三菱鉛筆の平均年収は、2025年12月期の有価証券報告書によると828万円です(正確には828万4256円)。「文房具メーカーだから年収は控えめ」というイメージを持つ人もいますが、実際は上場企業として有価証券報告書を開示しており、公式データをもとに実態を確認できます。
本記事では、有価証券報告書の公式データと、OpenWork・ONE CAREER等の口コミサイトに寄せられた社員の実感値を突き合わせながら、三菱鉛筆の年収の実態を年代別・職種別に整理します。コクヨ・パイロットコーポレーションなど同業他社との比較や、年収を上げるための具体的な選択肢もあわせて解説します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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三菱鉛筆の年収は828万円|有価証券報告書の最新データを解説
三菱鉛筆の平均年収は828万円です(2025年12月期有価証券報告書、正確には828万4256円)。平均年齢は40.9歳、従業員数は570名(単体)、平均勤続年数は17.7年となっています。
三菱鉛筆株式会社は「uni」「ユニボール」ブランドで知られる文房具メーカー最大手で、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード7976)。非上場の中小メーカーが多い文具業界の中で、有価証券報告書という一次情報をもとに年収を確認できる貴重な存在です。
この数字をベースに、過去の推移や年代別・職種別の実態を確認していきましょう。
平均年収の推移|緩やかな上昇傾向
三菱鉛筆の平均年収は、近年緩やかな上昇傾向にあります。文具業界は在宅需要やデジタル化の影響を受けやすい一方、三菱鉛筆は海外事業や化学製品事業(ダイヤモンド砥石等)への展開で収益基盤を分散させており、年収水準も比較的安定しているとされます。
「uni」「ユニボール ワン」などのブランド力を背景にした国内シェアと、海外売上比率の高さが、着実な業績と年収の下支えになっていると考えられます。
文具メーカーというと地味な印象を持たれがちですが、実際の年収水準は製造業の中でも上位に位置します。
平均年齢40.9歳・平均勤続17.7年からわかること
平均年齢40.9歳、平均勤続年数17.7年という数字は、長期雇用が定着している安定志向の企業であることを示しています。転職市場で若手を大量採用するタイプの企業ではなく、じっくり腰を据えて働きたい人に向いた環境だといえます。
従業員数570名(単体)、連結では2,871名という規模は、文具業界の中では大手クラスです。ペン・鉛筆といった筆記具事業に加え、化学品・新素材事業も展開しており、事業の幅広さが安定雇用につながっていると考えられます。
平均年収は全社員の単純平均のため、年齢構成によって毎年数字がぶれやすい点に注意しましょう。年代別・職種別のデータとあわせて見ることで、より実態に近い数字がつかめます。
三菱鉛筆の年代別・年収推移

三菱鉛筆の年収は年代が上がるにつれて着実に上昇する傾向にあります。有価証券報告書の平均年収は全年代の単純平均のため、口コミサイトの年代別データや同業界の給与カーブを踏まえて整理すると、次のような水準感になります。
文具業界は年功的な評価制度が残っている企業も多く、じっくりキャリアを積み上げていく働き方に向いています。
それでは、20代から順番に具体的な水準を確認していきましょう。数字の伸び方から、キャリアの見通しも立てやすくなります。
20代の年収
20代の平均年収は450万円前後とされています。ONE CAREERの口コミでは24歳以下で630万円という回答も見られますが、回答数が少なく偏りがある可能性が高いため、複数の口コミサイトの傾向を踏まえた保守的な水準として提示しています。
若手のうちは営業や研究開発補助、生産現場での基礎業務を通じて、商品知識や生産技術の土台を身につける時期にあたります。
地道な業務の積み重ねが、その後の評価にもつながっていく大切な時期です。焦らず基礎を固めることが、結果的に着実な成長につながります。
30代の年収
30代の平均年収は600万円台とされ、20代から大きく伸びる年代です。主任やチームリーダーへの昇格が視野に入り、担当領域や裁量が広がっていく時期でもあります。
後輩の指導を任される機会も増え、マネジメントの素養を身につけ始める時期でもあります。この時期の経験の積み方が、その後の管理職登用にも大きく影響してきます。
OpenWorkの職種別データでは、30代前後の企画・事務・管理系で660万円程度という報告もあり、職種によって伸び方にも差が出てきます。
40代以降の年収
40代の平均年収は750万円前後、50代以降では800万円台に達するケースもあるという水準です。管理職への昇格とともに、年収の伸び方は緩やかになっていく傾向にあります。
年代が上がるほど、特に20代から30代にかけての伸び幅が大きい点が特徴です。この時期の実績が、その後の管理職登用にもつながりやすいと考えられます。
年代別の数字はあくまで目安であり、配属部署や担当する事業(筆記具事業か化学品事業か等)によって個人差が生まれやすい点に注意しましょう。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起年代別のデータを見ると、三菱鉛筆は30代にかけて着実に年収が伸びる構造だとわかります。安定志向でキャリアを築きたい人には魅力的なポイントですね。
三菱鉛筆の職種別・グレード別の年収の違い

三菱鉛筆の平均年収828万円は全社員の平均値であり、実際は職種によって100万円以上の差が生じます。エン・ジャパンの口コミ集計をもとに整理すると、職種別の年収イメージは次のとおりです。
「文房具メーカーの年収」とひとくくりにされがちですが、実際は研究開発・生産技術系の専門職と、営業系の総合職とで水準が異なります。
平均年収の数字だけを見て入社後のギャップに驚かないよう、職種別の実態を押さえておきましょう。
| 職種 | 年収イメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| 研究開発・技術系 | 700万円台 | 新素材・筆記具の研究開発を担う専門職 |
| 生産技術・エンジニア | 750万円前後 | 電気・電子・機械系エンジニアは特に水準が高い傾向 |
| 企画・管理部門 | 650万円台 | 経営企画やSCM企画など事務系総合職 |
| 営業系 | 570万円台 | 国内外の販売代理店・小売との折衝が中心 |
職種によって年収が異なる主な理由は、専門性の高さと市場での希少性にあります。電気・電子・機械系のエンジニアや研究開発職は、他業界からも需要が高い専門スキルのため、相対的に高い水準になりやすいと考えられます。
総合職と専門職の違い
三菱鉛筆は総合職・専門職という区分に加え、事業領域が筆記具事業と化学品事業(ダイヤモンド砥石・電子部品向け新素材等)に分かれているのが特徴です。化学品事業の技術職は、文具メーカーというイメージとは異なる高度な専門性が求められ、年収水準も相応に高くなる傾向があります。
入社後にどちらの事業に配属されるかによって、求められるスキルセットも年収の伸び方も変わってくる点は押さえておきたいポイントです。
管理職・グレード別の水準
口コミサイトでは、管理職クラスで年収1,000万円から1,200万円程度という報告も見られます。ただし「昇進は年功序列が主流で、初任給が高い分昇給の伸びは緩やか」という声もあり、若手のうちの伸び幅は大きくない可能性がある点は正直に伝えておきます。
賞与が業績にあまり左右されず安定して支給される傾向がある一方、基本給の昇給ペースは他業種の成長企業と比べて緩やかという声もあります。賞与を含めた年収の絶対水準と、昇給スピードは分けて考える必要があります。
職種別の年収は口コミサイトの回答者数が限られるため、幅を持って捉えるのがおすすめです。応募する職種の求人票に記載された想定年収レンジも、あわせて確認しましょう。
三菱鉛筆の年収は業界内でどのレベルか
三菱鉛筆の平均年収828万円は、文具・オフィス用品業界の中でも高水準に位置します。日本の給与所得者の平均(国税庁調査で460万円前後)と比べても、大きく上回っています。
文具業界は企業規模によって年収水準の差が大きいため、同業他社との具体的な数字の比較が実態把握の近道です。
三菱鉛筆がどのような立ち位置にあるのか、コクヨ・パイロットコーポレーションという2大競合と比較しながら見ていきましょう。
| 企業名 | 平均年収(有価証券報告書) | 証券コード | 主なブランド |
|---|---|---|---|
| 三菱鉛筆 | 828万円(2025年12月期) | 7976 | uni、ユニボール |
| コクヨ | 782万円(2024年12月期) | 7984 | コクヨ、キャンパスノート |
| パイロットコーポレーション | 753万円(2025年12月期) | 7846 | パイロット、フリクション |
3社を比較すると、三菱鉛筆はコクヨ・パイロットコーポレーションを上回る水準にあることがわかります。文具御三家と呼ばれる3社の中でも、三菱鉛筆は平均勤続年数の長さと合わせて、安定した処遇を提供している企業と位置づけられます。
コクヨとの違い
コクヨは文具に加えオフィス家具・什器事業を持つ総合オフィス用品メーカーで、事業の幅広さでは三菱鉛筆を上回ります。一方、平均年収では三菱鉛筆がやや上回っており、筆記具・化学品という専門領域に特化した事業構造が、収益性の高さに寄与している可能性があります。
パイロットコーポレーションとの違い
パイロットコーポレーションは「フリクション」シリーズなど筆記具事業に強みを持つ点で三菱鉛筆と事業領域が近い競合です。平均年収では三菱鉛筆がやや上回りますが、両社とも海外売上比率が高く、グローバル展開力が年収水準を支えている点は共通しています。
平均年収だけでなく、平均年齢や平均勤続年数もあわせて比較すると、企業ごとの給与カーブの違いが見えてきます。若い会社ほど平均年収が低く出やすい点にも注意しましょう。
三菱鉛筆の年収に関する口コミ・評判
有価証券報告書の828万円という数字に対し、OpenWorkでの口コミベースの平均年収は627万円程度(平均年齢37.8歳)、ONE CAREERでは685万円と、公式データよりやや低い水準になっています。
文具・雑貨・スポーツ用品業界の中では給与ランキング上位とされ、給与水準への評価はおおむね良好です。
この差が生まれる理由を理解しておくことで、数字だけに振り回されずに実態を判断できるようになります。具体的な口コミの内容を、次の項目で見ていきましょう。
OpenWorkに見る給与への満足度
OpenWorkでの回答者の平均年収は627万円(300万円から1,000万円のレンジ)、業界内では給与水準が上位に位置するとされています。「賞与が業績にあまり左右されず高い」「基本給は同規模の他メーカーと同程度」といった声が見られます。
- 賞与は業績連動が小さく、安定して支給される傾向がある
- 基本給の昇給は年功序列的で、緩やかとされる
- 月間の残業時間は平均27.7時間程度とされる
- 有給休暇の消化率は56.4%程度とされる
この4つに共通するのは、基本給の伸びよりも賞与の安定感が評価されているという点です。
額面と手取りの目安
年収828万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は目安でおよそ600万円から630万円程度になります。文具業界は生活必需品に近い需要があるため、景気変動の影響を受けにくく、賞与の変動幅も他業界と比べて小さい傾向にあります。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起有報の数字と口コミの数字に差があるときは、回答者の年齢層や職種の偏りも意識してみると実態がつかみやすくなります。
有報の平均年収は全社員の単純平均、口コミは投稿者の年齢層に偏りが出やすいという特性があります。どちらか一方を鵜呑みにせず、両方を参考にしながら判断するのがおすすめです。
三菱鉛筆で年収を上げる方法

三菱鉛筆で年収を上げる方法は、大きく分けて社内でのキャリアアップと、経験を武器にした転職の2つの方向性があります。
ここでは、社内での評価軸と社外での市場価値という2つの視点から具体的に見ていきます。
どちらか一方に偏るのではなく、両方の視点を持っておくことが結果的に選択肢を広げることにつながります。
社内での昇進・評価制度の活用
三菱鉛筆は年功序列的な評価制度が残っているとされ、着実に実績を積み重ねることが昇進への近道になります。特に化学品事業や生産技術系の専門知識を深めることは、社内でも希少性の高い人材としての評価につながりやすいと考えられます。
新製品開発や海外事業への関与実績を積み重ねることも、安定した評価につながる重要な要素です。
管理職への昇格は年収の伸びに直結しやすいポジションです。日々の業務での成果を数字として残しておくことが、評価のタイミングで有利に働きやすくなります。
転職によるキャリアアップという選択肢
文具・化学品業界での営業経験や技術知識を武器に、より年収水準の高い大手メーカーや、専門性を評価してくれる異業種へ転職する道もあります。特に生産技術・研究開発の経験は、他業界の製造業でも評価されやすいポータブルスキルです。
社内での昇進と転職は、どちらか一方を選ぶものではなく、まず自分の市場価値を把握したうえで比較検討するのが賢明です。
いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるのかを客観的に知ることから始めましょう。無料の相談サービスを使えば、費用をかけずに現在地を確認できます。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起文具メーカーでの技術知識や営業経験は、想像以上に幅広い業界で評価されるものです。一度プロの視点で棚卸ししてみると、思わぬ選択肢が見えてくることもあります。
三菱鉛筆での経験を活かしてキャリアアップを目指す場合、実績豊富な転職エージェントに相談することで、自分では気づけなかった強みや、条件に合う求人を効率よく見つけられます。冒頭で紹介した転職エージェント診断や比較表もあわせて活用してみてください。
未経験からメーカーへ転職する場合の年収目安
異業種から文具・化学品メーカーの営業職や企画職へ転職する場合、前職の経験によって初年度の年収は450万円から600万円程度のレンジに落ち着くケースが多いとされています。法人営業や生産管理の経験があれば、業界未経験でも十分に評価対象になります。
文具業界特有の商慣習や季節変動(新学期需要など)への理解を深めながら、着実に実績を積み重ねていくことが年収アップへの近道になります。
前職での成功体験をどう文具・化学品業界に応用できるかを、面接で具体的に語れるように準備しておくことも大切です。
まとめ|三菱鉛筆の年収を踏まえたキャリアの選び方
三菱鉛筆の平均年収は2025年12月期の有価証券報告書で828万円と公表されており、文具業界の中でも高水準にあります。OpenWorkの口コミでは627万円程度、ONE CAREERでは685万円という実感値も報告されていますが、いずれも業界平均を上回る水準です。
職種別に見ると研究開発・生産技術系で700万円台後半、営業系で570万円台と、100万円以上の開きがあります。年代別には20代で450万円前後、50代以降には800万円台に達するケースもあり、緩やかな成長カーブを描いています。コクヨ・パイロットコーポレーションという同業2社と比べても、三菱鉛筆は上位の水準にあることが確認できました。
数字だけを見て判断するのではなく、有報の公式データと口コミの実感値の両方を踏まえたうえで、自分のキャリアプランと照らし合わせることが大切です。社内での昇進を目指すにせよ、転職によるキャリアアップを検討するにせよ、まずは自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩になります。今回紹介したエージェントも活用しながら、納得のいくキャリア選択につなげてください。

