ディップの営業がきつい理由は?年収・離職率・働き方の実態と転職先を解説

ディップの営業がきついと言われる理由は、労働時間の長さではありません。担当企業の引き継ぎが発生する営業体制の変更と、月間・四半期・通期の3層で締まる目標管理にあります。

2026年2月期の売上高は548億52百万円で前期比2.7%の減収、営業利益は91億12百万円で32.0%の減益でした。会社はその要因として、営業力強化のための体制変更にともなう担当企業の引き継ぎ業務の増加を挙げています(ディップ 第29期有価証券報告書)。

この記事では有価証券報告書と公式の採用情報、そして社員口コミの集計値だけを使い、年収の実態、労働時間、営業職が扱う商材、向いている人の特徴、きついと感じたときの選択肢を整理します。

解説者

FOCUS AGENT:東田 尚起

FOCUS AGENT なおき

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。

自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。

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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

ディップは「毎日終電まで働くからきつい」タイプの会社ではありません。残業は月23.2時間と業界平均を下回ります。それでもきついと言われるのは、時間ではなく数字の締まり方に理由があるからです。

目次

ディップの営業がきついと言われる理由

ディップの営業がきついと言われる理由

ディップの営業がきついと語られる背景には、直近の営業体制の変更、目標管理の細かさ、業績局面、そして社員評価に出ている待遇面と育成面の低さという4つの要素があります。順に数字で確認します。

営業体制の変更と担当企業の引き継ぎ

2026年2月期の有価証券報告書には、営業力のさらなる強化を図るためにソリューション体制への変更を行い、担当企業の引き継ぎ業務が増加した影響で売上高が前期比2.7%減となったと書かれています(ディップ 第29期有価証券報告書)。

会社が自ら開示している内容なので、これは口コミの体感ではなく公式の説明です。営業の現場から見ると、担当替えにともなう引き継ぎの事務作業が通常業務に上乗せされた期だったことになります。

人材サービス事業についても、担当企業の引き継ぎ業務が増えた影響で新規顧客や過去に取引があった顧客の契約獲得が鈍化したと明記されています。売れない理由が個人の力量だけではない局面が、実際に存在したということです。

引き継ぎが終われば負荷は落ち着きます。ただし移行期に在籍していた人ほど、「担当が変わり、関係の作り直しから始めた」という感覚を強く持ちやすくなります。

月間・四半期・通期の3層で締まる目標

新卒採用の募集要項には、インセンティブとして月間目標達成、クオーターの3か月目標達成、通期表彰の3種類が並んでいます。それぞれにMVP賞、VP賞、敢闘賞、新人賞が設定されています(ディップ 新卒採用サイト 営業の募集要項)。

目標の締め切りが月に一度だけの会社と比べると、評価が確定する回数そのものが多い設計です。走り切って休む区切りが短い周期で訪れます。

賞与の算定期間も独特です。6月支給分は前年9月から当年2月までの業績、12月支給分は当年3月から8月までの業績で決まると公式に説明されています。半年ごとの成績がそのまま賞与額に反映される仕組みです。

  • 月間目標の達成とハイアップ達成に対する報奨金
  • クオーター、つまり3か月ごとの目標達成に対する報奨金
  • 通期の表彰報奨金と、副賞としての報奨旅行

3つに共通するのは、達成が公開の場で確定するという点です。がんばりが可視化される制度は、成果が出ているときは強い追い風になりますが、出ていないときは逃げ場が少なくなります。

減収減益局面での数字の重さ

2026年2月期の連結業績は、売上高548億52百万円、営業利益91億12百万円、経常利益89億90百万円、親会社株主に帰属する当期純利益59億56百万円でした。利益はいずれも前期比で30%を超える減少です(ディップ 第29期有価証券報告書)。

直前の4期は売上が伸び続けていたため、社内の空気の変わり方は大きくなります。伸びている前提で組まれた目標が、環境の変化に合わせて即座に緩むわけではありません。

決算期売上高従業員数
2023年2月期493億55百万円2,316人
2024年2月期537億82百万円2,699人
2025年2月期563億86百万円2,530人
2026年2月期548億52百万円2,663人

出典はディップ 第29期有価証券報告書です。従業員数は期末時点の就業人員で、派遣社員と臨時雇用社員は含みません。

2024年2月期から2025年2月期にかけて従業員数が169人減り、翌期に133人戻しています。人の出入りが小さくない組織であることが、この2行からも読み取れます。

待遇面の満足度と長期育成の低評価

社員口コミの総合評価は3.78で、回答者は1,231人です。掲載企業のなかでは上位2%に位置づけられています(OpenWork ディップの社員クチコミ)。全体としては高く評価されている会社です。

ただし8項目の内訳を見ると、評価が割れています。風通しや成長環境が高い一方で、待遇面と長期育成が目立って低い水準にとどまります。

評価項目スコア
風通しの良さ4.2
20代成長環境4.2
社員の相互尊重4.1
法令順守意識4.1
社員の士気3.6
人事評価の適正感3.4
待遇面の満足度2.7
人材の長期育成2.5
総合評価3.78

出典はOpenWork ディップの社員クチコミで、回答者は1,231人です。

20代成長環境が4.2なのに人材の長期育成が2.5という組み合わせは、短期間で機会は回ってくるが長い目で育ててもらう設計ではない、という読み方ができます。

待遇面の満足度2.7も同じ方向を向いています。成長は実感できても、その成長に給与が追いついている実感は薄い。ここが「きつい」という言葉に集約されている部分です。

ワンポイントアドバイス
きつさの中身を3つに分けて考える

同じきついでも、労働時間なのか、数字の圧力なのか、待遇への納得感なのかで打つ手は変わります。ディップは残業が月23.2時間と長くないため、時間以外の2つを先に疑うほうが実態に合います。

ディップの営業の年収

ディップの営業の年収

ディップは東証プライム市場に上場しているため、年収は有価証券報告書で一次情報を確認できます。2026年2月末時点の平均年間給与は5,313千円、つまり531万3千円です(ディップ 第29期有価証券報告書)。

有価証券報告書の平均年間給与は531万円

同じ資料には、従業員数2,663人、平均年齢30.5歳、平均勤続年数5.6年と記載されています。平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれます。

国税庁の調査では給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。ディップの531万円は全体平均を上回り、正社員平均をわずかに下回る水準にあります。

ただし平均年齢が30.5歳である点を見落とせません。厚生労働省の統計では30歳から34歳の所定内給与額は月31.2万円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。同年代の水準と比べると、ディップの数字は明確に高い部類に入ります。

前期の平均年間給与は5,246千円でしたので、減収減益の期でも平均は67千円上がっています。全社平均が下がったわけではありません。

営業職の口コミ集計は450万円

全社平均と職種別の実感値にはずれがあります。社員口コミの年収データでは、営業職619人の平均年収は450万円で、範囲は240万円から1,000万円です(OpenWork ディップの年収・給与制度)。

回答者850人のうち619人が営業職であることから、この会社の中心が営業であることも同時にわかります。

職種回答者数平均年収範囲
開発9人582万円350万円〜780万円
エンジニア・SE25人531万円300万円〜900万円
企画32人499万円300万円〜840万円
マーケティング10人479万円300万円〜700万円
営業619人450万円240万円〜1,000万円
キャリアアドバイザー8人449万円380万円〜550万円
コンサルタント72人435万円300万円〜670万円

出典はOpenWork ディップの年収・給与制度です。回答者全体の平均年収は458万円、平均年齢は28歳となっています。

注目したいのは営業の範囲の広さです。240万円から1,000万円まで開いており、他のどの職種よりもレンジが大きくなっています。

同じ職種のなかで4倍以上の差がつくということは、在籍年数と成績の差がそのまま年収の差として現れていることを意味します。平均の450万円という数字だけを見て判断すると、上振れも下振れも見落とします。

初任給に含まれる固定残業30時間分

新卒採用の初任給は月給296,027円です。内訳は基本給222,000円、職務手当13,690円、固定残業手当60,337円で、固定残業手当は1か月あたり30時間相当分と明示されています(ディップ 新卒採用サイト 営業の募集要項)。

求人の見出しに出る29万円台という数字は、残業30時間分を織り込んだ金額です。30時間を超えた分は別途支給されると書かれているため、超過分が消える設計ではありません。

この構造を知らずに入社すると、実際の残業時間が少なかった月にも手取りが変わらないことに違和感を覚えます。逆に、残業が30時間に届かない月は実質的な時給が上がる計算になります。

昇給と昇格の機会は年2回あります。半年単位で等級が動く可能性があるという意味で、成果が給与に反映されるまでの期間は比較的短い部類です。

ワンポイントアドバイス
平均年収ではなく職種と年次で見る

有価証券報告書の531万円は全社平均で、管理部門や専門職も含みます。営業職として自分がいくらになるかを考えるなら、口コミ集計の450万円と240万円から1,000万円という範囲を出発点にしたほうが実態に近づきます。

ディップの労働時間と働き方の実態

ディップの労働時間と働き方

労働時間については、口コミの集計値と会社が開示しているKPIの両方が公開されています。両方を並べると、時間の長さと働きやすさの実感が必ずしも一致していないことが見えてきます。

月間平均残業時間は23.2時間

社員口コミの集計では、月間平均残業時間は23.2時間です。人材サービス業界の月間平均24.3時間より1.1時間少ない水準にあります(OpenWork ディップのワーク・ライフ・バランス)。

回答者1,231人の内訳では、20時間から39時間と答えた人が52.1%で最も多くなっています。1日あたりに直すと1時間から2時間の範囲に収まる人が半数を超える計算です。

勤務時間は9時30分から18時30分と公式に示されています。定時の設計自体が一般的な水準です。

休日は完全週休2日制の土日祝で、年間休日は124日と記載されています。カレンダー上の休みは確保されている会社だといえます。

この数字だけを見ると、激務という言葉は当てはまりません。きついと語られるときの中身は、拘束時間ではなく別のところにあります。

有給休暇取得率76.8%と会社目標のずれ

有価証券報告書のKPI一覧には、2026年2月期の有給休暇取得率が76.8%、会社目標が80%と記載されています。前期の80.7%から下がり、目標を割り込んだ形です(ディップ 第29期有価証券報告書)。

口コミ側の有給消化率は78.6%で、こちらも8割に届いていません。ただし人材サービス業界の平均71.4%は上回っており、消化率80%以上と答えた人が49.8%を占めます(OpenWork ディップのワーク・ライフ・バランス)。

休暇制度そのものは整っています。夏季休暇、年末年始休暇、慶弔休暇に加えて、アニバーサリー休暇やファミリー休暇、ボランティア休暇まで用意されています。

制度があるのに取得率が目標に届かないという状態は、現場の繁忙が制度運用に勝っていることを示します。取りにくさを感じる人が一定数いるのは自然です。

離職率15.9%と会社目標10%の距離

同じKPI一覧で、2026年2月期の離職率は15.9%、会社目標は10%と開示されています(ディップ 第29期有価証券報告書)。前期は19.9%でしたので、1年で4ポイント改善しています。

改善しているという事実と、目標に届いていないという事実の両方が同時に成り立っています。会社自身が課題として数値目標を掲げている点は、むしろ情報開示として誠実です。

エンゲージメント指数も5点満点で3.67、目標は4.2です。会社が把握している課題と、口コミに出てくる不満の方向はおおむね一致しています。

指標2025年2月期2026年2月期会社目標
離職率19.9%15.9%10%
有給休暇取得率80.7%76.8%80%
エンゲージメント指数3.593.674.2
女性管理職比率36.8%36.4%40%

出典はディップ 第29期有価証券報告書および前期の有価証券報告書です。いずれも会社が設定したマテリアリティKPIの実績値になります。

ネット上には数年前の離職率をそのまま引用した記事も残っています。最新の開示値は15.9%ですので、判断材料にするなら直近の有価証券報告書を確認するのが確実です。

ワンポイントアドバイス
入社前にKPIの推移を確認する

ディップは離職率とエンゲージメント指数を有価証券報告書で毎年開示しています。面接の逆質問で改善の進み具合や施策を聞くと、数字の裏側にある現場の運用まで踏み込んで確認できます。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

離職率が下がっている会社と、もともと低い会社は違います。ディップは前者です。改善の途中にある組織で働くことを、どう受け止めるかが分かれ目になります。

ディップの営業が扱う事業と商材

ディップの営業が扱う事業と商材

ディップの営業がきついと感じるかどうかは、扱う商材の広さと無関係ではありません。求人広告の営業というイメージだけで入社すると、提案範囲の広さにとまどうことがあります。

ディップの会社概要

まず前提として、同じ読みの企業と取り違えないように正式な会社情報を押さえます。正式社名はディップ株式会社、英文表記はdip Corporationです。

ディップ株式会社の公式サイト
出典 ディップ株式会社 会社概要

設立は1997年3月、本社は東京都港区六本木3-2-1の六本木グランドタワー31階、資本金は1,085百万円です。代表取締役社長兼CEOは冨田英揮氏で、正社員数は3,155名と公表されています(ディップ 会社概要)。

2004年5月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、2013年12月に市場第一部、2022年4月の市場区分見直しでプライム市場へ移行しました(ディップ 沿革)。

労働組合はなく、労使関係は良好であると有価証券報告書に記載されています。待遇の改定が組合交渉ではなく会社の制度設計で決まる構造だと理解しておくとよいでしょう。

人材サービス事業とDX事業の2本柱

事業は人材サービス事業とDX事業の2つです。2026年2月期の売上高は、人材サービス事業が482億39百万円、DX事業が66億13百万円でした(ディップ 第29期有価証券報告書)。

人材サービス事業では、アルバイト・パート向けのバイトル、スポットのバイトサービスであるスポットバイトル、正社員・契約社員向けのバイトルNEXT、総合求人のはたらこねっと、専門職向けのバイトルPROを運営しています。

医療と介護の領域では、ナースではたらこと介護ではたらこという人材紹介サービスも展開しています。求人メディアと人材紹介の両方を持っている点が特徴です。

DX事業は2019年9月に始まったコボットシリーズです。採用ページコボット、面接コボット、人事労務コボット、HRコボット、集客コボット for MEOなど、中堅・中小企業向けに機能を絞ったSaaSが並びます。

2026年2月期のDX事業は、集客コボット for MEOが伸びた一方で、面接コボットや採用ページコボットがメディアサービスの契約社数減少にともなって売上を落としました。セグメント利益は9.4%増と、利益率の面では改善しています。

集める・高める・伝えるの3つのアプローチ

公式の採用情報では、営業の解決手法を3つに整理しています。集める、高める、伝えるの3つを1人の担当者が束ねる設計です(ディップ 新卒採用サイト 営業の募集要項)。

  • 集める、つまりバイトルシリーズを中心とした採用支援
  • 高める、つまりDXサービスのコボットによる現場の生産性向上
  • 伝える、つまり動画ブランディングのビズリアルによる企業の魅力発信

3つに共通するのは、いずれも顧客企業の労働力不足という同じ課題に対する打ち手だという点です。商材が増えたというより、解ける課題の範囲が広がったと捉えるほうが実態に近くなります。

一方で営業の側から見ると、覚える対象は確実に増えます。求人広告の掲載プランだけでなく、SaaSの機能と料金体系、動画制作の進め方まで頭に入れる必要があります。

この負荷が、入社1年目から2年目にかけて「きつい」と語られる理由のひとつです。単価の高い提案ができるようになるまでの学習量が、求人広告だけを扱う会社より多くなります。

採用コンサルタントとDXコンサルタントの違い

営業系の職種名は一本ではありません。公式の社員紹介では、採用コンサルタント、DXコンサルタント、キャリアアドバイザーという3つの呼称が使われています。

採用コンサルタントは求人メディアを軸に企業の採用課題を解決する役割です。新卒で配属される営業の中心はここになります。

DXコンサルタントはコボットシリーズを軸に、中小企業の業務効率化や集客を支援します。扱うのがSaaSなので、提案の型も導入後の関わり方も求人広告とは変わります。

キャリアアドバイザーはナースではたらこや介護ではたらこの領域で、求職者側に向き合う役割です。法人向けの新規開拓とは求められる動き方が異なります。

勤務地は六本木の東京本社を含む東京都内4拠点のほか、札幌から熊本まで全国に広がっています。どの拠点に配属されるかで、担当企業の業種構成も変わります。

ワンポイントアドバイス
入社前に担当商材を確認する

同じ営業でも、求人メディア中心なのかコボット中心なのかで日々の動き方が変わります。面接では担当予定のセグメントと商材構成、そして配属拠点の主要顧客層まで具体的に聞いておくと、入社後のずれが小さくなります。

ディップの営業に向いている人と向いていない人

ここまでの数字を踏まえると、向き不向きの判断軸はかなり具体的に描けます。残業の長さに耐えられるかどうかではなく、短い周期で数字が締まる環境を心地よいと感じるかどうかが軸になります。

ディップの営業に向いている人の特徴

向いているのは、成果が可視化されることを歓迎できる人です。月間、四半期、通期の3層で目標と表彰が設定されている以上、評価の機会が多いこと自体を前向きに受け取れるかどうかが効きます。

  • 短い周期で結果が出る環境のほうが集中できる人
  • 求人広告とSaaSと動画という複数の商材を学ぶことを苦にしない人
  • 中堅・中小企業の経営者と直接話すことに面白さを感じる人
  • 20代のうちに提案力と交渉力を集中的に伸ばしたい人

4つに共通しているのは、学習量の多さと評価頻度の高さを負担ではなく機会として扱える姿勢です。20代成長環境のスコアが4.2と高いのは、この姿勢を持つ人が実際に伸びているからだと考えられます。

風通しの良さが4.2、社員の相互尊重が4.1というスコアも見逃せません。厳しい環境ではあっても、意見が通らない組織や人間関係が険悪な組織ではないという評価です。

ディップの営業に向いていない人の特徴

逆に向いていないのは、安定した給与水準と穏やかな評価サイクルを重視する人です。営業職の年収レンジが240万円から1,000万円まで開いている以上、成績による変動は避けられません。

  • 年収の予測しやすさを最優先したい人
  • 体系的な研修で時間をかけて育ててもらいたい人
  • 新規開拓よりも既存顧客の深耕に専念したい人
  • 商材が頻繁に増える環境に負担を感じる人

2つ目については、口コミの人材の長期育成が2.5と8項目で最も低いことが根拠になります。新卒研修は532時間と開示されていますので研修がないわけではありませんが、その先の継続的な育成への評価は厳しめです。

ここに挙げた特徴は、ディップが悪い会社だという意味ではありません。求めるものと提供されるものがずれていると、同じ環境でもきつさだけが残るという話です。

求人広告営業に共通するきつさとの切り分け

求人広告や人材サービスの営業には、会社を問わず共通するきつさがあります。掲載しても応募が集まらないときに顧客から責任を問われる構造や、新規開拓での架電量の多さがその代表です。

この部分はディップ固有の話ではありません。業界共通の論点は派遣営業がきつい理由の記事と法人営業のテレアポがきつい理由の記事で詳しく整理しています。

ディップ固有のきつさは、体制変更による引き継ぎ、3層の目標管理、減収減益局面での数字の重さ、そして待遇面と長期育成への評価の低さの4点に集約されます。この4点が自分にとって許容できるかで判断するのが実際的です。

ワンポイントアドバイス
両方のきつさを分けて評価する

業界共通のきつさは転職先を同業にしても付いてきます。会社固有のきつさは転職で解消できます。自分が感じている負担がどちらなのかを先に切り分けると、社内異動で足りるのか転職が必要なのかが見えてきます。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

向いていない特徴に2つ以上当てはまっても、すぐに諦める必要はありません。扱う商材や担当セグメントを変えるだけで印象が変わるケースは実際にあります。

ディップの営業がきついと感じたときの対処法

きついと感じたときの対処法

きついと感じた時点ですぐ退職を考えるのは早計です。原因の切り分け、社内での選択肢、外部での市場価値の確認という順番で進めると、判断の精度が上がります。

数字を分解して原因を特定する

最初にやるのは、足りていない数字の特定です。売上が未達という結果だけを見ても、打ち手は決まりません。

商談の件数が足りないのか、成約率が低いのか、単価が上がらないのか、継続率が落ちているのか。分解すると、努力の量で解決する問題と、提案の中身を変える必要がある問題に分かれます。

件数が足りていないなら行動量の調整で改善します。成約率が低いならヒアリングの精度や提案の組み立てに原因があります。単価が上がらないなら、コボットや動画まで含めた複合提案ができているかを見直すことになります。

分解せずに「もっとがんばる」だけで走ると、同じ壁に何度もぶつかります。原因が特定できれば、上司への相談も具体的になります。

社内で商材と担当領域を変える

ディップは営業の担当領域が複数あります。求人メディア中心の採用コンサルタント、SaaS中心のDXコンサルタント、求職者側に向き合うキャリアアドバイザーという選択肢が社内に存在します。

同じ会社でも、扱う商材が変われば提案の型も顧客層も変わります。新規開拓が合わないと感じていた人が、既存顧客の活用支援に軸足を移して立て直すケースは珍しくありません。

拠点による違いも無視できません。担当エリアの主要産業が飲食なのか物流なのか医療なのかで、採用ニーズの季節性も商談の進み方も変わります。

昇給と昇格の機会が年2回ある会社なので、半年単位で状況を変えるという発想は制度とも噛み合います。まずは上長との面談で、異動の可能性と必要な条件を確認するところから始めるのが現実的です。

転職市場での自分の評価を確認する

社内の選択肢を試しても合わないと感じたら、外の物差しを当ててみます。ここで大事なのは、辞めることを決めてから動くのではなく、決める前に情報を集めるという順番です。

求人広告とSaaSの両方を提案してきた経験は、人材業界の外でも評価されます。自分の経歴がどの業界でいくらの提示になるのかを知ると、残るか出るかの判断材料がそろいます。

20代後半から30代前半での転職を考えているなら30代向けの転職エージェント比較、社会人歴が3年未満なら第二新卒向けの転職エージェント比較が参考になります。

ディップへの転職や選考の難易度そのものを知りたい場合は、ディップへの転職難易度をまとめた記事で中途採用の状況を整理しています。

ワンポイントアドバイス
辞める前に3か月だけ数字を記録する

商談件数、成約率、平均単価、継続率を3か月分だけ手元に残しておくと、社内での異動相談にも転職の面接にも使えます。感覚ではなく数字で語れる人は、どちらの場面でも話が早く進みます。

ディップの営業経験が活きる転職先

ディップの営業経験が活きる転職先

ディップの営業で身につく力は、求人メディアの提案力だけではありません。中堅・中小企業の経営層と直接話し、採用と業務効率化の両面から課題を解く経験が中心になります。この経験の汎用性は高い部類です。

人材サービスと採用支援の同業転職

もっとも近いのは、同じ人材業界の求人メディアや人材紹介、採用コンサルティングです。顧客の採用課題を聞き出して解決策を組む流れが共通しているため、初日から戦力になりやすくなります。

人材紹介に移る場合は、企業側を担当するリクルーティングアドバイザーと求職者側を担当するキャリアアドバイザーのどちらを志向するかで、日々の仕事が変わります。

ディップにはナースではたらこと介護ではたらこという人材紹介サービスがあるため、社内でその領域を経験していれば紹介事業への転職はさらにスムーズです。

ただし同業転職では、業界共通のきつさはそのまま引き継がれます。掲載後の応募状況で評価されることも、新規開拓の量が求められることも変わりません。

SaaSとDXサービスの法人営業

コボットシリーズを扱った経験があるなら、SaaSの法人営業は有力な選択肢です。中小企業向けのSaaS提案は、機能説明ではなく業務フローの組み替えを提案する仕事なので、経験がそのまま活きます。

求人広告のように掲載期間で区切られる商材と違い、SaaSは継続利用が前提です。解約率という指標が加わるぶん、導入後の関わり方を求められる点は変わります。

IT業界の営業職がどのような環境なのかは、IT営業がきつい理由をまとめた記事で整理しています。転職先のエージェント選びはIT業界向けの転職エージェント比較が参考になります。

このほか、顧客側に回る道もあります。採用に課題を抱える事業会社の人事・採用担当として、これまで外から提案してきた内容を自分で実行する立場です。

ワンポイントアドバイス
職務経歴書には商材の広さを書く

求人広告の売上だけを書くと、求人広告の営業としか読まれません。コボットの提案件数や動画ブランディングの実績まで並べると、SaaS営業や採用コンサルの求人でも評価の対象になります。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

ディップの営業経験は、人材業界の外でも通用します。ただし職務経歴書の書き方次第で、伝わる幅が大きく変わってしまうのはもったいないところです。

ディップの営業に関するよくある質問

ディップの営業について検索されることの多い疑問を、公開情報をもとに整理します。数字はいずれも有価証券報告書、公式の採用情報、社員口コミの集計値から引用しています。

ディップの営業の残業時間はどのくらいですか

社員口コミの集計では月間平均23.2時間です(OpenWork ディップの社員クチコミ)。人材サービス業界の平均を下回る水準で、営業職としては長いほうではありません。

勤務時間は9時30分から18時30分、年間休日は124日で完全週休2日制です。ただし新卒の初任給には30時間相当分の固定残業手当が含まれているため、想定されている残業時間はその前後だと読み取れます。

繁忙期や担当企業の状況によって月ごとの振れ幅はあります。平均値は個人の実態を保証するものではない点には注意が必要です。

ディップの離職率は高いですか

2026年2月期の離職率は15.9%で、会社目標は10%です(ディップ 第29期有価証券報告書)。前期の19.9%から4ポイント改善していますが、目標には届いていません。

有価証券報告書でマテリアリティKPIとして毎年開示されている点は、情報の信頼性という意味では評価できます。改善の推移も追いかけられます。

インターネット上には数年前の数値を引用したままの記事も複数残っています。開示値は年によって動くため、直近の有価証券報告書を確認してください。

ディップの営業にノルマはありますか

公式の採用情報には、月間目標、クオーターの3か月目標、通期の3層で目標達成に対するインセンティブが設定されていると明記されています(ディップ 新卒採用サイト 営業の募集要項)。目標管理が存在することは公開情報から確認できます。

表彰にはMVP賞、VP賞、敢闘賞、新人賞があり、副賞として報奨旅行も用意されています。達成が公開の場で確定する設計です。

具体的な目標金額や件数は公表されていません。配属される拠点やセグメント、担当する商材構成によって変わるため、面接時に確認するのが確実です。

ディップの営業は未経験でも転職できますか

中途採用は継続的に行われています。求人メディアとSaaSの両方を扱う体制のため、法人営業の経験があれば業界が違っても応募の対象になり得ます。

平均年齢が30.5歳、平均勤続年数が5.6年という数字から、中途入社の比率が一定以上あることも推測できます(ディップ 第29期有価証券報告書)。

選考の難易度や中途採用の実施状況については、ディップへの転職難易度をまとめた記事で整理しています。

ディップの営業の年収はどれくらい上がりますか

営業職の口コミ集計では平均450万円、範囲は240万円から1,000万円です(OpenWork ディップの年収・給与制度)。同じ職種で4倍以上の開きがあります。

昇給と昇格の機会は年2回あり、賞与は6月と12月の年2回、会社業績と個人業績に応じて決まります。6月支給分は前年9月から当年2月、12月支給分は当年3月から8月の業績が反映されます。

全社平均の年間給与は531万円ですが、これは管理部門や専門職も含む数字です(ディップ 第29期有価証券報告書)。営業職として上位のレンジに入るには、継続的な目標達成と昇格が前提になります。

ワンポイントアドバイス
面接では目標設定の方法まで聞く

目標の金額そのものより、どう設定されるかが働きやすさを左右します。前年実績ベースなのか、担当エリアの市場規模ベースなのか、期中に見直しがあるのかを確認すると、入社後の負荷が予測しやすくなります。

ディップの営業がきついと言われる理由のまとめ

ディップの営業がきついと語られる理由は、労働時間の長さではありません。月間平均残業時間は23.2時間、年間休日は124日で、時間の面では営業職として平均的な水準にあります。

きつさの中身は4つです。営業体制の変更にともなう担当企業の引き継ぎ、月間と四半期と通期の3層で締まる目標管理、前期比2.7%減という減収減益局面、そして待遇面の満足度2.7と人材の長期育成2.5という評価の低さです。

年収は有価証券報告書の平均年間給与が531万円、営業職の口コミ集計が450万円で、240万円から1,000万円まで開いています。平均だけを見て判断すると、上振れも下振れも見落とします。

離職率は15.9%で会社目標の10%には届いていませんが、前期の19.9%からは改善しています。課題を数値で開示し、改善の途中にある組織だと捉えるのが実像に近い見方です。

きついと感じたときは、数字を分解して原因を特定し、社内で商材や担当領域を変える選択肢を検討し、それでも合わなければ転職市場で自分の評価を確認する。この順番で進めれば、感情ではなく材料で判断できます。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

ディップの営業で身につく力は、人材業界の外でも通用します。今のきつさが会社固有のものなのか業界共通のものなのかを見極めたうえで、次の一手を決めてください。

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