アース製薬の平均年収は、2024年12月期の有価証券報告書によると680万円です。「アースノーマット」「バスマジックリン」「モンダミン」などの殺虫剤・日用品で知られる、東京本社・東証プライム上場のメーカーです。
殺虫剤市場で高いシェアを持つ一方、洗口液や入浴剤など幅広い日用品も展開しており、就職・転職先としての人気も高い企業です。本記事では、有価証券報告書の公式データとOpenWork等の口コミサイトに寄せられた社員の実感値を突き合わせながら、アース製薬の年収の実態を職種別・年代別に整理します。年収を上げるための具体的な選択肢もあわせて解説します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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アース製薬の平均年収は680万円|有価証券報告書の最新データを解説
アース製薬の平均年収は680万円です(2024年12月期有価証券報告書、単体ベース)。平均年齢は42.5歳、平均勤続年数は13.8年で、日用品・化学業界の中では中堅からやや上位に位置する水準です。
有価証券報告書に記載される平均年間給与は、賞与や各種手当を含んだ金額で、上場企業に開示が義務づけられている一次情報です。口コミサイトの数字と比べて信頼性が高く、まず基準として押さえておきたい数字です。
この数字をベースに、過去の推移や職種別・年代別の実態を確認していきましょう。
平均年収の推移|2020年12月期から見る5年間の変化
アース製薬の平均年収は、2020年12月期683万円、2021年12月期741万円と一度上昇したあと、2022年12月期719万円、2023年12月期661万円と続落し、2024年12月期には680万円まで持ち直しています。
2021年前後は新型コロナウイルス感染拡大に伴う衛生・除菌関連商品の特需で業績が押し上げられた時期にあたります。特需が一巡した2023年にかけて平均年収も一時的に下がりましたが、直近では下げ止まり、再び緩やかな上昇局面に入っています。
賞与部分が業績の波を反映しやすい給与構造であることが、この推移からもうかがえます。
日用品・製薬大手と比べた業界内の位置づけ
同業他社との比較では、アース製薬の680万円は花王(865万円)やライオン(711万円)といった日用品業界の大手にはやや届かない水準です。一方、日用品・OTC医薬品の両方を手がける小林製薬(755万円)と比べても、やや控えめな数字になっています。
アース製薬は殺虫剤・防虫剤という独自性の強いカテゴリで国内トップシェアを持つ企業のため、単純な売上規模の比較だけでなく、専門性の高いニッチ市場でのポジションという観点でも捉える必要があります。
平均年収は全社員の単純平均のため、年齢構成や職種構成によって毎年数字がぶれやすい点に注意しましょう。職種別・年代別のデータとあわせて見ることで、より実態に近い数字がつかめます。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起コロナ特需で一時的に押し上げられた年収が、特需一巡後にどう推移するかは化学・日用品メーカーに共通する注目ポイントです。アース製薬は直近で下げ止まり、再び上昇に転じている点は評価できるでしょう。
アース製薬の職種別・グレード別の年収の違い

アース製薬は公式には職種別・等級別の年収内訳を詳細に公表していません。ここではOpenWork等の口コミサイトに集まった職種別の実感値をもとに、傾向を整理します。
殺虫剤・日用品メーカーは研究開発職・生産技術職・営業職・マーケティング職など職種の幅が広く、同じ会社でも年収水準にはばらつきが出やすい業界です。
口コミベースの数字ではあるものの、どの職種にどのくらいの水準感があるのか、具体的に見ていきましょう。
営業職の年収傾向
口コミによると、営業系の平均年収は525万円から571万円程度(平均年齢31歳前後)とされています。ドラッグストアや量販店などの小売チェーンを主要な取引先とするルート営業が中心で、店頭の売場作りや季節商品の販促提案力が評価に直結しやすい職種です。
殺虫剤は夏場、洗口液や入浴剤は通年というように季節波動のある商品を数多く抱えるため、需要予測を踏まえた営業計画力が求められるのも特徴です。
研究開発職・専門職の年収傾向
医薬・化学・素材系の専門職は489万円から573万円程度(平均年齢35歳前後)という口コミ集計です。殺虫成分の研究開発や香料設計、品質保証など、専門性の高い業務を担う職種にあたります。
企画・事務・管理系は679万円から770万円程度(平均年齢38歳前後)と、他の職種に比べて高めの水準が報告されています。人事・総務・法務や経営企画などのバックオフィス系職種が含まれ、勤続年数が長い社員の割合が多いことが数字を押し上げている可能性があります。
- 企画・事務・管理系は679万円から770万円程度(平均38歳前後)
- 医薬・化学・素材・食品系専門職は489万円から573万円程度(平均35歳前後)
- 営業系は525万円から571万円程度(平均31歳前後)
この3つに共通するのは、勤続年数が長く年齢層が高い職種ほど平均年収が高く出やすいという点です。単純な職種間の優劣ではなく、年齢構成の違いが数字に表れていると捉えるのが実態に近い見方といえます。
総合職・管理職・役員の年収水準
大卒・総合職の平均年収は789万円前後、管理職級になると1,048万円前後まで上がるという情報があります。役員クラスの平均報酬は1億円を超える水準です。
年功序列的な要素を残しつつ、管理職への昇格を境に処遇が大きく変わる構造で、基本給の伸びは緩やかな一方、住宅手当をはじめとする各種手当が手厚いという口コミも複数見られます。
口コミサイトの職種別数字は回答者の年齢構成に左右されやすく、平均年齢が低い職種ほど数字が低く出やすい点に注意しましょう。同世代同士で比較する視点も持っておくと実態がつかみやすくなります。
アース製薬の年代別・年収推移

アース製薬の年収は、年功的な要素を残す評価制度を背景に、年代が上がるにつれて着実に伸びていく傾向にあります。口コミサイトの年代別データをもとに整理すると、次のような水準感になります。
20代のうちは他業界と比べて突出した高さではないものの、30代後半から40代にかけて処遇が積み上がっていく構造です。
それでは、20代から順番に具体的な水準を確認していきましょう。年代とともに役割がどう変化していくかも意識してみてください。
20代・30代の年収
口コミの年代別データでは、20代の平均年収は418万円から482万円程度(最高700万円)、30代では530万円から651万円程度(最高900万円)とされています。日用品・化学業界の若手水準としては標準的なスタートラインです。
20代のうちは研究開発、生産技術、営業といった各部門で基礎業務を経験しながら、商品知識と社内ネットワークを築いていく時期にあたります。
地道な経験の積み重ねが、その後の評価にもつながっていく大切な時期です。焦らず基礎を固める姿勢が結果的に近道になります。
40代以降の年収
40代の平均年収は648万円から691万円程度、50代では728万円程度という集計です。平均年齢42.5歳の全社平均680万円とおおむね近い水準にあり、この年代が中核的な処遇レンジになっていることがわかります。
管理職への昇格が本格化する年代であり、大卒総合職の平均789万円、管理職級1,048万円前後という水準を踏まえると、昇格の有無で処遇に大きな差がつく構造だと考えられます。60代では再雇用等の影響もあり平均額が下がる傾向も報告されています。
年代が上がるほど、特に30代から40代にかけての伸び幅が大きい点が特徴です。この時期の実績が、その後の管理職登用にもつながりやすいと考えられます。
年代別の数字はあくまで口コミベースの推計であり、配属部門や評価によって個人差が生まれやすい点に注意しましょう。有報の全社平均とあわせて参考程度にとらえるのがおすすめです。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起年代別の推移を見ると、アース製薬は30代後半から40代にかけて年収が伸びていく構造だとわかります。管理職への昇格が処遇の大きな分岐点になっている点は覚えておきたいですね。
アース製薬の年収は業界内でどのレベルか
アース製薬の平均年収680万円は、日用品業界大手の花王やライオンと比べるとやや控えめな水準ですが、素材・化学業界全体の中では中堅クラスに位置づけられます。
アース製薬は殺虫剤・防虫剤という専門性の高いニッチ市場を主戦場とする独自のポジションにある企業のため、単一の指標だけで比較するのではなく、複数の同業他社と並べて見ることが実態把握の近道です。
アース製薬がどのような立ち位置にあるのか、同業他社との比較で具体的に見ていきましょう。
日用品・製薬大手との年収比較
有価証券報告書の数字をもとに、事業領域の近い日用品・製薬大手を並べてみると、アース製薬の立ち位置がより明確になります。
| 企業名 | 平均年収 | データソース |
|---|---|---|
| 花王 | 865万円 | 有価証券報告書 |
| ライオン | 711万円 | 有価証券報告書 |
| 小林製薬 | 755万円 | 有価証券報告書 |
| アース製薬 | 680万円 | 有価証券報告書 |
花王・ライオンは洗剤・トイレタリーを中心とした幅広い日用品事業を展開する売上規模の大きい企業で、アース製薬より高い水準にあります。一方で、アース製薬は殺虫剤市場という専門領域で高いシェアを維持しており、事業規模の違いがそのまま年収差に表れていると考えられます。
- 花王・ライオンは幅広い日用品事業を展開する売上規模の大きい企業
- 小林製薬はOTC医薬品と日用品の両方を主力とする独自のポジション
- アース製薬は殺虫剤・防虫剤市場での高いシェアが強み
この3社に共通するのは、それぞれが異なる強みを持つ専門領域で事業を展開している点です。年収の差だけでなく、どの市場でどのようなポジションを築いているかを踏まえて比較することが大切です。
素材・化学業界というポジションの特徴
アース製薬は殺虫剤・防虫剤という専門性の高いカテゴリで国内トップクラスのシェアを持つ点が特徴です。季節性の強い商品構成のため、夏場の繁忙期に業績が集中しやすく、賞与額にもその年の気候や需要動向が反映されやすい構造になっています。
同じ「日用品メーカー」という括りでも、扱う商品カテゴリの専門性や市場規模によって年収水準は大きく異なります。年収の数字だけでなく、どの事業が収益の柱になっているかも合わせて確認すると、実態に近い比較ができます。
アース製薬の年収に関する口コミ・評判
有価証券報告書の680万円という数字に対し、OpenWork等の口コミベースの平均年収は515万円から583万円程度(平均年齢30歳前後)と、公式データよりやや低い水準になっています。
この差は、口コミの回答者に若手層が多いという年齢構成の偏りが大きな要因です。年収の分布としては284万円から1,050万円までと幅が広く報告されています。
この差が生まれる理由を理解しておくことで、数字だけに振り回されずに実態を判断できるようになります。具体的な口コミの内容を、次の項目で見ていきましょう。
口コミサイトに見る給与への評価
口コミでは、基本給は業界水準と比べて特別高いわけではないものの、住宅手当をはじめとする各種手当が手厚く、可処分所得ベースでは満足度が高いという評価が目立ちます。地元の給与相場や完全週休2日制、育休取得のしやすさを踏まえて「満足している」という声も一定数見られます。
一方で、報酬水準そのものは高いとしつつも「企業戦士として働く覚悟がないと厳しい」という指摘や、月間残業時間が40時間程度という報告もあり、繁忙期の業務負荷とのバランスを課題視する声もあります。
- 住宅手当など各種手当が手厚いとされる
- 基本給の伸びは緩やかで、年功的な評価軸が残るという声もある
- 完全週休2日制・育休取得環境については前向きな評価が多い
この3つに共通するのは、基本給そのものよりも手当や福利厚生を含めた総支給額・待遇面で満足度が形成されているという点です。
額面と手取りの目安
年収680万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は目安でおよそ510万円から530万円程度になります。年代別の月々手取り額としては、20代で28万円程度、30代で40万円程度、40代で43万円程度という試算も報告されています。
有報の平均年収は全社員の単純平均、口コミは投稿者の年齢層に偏りが出やすいという特性があります。どちらか一方を鵜呑みにせず、両方を参考にしながら判断するのがおすすめです。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起有報の数字と口コミの数字に差があるときは、回答者の年齢層や勤続年数も意識してみると実態がつかみやすくなります。
アース製薬で年収を上げる方法

アース製薬で年収を上げる方法は、大きく分けて社内でのキャリアアップと、経験を武器にした転職の2つの方向性があります。
ここでは、社内での評価軸と社外での市場価値という2つの視点から具体的に見ていきます。
どちらか一方に偏るのではなく、両方の視点を持っておくことが結果的に選択肢を広げることにつながります。
社内での昇進・評価制度の活用
アース製薬では、大卒総合職から管理職級への昇格が処遇の大きな分岐点になっているとされています。営業職であれば売場提案や販促企画の成果、研究開発職であれば新製品の開発実績など、数字や実績として残しやすい成果を積み重ねることが評価につながります。
年功的な評価軸が残るという口コミもあるため、日々の業務での成果を自分自身で記録し、評価面談の場でしっかり言語化して伝える姿勢が有利に働きやすくなります。
転職によるキャリアアップという選択肢
殺虫剤・防虫剤や日用品のマーケティング、生産技術、研究開発の経験は、消費財メーカーや化学メーカーでも高く評価されやすい専門性です。より年収水準の高い日用品大手や、成長中の化学・素材メーカーへの転職も選択肢の一つになります。
社内での昇進と転職は、どちらか一方を選ぶものではなく、まず自分の市場価値を把握したうえで比較検討するのが賢明です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起殺虫剤・日用品のブランド開発や生産技術の経験は、想像以上に幅広い消費財業界で評価されるものです。一度プロの視点で棚卸ししてみると、思わぬ選択肢が見えてくることもあります。
日用品・化学業界での経験を活かしてキャリアアップを目指す場合、実績豊富な転職エージェントに相談することで、自分では気づけなかった強みや、条件に合う求人を効率よく見つけられます。冒頭で紹介した転職エージェント診断や比較表もあわせて活用してみてください。
未経験から日用品・化学メーカーへ転職する場合の年収目安
異業種から日用品・化学メーカーの営業系・生産管理系職種へ転職する場合、前職の経験によって初年度の年収は350万円から550万円程度のレンジに落ち着くケースが多いとされています。消費財の法人営業経験や生産管理の実務経験があれば、業界未経験でも十分に評価対象になります。
小売チェーンとの取引慣行や季節商品特有の需要予測を理解しながら、着実に実績を積み重ねていくことが年収アップへの近道になります。
いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるのかを客観的に知ることから始めましょう。無料の相談サービスを使えば、費用をかけずに現在地を確認できます。
アース製薬の年収に関するよくある質問
ここまで解説してきた内容を踏まえ、アース製薬の年収に関してよく寄せられる質問に回答します。
アース製薬の初任給はいくらですか?
アース製薬の新卒初任給は、大学卒で月額220,000円、大学院卒で240,000円という情報があります。日用品・化学業界の初任給としては標準的な水準です。学歴や職種によって差があるため、最新の採用情報で確認することをおすすめします。
アース製薬の残業代・賞与はどのくらいですか?
口コミによると、月間残業時間は40時間前後という報告があり、繁忙期にはやや増える傾向があるとされています。賞与については業績連動の要素があり、コロナ特需で業績が伸びた年には賞与も押し上げられる一方、近年は落ち着いた水準で推移しています。残業代の支給状況は部署によって差があるため、選考時に確認しておくと安心です。
年収や評価制度について面接で質問する場合は「給与はいくらですか」と直接聞くのではなく、昇進の目安年齢や評価制度の仕組みを尋ねると、入社後のキャリアパスがより具体的にイメージできます。
まとめ|アース製薬の年収を踏まえたキャリアの選び方
アース製薬の平均年収は2024年12月期の有価証券報告書で680万円と公表されており、コロナ特需一巡後の落ち込みから直近では持ち直しの局面にあります。花王やライオンといった日用品業界大手と比べるとやや控えめな水準ですが、殺虫剤・防虫剤という専門性の高い市場で高いシェアを持つ独自のポジションにある企業です。
職種別に見ると企画・事務・管理系は比較的高い水準にあり、年代別に見ると30代後半から40代にかけて、そして管理職への昇格を境に処遇が伸びていく構造です。口コミサイトでは515万円から583万円程度という実感値も報告されていますが、これは若手層の回答が多いことによる年齢構成の偏りが大きな要因です。
数字だけを見て判断するのではなく、有報の公式データと口コミの実感値の両方を踏まえたうえで、自分のキャリアプランと照らし合わせることが大切です。社内での昇進を目指すにせよ、転職によるキャリアアップを検討するにせよ、まずは自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩になります。今回紹介したエージェントも活用しながら、納得のいくキャリア選択につなげてください。

