フジテックの平均年収は765万円です(2025年3月期 有価証券報告書)。平均年齢は41.0歳、平均勤続年数は17.1年となっています。
国内の給与所得者の平均給与は478万円、正社員に限っても545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。フジテックの水準は正社員平均の約1.4倍にあたります。
ただし765万円は全社平均であり、口コミ集計では開発職815万円に対して保守職474万円と、職種で341万円の差が出ています。さらに2026年3月には東証プライム市場から上場廃止となり、投資ファンドEQTの傘下で非公開化されました。この記事では有価証券報告書の数字を起点に、年代別・職種別の実態、昇降機大手との比較、非公開化後の年収の見通しまで整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起フジテックはエレベーター・エスカレーターの専業メーカーとしては国内で唯一の独立系です。三菱電機や日立製作所のような総合電機の平均年収と単純に比べると見誤りやすいので、まずは同じ昇降機の職種同士で比べるのがおすすめですよ。
フジテックの平均年収は765万円|有価証券報告書の最新データ


フジテックの直近の平均年収は765万円です(2025年3月期 有価証券報告書、平均年齢41.0歳、平均勤続年数17.1年、従業員3,336名)。出典はフジテック 有価証券報告書で、経年の数字はIR BANK フジテック 平均年収の推移にまとまっています。
有価証券報告書の平均年間給与は、賞与と基準外賃金を含み、フジテック単体の従業員だけを対象にした金額です。連結では12,118名の従業員がいますが、そのうち海外の8,704名は含まれていません(フジテック 会社概要)。
なお、フジテックは2026年3月に上場廃止となったため、2026年3月期の有価証券報告書は2026年9月時点で公式IRページに掲載されていません。この記事では2025年3月期の数字を最新値として扱います。
直近5年の平均年収推移
フジテックの平均年収は、2021年3月期から2025年3月期までの5年間で60万円増えています。ただし一直線に伸びたわけではなく、2024年3月期に一度大きく落ち込んでいます。
| 決算期 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 2021年3月期 | 705万円 | 41.2歳 | 3,087名 |
| 2022年3月期 | 719万円 | 41.2歳 | 3,135名 |
| 2023年3月期 | 735万円 | 41.2歳 | 3,192名 |
| 2024年3月期 | 681万円 | 41.0歳 | 3,252名 |
| 2025年3月期 | 765万円 | 41.0歳 | 3,336名 |
出典はIR BANK フジテック 平均年収の推移(有価証券報告書の記載値を集計)です。
従業員数は5年間で249名増え、毎年着実に採用を続けています。平均年齢はほぼ41歳で横ばいのため、社員構成の変化ではなく賞与の増減が平均年収を動かしていると読み取れます。
平均年収が前年から84万円上がった理由
2025年3月期は前期から84万円の増加で、過去10年で最も高い水準になりました。2024年3月期の681万円は、2021年3月期以降で最も低い数字です。
有価証券報告書には平均年収の増減理由まで記載されません。ただし、フジテックは基本給に対して賞与の割合が高い給与体系だという声が口コミで複数あり、業績連動の賞与が年によって振れることが平均年収の変動につながっていると考えられます。
同時期のフジテックは、2022年以降続いていた投資ファンドと創業家の対立が経営の不安定要因になっていました。2024年3月期の落ち込みは業績要因と賞与の抑制が重なった結果で、2025年3月期の反動増を一過性と見るか回復基調と見るかは、非公開化後の業績次第です。
つまり765万円は「一番良かった年」の数字です。転職や年収交渉の基準にするなら、5年平均の721万円も併せて頭に入れておくと過大評価を避けられます。
フジテックの企業情報とEQTによる非公開化


フジテックは1948年設立、滋賀県彦根市に本社(ビッグウィング)を置く昇降機の専業メーカーです。東京本社は港区白金にあり、資本金は125億33百万円、国内拠点は132か所です(フジテック 会社概要)。
事業内容はエレベーター・エスカレーター・動く歩道の研究開発から製造、販売、据付、保守までの一貫体制です。2026年3月期の連結売上高は2,453億58百万円で、連結従業員12,118名のうち海外が8,704名と7割超を占めるグローバル企業です。
経営体制は2026年に大きく変わりました。スウェーデンの投資ファンドEQTが1株5,700円、総額約4,078億円でTOB(株式公開買い付け)を実施し、2025年12月に成立しています(日本M&AセンターのM&Aニュース EQTによるTOB成立)。フジテックは2026年3月23日に東京証券取引所プライム市場から上場廃止となり、EQTの傘下で非公開化されました(日本経済新聞 フジテック上場廃止の報道)。
非公開化により、有価証券報告書の平均年収は今後公開されなくなる可能性があります。年収を調べる手段が求人票と口コミに限られていくため、今の765万円という数字は、当面の比較基準として重要度が増しています。
有価証券報告書の765万円はフジテック単体の従業員3,336名が対象です。連結の12,118名には海外現地法人の社員が含まれており、そちらは各国の給与水準で決まります。求人票の提示年収を見るときは、どの範囲の数字と比べているのかを先に確認しておくと判断を誤りません。
フジテックの年代別の年収目安


有価証券報告書には年代別の内訳は記載されません。そのため年代別の数字は、公開されている平均年収と年齢構成から組み立てた推計値になります。
以下は転職回廊 フジテックの平均年収が有価証券報告書と独自調査をもとに算出した推計です。全社平均765万円を超えるのは40代以降で、20代と50代の差は338万円あります。
| 年代 | 推計年収 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 20代 | 482万円 | 初任給と賞与が中心で全社平均を大きく下回る |
| 30代 | 698万円 | 等級昇格と残業代で平均に近づく |
| 40代 | 778万円 | 全社平均を超え、管理職登用の有無で差が開く |
| 50代 | 820万円 | 生涯で最も年収が高い時期 |
20代・30代の年収
20代の推計は482万円です。国内の同年代の平均給与が400万円前後であることを踏まえると、入社数年の時点で既に上回っていますが、全社平均の765万円との差は283万円あります。
出発点になる初任給は、2026年度実績で大学卒が月給257,000円、修士了が月給278,000円です。高専・短大卒は235,000円、高卒は214,000円で、昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月・12月)です(フジテック 新卒採用 募集要項)。
30代に入ると推計は698万円まで伸びます。20代からの伸び幅は216万円で、等級の昇格に加えて、据付や保守の現場では残業代が大きく乗る点が年収を押し上げます。
40代・50代の年収
40代の推計は778万円で、ここで初めて全社平均の765万円を超えます。50代は820万円と、30代から40代への伸び(80万円)に比べると緩やかになります。
この年代で差を決めるのは管理職登用です。口コミ集計では管理職の平均年収が689万円、開発職が815万円となっており、管理職より専門性の高い開発職のほうが高いという、メーカーとしては珍しい構造が見られます(OpenWork フジテック 年収・給与制度)。
平均勤続年数17.1年という長さも、この年代の年収に効いています。転職せず残った社員が積み上げた昇給が平均値を押し上げており、中途入社で同じ年代に入った場合は推計値より低く着地することもあります。
額面年収と手取りの差
表に並ぶ金額はすべて額面です。実際に口座に入る金額は、社会保険料と所得税・住民税が引かれたあとの手取りになります。
目安として、年収500万円なら手取りは390万円から400万円程度、年収765万円なら手取りは570万円から590万円程度です。額面が上がるほど税率が上がるため、手取りの伸びは額面の伸びより緩やかになります。
フジテックは賞与と残業代の比率が高い給与構造のため、月々の手取りは額面から想像するより少なく感じやすい一方で、賞与月にまとまった金額が入る形になります。
年代別の数字は平均年収と年齢構成から逆算した推計で、同じ年代でも職種と等級で200万円以上の幅があります。自分の想定年収を出すときは、年代の表よりも次の職種別の数字を先に見て、そこから年代の補正をかけるほうが実態に近づきます。
フジテックの職種別・役職別の年収の違い


フジテックの年収を左右するのは、年代よりも職種です。口コミ集計での回答者平均は589万円(正社員102名、平均年齢33歳、年収レンジ250万円から1,100万円)で、職種によって最大341万円の差が出ています(OpenWork フジテック 年収・給与制度)。
口コミの平均が有価証券報告書の765万円より176万円低いのは、回答者の平均年齢が33歳と若く、20代・30代の回答が中心になるためです。以下では職種ごとの平均と、その差が生まれる背景を見ていきます。
- 開発職 815万円(職種別で最も高い)
- 管理職 689万円
- 設計職 662万円
- 営業職 593万円
- メンテナンス職 474万円(職種別で最も低い)
出典はOpenWork フジテック 年収・給与制度です。開発職と管理職の順位が逆転している点と、営業職が全社平均を大きく下回る点が、フジテックの年収構造の特徴です。
開発・設計職の年収
開発職の平均は815万円で、職種別では最も高い水準です。設計職は662万円で、同じ技術系でも153万円の開きがあります。
開発職は彦根本社のビッグウィングに集約されており、新機種のエレベーター制御や駆動技術、遠隔監視システムを担当します。国内で昇降機の研究開発を自社完結できる会社は数社しかなく、専門性の希少さが年収に反映されています。
設計職は物件ごとの仕様設計や据付図面を担当し、担当物件数と納期対応の残業代で年収が変動しやすい職種です。求人票でも品質管理(機械)が590万円から750万円と提示されており、技術系でも担当領域で提示額に幅があります(doda フジテックの年収情報)。
営業職の年収
営業職の平均は593万円です。求人票では450万円から700万円のレンジで提示されており、口コミの平均とおおむね一致します(doda フジテックの年収情報)。
フジテックの営業はゼネコンやデベロッパー、ビルオーナーを相手にした法人営業で、新設物件の受注とリニューアル・保守契約の獲得が主な業務です。口コミでは「営業職に特別手当がない」という指摘があり、成果が賞与に反映されにくい構造が年収の伸びを抑えています。
一方で、営業からプロジェクトエンジニアや管理部門へ異動する例もあり、職種をまたいで等級を上げていく道が用意されています。
フィールドエンジニア(保守)の年収
メンテナンス職の平均は474万円で、職種別では最も低い数字です。年収レンジは250万円台から始まり、20代の回答が多いことも平均を押し下げています。
保守は昇降機メーカーの収益の柱で、国内132拠点の多くがフィールドエンジニアの拠点です。夜間や休日の緊急対応が多く、残業代と当直手当が収入の柱になるため、基本給だけ見ると低くても実際の年収は残業時間で大きく変わります。
求人票では設備施工管理(電気)が350万円から700万円で提示されています。据付から保守までの現場経験を積んだうえで拠点長や管理職に上がると、年収の水準が一段変わります。
管理職の年収
管理職の平均は689万円です。開発職の815万円より低く、一般的なメーカーとは逆の構造になっています。
これは回答者の内訳による影響が大きく、拠点の主任・係長級が管理職として回答しているケースが混ざるためと考えられます。有価証券報告書の平均765万円が平均年齢41歳の数字であることを踏まえると、本社の課長級以上は800万円台に乗る計算になります。
求人票ではIT戦略・システム企画担当が850万円から1,100万円と、職種別の中では最も高い提示額です(doda フジテックの年収情報)。非公開化後の経営効率化を見据え、DXや情報システムの人材に予算を厚く配分している様子がうかがえます。



フジテックは開発職が管理職より高いという、メーカーでは珍しい年収構造です。技術で食べていきたい方には魅力ですが、営業や保守で入る場合は等級が上がるまでの年収カーブを事前に把握しておきましょう。
口コミサイトの職種別平均は、回答者の年齢と等級で大きく揺れます。フジテックの口コミは平均年齢33歳のため、全職種で有価証券報告書の数字より低めに出ます。自分の年代に近い回答だけを抽出して見比べると、実際の提示額との差が小さくなります。
フジテックの年収を昇降機大手3社と比較
国内の昇降機市場は、三菱電機、日立製作所(日立ビルシステム)、東芝エレベータ、フジテック、日本オーチス・エレベータの5社でほぼ占められています。フジテックはこのうち唯一の昇降機専業メーカーです。
ここでは三菱電機、日立製作所、東芝エレベータの3社と比較します。三菱電機と日立製作所は有価証券報告書の数字、東芝エレベータは非上場のため口コミ集計の数字を使います。
| 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 | 出典・時期 |
|---|---|---|---|---|
| 日立製作所 | 994万円 | 42.2歳 | 25,934名 | 有報 2026年3月期 |
| 三菱電機 | 913万円 | 40.5歳 | 29,949名 | 有報 2026年3月期 |
| フジテック | 765万円 | 41.0歳 | 3,336名 | 有報 2025年3月期 |
| 日本オーチス・エレベータ | 622万円 | 回答46名 | 非上場 | 口コミ集計 |
| 東芝エレベータ | 532万円 | 回答131名 | 非上場 | 口コミ集計 |
出典はIR BANK フジテック 平均年収の推移、IR BANK 三菱電機、IR BANK 日立製作所、OpenWork 日本オーチス・エレベータ 年収・給与制度、OpenWork 東芝エレベータ 年収・給与制度です。有価証券報告書ベースの3社ではフジテックが最も低く、日立製作所とは229万円の差があります。
ただし総合電機2社の数字は全事業の平均で、昇降機部門だけの年収ではありません。三菱電機の昇降機事業は三菱電機ビルソリューションズ、日立製作所の昇降機事業は日立ビルシステムという別会社が担っており、それぞれ本体より低い水準だとされます。
三菱電機の年収


三菱電機の平均年収は913万円です(2026年3月期、平均年齢40.5歳、従業員29,949名)。フジテックとの差は148万円で、直近3年で84万円伸びています(IR BANK 三菱電機)。
三菱電機は国内昇降機市場でシェア首位とされ、稲沢製作所(愛知県)を拠点に開発・製造を行っています。ただし販売と保守は三菱電機ビルソリューションズが担うため、昇降機の営業やフィールドエンジニアとして入社する場合の比較対象は本体ではなく同社になります。
フジテックから三菱電機本体の開発職へ転職する場合は年収の上積みが見込めますが、昇降機以外の事業も含めた総合電機の評価制度に入る点は理解しておく必要があります。
日立製作所の年収


日立製作所の平均年収は994万円です(2026年3月期、平均年齢42.2歳、従業員25,934名)。3社の中で最も高く、フジテックとの差は229万円です(IR BANK 日立製作所)。
日立の昇降機事業は日立ビルシステムが担い、開発・製造は水戸事業所(茨城県)に集約されています。世界一の高速エレベーターの実績で知られ、中国市場での存在感が大きい点が特徴です。
日立製作所本体はITやエネルギーの事業比率が高く、994万円は昇降機事業だけの年収を表す数字ではない点に注意が必要です。昇降機の同職種で比べるなら、日立ビルシステムの求人票の提示額を確認するのが実態に近づきます。
東芝エレベータの年収


東芝エレベータの口コミ集計での平均年収は532万円です(正社員131名、年収レンジ250万円から1,200万円)。職種別では管理職688万円、技術職656万円、開発職603万円、営業職559万円、保守職476万円です(OpenWork 東芝エレベータ 年収・給与制度)。
東芝エレベータは東芝グループの昇降機会社で非上場のため、有価証券報告書の数字は公開されていません。同じ口コミ集計で比べると、フジテックの589万円が57万円上回っており、職種別でも開発職はフジテックの815万円に対して603万円と差が開いています。
保守職は東芝エレベータ476万円、フジテック474万円とほぼ同じ水準です。昇降機業界では保守職の年収がメーカーを問わず470万円台に収れんする傾向があり、フィールドエンジニアが年収を上げるには社内での等級昇格が主な道になります。
有価証券報告書の数字と口コミ集計の数字を横に並べると、上場企業が実態以上に高く見えます。三菱電機と日立製作所は全事業の平均、東芝エレベータは若手中心の口コミ平均です。転職先を比較するときは、応募する職種の求人票の提示レンジ同士で見比べてください。



昇降機業界は5社で市場を分け合う寡占構造なので、同業への転職は選択肢が限られます。その分、据付や保守の経験は他メーカーでも即戦力として評価されやすく、年収交渉の材料になりますよ。
フジテックの年収に関する口コミ・評判


有価証券報告書の765万円と、口コミ集計の589万円には176万円の差があります。ここでは口コミに見られる給与制度の実感値を整理し、公式の数字とのギャップがどこから生まれるのかを確認します(OpenWork フジテック 年収・給与制度)。
口コミで繰り返し指摘されるのは、基本給と賞与のバランス、残業代と手当の扱い、評価制度の3点です。いずれも「年収の額面」より「年収の中身」に関する声が中心です。
基本給と賞与の比率
口コミで最も多いのは「基本給が低く、賞与の割合が高い」という指摘です。賞与は業績連動で決まり、社員の側からは「仕組みがわかりやすい」という評価と「業績が悪い年は年収が大きく下がる」という不安の両方が語られています。
この構造は有価証券報告書の推移とも整合します。2024年3月期に54万円下がり、翌期に84万円戻ったという振れ幅は、基本給の改定ではなく賞与の増減でしか説明がつきません。
年収の安定性を重視する人にとっては注意点です。一方で、業績が良い年には固定給中心の会社より伸びやすいという見方もできます。
残業代と手当
フィールドエンジニアや設計職では「残業代が収入の重要な部分」という声が目立ちます。据付工事の納期や緊急対応が重なる時期は残業が増え、そのぶん年収が上がる構造です。
手当については「住宅手当がない(単身手当はある)」「営業職に特別手当がない」という指摘があります。福利厚生としては独身寮制度、退職金・退職年金制度、奨学金返還支援制度が用意されており、手当より制度で補う設計です。
残業が減れば年収も下がるため、働き方改革で残業時間が抑えられた場合は、額面が下がる可能性がある点は理解しておく必要があります。
評価制度と昇給
昇給は年1回(4月)で、口コミでは「職級と評価が給与に直結する」という声があります。等級が上がらなければ昇給幅は小さく、評価次第で同期でも差がつく仕組みです。
平均勤続年数が17.1年と長いことは、長く働く社員が多いことの裏返しです。定着率が高い一方で、若手が上の等級に上がるまでの期間が長く、20代・30代の年収が伸びにくいという声にもつながっています。
非公開化後はEQTの下で経営効率化が進むと見られます。評価制度が成果連動に寄るのか、雇用の安定を優先するのかは、今後の年収の伸び方を左右するポイントです。
口コミ集計は過去数年の回答が混ざっており、2024年3月期の賞与が抑えられた時期の回答が含まれると平均が低く出ます。フジテックのように年によって賞与の振れが大きい会社では、回答時期を絞って直近1〜2年の声だけを見ると実態に近い数字になります。
フジテックで年収を上げる方法


フジテックで年収を上げる道は、社内での等級昇格、成長領域への関与、外部への転職の3つです。順に見ていきます。
いずれの道でも共通するのは、昇降機という専門領域での経験を数字で示せるようにしておくことです。担当物件数、保守台数、受注金額など、評価や転職で使える実績を日頃から整理しておくと選択肢が広がります。
社内での等級昇格
最も確実な方法は、等級を上げて基本給と賞与の基礎額を引き上げることです。口コミでは「職級と評価が給与に直結する」とされており、等級が上がれば賞与の変動幅も大きくなります。
フィールドエンジニアであれば拠点の主任、係長、拠点長という道があり、拠点長クラスで年収は700万円台に乗るとされます。営業であれば大型物件の受注実績、設計であれば納期と品質の両立が評価の軸になります。
保守職は年収の伸びが緩やかなため、据付や品質管理など隣接職種への異動で等級と職務の幅を広げる方法も有効です。社内公募や異動希望の制度を活用して、経験の幅を計画的に広げていくと年収の伸びしろが生まれます。
海外事業・成長領域への関与
フジテックは連結従業員の7割超が海外にいるグローバル企業です。海外事業に関わる部門は本社側の企画・技術支援・品質管理などで、海外拠点への出向や駐在は年収と手当の両面で有利に働きます。
国内では保守事業と遠隔監視の高度化が成長領域です。フジテックはシンガポールで遠隔監視を用いた保守の規格認証を日系メーカーとして初めて取得しており、データを活用した保守サービスに投資を続けています。
求人票でIT戦略・システム企画担当が850万円から1,100万円と提示されていることからも、DXや情報システムの人材に予算が厚く配分されています。技術系の社員がシステムやデータの領域に軸足を移すことは、社内で年収を上げる現実的な選択肢です。
転職によるキャリアアップ
社内の等級制度で頭打ちを感じた場合は、転職による年収アップが選択肢になります。昇降機の据付・保守・設計の経験は他メーカーや建設設備会社で即戦力として評価され、経験を持たない人にはない交渉材料になります。
転職先の候補は、同業の昇降機メーカー、ビル設備の施工管理や設備管理を行う会社、建設・不動産デベロッパーの設備部門などです。同業への転職では、全社平均ではなく同じ職種の提示レンジで比較することが欠かせません。
ただし転職は年収が上がる保証があるものではなく、賞与の仕組みや残業代の扱いが変わると額面は上がっても手取りが増えないこともあります。転職エージェントを通じて、応募先の給与構造と賞与実績まで確認してから判断すると失敗を減らせます。
転職を決めていなくても、転職エージェントに登録して昇降機経験者の求人の提示レンジを確認しておくと、社内での評価面談や年収交渉の材料になります。据付台数や保守台数、担当物件の規模を職務経歴として整理しておくと、提示額の根拠を示しやすくなります。



昇降機という専門領域は、外から見ると狭く見えて実は強い武器になります。転職を決める前でも、自分の経験がいくらで評価されるのかを一度確かめておくと、社内での交渉にも使えますよ。
フジテックの年収に関するよくある質問
フジテックの年収について、検索されることの多い疑問をまとめます。数字はいずれも公開資料をもとにしています。
フジテックの初任給はいくらですか
2026年度実績の初任給は、修士了が月給278,000円、大学卒が月給257,000円、高専・短大卒が235,000円、高卒が214,000円です(フジテック 新卒採用 募集要項)。
昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月・12月)で、年間休日は124日です。勤務時間は8時30分から17時15分(滋賀本社は8時40分から17時25分)となっています。
大学卒で月25万円台という初任給は、製造業の中では平均的な水準です。フジテックの年収は初任給の高さより、賞与と残業代、その後の等級昇格で決まる構造だと理解しておくと、年代別の数字と整合します。
上場廃止でフジテックの年収は下がりますか
2026年3月の上場廃止によって、直ちに給与制度が変わったという公表はありません。EQTによる非公開化は、投資ファンドと創業家の対立を収束させ、事業成長に専念する環境を整えることが目的とされています(日本経済新聞 フジテック上場廃止の報道)。
一般に投資ファンド傘下では、収益性の改善に向けた組織再編や評価制度の見直しが進むことがあります。成果に応じた報酬の差が広がる可能性はある一方、成長投資が進めば賞与の原資が増える余地もあります。
注意点は、非公開化によって有価証券報告書の平均年収が今後公開されなくなる可能性があることです。今後の年収を確認するには、求人票の提示額と口コミの直近回答を組み合わせて見る必要があります。
フジテックの平均年収は今後も上がりますか
直近5年は705万円から765万円へと上昇基調ですが、2024年3月期に681万円まで落ち込んでおり、一本調子ではありません。賞与の割合が高い給与体系のため、業績次第で下振れの年が生じます。
一方で2026年3月期の連結売上高は2,453億58百万円と、2025年3月期の約2,294億円から伸びています(フジテック 会社概要)。国内では保守・リニューアル需要が安定しており、海外ではアジアを中心に新設需要が続いています。
業績が伸びれば業績連動の賞与を通じて平均年収にも反映される余地があります。ただし非公開化後は公式の数字が出ない可能性があるため、実際の伸びを確認するには求人票と口コミの継続的な確認が必要です。
フジテックの有価証券報告書は2025年3月期(2025年6月提出)が最新で、2026年3月期分は上場廃止に伴い公式IRページに掲載されていません。転職サイトの「平均年収」がどの決算期の数字かを確認し、古い数字を最新と誤解しないようにしてください。
まとめ
フジテックの平均年収は765万円です(2025年3月期 有価証券報告書、平均年齢41.0歳、平均勤続年数17.1年)。国内の正社員平均545万円の約1.4倍にあたる水準です。
ただし全社平均と個別の実態には差があります。口コミ集計では開発職815万円、管理職689万円、設計職662万円、営業職593万円、メンテナンス職474万円と、職種で341万円の開きがありました。
昇降機大手と並べると、日立製作所994万円、三菱電機913万円には届きませんが、口コミ集計で比べれば日本オーチス・エレベータ622万円、東芝エレベータ532万円を上回ります。専業メーカーとしては高い水準です。
年収の中身は賞与と残業代の比率が高く、業績によって年ごとの振れ幅が大きい構造です。2024年3月期の681万円から2025年3月期の765万円への変動が、その特徴を示しています。
2026年3月にはEQTによるTOBで上場廃止となり、今後は有価証券報告書の平均年収が公開されなくなる可能性があります。求人票の提示額と口コミの直近回答を組み合わせて確認する姿勢が必要です。
年収を上げる道は、社内での等級昇格、海外・DXなど成長領域への関与、外部への転職の3つです。転職を検討する場合は、全社平均ではなく同職種同士で比較し、昇降機の経験を数字で示せるように準備してください。









