AIG損保の営業がきついと言われる最大の理由は、労働時間の長さではありません。半期ごとに成績の基準を判定される運用と、独立を前提にした営業社員の制度にあります。
社員口コミの総合評価は3.63で、残業は月23.0時間、有給休暇消化率は75.8%です。数字だけ見れば穏やかですが、8つの評価項目のうち「人材の長期育成」だけが2.6と突出して低く、育てながら伸ばす組織ではないことが表れています(OpenWork AIG損害保険の社員クチコミ)。
この記事では公式の採用情報と公開されている口コミ集計だけを使い、年収の実態、労働時間、営業職の種類、向いている人の特徴、きついと感じたときの選択肢を整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起AIG損保は「毎日終電まで働くからきつい」タイプの会社ではありません。きつさの正体は、数字を判定される間隔の短さと、営業の入口が複数あることの分かりにくさです。
AIG損保の営業がきついと言われる理由


AIG損保の営業がきついと語られる背景には、成績の判定サイクル、独立を前提にした営業社員の制度、代理店を通す営業の立ち位置、そして育成に対する社内評価の低さの4つがあります。順に見ていきます。
半期ごとの成績判定
AIG損保の営業でまず話題にのぼるのが、半期に一度、成績の基準を満たしているかを判定されるという運用です。口コミサイトの退職検討理由には「基準未到達による退職」「半期に一度、成績基準」という書き出しの投稿が実名の職種つきで並んでいます(OpenWork AIG損害保険の退職検討理由)。
1年かけて挽回するのではなく、半年という単位で達成と未達がはっきりします。判定の間隔が短いほど、目の前の数字から意識をそらせる時間は短くなります。
起業家コースであるICA社員の募集要項にも、基本給は業績に応じ半年毎に調整しますと明記されています(AIG損保 ICA社員募集データ)。成績が下がれば固定給そのものが動く設計であることは、公式に書かれている事実です。
この仕組みは、成果を出している人にとっては半年ごとに報酬が上がる追い風になります。一方で立ち上がりに時間がかかるタイプの人には、助走期間が短く感じられます。
独立を前提にした5年という期限
AIG損保には、損害保険のプロ代理店として独立することを前提に採用される「ICA社員」という枠があります。最長5年間、独立前提の研修生として会社に所属し、固定給を受けながら顧客を開拓する制度です(AIG損保 ICA社員募集要項)。
在籍そのものに期限がある点が、一般的な営業職との最大の違いです。5年後に独立できる顧客基盤を築けているかどうかが、最初から逆算されます。
公式のQ&Aでは最短3年で独立できると案内されており、独立以外にも直販社員として働き続けるPCAという道や、提携する代理店へ入社する道が用意されています(AIG損保 独立への道)。選択肢は複数ありますが、どの道に進めるかは在籍中の成績で決まります。
注意したいのは、在籍していれば独立できる制度ではないという点です。独立の可否は在籍中に築いた顧客基盤で決まるため、5年という上限は猶予であると同時に期限でもあります。
代理店を通す間接営業の難しさ
新卒採用の部門紹介によると、AIG損保の営業の中心は保険を販売する代理店へのコンサルティング営業、つまり間接営業です(AIGジャパン 部門紹介)。自分が顧客に売るのではなく、売る主体である代理店を動かして数字を作ります。
自分の努力量と結果が直結しにくいのが、この立ち位置の難しさです。提案の質を上げても、代理店側が動かなければ数字は伸びません。
公式が示す代理店営業のミッションは、担当代理店の永続的な発展と業務品質の向上への寄与、そして営業予算の達成と収益の拡大です。育てる役割と数字を作る役割を同時に負う構造になっています。
損害保険会社の営業に共通する事情は保険営業がきついと言われる理由の記事で整理しています。ここではAIG損保に固有の部分に絞って見ていきます。
人材の長期育成の評点の低さ
口コミサイトの8項目の評点を並べると、人材の長期育成が2.6で最も低く、法令順守意識の4.5と1.9ポイントの開きがあります(OpenWork AIG損害保険の社員クチコミ)。
ルールを守る体制は高く評価される一方で、時間をかけて人を育てる部分は社員から評価されていません。社員の相互尊重3.1、社員の士気3.2、20代成長環境3.2も平均的な水準にとどまります。
- 法令順守意識 4.5
- 風通しの良さ 3.9
- 人事評価の適正感 3.7
- 待遇面の満足度 3.5
- 社員の士気 3.2
- 20代成長環境 3.2
- 社員の相互尊重 3.1
- 人材の長期育成 2.6
この8項目に共通するのは、仕組みの整備は進んでいるのに、人を長い目で伸ばす部分だけが取り残されているという評価のかたちです。成果を出せる人には自由がある反面、伸び悩んだときに支えてもらえる時間は短くなります。
半期ごとに判定される会社では、入社後半年の行動量を先に決めておくと立ち上がりが安定します。面接の段階で、直近に入社した人が半年時点でどの水準の数字を出しているかを具体的に聞いておくと、入社後の基準感を持って動けます。
AIG損保の営業の年収


AIG損保の年収を調べるときに最初に押さえておきたいのは、公式の平均年収が存在しないという事実です。そのうえで、複数の口コミ集計と公開されている募集要項を突き合わせると、実態の輪郭が見えてきます。
公式の平均年収が公表されない理由
AIG損害保険株式会社はAIGジャパン・ホールディングスの傘下にある非上場の会社です。上場企業が毎年開示する有価証券報告書の「平均年間給与」は存在しないため、公式の平均年収は確認できません。
会社が公表しているのは、資本金137億円、創業1946年、2018年1月1日にAIG損害保険株式会社として営業を開始したという会社情報までです(AIG損保 会社概要)。
したがって、この記事で扱う年収はすべて口コミサイトの集計値か、公式の募集要項に書かれた金額です。出どころが違えば数字も動くため、単一の数値を鵜呑みにしない読み方が必要になります。
口コミ集計で見る年収の水準
代表的な2つの口コミサイトの集計を並べると、平均年収はおおむね660万円台から700万円弱に収まります。回答者の属性が異なるため、平均年齢とあわせて読むと差の理由が見えてきます。
| 集計元 | 平均年収 | 平均年齢 | 回答者数 |
|---|---|---|---|
| OpenWork 正社員 | 694万円 | 37歳 | 320人 |
| エン カイシャの評判 全体 | 666万円 | 41.3歳 | 156人 |
| エン カイシャの評判 営業系 | 695万円 | 41歳 | 145人 |
| エン カイシャの評判 企画・事務・管理系 | 608万円 | 40歳 | 87人 |
出典はOpenWork AIG損害保険の社員クチコミおよびエン カイシャの評判 AIG損害保険です。
目を引くのは、営業系の695万円と企画・事務・管理系の608万円の差です。同じ会社でも営業職のほうがおよそ87万円高い集計になっており、成果に連動する部分の厚さが数字に表れています。
OpenWorkの年収レンジは180万円から1800万円と広く、エン カイシャの評判でも180万円から1900万円と報告されています。平均値の近さに対して、実際の分布はかなり開いていると考えたほうが実態に近くなります。
固定残業代を差し引いた実質の水準
AIG損保の給与を読むときに欠かせないのが、月給に固定残業代が含まれているという点です。募集要項には金額まで明記されています。
| 区分 | 月給 | うち固定残業代 | 相当時間 |
|---|---|---|---|
| 新卒 大学卒 | 370,577円 | 92,644円 | 42.0時間 |
| 新卒 修士了 | 382,943円 | 95,736円 | 42.0時間 |
| ICA社員 下限 | 241,000円 | 84,300円 | 45時間 |
| ICA社員 上限 | 355,000円 | 120,700円 | 45時間 |
出典はAIGジャパン 新卒採用募集要項とAIG損保 ICA社員募集データです。いずれも超過分は別途支給すると明記されています。
大学卒の月給37万円台という数字は初任給としては高い水準ですが、うち9万円強は42時間分の残業代です。固定残業代を除いた部分は27万円台になります。
ICA社員も同じ構造です。固定給24万1,000円のうち8万4,300円が45時間分の固定残業代にあたるため、残業をしなかった月でも月給は変わらない代わりに、基本部分は見た目より小さくなります。
口コミには「初めの半年は固定給で手取り20万ほど」という投稿もあり、その回答者の年収は340万円、基本給は月20万円と記載されています(OpenWork 営業ICAの社員クチコミ)。立ち上がり期の実感値として参考になります。
世間の水準との比較
比較の物差しとして公的統計を置くと、位置づけがはっきりします。国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
口コミ集計の694万円という数字は、正社員平均を約150万円上回る水準にあたります。外資系金融の日本法人という立ち位置を考えれば、待遇面の満足度3.5という評点とも整合します。
年齢別に見ると、厚生労働省の賃金構造基本統計調査では35〜39歳の所定内給与額の平均は34.1万円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。AIG損保の回答者の平均年齢が37歳であることを踏まえると、月収ベースでも世間水準を超える人が多いと読めます。
ただし年収が高いことと働きやすいことは別の話です。ここから先は、時間と働き方の実態を見ていきます。
固定残業代を含む月給を提示する会社では、額面だけで前職と比較すると判断を誤ります。基本給、固定残業代、その相当時間、賞与の回数と算定方法の4点をそろえて聞き、同じ条件に並べ直してから比べるようにしてください。
AIG損保の労働時間と働き方の実態


労働時間だけを見ると、AIG損保はきつい会社には見えません。口コミ集計でも公式の募集要項でも、長時間労働を前提にした設計にはなっていません。きつさは別のところにあります。
残業時間と有給休暇消化率
口コミ集計では、月間の残業時間は23.0時間、有給休暇消化率は75.8%です(OpenWork AIG損害保険の社員クチコミ)。全社平均としては穏やかな水準です。
職種で絞ると景色が変わります。エン カイシャの評判の集計では、全体の残業が月29時間なのに対し、営業系だけを抜き出すと月32時間、企画・事務・管理系は月25時間でした(エン カイシャの評判 AIG損害保険)。
営業と内勤で月7時間ほどの差がつく計算です。数字としては大きくありませんが、移動を含む営業の実働を踏まえると体感の差はもう少し開きます。
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 残業時間 全社 | 月23.0時間 | OpenWork |
| 残業時間 営業系 | 月32時間 | エン カイシャの評判 |
| 有給休暇消化率 | 75.8% | OpenWork |
| 年間休日数 | 120日 | 新卒採用募集要項 |
| 所定労働時間 | 1日7時間 | 新卒採用募集要項 |
所定労働時間が1日7時間という点は見落とされがちです。9時から17時で休憩60分という設定は、損害保険業界のなかでも短めの部類に入ります。
勤務地希望制度による転勤のなさ
AIGジャパンには「Work@Homebase」という勤務地希望制度があり、原則として会社都合による転勤に伴う転居や単身赴任がありません(AIGジャパン Work@Homebase)。地元で働き続けたい人には大きな利点です。
ただしこの制度は、営業にとっては裏の意味も持ちます。担当するエリアが長期にわたって固定されるということでもあるからです。
担当エリアの市場が薄い場合、異動で環境を変えるという解決策が取りにくくなります。同じ土地で数字を出し続ける前提に、自分が耐えられるかどうかが分かれ目になります。
国内の営業店舗数は2026年4月1日時点で92店舗です(AIG損保 会社概要)。1年前の2025年4月1日時点では102店でしたから、1年で10店舗が減った計算になります(日本損害保険協会 AIG損害保険の会社概要)。
拠点の統廃合が進めば、1人あたりが見るエリアは広がります。転勤がないことと、担当範囲が変わらないことは同じ意味ではありません。
ICA社員の1日の動き方
公式サイトには、ICA社員の1日のスケジュールが時刻つきで公開されています。訪問件数は1日3件から4件ほどで、16時に帰社してテレアポ、17時に事務作業、18時に退勤という流れです(AIG損保 ICA社員の仕事)。
同じページには、遅くまでの残業は禁止されていると明記されています。時間で押し切る働き方を会社として想定していないことが読み取れます。
裏を返せば、限られた時間の中で新規の法人を開拓し続ける必要があるということです。公式のQ&Aでも、縁故や知人に頼らない営業スタイルが特徴だと説明されています(AIG損保 ICA社員のよくある質問)。
知り合いから契約を積み上げる進め方ができないぶん、新規開拓の技術がそのまま成果を左右します。電話で初めての法人に接点を作る場面の負荷については法人営業のテレアポがきついと言われる理由の記事も参考になります。
1日3件から4件の訪問を前提にすると、商談そのものより移動と準備に時間を取られます。担当エリアの広さと1件あたりの移動時間を面接で確認し、1日に確保できる商談時間を計算してから入社を決めると、入社後の落差が小さくなります。



残業23時間で年間休日120日という条件は、数字だけ見れば恵まれています。それでもきついと言われるのは、時間ではなく成果の判定でふるいにかけられる設計だからです。
AIG損保の営業職の種類と事業の特徴


AIG損保の営業には複数の入口があります。募集の名称が違えば、仕事の中身も報酬の作り方も別物です。会社の姿を押さえたうえで、種類ごとの違いを整理します。
AIG損保の会社概要と統合の経緯
AIG損害保険株式会社は、米国AIGグループの日本法人にあたる損害保険会社です。まず公式が公表している基本情報を確認します。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | AIG損害保険株式会社 |
| 英文名称 | AIG General Insurance Company, Ltd. |
| 創業 | 1946年 |
| 資本金 | 137億円 |
| 本店所在地 | 東京都港区麻布台1-3-1 |
| 代表者 | 代表取締役社長 兼 CEO ジェームス・ナッシュ |
| 国内営業店舗数 | 92店舗 2026年4月1日現在 |
| 従業員数 | 6,061名 2025年3月31日現在 |
| 国内代理店数 | 12,760店 2025年3月31日現在 |
出典はAIG損保 会社概要と日本損害保険協会 AIG損害保険の会社概要です。
沿革で外せないのが、2018年1月にAIU損害保険と富士火災海上保険が合併して誕生した会社だという点です。旧AIUは1946年開設、旧富士火災は1918年設立の日本簡易火災保険が前身にあたります。
出自の異なる2社が一つになった会社であるため、退職検討理由にも「合併により社風が変わった」という投稿が残っています。統合から年数は経ちましたが、制度や文化の違いが完全に消えたわけではありません。
代理店営業の仕事内容
新卒採用では、ディストリビューション部門の代理店営業担当という名称で募集されています。仕事は保険を販売する代理店へのコンサルティング営業で、全国の支店に配属されます(AIGジャパン 新卒採用募集要項)。
公式が挙げる業務は、代理店の経営課題への支援、保険募集体制の整備支援、顧客サービス向上支援といった経営コンサルティングと、販売戦略の策定支援や商品研修の実施といった営業支援の2本柱です。
- 代理店の経営課題に対する各種サポート
- 保険募集体制の整備支援と顧客サービス向上支援
- 販売戦略の策定と実行の支援
- 商品研修の実施と各種照会への対応
並べてみると、保険を売る仕事というより、保険を売る会社を育てる仕事に近いことが分かります。担当代理店の業績がそのまま自分の数字になるため、相手の経営に踏み込む力が求められます。
ICA社員とPCA社員の違い
直接法人を開拓する枠がICA社員です。職種名は企画営業で、法人を対象とした損害保険営業と明記されています(AIG損保 ICA社員募集データ)。
応募条件は高卒以上で社会人経験1年以上程度と、間口は広めです。公式のQ&Aでは、応募者の大半が保険業界以外からの転職者だと説明されています。
一定の要件を満たせば、独立せずに直販社員として定年まで働くPCAという道もあります。固定給と業績給の収入体系を続けながら市場を開拓する働き方です(AIG損保 独立への道)。
| 区分 | 営業の形 | 主な対象 | 報酬の軸 |
|---|---|---|---|
| 代理店営業 | 間接営業 | プロ代理店 | 担当代理店の業績 |
| ICA社員 | 直接営業 | 法人の新規開拓 | 固定給と業績給 |
| PCA社員 | 直接営業 | 自ら開拓した市場 | 固定給と業績給 |
同じ「営業」でも、代理店営業は人を動かす仕事、ICAとPCAは自分で取る仕事です。どちらのきつさが自分に合うかで、選ぶ入口が変わります。
取り扱う商材の構成
何を売る会社なのかは、収入の内訳を見ると分かります。2024年度の正味収入保険料は約1,556億円で、内訳は自動車保険が約521億円、傷害保険が約248億円、火災保険が約154億円です(日本損害保険協会 AIG損害保険の会社概要)。
| 種目 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|
| 正味収入保険料 合計 | 1,556億円 | 1,525億円 | 1,516億円 |
| うち自動車保険 | 521億円 | 514億円 | 524億円 |
| うち傷害保険 | 248億円 | 257億円 | 264億円 |
| うち火災保険 | 154億円 | 145億円 | 126億円 |
自動車保険が最大の柱である点は他の損害保険会社と共通ですが、傷害保険の比率が高いのはAIG損保の特徴です。旧AIU時代から積み上げてきた領域が、いまも収益の一角を占めています。
同じ資料では正味事業費率も公表されており、2022年度38.4%、2023年度34.2%、2024年度31.8%と推移しています。3年で6.6ポイント下がっており、経費の絞り込みが進んでいることが読み取れます。
事業費率の低下は収益性の改善を意味しますが、現場から見れば人員や拠点の効率化が続いているということでもあります。1年で10店舗減った拠点数の動きとも符合します。
AIG損保の求人は、代理店営業とICA社員で働き方がまったく異なります。応募先が間接営業なのか自分で法人を開拓する枠なのか、求人票の職種名と勤務地の記載で必ず切り分けてから、面接の質問を準備してください。
AIG損保の営業に向いている人と向いていない人
ここまで見てきた制度と数字から、相性のよしあしはかなりはっきり分かれます。年収の高さだけで判断すると入社後に苦しくなるため、働き方の前提で見ていきます。
向いている人の特徴
まず挙がるのが、短い期間で結果を確認しながら動くことを苦にしない人です。半期ごとに判定される環境では、四半期や月次で自分の進捗を管理する習慣がそのまま武器になります。
次に、地元で腰を据えて働きたい人です。転居を伴う転勤が原則ないため、家庭の事情で勤務地を動かせない人にとっては選びやすい会社になります。
- 半年単位で成果を積み上げる計画を自分で引ける人
- 決まった土地で長く人間関係を作りたい人
- 将来は代理店として独立したい意思がある人
- 保険業界の経験がなくても学び直す前提で動ける人
- 相手の経営課題を聞き出して提案に変えられる人
この5つに共通するのは、会社に道を用意してもらうのではなく、自分で進む方向を決められるかどうかという点です。公式が掲げる「自ら考え実行していく」という採用メッセージとも重なります。
向いていない人の特徴
逆に厳しくなるのは、立ち上がりに時間をかけて育ててほしいタイプです。人材の長期育成の評点が2.6という数字は、そのまま育成の手薄さを示しています。
固定給の安定を最優先する人も相性が良くありません。ICA社員の場合、基本給が半年ごとに業績で調整されるため、成績が落ちれば月給も下がります。
担当エリアを変えて心機一転したい人にとっても、勤務地希望制度は逆に働きます。環境を変える手段が限られている点は、事前に理解しておく必要があります。
金融機関の法人営業全般に共通する厳しさについては銀行の法人営業がきついと言われる理由の記事も合わせて読むと、業界共通の部分と会社固有の部分を切り分けやすくなります。
入社前に確認しておきたいこと
求人票と面接で確認しておくと、入社後のずれが小さくなる項目があります。いずれも公開情報だけでは分からない部分です。
- 半期ごとの判定基準が件数なのか保険料なのか
- 直近1年で同じ拠点に入った人が何人残っているか
- 担当予定エリアの代理店数と既存契約の厚み
- 固定残業代を超えた月の実際の支給実績
- 独立を選ばなかった場合に用意される社内の道
5つ目は特に重要です。ICA社員として入る場合、独立以外の選択肢が制度として存在することと、実際にその枠に入れる人がいることは別の話だからです。
面接は会社が応募者を見る場であると同時に、応募者が会社の運用を確認する場でもあります。制度の名前ではなく、直近の運用実績を数字で聞くのが確実です。
採用面接では活躍している社員の話が中心になりがちです。同じ拠点で直近2年に入社した人数と現在の在籍人数を尋ねると、制度の説明よりも実態が早く分かります。答えにくそうであれば、その反応自体が判断材料になります。



向き不向きは能力の差ではなく、環境との相性の話です。半年ごとに判定される環境が合う人もいれば、じっくり積み上げるほうが力を出せる人もいます。
AIG損保の営業がきついと感じたときの対処法


きついと感じた時点で辞めるかどうかを決める必要はありません。数字の中身を分解し、社内で動ける範囲を確かめ、それでも合わなければ外を見る。この順番で考えると判断を誤りにくくなります。
成績の差を件数と単価に分解する
最初にやるべきは、基準と自分の実績の差がどこから生まれているかを分けて見ることです。訪問件数が足りないのか、提案から契約に至る率が低いのか、1件あたりの保険料が小さいのかで打ち手は変わります。
公式が示すICA社員の1日は訪問3件から4件です。この水準に届いていないなら、まず接点の数が課題になります。
件数が足りているのに契約が伸びない場合は、提案の中身か対象の選び方に原因があります。同じ努力量でも、当たる相手を変えるだけで結果が動くことは珍しくありません。
社内で担当や部門を変える
AIG損保には営業以外にも、損害サービス部門と商品部門という大きな柱があります。損害サービスは1事故を1人の担当者が最後まで受け持つ1事故1担当制で、営業とは求められる力が異なります(AIGジャパン 部門紹介)。
数字で判定される環境が合わないだけで、保険という商材自体には向いている場合があります。部門を変えることで力を発揮し直す人は実際にいます。
一方で、社内公募での異動が難しいという声が退職検討理由に残っている点も踏まえておく必要があります(OpenWork AIG損害保険の退職検討理由)。社内で動ける余地は、上長との面談で早めに確認しておくのが現実的です。
社外の選択肢を並べて比較する
続けるか辞めるかの二択で考えると、判断が感情に寄ります。いま得ている条件と、外で得られそうな条件を同じ形式で並べてから決めると冷静になれます。
比較の物差しは、額面の年収ではなく基本給と固定残業代を分けた実質の月収、判定の間隔、担当エリアの自由度の3点です。AIG損保はこのうち2つ目と3つ目に特徴がある会社です。
年代によって選べる求人の幅は変わります。30代向けの転職エージェントの記事と40代向けの転職エージェントの記事では、年代ごとに使い分けの考え方を整理しています。
転職活動を始めることと転職することは別です。手元に選択肢がある状態で今の仕事を見直すと、残るという判断にも納得感が生まれます。
担当した件数、提案数、契約数、保険料の合計を半期ごとに1枚の表にしておくと、社内の異動相談でも社外の選考でも同じ資料が使えます。退職を決めてから振り返ると細かい数字を思い出せないため、いま作っておくのが得策です。
AIG損保の営業経験が活きる転職先


AIG損保の営業経験は、商品知識よりも開拓の実績として評価されます。何を扱っていたかより、どうやって数字を作ったかが見られる領域が中心になります。
保険業界の中での転職先
最も接続がよいのは、同じ損害保険会社や生命保険会社、そして保険代理店です。代理店を育てて数字を作った経験は、そのまま他社の代理店営業で使えます。
国内の代理店数は12,760店と規模が大きく、担当した代理店の業種や規模によって経験の色は変わります。法人に強い代理店を見ていたのか、個人中心だったのかは、職務経歴書で明確に書き分けたほうが伝わります。
ICA社員として法人を新規開拓していた場合は、代理店側への転職も選択肢に入ります。独立前提の研修で身につけた開拓の手順は、代理店の営業部門でそのまま求められる力です。
保険業界全体の営業職の事情は保険営業がきついと言われる理由の記事にまとめています。同じ業界で動く場合は、会社ごとの評価制度の違いを先に押さえておくと選びやすくなります。
業界を変えた法人営業への転職
保険から離れる場合に相性がよいのは、形のない商材を法人に提案する仕事です。人材サービス、業務システム、広告や販促の支援といった領域が該当します。
共通するのは、相手の課題を聞き出してから提案の形を決めるという進め方です。保険の提案で行っている課題の洗い出しと、構造としては同じ仕事になります。
評価されやすいのは、新規で接点を作った件数と、そこから契約に至った率です。縁故に頼らない開拓をしてきた経験は、この2つの数字で説明できます。
逆に、代理店営業だけを経験してきた場合は、自分で契約を取った実績が薄く見られることがあります。担当代理店の業績を自分がどう動かしたかを、具体的な施策と数字で書くと補えます。
代理店営業の実績は自分の契約数では表しにくいため、担当前と担当後で代理店の収入保険料や募集人数がどう変わったかを書くと伝わります。取り組んだ施策を3つに絞り、それぞれの結果を数字で添える形が読みやすくなります。



保険業界の外に出る場合でも、法人を新規で開拓し続けた事実は強い材料になります。扱った商品名ではなく、開拓の手順を言葉にできるかどうかが分かれ目です。
AIG損保の営業に関するよくある質問
ここまで扱いきれなかった疑問を、公開されている情報の範囲で整理します。数字が確認できないものは、確認できないと明記しています。
AIG損保の離職率は公開されていますか
会社としての離職率は公表されていません。口コミサイトの退職検討理由には「ノルマ未達で退職。おそらく半年で6〜7割、1年で8割、2年で9割が消える」という投稿がありますが、これは投稿者個人の体感であり会社が公表した数字ではありません(OpenWork 退職検討理由のクチコミ)。
一方で、口コミサイトが掲載する職場情報では、平均勤続年数が男性20.2年、女性17.9年と報告されています。この職場情報の出典は女性の活躍推進企業データベースです(OpenWork AIG損害保険の職場情報)。
この2つは矛盾しません。長く働く内勤や損害サービスの層と、数年で入れ替わる営業の層が同じ会社に併存していると読むのが自然です。離職率の話をするときは、どの職種の話なのかを必ず確認してください。
AIG損保にノルマはありますか
ノルマという名称での公表はありませんが、半期ごとに成績の基準を判定する運用があることは、募集要項の「基本給は業績に応じ半年毎に調整します」という記述と、退職検討理由の投稿の両方から確認できます。
代理店営業の場合は、公式が掲げるミッションに営業予算の達成と収益の拡大が含まれています。予算という形で数字の責任を負う点は明示されています。
数字がある会社かどうかではなく、その数字が何で測られ、どの間隔で判定されるかを見るほうが実態に近づきます。AIG損保は後者が短い会社です。
未経験から応募できますか
ICA社員の募集要項には、高卒以上、社会人経験1年以上程度、営業経験者歓迎と記載されています(AIG損保 ICA社員募集データ)。業界経験は必須ではありません。
公式のQ&Aでも、応募者の大半は保険業界以外からの転職者であり、業界経験は重視していないと説明されています。保険の知識は入社後に身につける前提です。
ただし未経験歓迎であることと、未経験でも成果が出しやすいことは別の話です。法人への新規開拓という進め方自体は、経験の有無にかかわらず難度が高い領域になります。
転勤はありますか
AIGジャパンの勤務地希望制度「Work@Homebase」により、原則として会社都合による転勤に伴う転居や単身赴任はありません(AIGジャパン Work@Homebase)。ICA社員も勤務地は希望に応じるとされています。
新卒採用では損害サービス部門とディストリビューション部門が全国、商品部門は東京都勤務です。部門によって勤務地の前提が違う点は押さえておいてください。
転勤がないことは安心材料ですが、同じエリアで成果を出し続ける前提でもあります。担当エリアの市場規模を入社前に確認する重要性は、この制度があるからこそ高まります。
独立しない場合はどうなりますか
公式には、代理店として独立する以外の道として、直販社員として定年まで働くPCAと、AIGから独立した代理店の従業員として働く制度の2つが案内されています(AIG損保 独立への道)。
どちらも一定の要件を満たせばという条件つきです。要件の中身は公開されていないため、応募時に確認する必要があります。
制度として選択肢が用意されていることは前向きな材料です。そのうえで、直近に何人がその枠に進んだのかを面接で聞ければ、実態に近い判断ができます。
会社が公表している数字と、口コミサイトの個人の投稿は重みが違います。募集要項や協会の資料に書かれた数字を土台にして、口コミは現場の温度を知る補助として使うと、判断を誤りにくくなります。



口コミの数字はあくまで一人の体感です。会社が公表している募集要項や協会の資料と突き合わせて、どこまでが事実でどこからが印象なのかを分けて読んでください。
AIG損保の営業がきつい理由のまとめ
AIG損保の営業がきついと言われる理由は、労働時間ではなく成果の判定サイクルにあります。半期ごとに基準を判定する運用があり、ICA社員では基本給そのものが業績で半年ごとに調整されます。
年収は口コミ集計で694万円前後と、正社員平均の545万円を大きく上回ります。ただし月給には固定残業代が含まれ、新卒の月給37万円台のうち9万円強は42時間分の残業代にあたります。
働き方の条件は悪くありません。残業は月23.0時間、有給休暇消化率は75.8%、年間休日は120日で、所定労働時間は1日7時間です。転居を伴う転勤も原則ありません。
その裏返しとして、担当エリアが固定されます。国内の営業店舗は1年で102店から92店へ減っており、1人が見る範囲は広がる方向にあります。
代理店営業とICA社員では、同じ営業でも仕事の中身が別物です。どちらの入口で入るのかを最初に見極め、判定の基準と直近の在籍実績を面接で確認したうえで判断してください。









