日本生命の営業がきつい理由は?年収・働き方の実態と転職先を解説

この記事のポイント
  • 営業職員は99.6%が女性で、年7,595名採用しても在籍はほぼ横ばい
  • 査定をクリアできないと雇用契約が終了しうる仕組みが訴訟で報じられている
  • 公式の平均給与月額は29.9万円(賞与・時間外は含まず、2025年3月)
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

日本生命には、営業部をマネジメントする営業総合職と、保険を販売する営業職員という2つの区分があります。この記事で扱うのは人数の多い営業職員のほうです。管理職向けの総合職の記事は別にまとめています。

目次

日本生命の営業がきついと言われる理由

日本生命の営業がきついと言われる4つの理由

日本生命の営業がきついと言われる最大の理由は、知人や家族への新規開拓から始まる営業の起点と、契約の継続状況が収入や雇用そのものに影響する評価の仕組みにあります。

いずれも日本生命固有の話ではなく生命保険の営業職員という働き方全般に共通する要素ですが、日本生命は国内最大手であるがゆえにその規模が大きく表れます。順に確認します。

身内・知人への新規開拓が出発点になる仕組み

生命保険の営業職員は、会社から見込み客のリストを渡されるわけではありません。多くの場合、まず自分の家族や友人、知人に声をかけるところから営業がスタートします。

契約してもらえるかどうかが人間関係に直結するため、断られた経験や、関係がぎくしゃくした経験を語る口コミは生命保険業界全体で珍しくありません。知人のネットワークを使い切った後は、紹介の連鎖で新しい見込み客を広げていく必要があります。

この新規開拓の負担は、保険という商品の特性上避けにくい部分です。保険営業全体に共通する事情は別記事で詳しく整理しています。

人間関係を起点にする営業である以上、ノルマの数字以前に、声をかける相手を選ぶ段階で心理的な負荷がかかります。

契約の継続と査定が雇用に直結する給与設計

生命保険の営業職員は、基本給に営業成績に応じた手当を組み合わせる給与設計が一般的とされています。国内大手生保は外資系の完全歩合制と比べると固定給の比重が大きい傾向にあるといわれていますが、営業成績を一定期間ごとに判定する査定の仕組み自体はなくなりません。

実際に、査定をクリアできなければ雇用契約が終了しうる仕組みが入社時に十分説明されなかったとして、日本生命グループの営業職員2人が会社と上司を相手に民事訴訟を起こした例が報道されています(東洋経済オンライン)。

この訴訟では、神奈川県の支社に所属していた営業職員の女性が2016年に入社し、2020年秋に提訴、2021年12月に東京地方裁判所で結審したと報じられています。入社時に「ノルマはあるのか」と尋ねたところ、勧誘した職員からは具体的な説明がなかったとされています。

個別の訴訟の結果がすべての営業職員に当てはまるわけではありませんが、査定の仕組みが収入だけでなく雇用契約そのものに関わるという構造は、この職種のきつさを考えるうえで欠かせない事実です。

ほぼ女性だけで構成される職場構造

日本生命の公式開示によると、2024年度末の営業職員は47,842名、そのうち女性は47,651名です。割合にすると営業職員の99.6%を女性が占める計算になります(日本生命 人的資本 従業員の動向)。

この構成比は、いわゆる「生保レディ」という呼び方が今も実態に近い形で残っていることを示しています。職場の人間関係や評価の文化が、男女比の偏った組織特有の空気になりやすい点は、きつさを語るうえでの背景のひとつです。

同じ年度の内勤職員(本社や支社の事務・管理に携わる職員)は20,218名で、こちらは男女比がより分散しています。販売の最前線に立つ営業職員だけが極端に女性比率が高いという構造です。

大量採用と大量脱落を前提にした体制

2023年度末の営業職員は47,937名、2024年度末は47,842名で、1年間の減少は95名にとどまります。ところが同じ2024年度の採用数は7,595名です(日本生命 人的資本 従業員の動向)。

単純に差し引くと、1年間でおよそ7,500名が入れ替わっている計算になります。採用した人数のほとんどが、ほぼ同じ人数の離脱で相殺されている構造です。

この傾向は日本生命だけの特徴ではありません。生保15社の2019年度の集計では、営業職員の採用は年間約4.5万人、退職はほぼ同数の約4.3万人だったと報じられています。明治安田生命では同じ年度に採用5,800人に対し退職5,300人だったとも紹介されています(東洋経済オンライン)。

業界全体で大量採用と大量脱落が繰り返されてきた構造のなかに、国内最大手である日本生命も位置しているということです。入口の数が多い分、脱落する人数も大きく見えます。

ワンポイントアドバイス
入社前に査定の仕組みを自分で確認する

生命保険の営業職員は、入社後の査定基準や頻度が収入や雇用継続に直結します。説明会や面談では「ノルマはあるか」だけでなく、査定の頻度、クリアできなかった場合の扱い、育成期間の長さまで具体的に質問してください。口頭の説明だけでなく、募集要項や契約書面での記載を確認することが重要です。

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