「行政書士はやめとけ」と言われる理由|合格率・年収の実態と他士業との違い

この記事のポイント
  • 令和7年度試験の合格率は14.5%、受験者50,163人中7,292人が合格
  • 登録会員数は個人55,877人(令和8年10月時点)と年々増加している
  • 平均年収591万円に対し年間売上500万円未満の開業者が大多数という実態がある
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行政書士はやめとけと言われる理由

行政書士がやめとけと言われる理由のインフォグラフィック

「行政書士 やめとけ」と検索すると否定的な意見が目立ちますが、理由を分解すると独立開業が前提になりやすい資格制度そのものの構造、合格しても案件を取れるとは限らない現実、スポット業務中心で収入が波打ちやすい点の3つに集約されます。

どれも噂話ではなく、試験制度の仕組みや公的な統計データに裏付けられた指摘です。まずは「なぜそう言われるのか」を具体的な数字で確認していきます。

独立開業が前提で食えない人も多いという構造

行政書士には他の士業と違って企業内で行政書士として雇用される求人がほとんど存在しません。弁護士や税理士であれば企業の法務部・経理部で専門職として雇用される道がありますが、行政書士資格を社内で活かせる求人はごく限られています。

そのため資格を取った人の大半は、勤務経験を積まないまま独立開業するか、他の仕事をしながら副業的に活動するかの二択を迫られやすくなります。独立がゴールではなく前提になっている点が、他の資格と大きく異なる部分です。

独立開業という働き方自体は自由度が高い反面、営業活動・経理処理・顧客対応のすべてを自分でこなす必要があります。資格の難易度とは別に、個人事業主として事務所を経営する力が問われる点が「やめとけ」と言われる根本的な理由になっています。

合格しても仕事が取れるとは限らない現実

行政書士は独占業務の種類が1万種類以上あるとされる一方で、1件あたりの単価は数万円程度の定型業務が多く、継続的な顧問契約につながりにくい性質があります。登録さえすれば仕事が自動的に舞い込む資格ではありません。

開業直後は知名度も実績もないため、既存の行政書士事務所や他士業からの紹介に頼らざるを得ない期間が続くことが多いとされています。この「仕事が取れるまでの空白期間」をどう乗り切るかが、開業後に最初に直面する課題です。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

行政書士は「資格を取ること」と「仕事として成立させること」の間に距離がある資格です。学習を始める前に、開業後の営業戦略までイメージしておくと心構えが変わります。

スポット業務中心で収入が不安定になりやすい

許認可申請や契約書作成の多くは一度きりの依頼で終わることが多く、社労士の労務顧問や税理士の記帳代行のような毎月収入が入る顧問契約を結びにくい業務構成になっています。

案件が重なる月とまったくない月の差が大きくなりやすく、個人事業主として収入の波を資金繰りでカバーする工夫が欠かせません。これは試験の難易度とは別次元の、開業後に初めて実感する課題です。

  • 相続関連の遺産分割協議書作成や許認可申請などスポット業務が中心
  • 顧問契約につながりやすいのは会社設立後の継続的な許認可管理など一部に限られる
  • 繁忙期と閑散期の差が大きく、年間を通じた資金計画が必要

スポット業務中心という特性を理解したうえで、どの分野であれば顧問契約化しやすいかを見極めることが、収入を安定させる第一歩になります。

試験の合格率自体は突出して低いわけではない

一般財団法人行政書士試験研究センターの発表によると、令和7年度試験の合格率は14.5%(受験者50,163人中7,292人が合格)でした。直近の令和5年度は14.0%、令和6年度は12.9%と、ここ数年はおおむね10%台前半から半ばで推移しています。

司法書士(3〜5%程度)や公認会計士(7〜10%程度)といった難関資格と比べれば、合格率自体は極端に低いわけではありません。「やめとけ」と言われる主な要因は、試験の難しさよりも合格後の働き方の構造にあるという見方が妥当です。

裏を返せば、試験対策さえ計画的にこなせば合格自体は十分に狙える水準であり、問題は合格した後にどう仕事を作るかという、試験勉強とはまったく別の力量にかかっているといえます。

ワンポイントアドバイス
単発業務の先に継続案件を設計する

許認可申請を1回受けて終わりにせず、更新手続きや関連する別の許認可の相談につなげる動線を用意しておくと、スポット業務でも再依頼が生まれやすくなります。

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