ツムラの平均年収は、2026年3月期の有価証券報告書によると911万4,000円です。前期から116万4,000円増という異例の伸びで、「ツムラ 中将湯」「ツムラ漢方胃腸薬」などの一般用漢方薬から、医療用漢方製剤まで手がける東証プライム上場・漢方薬国内最大手メーカーです。
有価証券報告書の平均年収は795万円台からの急上昇で、薬価改定や原材料高への対応など事業環境の変化が背景にあるとみられます。本記事では、この最新データとOpenWork等の口コミサイトに寄せられた社員の実感値を突き合わせながら、ツムラの年収の実態を職種別・年代別に整理します。漢方薬メーカーならではの生薬調達・栽培事業にも触れ、年収を上げるための具体的な選択肢もあわせて解説します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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ツムラの平均年収は911万円|有価証券報告書の最新データを解説
ツムラの平均年収は911万4,000円です(2026年3月期有価証券報告書、単体ベース)。平均年齢42.6歳、平均勤続年数16.5年で、前期の795万円から116万4,000円という大幅な増加を記録しました。
有価証券報告書に記載される平均年間給与は、賞与や各種手当を含んだ金額で、上場企業に開示が義務づけられている一次情報です。口コミサイトの数字と比べて信頼性が高く、まず基準として押さえておきたい数字です。
この数字をベースに、過去の推移や職種別・年代別の実態を確認していきましょう。
平均年収の推移|2021年3月期から緩やかな増減を経て急伸
ツムラの平均年収は、2021年3月期789万円、2022年3月期835万円、2023年3月期802万円、2024年3月期806.8万円、2025年3月期795万円と、800万円前後で推移してきました。それが2026年3月期には911万4,000円まで一気に上昇しています。
この伸び幅は同業他社と比べても大きく、賃上げの潮流や人材確保競争の激化、業績改善などが背景にあると考えられます。ここ数年は800万円台前半で足踏みしていた水準から、一段上のレンジへ移った形です。
ただし平均年収は全社員の単純平均のため、今後この水準が維持されるかどうかは、次年度以降の有価証券報告書で継続的に確認する必要があります。
製薬・日用品大手と比べた業界内の位置づけ
同業他社との比較では、ツムラの911万円は武田薬品工業(1,081万円)やアステラス製薬(1,110万円)といった医療用医薬品中心の大手にはまだ届かないものの、ロート製薬(826万円)や久光製薬(753万円)、小林製薬(755万円)といった一般用医薬品・日用品メーカーは大きく上回る水準です。
ツムラは医療用漢方製剤と一般用漢方薬の両方を主力とする独自のビジネスモデルを持つ企業のため、単純な医療用医薬品専業メーカーとの比較よりも、複数の業態と並べて見る方が実態に近いといえます。
平均年収は全社員の単純平均のため、年齢構成や職種構成によって毎年数字がぶれやすい点に注意しましょう。単年の急伸だけで判断せず、複数年の推移とあわせて見ることが大切です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起直近1年での116万円という伸び幅は、漢方薬業界の中でもかなり目立つ動きです。今後この水準が定着するのか、単年の要因なのか、来期の有報でも確認しておきたいところですね。
ツムラの年代別・年収推移

ツムラの年収は、等級制度と昇進試験を軸にした評価制度を背景に、年代が上がるにつれて着実に伸びていく傾向にあります。口コミサイトの年代別データをもとに整理すると、次のような水準感になります。
20代のうちは他業界と比べて突出した高さではないものの、30代後半から50代にかけて着実に処遇が積み上がっていく構造です。
それでは、20代から順番に具体的な水準を確認していきましょう。年代とともに役割がどう変化していくかも意識してみてください。
20代・30代の年収
口コミの年代別データでは、25歳から29歳の平均年収は538万円程度、30歳から34歳では635万円程度とされています。別の調査では30歳総合職の相場が664万円という数字も報告されており、日用品・製薬業界の若手水準としてはやや高めのスタートラインといえます。
20代のうちは営業、MR、研究開発、生薬調達といった各部門で基礎業務を経験しながら、商品知識と社内ネットワークを築いていく時期にあたります。
地道な経験の積み重ねが、その後の評価にもつながっていく大切な時期です。焦らず基礎を固める姿勢が結果的に近道になります。
40代・50代の年収
40代は管理職への昇格が本格化する年代で、平均年収は700万円台に乗るとされています。50歳から54歳では904万円程度、55歳から59歳では937万円程度という調査もあり、全社平均911万円とおおむね近い水準にあることがわかります。
ツムラの昇進には小論文試験が課される等級制度があり、年功的な要素を残しつつも、試験や実績評価によって処遇に差がつく仕組みになっています。
年代が上がるほど、特に30代後半から40代にかけての伸び幅が大きい点が特徴です。この時期の実績が、その後の管理職登用にもつながりやすいと考えられます。
年代別の数字はあくまで口コミベースの推計であり、配属部門や評価によって個人差が生まれやすい点に注意しましょう。有報の全社平均とあわせて参考程度にとらえるのがおすすめです。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起年代別の推移を見ると、ツムラは30代後半から40代にかけて年収が伸びていく構造だとわかります。昇進試験という独自の仕組みが処遇の分岐点になっている点は覚えておきたいですね。
ツムラの職種別・グレード別の年収の違い

ツムラは公式には職種別・等級別の年収内訳を詳細に公表していません。ここではOpenWork等の口コミサイトに集まった職種別の実感値をもとに、傾向を整理します。
漢方薬メーカーは医療機関向けのMR、一般用医薬品の営業、研究開発、生産技術、生薬調達など職種の幅が広く、同じ会社でも年収水準にはばらつきが出やすい業界です。
口コミベースの数字ではあるものの、どの職種にどのくらいの水準感があるのか、具体的に見ていきましょう。
営業職・MR職の年収傾向
口コミによると、営業職の平均年収は623万円程度、医療機関を担当するMR職は611万円程度とされています。ツムラのMR職は主に病院やクリニックに対して医療用漢方製剤の情報提供を行う専門性の高い職種で、薬学・医学の知識が求められます。
一般用医薬品を扱う営業職はドラッグストアや薬局などの小売チェーンを主要な取引先とするルート営業が中心で、店頭での商品提案力が評価に直結しやすい職種です。
どちらの職種も対外的な折衝が多く、成果が数字として見えやすい点で共通しています。
研究開発職・製造技術職・管理部門の年収傾向
研究職の平均年収は565万円程度、製造・生産技術職は556万円程度、管理部門は536万円程度という口コミ集計です。研究職は漢方処方の基礎研究や品質評価を担い、生薬という植物由来原料特有の専門知識が求められる職種です。
製造・生産技術職は栃木や静岡などの工場で生産ラインの管理や品質保証に携わり、生薬から製品化するまでの一連の工程を支えています。
- 営業職は623万円程度
- MR職は611万円程度
- 研究職は565万円程度
- 製造・生産技術職は556万円程度
- 管理部門は536万円程度
この5つに共通するのは、対外折衝の比重が大きい職種ほど水準が高くなりやすいという点です。
生薬調達・栽培事業という漢方薬メーカー特有の職種
ツムラならではの職種として生薬の調達・栽培に関わるポジションがあります。国内で使用する原料生薬の約9割は中国からの輸入に依存しており、中国子会社の深圳津村薬業が現地での生薬の栽培・調達・品質管理を担っています。
こうした部門では、農学・薬学の知識に加え、海外の産地との折衝や品質トレーサビリティの管理能力が求められます。求人数自体は多くありませんが、他の製薬会社では代替しにくい専門性を積める点が特徴です。
口コミサイトの職種別数字は回答者の年齢構成に左右されやすく、平均年齢が低い職種ほど数字が低く出やすい点に注意しましょう。同世代同士で比較する視点も持っておくと実態がつかみやすくなります。
ツムラの年収は業界内でどのレベルか
ツムラの平均年収911万円は、医療用医薬品を中心とする製薬大手と比べるとまだ及ばない水準ですが、一般用医薬品・日用品業界の中では上位クラスに位置づけられます。
ツムラは医療用漢方製剤と一般用漢方薬の両方を扱う独自のポジションにある企業のため、単一の業界だけで比較するのではなく、複数の業界の企業と並べて見ることが実態把握の近道です。
ツムラがどのような立ち位置にあるのか、同業他社との比較で具体的に見ていきましょう。
製薬・日用品大手との年収比較
有価証券報告書の数字をもとに、事業領域の異なる大手6社を並べてみると、ツムラの立ち位置がより明確になります。
| 企業名 | 平均年収 | データソース |
|---|---|---|
| アステラス製薬 | 1,110万円 | 有価証券報告書 |
| 武田薬品工業 | 1,081万円 | 有価証券報告書 |
| ツムラ | 911万円 | 有価証券報告書 |
| ロート製薬 | 826万円 | 有価証券報告書 |
| 小林製薬 | 755万円 | 有価証券報告書 |
| 久光製薬 | 753万円 | 有価証券報告書 |
医療用医薬品を主力とする武田薬品工業やアステラス製薬とは事業構造が大きく異なるため、年収差がそのまま企業としての優劣を示すわけではありません。一般用医薬品・日用品メーカーのロート製薬や小林製薬と比べると、ツムラは上位に位置しています。
漢方薬という独占的市場のポジションの特徴
ツムラは国内医療用漢方製剤市場でトップシェアを持つ点が特徴です。医師が処方する漢方製剤の分野では長年にわたり圧倒的な地位を築いており、価格競争にさらされにくい独占的な事業構造が収益の安定性を支えています。
同じ「製薬会社」という名前でも、医療用医薬品中心か一般用医薬品・漢方中心かで収益構造も年収水準も大きく異なります。年収の数字だけでなく、どの事業が収益の柱になっているかも合わせて確認すると、実態に近い比較ができます。
ツムラの年収に関する口コミ・評判
有価証券報告書の911万円という数字に対し、OpenWorkでの口コミベースの平均年収は589万円程度(平均年齢33歳、91名の回答)と、公式データよりかなり低い水準になっています。
この差は、口コミの回答者に若手層が多いという年齢構成の偏りが大きな要因です。年収の分布としては300万円から1,100万円までと幅が広く報告されています。
この差が生まれる理由を理解しておくことで、数字だけに振り回されずに実態を判断できるようになります。具体的な口コミの内容を、次の項目で見ていきましょう。
OpenWorkに見る給与への評価
OpenWorkの口コミでは、家族手当や住宅手当といった従来型の福利厚生が充実しているという評価が目立ちます。借上社宅制度では賃貸家賃の75%を会社が負担するという声もあり、若手のうちから生活面での支援を受けやすい環境です。
一方で、業界内では給与水準がやや低めという指摘も複数見られます。給与は等級制度に基づく給与テーブルの幅内で決まる仕組みで、昇進には小論文試験を突破する必要があるとされています。年功序列の色を残しつつ、試験という関門がある点はツムラ特有の仕組みといえます。
- 賞与は年2回で、評価結果が反映される仕組み
- 家族手当・住宅手当など従来型の福利厚生が手厚い
- 借上社宅制度で家賃負担が大きく軽減される
- 昇進には小論文試験が課される等級制度がある
この4つに共通するのは、基本給そのものよりも手当や福利厚生を含めた総支給額で満足度が形成されているという点です。
額面と手取りの目安
年収911万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は目安でおよそ640万円から670万円程度になります。直近1年での急激な増加という珍しい動きだけに、次年度以降の水準がどう推移するかも注目しておきたいところです。
有報の平均年収は全社員の単純平均、口コミは投稿者の年齢層に偏りが出やすいという特性があります。どちらか一方を鵜呑みにせず、両方を参考にしながら判断するのがおすすめです。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起有報の数字と口コミの数字に差があるときは、回答者の年齢層や賞与の変動幅も意識してみると実態がつかみやすくなります。
ツムラで年収を上げる方法

ツムラで年収を上げる方法は、大きく分けて社内でのキャリアアップと、経験を武器にした転職の2つの方向性があります。
ここでは、社内での評価軸と社外での市場価値という2つの視点から具体的に見ていきます。
どちらか一方に偏るのではなく、両方の視点を持っておくことが結果的に選択肢を広げることにつながります。
社内での昇進・実績アピールの活用
ツムラでは、等級ごとの給与テーブルと小論文試験を伴う昇進制度によって処遇が決まる仕組みがあります。MR職であれば医療機関からの評価、研究職であれば論文や特許といった成果、生薬調達であれば産地開拓の実績など、数字や実績として残しやすい成果を積み重ねることが評価につながります。
昇進試験の準備は日々の業務と並行して進める必要があるため、早い段階から評価される実績を意識的に積み上げておく姿勢が有利に働きやすくなります。
転職によるキャリアアップという選択肢
MR職や生薬調達・研究開発の経験は、他の製薬会社や消費財メーカーでも高く評価されやすい専門性です。より年収水準の高い医療用医薬品大手や、漢方・機能性食品を扱う成長企業への転職も選択肢の一つになります。
社内での昇進と転職は、どちらか一方を選ぶものではなく、まず自分の市場価値を把握したうえで比較検討するのが賢明です。
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起生薬調達や漢方の研究開発といった経験は、想像以上に幅広い業界で評価されるものです。一度プロの視点で棚卸ししてみると、思わぬ選択肢が見えてくることもあります。
製薬・漢方業界での経験を活かしてキャリアアップを目指す場合、実績豊富な転職エージェントに相談することで、自分では気づけなかった強みや、条件に合う求人を効率よく見つけられます。冒頭で紹介した転職エージェント診断や比較表もあわせて活用してみてください。
未経験からツムラ・漢方業界へ転職する場合の年収目安
異業種から漢方薬メーカーの営業系・管理部門系職種へ転職する場合、前職の経験によって初年度の年収は400万円から600万円程度のレンジに落ち着くケースが多いとされています。医薬品や消費財の法人営業経験があれば、業界未経験でも十分に評価対象になります。
薬機法の規制知識や漢方特有の商流を理解しながら、着実に実績を積み重ねていくことが年収アップへの近道になります。
いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるのかを客観的に知ることから始めましょう。無料の相談サービスを使えば、費用をかけずに現在地を確認できます。
ツムラの年収に関するよくある質問
ここまで解説してきた内容を踏まえ、ツムラの年収に関してよく寄せられる質問に回答します。
ツムラの平均年収が急上昇したのはなぜですか?
2026年3月期の有価証券報告書では、平均年収が前期の795万円から911万4,000円へと116万4,000円増加しました。薬価改定への対応や人材確保競争の激化を背景にした処遇改善などが要因として考えられますが、詳細な内訳は公表されていません。単年の急伸である可能性もあるため、来期以降の推移もあわせて確認しておくと安心です。
ツムラの初任給はいくらですか?
ツムラの新卒初任給は、MR職で月額25万3,700円程度という情報があります。漢方薬・医薬品業界の初任給としては標準からやや高めの水準です。学歴や職種によって差があるため、最新の採用情報で確認することをおすすめします。
年収や評価制度について面接で質問する場合は「給与はいくらですか」と直接聞くのではなく、昇進試験の仕組みや評価基準を尋ねると、入社後のキャリアパスがより具体的にイメージできます。
まとめ|ツムラの年収を踏まえたキャリアの選び方
ツムラの平均年収は2026年3月期の有価証券報告書で911万4,000円と公表されており、前期から116万4,000円という大幅な増加を記録しました。ここ数年800万円前後で推移していた水準から一段上がった形ですが、単年の急伸である可能性もあり、今後の推移を注視する価値があります。OpenWorkの口コミでは589万円程度という実感値も報告されていますが、これは若手層の回答が多いことによる年齢構成の偏りが大きな要因です。
職種別に見るとMR職や営業職は比較的高い水準にあり、生薬調達・栽培という漢方薬メーカー特有の職種も存在します。年代別に見ると30代後半から50代にかけて、昇進試験による等級アップを境に処遇が伸びていく構造です。数字だけを見て判断するのではなく、有報の公式データと口コミの実感値の両方を踏まえたうえで、自分のキャリアプランと照らし合わせることが大切です。
社内での昇進を目指すにせよ、転職によるキャリアアップを検討するにせよ、まずは自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩になります。今回紹介したエージェントも活用しながら、納得のいくキャリア選択につなげてください。

