めた年収の伸びが期待できます。
複数店舗の運営を任されるエリアマネージャーへの昇格は、年収の伸びに直結しやすいキャリアです。売上や原価の数字管理、スタッフマネジメントの実績を、日頃から意識的に積み重ねておくと評価されやすくなります。
本部異動・グループ会社への転籍という選択肢
店舗での実績を積んだうえで、商品開発やスーパーバイザー統括などの本部機能へ異動する、あるいは持株会社であるゼンショーホールディングスや海外事業を担うグループ会社へ社内公募等で移るという道もあります。
店舗運営の経験は、グループ内の様々な職種で評価される土台になります。まず自分がどの方向に進みたいかを整理することが、社内異動を実現する第一歩です。
転職によるキャリアアップという選択肢
外食業界での店舗運営・多店舗マネジメントの経験を武器に、より年収水準の高い他の外食大手やフランチャイズ本部、あるいは小売・サービス業界など異業種へ転職する道もあります。特に多店舗のマネジメント経験や、数字に基づく店舗改善の実績は、他業界の営業・マネジメント職でも評価されやすいポータブルスキルです。
社内での昇格と転職は、どちらか一方を選ぶものではなく、まず自分の市場価値を把握したうえで比較検討するのが賢明です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起外食の現場で培ったマネジメント経験や数字への感度は、想像以上に幅広い業界で評価されるものです。一度プロの視点で棚卸ししてみると、思わぬ選択肢が見えてくることもあります。
外食業界での経験を活かしてキャリアアップを目指す場合、実績豊富な転職エージェントに相談することで、自分では気づけなかった強みや、条件に合う求人を効率よく見つけられます。冒頭で紹介した転職エージェント診断や比較表もあわせて活用してみてください。
未経験からゼンショーグループへ転職する場合の年収目安
異業種から店舗運営職へ転職する場合、前職の経験によって初年度の年収は300万円から400万円程度のレンジに落ち着くケースが多いとされています。接客業や店舗管理の経験があれば、業界未経験でも十分に評価対象になります。
外食業界特有の繁忙期対応やシフト管理への理解を深めながら、着実に実績を積み重ねていくことが年収アップへの近道になります。
いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるのかを客観的に知ることから始めましょう。無料の相談サービスを使えば、費用をかけずに現在地を確認できます。
まとめ|ゼンショーホールディングスの年収を踏まえたキャリアの選び方
ゼンショーホールディングスの平均年収は2025年3月期の有価証券報告書で816万7千円と公表されていますが、これは持株会社単体の数字です。実際に店舗で働く社員の多くが所属するすき家の年収は、口コミベースで395万円程度とされ、両者には420万円以上の開きがあります。
職種別に見ると専門サービス系が500万円程度、営業系が363万円程度と職種間の差も大きく、年代別では20代262万円程度から60代以降572万円程度まで、緩やかな成長カーブを描いています。日本マクドナルドホールディングスや吉野家ホールディングスとの比較でも分かるように、数字だけを見て判断するのではなく、自分が応募する法人・職種の実態を具体的に確認することが大切です。
社内での昇格を目指すにせよ、転職によるキャリアアップを検討するにせよ、まずは自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩になります。今回紹介したエージェントも活用しながら、納得のいくキャリア選択につなげてください。

