西日本シティ銀行の平均年収は、有価証券報告書ベースで664万1千円です(2025年3月期、平均年齢40.3歳、平均勤続年数12.9年、従業員数3,179人)。同行は持株会社である西日本フィナンシャルホールディングス株式会社(東証プライム上場、証券コード7189)の100%子会社で、グループ内で銀行業務そのものを担う中核会社にあたります。
ネット上には持株会社の年収データ(1,000万円超)を西日本シティ銀行本体の年収であるかのように紹介する情報も見られますが、これは実態とかけ離れています。本記事では、持株会社と銀行本体の数字を切り分けたうえで、年代別・職種別の実態やOpenWork等の口コミとのギャップ、九州の同業他社との比較、年収を上げる方法まで整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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西日本シティ銀行の平均年収は664万円|持株会社との数字の違いに注意
西日本シティ銀行(単体)の平均年収は664万1千円です(2025年3月期、有価証券報告書記載、平均年齢40.3歳、平均勤続年数12.9年、従業員数3,179人)。同行は2016年に持株会社制へ移行した際に上場廃止となりましたが、公募社債の発行体として現在も有価証券報告書をEDINET上で開示しており、単体の平均年間給与を確認できます。
全国の給与所得者平均(国税庁調査で460万円前後)を大きく上回る水準で、地方銀行の中でも比較的高めの給与水準にあると言えます。
まずは、混同されやすい持株会社との数字の違いから見ていきましょう。
持株会社(西日本フィナンシャルホールディングス)の年収との違い
西日本シティ銀行の親会社にあたる西日本フィナンシャルホールディングス株式会社(東証プライム上場)の有価証券報告書には、単体の平均年間給与として1,000万円台前半(直近開示ベースで1,063万円程度、平均年齢48.4歳、平均勤続年数24.5年)という数字が記載されています。
この数字だけを見ると「西日本シティ銀行は年収1,000万円超」と誤解されがちですが、実態は異なります。持株会社の単体従業員は数名から十数名程度と極めて少なく、グループ経営を担う役員クラス・シニア層が中心のため、平均値が押し上げられやすい構造になっています。
- 西日本シティ銀行(銀行本体・単体)の平均年収は664万1千円(2025年3月期)
- 西日本フィナンシャルホールディングス(持株会社・単体)の平均年収は1,063万円程度
- 持株会社の従業員は数名〜十数名規模で、シニア層中心のため数字が高く出やすい
この3つに共通するのは、どちらも公式な有価証券報告書の数字である一方、対象となる従業員の顔ぶれがまったく異なるという点です。実際に現場で働く行員の待遇を知りたい場合は、銀行本体の664万円を基準にするのが実態に近い数字になります。
従業員数・平均年齢からわかる組織の特徴
平均年齢40.3歳、平均勤続年数12.9年という数字は、中途採用や出向者の受け入れも積極的な組織であることを示しています。新卒採用に加えて、地域金融機関としてグループ会社間の人材交流も活発です。
従業員数3,179人という規模は、福岡県を中心に九州・山口エリアに広範な店舗網を持つ地方銀行としては大手クラスにあたります。
持株会社と事業子会社では、平均年収の算出対象となる従業員がまったく異なります。グループ企業の年収を調べる際は、必ず「どの法人の数字か」を確認してから比較するようにしましょう。
西日本シティ銀行の年代別・年収推移

西日本シティ銀行の年収は、年代が上がるにつれて段階的に上昇していく構造です。口コミサイトの集計データをもとに整理すると、次のような水準感になります。
有価証券報告書の全社平均だけでは見えない、年代ごとの実感値を確認していきましょう。
| 年代 | 平均年収(口コミベース) |
|---|---|
| 20〜24歳 | 380万円程度 |
| 25〜29歳 | 549万円程度 |
| 30〜34歳 | 631万円程度 |
| 35〜39歳 | 676万円程度 |
| 40〜44歳 | 722万円程度 |
| 45〜49歳 | 765万円程度 |
| 50〜54歳 | 809万円程度 |
| 55〜59歳 | 794万円程度 |
| 60〜64歳 | 624万円程度 |
表の数字を見ると、50代前半でピークを迎えたあと、役職定年等の影響でやや落ち着く傾向が見て取れます。
20代の年収
20〜24歳の平均年収は口コミベースで380万円程度、25〜29歳では549万円程度とされています。新卒入社後は支店配属を経て、法人営業・個人営業・窓口業務のいずれかに携わりながら、金融知識と顧客対応力を積み上げていく期間にあたります。
近年は新卒の初任給引き上げが進んでおり、以前の世代と比べて20代前半の年収水準は改善傾向にあります。
若手のうちは基本給の伸びが緩やかな分、資格手当や地域手当などの各種手当を含めた総支給額で実質的な待遇を判断することが大切です。
30代の年収
30〜34歳の平均年収は口コミベースで631万円程度、35〜39歳では676万円程度とされ、20代から大きく伸びる年代です。主任やチームリーダーへの昇格が視野に入り、担当する取引先の規模や責任範囲が広がっていく時期でもあります。
本部の専門部署(市場部門、投資銀行業務、審査部門など)へのローテーションが実現するかどうかが、その後のキャリアの方向性と年収の伸び方を左右する重要な分岐点になります。
30代は、管理職を目指すのか専門性を磨くのか、方向性を意識し始める時期だといえます。
40代以降の年収
40〜44歳の平均年収は口コミベースで722万円程度、45〜49歳では765万円程度、50〜54歳では809万円程度まで伸びます。課長・支店長クラスへの昇進が年収の伸び幅に直結する年代で、管理職登用の有無が待遇差を大きく左右します。
一方で55〜59歳では794万円程度、60〜64歳では624万円程度とやや落ち着く傾向も報告されており、役職定年や再雇用制度の影響を受けやすい点には注意が必要です。
年代別の数字はあくまで口コミベースの平均であり、配属部門・役職・評価によって個人差が生まれやすい点に注意しましょう。有価証券報告書の全社平均とあわせて見ることで、より実態に近い数字がつかめます。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起年代別のデータを見ると、西日本シティ銀行は30代から40代にかけて着実に年収が伸びる構造だとわかります。管理職登用のタイミングをどう迎えるかが、その後のキャリアを左右するポイントですね。
西日本シティ銀行の職種別・グレード別の年収の違い

西日本シティ銀行の年収は、配属される職種によって明確な差があります。口コミサイトの集計では事務・企画系536万円程度、営業系484万円程度、総合職431万円程度、窓口担当397万円程度という水準が報告されています。
銀行業務は法人営業・個人営業・窓口・市場部門・管理部門など幅広い職種で構成されており、同じ年代でもどの部門に配属されるかで年収に差が生まれやすい業界です。
職種ごとの違いを具体的に見ていきましょう。
法人営業・個人営業の年収
法人営業は取引先企業への融資提案やソリューション営業を担う部門で、doda掲載の求人ベースでは予定年収400万円〜1,000万円のレンジで募集されています。個人営業(リテール)は預金・住宅ローン・資産運用商品の提案が中心で、成果に応じたインセンティブが加味される場合もあります。
- 法人営業の求人年収レンジは400万円〜1,000万円程度(doda掲載求人ベース)
- 個人営業は成果や担当エリアによって待遇に差が出やすい
- 営業系全体の口コミベース平均は484万円程度とされる
この3つに共通するのは、基本給に加えて成果や役割に応じた加算要素があり、同じ営業系でも個人差が出やすいという点です。
窓口・事務職の年収
窓口担当の口コミベース平均年収は397万円程度、事務・企画系全体では536万円程度とされています。窓口業務は入行後の配属先として多く、預金・為替・各種手続きの対応を通じて金融機関の基礎業務を身につける役割を担います。
事務・企画系には本部の経営企画・人事・審査事務なども含まれ、キャリアを積むにつれて専門性の高い業務へシフトしていく社員も少なくありません。
市場部門・専門職の年収
市場部門(資金運用・トレーディング)や専門職(審査・与信管理など)は、doda掲載の求人ベースで予定年収400万円〜1,000万円のレンジが提示されており、専門知識や資格が求められる分、経験者であれば早い段階から高い水準が期待できます。
技術職(SE・インフラエンジニア)についても500万円〜1,000万円のレンジで募集されており、金融DXの推進に伴ってIT人材の採用にも力を入れていることがうかがえます。
管理職・グレード別の年収
課長・支店長クラスの管理職になると、口コミベースで年収800万円台に達するケースが多く報告されています。管理職への昇進は、年収を大きく伸ばす最大のターニングポイントといえます。
銀行業界では「どの職種・部門に配属されるか」が年収に与える影響が大きい傾向があります。入行前に職種別採用の有無や、部門ローテーションの実態を面接で確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。
西日本シティ銀行の年収は九州の地銀内でどのレベルか
西日本シティ銀行の平均年収664万1千円は、九州エリアの地方銀行の中でも上位クラスの水準です。同じく持株会社傘下にあるふくおかフィナンシャルグループの中核行・福岡銀行は723万円程度(2023年3月期有報ベース)、九州フィナンシャルグループ傘下の肥後銀行は636万円台〜670万円程度と報告されています。
九州エリアの地方銀行はいずれも持株会社制に移行しており、持株会社側の数字と銀行本体の数字を混同しやすい点は業界共通の注意点です。
具体的な数字で比較することで、西日本シティ銀行の九州地銀内での立ち位置がより明確になります。
九州地銀との年収比較
直近の有価証券報告書ベースで、九州の主要地方銀行(銀行本体)の平均年収を比較すると次のようになります。
| 銀行名 | 平均年収(銀行本体ベース) |
|---|---|
| 福岡銀行 | 723万円程度(2023年3月期) |
| 西日本シティ銀行 | 664万1千円(2025年3月期) |
| 肥後銀行 | 636万円台〜670万円程度 |
参考までに、各行の持株会社側の数字はふくおかフィナンシャルグループが716万円〜780万円程度、九州フィナンシャルグループが967万円〜976万円程度と報告されており、いずれも銀行本体より高めに出る傾向があります。西日本フィナンシャルホールディングスの1,063万円程度という数字も、この業界共通の構造にあてはまるものです。
持株会社型地銀に共通する構造
九州の主要地銀はいずれも持株会社制へ移行しており、持株会社の平均年収が銀行本体より高く出るという構造は西日本シティ銀行に限った話ではありません。持株会社はグループ全体の経営企画・リスク管理を担う少人数組織であるため、平均年齢・平均勤続年数が高く、役職者の比率も大きくなりやすいことが背景にあります。
求人情報や年収比較サイトを見る際は、「銀行本体」と「持株会社」のどちらの数字を見ているのかを必ず確認する習慣をつけましょう。
銀行同士を比較する際は、同じ法人区分(銀行本体か持株会社か)・同じ時期の有価証券報告書の数字で揃えることが基本です。年度や法人区分がずれていると、正確な比較になりません。
西日本シティ銀行の年収に関する口コミ・評判
有価証券報告書の664万1千円という単体平均に対し、OpenWorkの口コミベースの平均年収は481万円程度(194人の正社員回答)、エンカイシャの口コミでは447万円程度(135人回答)と、公式データよりやや低い水準になっています。
回答者の年齢層や役職構成の偏りが、この差を生む主な理由です。
この差が生まれる理由を理解しておくことで、数字だけに振り回されずに実態を判断できるようになります。具体的な口コミの内容を、次の項目で見ていきましょう。
公式発表と口コミに差が生まれる理由
有価証券報告書の平均年収は、管理職や専門部門の高い給与も含めた全社員の平均です。一方、口コミサイトは若手・中堅層からの回答が中心になりやすく、結果的に公式データよりやや低めの数字になりやすい構造があります。
- 有価証券報告書は全社員(管理職含む)の平均給与ベース
- 口コミは回答者の年齢層・役職構成に偏りが出やすい
- 年収範囲は200万円台〜1,200万円台と幅が大きい(OpenWork調べ)
この3つに共通するのは、どちらか一方が「間違っている」わけではなく、算出の前提が異なるという点です。
社員が語る待遇の実感
OpenWorkの総合評価は3.35で、月間の平均残業時間は13.9時間程度、有給休暇の消化率は80.4%と報告されています。給与への満足度は2.8/5.0とやや厳しめの評価である一方、働きやすさそのものへの評価は比較的安定しています。
「支店配属によって忙しさや評価基準に差がある」「若手のうちは昇給ペースが緩やか」といった声がある一方で、「地域密着型で長く働きやすい」「福利厚生は充実している」という評価も見られます。給与水準そのものよりも、部門や配属店舗による差にばらつきがある点が実感値の分かれ目になっているようです。
額面と手取りの目安
年収664万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は目安でおよそ500万円から520万円程度になります。賞与を含めた年収を月割りで判断すると実態と乖離しやすいため、年間トータルで考えるようにしましょう。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起公式の数字と口コミの数字に差があるときは、回答者の年齢層や部門の偏りも意識してみると実態がつかみやすくなります。
有価証券報告書の平均年収は役職構成を含む全社平均、口コミは投稿者の年齢層や部門に偏りが出やすいという特性があります。どちらか一方を鵜呑みにせず、両方を参考にしながら判断するのがおすすめです。
西日本シティ銀行で年収を上げる方法
西日本シティ銀行で年収を上げる方法は、大きく分けて社内でのキャリアアップと、経験を武器にした転職の2つの方向性があります。
ここでは、社内での評価軸と社外での市場価値という2つの視点から具体的に見ていきます。
どちらか一方に偏るのではなく、両方の視点を持っておくことが結果的に選択肢を広げることにつながります。
社内での昇進・部門異動の活用
西日本シティ銀行では、法人営業での実績や、市場部門・審査部門といった専門性の高い部署への異動が、年収アップの大きな分岐点になります。課長・支店長クラスへの昇進は、年収の伸びに直結するポジションです。
日々の業務での実績を数字として残し、専門部署への異動希望を上司や人事に明確に伝えておくことが、配属のタイミングで有利に働きやすくなります。
資格取得(証券アナリスト、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士等)も、専門部署への異動や評価の材料として活用しやすい手段です。
転職によるキャリアアップという選択肢
西日本シティ銀行で培った法人営業・個人営業・審査・市場部門などの経験は、他の金融機関や事業会社の財務部門、コンサルティングファームなど、幅広い業界でポータブルスキルとして評価されやすい経験です。
社内での昇進と転職は、どちらか一方を選ぶものではなく、まず自分の市場価値を把握したうえで比較検討するのが賢明です。
いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるのかを客観的に知ることから始めましょう。無料の相談サービスを使えば、費用をかけずに現在地を確認できます。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起地方銀行で培った法人営業やリスク管理の経験は、想像以上に幅広い業界で評価されるものです。一度プロの視点で棚卸ししてみると、思わぬ選択肢が見えてくることもあります。
金融業界での経験を活かしてキャリアアップを目指す場合、実績豊富な転職エージェントに相談することで、自分では気づけなかった強みや、条件に合う求人を効率よく見つけられます。冒頭で紹介した転職エージェント診断や比較表もあわせて活用してみてください。
未経験から銀行業界へ転職する場合の年収目安
異業種から銀行業界の営業職や事務職へ転職する場合、前職の経験によって初年度の年収は400万円から600万円程度のレンジに落ち着くケースが多いとされています。法人営業経験や金融関連資格があれば、業界未経験でも十分に評価対象になります。
地域金融という専門領域への理解を深めながら、着実に実績を積み重ねていくことが年収アップへの近道になります。
前職での経験をどう銀行業務に応用できるかを、面接で具体的に語れるように準備しておくことも大切です。
まとめ|西日本シティ銀行の年収を踏まえたキャリアの選び方
西日本シティ銀行(銀行本体)の平均年収は、2025年3月期の有価証券報告書で664万1千円と公表されています。親会社である西日本フィナンシャルホールディングスの1,063万円程度という数字が独り歩きしがちですが、これは持株会社の少人数組織特有の数字であり、銀行本体の実態とは切り分けて考える必要があります。
九州の他地銀と比較すると、福岡銀行の723万円程度に次ぐ水準で、肥後銀行の636万円台〜670万円程度を上回っています。口コミベースでは481万円程度という実感値も報告されていますが、これは回答者の年齢層や役職構成の違いによるもので、給与水準への評価自体はおおむね安定しています。年代別に見ると20代前半は380万円程度、50代前半では809万円程度まで伸び、法人営業や市場部門など専門性の高い部署ほど年収水準が上がりやすい構造になっています。
数字だけを見て判断するのではなく、有価証券報告書の公式データと口コミの実感値の両方を踏まえたうえで、自分のキャリアプランと照らし合わせることが大切です。社内での異動・昇進を目指すにせよ、転職によるキャリアアップを検討するにせよ、まずは自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩になります。今回紹介したエージェントも活用しながら、納得のいくキャリア選択につなげてください。

