カスタマーサクセスはやめとけ?解約率・アップセルのプレッシャーと職務範囲の曖昧さ、未経験転職の実態を解説

カスタマーサクセスはやめとけと言われる理由のアイキャッチ

「カスタマーサクセス やめとけ」と検索する背景には、顧客に寄り添う仕事という印象と、実際の業務負荷との間に隔たりがあるのではという不安があります。解約率やアップセル率という数値目標を背負う責任の重さ、そして営業でもカスタマーサポートでもない役割の曖昧さが、不安の正体です。

これらは単なる噂ではなく、カスタマーサクセスの実態調査や求人票の記載からも裏付けられる事情です。本記事ではカスタマーサクセスという職種に絞って一次情報を整理したうえで、向いている人には有望な選択肢であることも併せて解説します。

ITエンジニアやシステムエンジニアのような技術職とは異なり、カスタマーサクセスは顧客との関係構築と対話が業務の中心です。技術力ではなく人との向き合い方で成果を問われる職種だからこそ生まれる、独自の大変さに絞って掘り下げます。

この記事のポイント
  • カスタマーサクセスは解約率・アップセル率という数値目標を背負う責任の重い仕事
  • 担当者1人あたりの担当社数は平均97社という調査結果もある
  • 未経験可の求人でも営業・接客経験が実質的な前提になっている場合が多い
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カスタマーサクセスが「やめとけ」と言われる理由

カスタマーサクセスがやめとけと言われる主な理由

カスタマーサクセスに「やめとけ」という声が向けられる理由は、ひとつに絞れるものではありません。解約率やアップセル率という数値目標、営業でもサポートでもない職務範囲の曖昧さ、担当社数の多さという、性質の異なる要因が重なっています。

これらは個人の能力不足ではなく、カスタマーサクセスという職種が持つ構造から生まれる事情です。まずは職種として見たカスタマーサクセスの特徴を順番に見ていきます。

解約率・アップセル率という成果指標のプレッシャー

カスタマーサクセスの評価は、解約率(チャーンレート)や契約更新率、追加契約につながるアップセル率といった数値目標に紐づくことが一般的です。これらの指標は製品の機能や価格、競合の動向など個人の努力だけでは動かせない要因にも左右されるため、重圧を感じやすい仕組みになっています。

営業職の数値目標は新規契約という分かりやすい成果に直結しますが、カスタマーサクセスの数値目標は「解約しなかった」という消極的な結果の集積です。頑張っても目に見える成果として実感しにくいという声が、プレッシャーをさらに重く感じさせています。

解約の理由が製品の仕様や価格、経営方針の変更など自分の担当範囲を超えたところにある場合でも、結果として解約率という数字は担当者の評価に反映されます。この構造が、カスタマーサクセスという職種特有の息苦しさを生んでいます。

営業でもサポートでもない職務範囲の曖昧さ

カスタマーサクセスは、新規契約を取る営業でもなく、問い合わせに答えるカスタマーサポートでもない、中間的な立ち位置にあります。導入支援から契約更新の提案、問い合わせ対応の一部まで任されることがあり、どこまでが自分の仕事なのかが会社によって大きく異なります。

組織の立ち上げ期にある企業では、営業が受注した後の顧客対応をまとめて引き受ける形でカスタマーサクセスという役職名だけが先にできることもあります。業務範囲を定める基準が社内に整っていないまま働き始めると、自分の役割を説明しづらいという悩みにつながります。

役割の線引きがあいまいな状態は、評価基準のあいまいさとも直結します。営業からは「顧客対応はカスタマーサクセスの仕事」と見られ、サポート部門からは「契約に関わる話はカスタマーサクセスの仕事」と見られることで、両方の負担を抱え込みやすい構造があります。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

カスタマーサクセスの不満の多くは「仕事が辛い」というより「自分の役割がどこまでか分からない」ことに起因します。面接の段階で営業・サポートとの業務の切り分け方を具体的に質問しておくと、入社後のギャップを減らせます。

担当社数の多さと業務量の負担

クラウドサーカス株式会社が実施した「カスタマーサクセス実態調査」(2023年、BtoBのカスタマーサクセス・サポート担当者200名が対象)では、担当者1人あたりの担当顧客数は平均97社だったとされています。顧客規模や契約単価によって負担の重さは変わるものの、数字だけを見ると決して少ない件数ではありません。

同社が2025年に実施した追跡調査では、国内BtoB SaaSの月次平均解約率が2023年調査時の2.84%から3.01%へやや上昇したと報告されています。解約率が上がるほど、既存顧客のフォローに割ける時間と新規の立ち上げ業務が同時に増え、担当者1人あたりの業務量が膨らみやすくなります。

特に人員が少ないベンチャー企業のSaaS事業では、ユーザー数の拡大に人員増強が追いつかず、1人あたりの担当社数がさらに増える傾向があります。入社前にチームの人数と顧客数の比率を確認しておくことが、業務量を見積もるうえで欠かせない視点です。

ワンポイントアドバイス
担当社数とチーム人数を面接で確認する

「1人あたり何社を担当しているか」はほとんどの求人票に書かれていません。面接で具体的な数字を質問し、チームの増員計画と合わせて確認しておくと、入社後の業務量のギャップを減らせます。

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