日本新薬の平均年収は934万円です(2026年3月期 有価証券報告書)。平均年齢41.8歳、平均勤続年数17.4年となっています。
国内の給与所得者の平均給与は478万円、正社員に限っても545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。日本新薬の水準はその約1.7倍にあたります。
注目したいのは伸び方です。2024年3月期の783万円から2期で151万円上昇しており、平均年収だけを見ると数年前の記事とはまったく違う会社に見えます。
ただし934万円は全社平均です。この記事では有価証券報告書の数字を起点に、年代別・職種別の実態と、京都の中堅製薬という立ち位置で年収を上げる道筋を整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起日本新薬は京都に本社を置く中堅製薬で、医薬品と機能食品の二本柱という珍しい形の会社です。大手製薬の年収表をそのまま当てはめると判断を誤りやすいので、まず同じ規模の中堅製薬と並べて見るのがおすすめですよ。
日本新薬の平均年収は934万円|有価証券報告書の最新データ


日本新薬の直近の平均年収は934万円です(2026年3月期 有価証券報告書、平均年齢41.8歳、平均勤続年数17.4年、従業員1,902名)。経年の数字はIR BANK 日本新薬 平均年収の推移にまとまっています。
有価証券報告書の平均年間給与は、賞与と基準外賃金を含み、単体の従業員だけを対象にした金額です。連結の従業員数は2,309名で、その差の約400名が国内子会社と海外現地法人の社員にあたります(日本新薬 会社概要)。
まず5年分の推移から、この934万円がどの位置にある数字なのかを確認します。
直近5年の平均年収推移
日本新薬の平均年収は、2022年3月期から2026年3月期までの5年間で128万円増えています。ただし単調に伸びたわけではなく、2024年3月期に一度大きく落ち込んでいます。
| 決算期 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 806万円 | 41.2歳 | 1,827名 |
| 2023年3月期 | 815万円 | 41.4歳 | 1,857名 |
| 2024年3月期 | 783万円 | 41.5歳 | 1,865名 |
| 2025年3月期 | 919万円 | 41.4歳 | 1,876名 |
| 2026年3月期 | 934万円 | 41.8歳 | 1,902名 |
出典はIR BANK 日本新薬 平均年収の推移(有価証券報告書の記載値を集計)です。
特徴的なのは2025年3月期の動きです。前期から135万円という一段飛ばしの上昇しており、10年以上さかのぼっても類を見ない上げ幅になっています。
この期を境に、日本新薬の平均年収は800万円台前半の会社から900万円台の会社へ移りました。数年前の情報を載せたままの記事が多いため、比較には注意が必要です。
平均年収が2期連続で上がった理由
2026年3月期も前期から15万円増え、2期連続の増加となりました。過去5期の最高値を更新しています。
同じ期の売上収益は1,707億円で前期比6.6%増、営業利益は354億円でほぼ横ばいの着地でした(日本新薬 決算関連資料)。肺高血圧症治療薬ウプトラビと、そのロイヤリティ収入、てんかん治療薬フィンテプラの伸長が増収を支えています。
日本新薬の給与は賞与が年収のかなりの割合を占めるという指摘があります(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。業績が伸びた年に平均年収が素直に反応しやすい構造です。
同時に従業員数も26名増えました。平均年齢が41.8歳へ0.4歳上がっていることから、若手の大量採用で平均が押し下げられた形跡は見られません。
日本新薬の企業情報と医薬品・機能食品の二本柱


日本新薬は1911年創業、1919年設立、京都市南区に本社を置く東証プライム上場の製薬会社です(証券コード4516)。資本金は51.7億円、連結従業員数は2,309名となっています(日本新薬 会社概要)。
事業は医薬品と機能食品の2つです。医薬品では泌尿器・血液・難病といった希少疾患領域に強みを持ち、機能食品では食品素材の製造販売を手がけています。
2024年度から2028年度までの第七次5ヵ年中期経営計画では、ウプトラビの特許切れを乗り越えることを最大のテーマに掲げ、米国と中国を重点市場としたグローバル展開を進める方針です(日本新薬 中期経営計画)。
この構造が年収に与える影響は二方向あります。主力製品の特許切れという明確な下振れ要因がある一方で、新製品群の上市が進めば原資が増えるという形です。
有価証券報告書の934万円は日本新薬単体の従業員が対象です。連結の2,309名には国内子会社や海外現地法人の社員も含まれます。求人票の提示年収を見るときは、どの範囲の数字と比べているのかを先に確認しておくと判断を誤りません。
日本新薬の年代別の年収目安


有価証券報告書には年代別の内訳は記載されません。そのため年代別の数字は、公開されている平均年収と年齢構成から組み立てた推計値になります。
以下は年収ガイド 日本新薬が平均年収806万円時点の統計をもとに算出した推計です。現在の934万円を基準にすると、表の金額はおおむね16%ほど上振れすると考えてください。
| 年代 | 推計年収 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 20代後半 | 571万円 | 初任給と賞与が中心の時期 |
| 30代前半 | 665万円 | 担当範囲の拡大と評価差が出始める |
| 30代後半 | 755万円 | 主任・係長級への昇格が年収を押し上げる |
| 40代前半 | 815万円 | 全社平均に近づく層 |
| 40代後半 | 873万円 | 管理職登用の有無で差が開く |
| 50代前半 | 936万円 | 生涯で最も年収が高い時期 |
同じ集計では生涯賃金が2億9,110万円と試算されています。退職金を加えると3億円を超える計算です。
20代・30代の年収
20代後半の推計は571万円です。国内の同年代の平均給与が400万円前後であることを踏まえると、入社数年の時点で既に大きく上回っています。
押し上げているのは初任給の水準です。2026年度の募集要項では、大学卒業で月給294,000円、修士課程修了で月給314,000円、博士課程修了で月給334,000円と公表されています(日本新薬 新卒採用 募集要項)。
30代に入ると評価による差が表面化します。推計では30代前半665万円、30代後半755万円で、この5年間の伸びがおよそ90万円です。
主任や係長級への昇格タイミングが年収の分岐点になります。昇格が1年遅れるだけで、生涯の累積では数百万円の差になる計算です。
40代・50代の年収
40代前半の推計は815万円で、全社平均の934万円をまだ下回ります。40代後半で873万円、50代前半で936万円と、平均を超えるのは50代に入ってからという計算です。
ここで差を決めるのは管理職登用です。口コミベースの集計では年収の上限が1,300万円に達しており、下限の350万円との幅は950万円に及びます(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。
平均勤続年数が17.4年と長いことも、この年代の年収に効いています。転職せず残った社員が積み上げた昇給が平均値を押し上げている側面があり、中途入社で同じ年代に入った場合は推計値より低く着地することもあります。
額面年収と手取りの差
表に並ぶ金額はすべて額面です。実際に口座に入る金額は、社会保険料と所得税・住民税が引かれたあとの手取りになります。
目安として、年収600万円なら手取りは460万円から480万円程度、年収930万円なら手取りは680万円から710万円程度です。額面が上がるほど税率が上がるため、手取りの伸びは額面の伸びより緩やかになります。
日本新薬は賞与の比率が高い給与構造のため、月々の手取りだけを見ると額面年収の印象より少なく感じられるという声もあります。
年代別の数字は統計モデルによる推計で、個人の実額とは幅があります。転職で年収を比較するときは、この表を目安として使いながら、オファー面談で基本給と賞与の内訳、手当の扱いまで確認してください。額面が同じでも手取りが変わります。
日本新薬の職種別・役職別の年収の違い


職種による差は明確です。口コミベースの集計では、研究職801万円、MR職761万円、営業職704万円と、最も高い職種と低い職種で97万円の開きがあります(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。
全社平均934万円に対し、いずれの職種も平均を下回ります。回答者の平均年齢が34歳と若いことが主因ですが、平均年収だけを見て自分の想定年収を組み立てると実態との差に戸惑うことになります。
新卒採用で募集している職種は5つです。
- 医薬品研究職(理系修士以上)
- 臨床開発職(理系修士以上)
- 信頼性保証職(PV・PMS、理系修士以上)
- 生産技術職(理系学士以上)
- MR職(学士以上、学部・学科不問)
この5職種に共通するのは、初任給が学歴で決まり職種では変わらない点です。差がつくのは入社後の等級と評価になります(日本新薬 新卒採用 募集要項)。
研究職・臨床開発職の年収傾向
研究職は口コミ集計での平均が801万円で、3職種の中で最も高い水準です。応募要件が理系修士以上のため、入社時点の学歴構成が平均を押し上げている面もあります。
日本新薬の研究開発は希少疾患領域に集中しています。デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬や難治性てんかん治療薬など、患者数が少なく競合が入りにくい領域を狙う戦略が研究職の価値を支えています。
臨床開発職と信頼性保証職も同じく理系修士以上が要件です。グローバル試験の比率が上がるほど、英語での折衝力が評価に直結する職種になります。
MR職・営業職の年収傾向
MRは国内医療用医薬品の売上を担う中核職種です。口コミ集計での平均は761万円で、医薬品・医療機器業界の平均721万円を40万円上回っています(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。
日本新薬のMRは、泌尿器科や血液内科といった専門領域の医師を担当します。担当する診療科が絞られるぶん、深い疾患知識が求められる職種です。
勤務体系はコアタイムなしのフレックスタイム制で、標準労働時間は1日7時間40分です。MR向けの専用手当も設けられています(日本新薬 新卒採用 募集要項)。
給与制度と賞与の構成
日本新薬の月給は能力給と年齢給、各種手当で構成されるという指摘があります(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。年功序列がベースで、評価による差別化は限定的という声が複数見られます。
一方で賞与が年収に占める割合は大きく、業績の良い年と悪い年で年収が動きます。2024年3月期の783万円と2026年3月期の934万円の差151万円が、その振れ幅の目安です。
手当の充実も特徴とされます。ライフデザイン給、テレワーク手当、MRスマートワーク手当などが用意されています(日本新薬 新卒採用 募集要項)。
日本新薬は年功序列色が残る一方で、賞与の変動幅は大きい会社です。若いうちに成果で一気に年収を伸ばしたい場合は昇格スピードを、安定を重視する場合は等級ごとの水準を、面談で確認しておくとミスマッチが減ります。



平均年収934万円という数字だけを見て応募すると、20代や30代の想定年収とのギャップに驚く方が多いです。口コミ集計の回答者平均は34歳なので、自分の年代に近い数字で見るようにしてくださいね。
日本新薬の年収を中堅製薬3社と比較
日本新薬を大手製薬と比べると、年収が見劣りする結論になりがちです。事業規模が違うため、まずは同じ中堅製薬の会社と並べたほうが実態に近づきます。
ここでは科研製薬、キッセイ薬品工業、持田製薬の3社と比較します。いずれも従業員1,000名台で有価証券報告書を提出しており、同じ基準の数字で並べられます。
| 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 | 決算期 |
|---|---|---|---|---|
| 日本新薬 | 934万円 | 41.8歳 | 1,902名 | 2026年3月期 |
| 科研製薬 | 874万円 | 41.9歳 | 1,086名 | 2026年3月期 |
| 持田製薬 | 842万円 | 43.1歳 | 1,195名 | 2026年3月期 |
| キッセイ薬品工業 | 798万円 | 42.7歳 | 1,297名 | 2026年3月期 |
出典はIR BANK 日本新薬 平均年収の推移、IR BANK 科研製薬、IR BANK 持田製薬、IR BANK キッセイ薬品工業です。日本新薬は4社の中で最も高く、最下位のキッセイ薬品工業とは136万円の差があります。
科研製薬の年収


科研製薬の平均年収は874万円です(2026年3月期、平均年齢41.9歳、従業員1,086名)。日本新薬との差は60万円で、4社の中では最も近い水準にあります。
直近では前期から38万円増えており、日本新薬と同じく2期続けて上昇しています(IR BANK 科研製薬)。整形外科領域と皮膚科領域を主力に、農薬・動物薬事業も手がける構成です。
平均年齢がほぼ同じで年収が60万円離れるのは、事業規模と1人あたりの利益水準の差が反映された結果と読めます。
キッセイ薬品工業の年収


キッセイ薬品工業の平均年収は798万円です(2026年3月期、平均年齢42.7歳、従業員1,297名)。日本新薬とは136万円の差があります。
長野県松本市に本社を置き、泌尿器領域と腎領域を主力にしています。泌尿器という主力領域が日本新薬と重なるため、社内での競合や転職時の比較対象になりやすい会社です。
平均勤続年数は18.2年と4社の中で最も長く、定着率の高さがうかがえます(IR BANK キッセイ薬品工業)。年収水準と働きやすさのバランスは、数字だけでは測れません。
持田製薬の年収


持田製薬の平均年収は842万円です(2026年3月期、平均年齢43.1歳、従業員1,195名)。日本新薬とは92万円の差があります。
東京都新宿区に本社を置き、循環器・消化器領域の医療用医薬品に加え、スキンケア製品などの一般用事業も持っています。直近では前期から17万円増えました(IR BANK 持田製薬)。
同じ中堅製薬でも、798万円から934万円まで136万円の幅があります。中堅という枠だけで年収を判断せず、主力領域と収益構造まで見る必要があります。
泌尿器や血液、難病といった領域の知識は担当先が限られるぶん、同じ領域の会社に移るときは即戦力として評価されやすくなります。日本新薬からキッセイ薬品工業や科研製薬、あるいは希少疾患を扱うバイオベンチャーへの移動は、経験を捨てずに済むルートです。



4社を並べると、同じ中堅製薬でも年収帯が100万円以上に分かれているのがわかります。転職先を考えるときは、領域の近さだけでなく1人あたりの利益水準をセットで見ると、提示年収の予想が立てやすくなりますよ。
日本新薬の年収は大手製薬と比べてどのレベルか
中堅製薬の中では上位にある日本新薬ですが、大手製薬と比べると位置づけが変わります。全社平均で400万円以上の差がつく相手もいます。
直近決算期の有価証券報告書ベースで、主要各社の平均年収を並べます。
- 中外製薬 1,350万円(2025年12月期、平均年齢42.6歳、IR BANK 中外製薬)
- 武田薬品工業 1,144万円(2026年3月期、平均年齢44.0歳、IR BANK 武田薬品工業)
- 小野薬品工業 1,093万円(2026年3月期、平均年齢44.6歳、IR BANK 小野薬品工業)
- 日本新薬 934万円(2026年3月期、平均年齢41.8歳)
この4社に共通するのは、自社創薬で大型製品を持っている点です。差は製品の規模から生まれています。
大手製薬との年収差
中外製薬との差は416万円、武田薬品工業との差は210万円、小野薬品工業との差は159万円です。同じ製薬業界でも、全社平均で見るとはっきりした階層があります。
ただし日本新薬の平均年齢41.8歳は、3社の中で最も若い数字です。年齢構成の違いが平均値の差に含まれているため、同年齢で比べれば差は表の数字より縮まります。
比較の軸を全社平均に置くか、同年齢・同職種に置くかで結論が変わります。自分の想定ポジションに近い層で比べるのが実用的です。
年収差が生まれる構造的な理由
差の背景にあるのは、1人あたりが生み出す利益の大きさです。中外製薬は抗体医薬のロイヤリティ収入が厚く、従業員1人あたりの利益水準が国内で群を抜いています。
日本新薬の2026年3月期は売上収益1,707億円、営業利益354億円、単体従業員1,902名です。特定領域の主力製品に収益が集中しているという構造になっています(日本新薬 決算関連資料)。
2026年3月期の親会社帰属純利益は297億円で前期比8.7%%減でした。欧米での研究開発費が増えたことが主因で、将来の製品群への投資が利益を圧縮した形です。
この投資が実を結ぶかどうかが、今後の年収水準を左右します。中期経営計画で掲げる新製品群の上市が進めば、原資は厚くなります。
全社平均の比較は入口としては有効ですが、MR同士、研究職同士で比べないと判断を誤ります。大手製薬でもMRの年収は全社平均を下回ることが多く、日本新薬のMR761万円との差は全社平均の差ほど大きくならないケースがあります。
日本新薬の年収に関する口コミ・評判
口コミサイトの集計では、日本新薬の平均年収は753万円です(回答者の平均年齢34歳)。医薬品・医療機器業界の平均721万円を32万円上回っています(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。
有価証券報告書の934万円との差は181万円です。回答者の平均年齢が34歳と、有価証券報告書の41.8歳より8歳近く若いことがこの差の主因と考えられます。
年収の回答幅は350万円から1,300万円まで広がっています。金額の評価そのものより、給与の中身に関する声のほうに特徴があります。
給与制度に対する社員の評価
月給は能力給と年齢給、各種手当で構成されるという説明が複数見られます。年功序列がベースで、評価による差別化は限定的という評価が目立ちます(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。
若手のうちは同期との差がつきにくく、成果を出しても短期で年収に跳ね返りにくいという受け止め方につながっています。
一方で、この制度は評価が振るわない年の下振れも小さくします。安定を優先する人には合う設計です。
賞与比率の高い給与構造
賞与が年収のかなりの割合を占めるという指摘も共通しています。月々の給与から想像する年収より、実際の年収は高く着地しやすい構造です。
この構造は業績の変動を年収に直結させます。2024年3月期に783万円まで下がり、2025年3月期に919万円まで戻った動きが、賞与で100万円単位が動くを示しています。
住宅手当や家族手当などの手当が充実しているという声もあります。額面年収には表れにくい部分ですが、生活実感としての差になります。
賞与比率が高い会社では、提示年収の内訳が交渉材料になります。基本給、賞与見込み、手当を分けて出してもらうと、業績が落ちた年にどこまで下がるのかが読めるようになります。賞与見込みが何か月分で計算されているかも確認してください。



賞与が厚い会社は、業績が良い年に大きく伸びる代わりに、悪い年は目に見えて下がります。安定を取るのか上振れを取るのか、自分の優先順位を決めてから比較すると迷いにくくなります。
日本新薬で年収を上げる方法


日本新薬で年収を上げる道は3つあります。社内で等級を上げる、グローバル展開の中核ポジションへ移る、外部へ転職するという選択です。
順番として現実的なのは社内での昇格です。50代前半の推計936万円という水準は、外部転職で同等以上を取るより到達しやすい目標になります。
社内での昇格と等級の引き上げ
日本新薬の給与は能力給と年齢給で構成され、年功の要素が残ります。勤続を重ねること自体が年収の上昇につながる設計です。
ただし賞与の比率が高く、等級ごとに支給月数が変わるため、等級の引き上げが最大の変数になります。推計の40代後半873万円と50代前半936万円の差63万円は、年功だけで説明できる幅ではありません。
評価による差別化は限定的とされる一方で、管理職登用には明確な差があります。研究職なら開発品の進捗、MRなら担当領域の売上が材料です。
グローバル展開に伴うポジション
第七次5ヵ年中期経営計画では、米国と中国を重点市場としたグローバル展開の拡大を掲げています(日本新薬 中期経営計画)。
主力製品ウプトラビの特許切れを乗り越えるため、新製品群を海外で立ち上げることが最優先課題という構図です。海外の薬事や臨床開発、パートナリングに関わるポジションは今後の重要度が上がります。
社内公募や異動の機会があれば、語学力と専門性を備えたうえで手を挙げる価値があります。海外駐在となれば手当が加わり、額面年収はさらに動きます。
転職によるキャリアアップ
社内での昇格が見通せない場合、転職が選択肢になります。中外製薬1,350万円、武田薬品工業1,144万円、小野薬品工業1,093万円といった大手は、全社平均で日本新薬を159万円から416万円上回ります。
ただし大手製薬のMR採用は絞られており、全社平均の差がそのまま提示年収に反映されるとは限りません。現実的な比較は同職種同士で行う必要があります。
泌尿器・血液・希少疾患の専門性は、外資系の希少疾患メーカーやバイオベンチャー、CROでも評価されます。領域の知識を持ち込める転職先を選ぶほうが、年収の維持と上積みの両方を狙えます。
提示年収の相場を知るには、同じ領域の求人を複数社分まとめて見られる転職エージェントの利用が早道です。非公開求人を含めて現在の市場価値を確認してから、社内に残るか外に出るかを決める順番が合理的です。
転職を決めていなくても、エージェントに職務経歴を見てもらえば現在の想定年収レンジがわかります。社内の昇格ペースと外部の提示額を同じ物差しで比べられるようになり、どちらを選ぶにしても判断材料が増えます。



希少疾患という専門領域は、外から見ると狭く見えて実は強い武器になります。転職を決める前でも、自分の経験がいくらで評価されるのかを一度確かめておくと、社内での交渉にも使えますよ。
日本新薬の年収に関するよくある質問
日本新薬の年収について、検索されることの多い疑問をまとめます。数字はいずれも公開資料をもとにしています。
日本新薬の初任給はいくらですか
2026年度の募集要項では、大学卒業が月給294,000円、修士課程修了が月給314,000円、博士課程修了が月給334,000円です。獣医学部と薬学部6年制は修士課程修了の扱いになります(日本新薬 新卒採用 募集要項)。
初任給は学歴で決まり、職種による差はありません。医薬品研究職、臨床開発職、信頼性保証職、生産技術職、MR職のいずれでも同額です。
大学卒業で月29万円台という初任給は製薬業界でも高い部類にあたります。勤務体系はコアタイムなしのフレックスタイム制で、標準労働時間は1日7時間40分です。
日本新薬のMRの年収は他社と比べて高いですか
口コミ集計でのMR職の平均は761万円です(OpenWork 日本新薬 年収・給与制度)。医薬品・医療機器業界の平均年収721万円を40万円上回る水準にあります。
ただし日本新薬の全社平均934万円は下回ります。回答者の平均年齢が34歳と若いことが主因で、40代まで在籍すれば平均に近づく計算です。
日本新薬のMRは泌尿器科や血液内科といった専門領域を担当します。他領域のMRからの転職では、疾患知識の習得期間を見込んでおく必要があります。
日本新薬の平均年収は今後も上がりますか
直近2期は783万円から934万円へと大きく上昇しましたが、10年単位で見ると770万円台から930万円台への緩やかな上昇です。賞与の比率が高いため、業績次第で下振れの年が生じます。
最大の変数は主力製品ウプトラビの特許切れです。中期経営計画ではこれを乗り越えることを最優先課題に掲げ、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬群や血液がん新製品群の上市を進める方針です(日本新薬 中期経営計画)。
2026年3月期は欧米での研究開発費増で純利益が8.7%%減となりました。投資が製品として結実するかどうかが、数年後の年収水準を決めます。
日本新薬の決算期は3月で、有価証券報告書は毎年6月下旬に提出されます。転職活動中に年収を確認するなら、IR情報の有価証券報告書ページで最新版を見るのが最も確実です。転職サイトには2024年3月期の783万円のまま更新されていない情報も残っています。
まとめ
日本新薬の平均年収は934万円です(2026年3月期 有価証券報告書、平均年齢41.8歳、平均勤続年数17.4年)。国内の正社員平均545万円の1.7倍にあたる水準です。
直近2期で151万円上昇しており、2024年3月期の783万円を載せたままの情報とは大きく乖離しています。数字を確認するときは決算期をそろえてください。
ただし全社平均と個別の実態には差があります。口コミ集計では研究職801万円、MR職761万円、営業職704万円で、回答者の平均年齢は34歳でした。
同じ中堅製薬で並べると、科研製薬874万円、持田製薬842万円、キッセイ薬品工業798万円です。日本新薬は4社の中で最も高い水準にあります。
大手製薬と比べると、中外製薬1,350万円、武田薬品工業1,144万円、小野薬品工業1,093万円には届きません。ただし平均年齢が最も若いため、同年齢で比べれば差は縮まります。
年収を上げる道は、社内での等級引き上げ、グローバル展開の中核ポジション、外部への転職の3つです。主力製品の特許切れを乗り越える新製品群の動向が、今後の原資を左右します。
転職を検討する場合は、全社平均ではなく同職種同士で比較してください。泌尿器・血液・希少疾患の専門知識を持ち込める転職先を選べば、経験を捨てずに年収を上げる余地が生まれます。









