マンション管理士はやめとけと言われる理由|年収の実態とダブル資格の活かし方を解説

「マンション管理士はやめとけ」と検索すると、難易度の高さや収入の不安定さを指摘する声が目につきます。なお、国家資格のマンション管理士は、マンションの受付や清掃を担当する管理人(管理員)とはまったく別の仕事です。管理組合や理事会を相手に、管理規約の見直しや大規模修繕のアドバイスを行う専門職という点を、まず押さえておく必要があります。

この記事では、マンション管理士が「やめとけ」と言われる理由を、試験の合格率や年収の実態といった一次情報とあわせて整理します。資格だけでは独立しにくいと言われる構造や、管理業務主任者とのダブル取得が有利とされる理由、向いている人・向いていない人の特徴も具体的に解説します。資格取得を迷っている人にも、すでに合格して今後のキャリアを考えている人にも参考になる内容です。

この記事のポイント
  • マンション管理士試験の合格率は7〜13%台で推移し、令和7年度は11.0%
  • 独占業務がなく資格単体では収入につながりにくい構造が「やめとけ」の核心
  • 管理業務主任者を先に取得すると試験が一部免除され、評価も上がりやすい
解説者

FOCUS AGENT:東田 尚起

FOCUS AGENT なおき

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。

自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。

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マンション管理士がやめとけと言われる理由

マンション管理士が「やめとけ」と言われる背景には、難関試験に合格しても資格単体では収入に直結しにくいという構造があります。マンションの清掃や受付を担当する管理人(管理員)とは異なり、管理組合や理事会に対して助言・指導を行う専門職であるため、資格を取っただけでは仕事につながりにくい面があるのです。

ここでは、合格率の低さ、独占業務がないという制度上の特徴、資格単体では食えないと言われる構造という3つの角度から理由を整理します。

マンション管理士がやめとけと言われる理由

合格率10%前後という難関資格の現実

マンション管理士試験は合格率7〜13%台で推移する難関資格です。公益財団法人マンション管理センターの発表によると、令和7年度試験は受験者数10,984人に対して合格者数1,210人、合格率11.0%でした。

過去の推移を見ても、合格率が15%を超えた年はなく、宅建士(15〜17%台)と比べても低い水準で推移しています。50問のマークシート方式ながら、区分所有法や建築基準法、民法、会計・税務まで出題範囲が幅広く、学習時間の目安は500〜700時間程度とされます。

年度受験者数合格者数合格率
令和3年度12,520人1,238人9.9%
令和4年度12,209人1,402人11.5%
令和5年度11,158人1,125人10.1%
令和6年度10,955人1,389人12.7%
令和7年度10,984人1,210人11.0%

出典は公益財団法人マンション管理センターが公表する試験結果です。5年分を並べても10%前後を中心に推移していることがわかり、年による大きな易化は見られません。このデータだけを見ると「合格すること自体が目的化しやすい資格」という印象を持つ人も少なくないでしょう。

試験は区分所有法や標準管理規約、建築基準法、民法、会計・税務まで科目をまたいだ出題が特徴で、一つの分野だけ得意でも全体では得点が伸びにくい構成になっています。宅建士の合格率が15〜17%台で推移しているのと比べても、マンション管理士は数ポイント低い水準にとどまっており、不動産系の国家資格のなかでも難関の部類に入ります。

株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

合格率だけを見ると腰が引けますが、出題範囲は管理業務主任者試験と重なる部分が多く、効率よく学習すれば決して手が届かない水準ではありません。

独占業務がなく名称独占資格にとどまる

マンション管理士は、マンション管理士でなければできない独占業務が存在しない名称独占資格です。資格を持たない人でも管理組合へのコンサルティング自体は法律上可能で、資格があることで業務範囲が広がるわけではありません。

この点は、管理受託契約の重要事項説明という独占業務を持ち、管理会社に設置義務もある管理業務主任者とは対照的です。管理組合側から見ても、マンション管理士に相談するかどうかは任意の選択であり、資格の認知度自体がまだ十分に浸透していない地域も多いのが実情です。

  • マンション管理士でなければできない業務は法律上存在しない
  • 管理業務主任者のような設置義務・独占業務がない
  • 管理組合側に相談先として認知されていないと依頼が発生しない

独占業務がないことは、裏を返せば経験や実績次第で誰でも市場に参入できるということでもあります。差別化できなければ埋もれてしまう一方、専門性を磨けば他の資格者と明確に差をつけられる余地がある、という二面性を持った資格だといえます。

実際には、管理組合の理事会で顧問的な立場として継続的に関与する形で信頼を積み重ね、紹介で依頼が広がっていくケースが多いとされます。初回の相談だけで終わらせず、長期的な関係を築けるかどうかが、独占業務のない資格で生き残るための分かれ目になります。

資格だけでは食えないと言われる構造

「マンション管理士は食えない」と言われる最大の理由は、資格取得=独立開業とは直結しないという構造にあります。管理組合がコンサルティング費用を支払ってまで外部の専門家に相談するケースは限られ、特に小規模なマンションでは費用対効果を理由に依頼が見送られやすい傾向があります。

実際には、マンション管理士として名簿に登録している人の多くが、管理会社や不動産会社に勤務しながら資格を活かしたり、他の業務と兼業したりする形で働いています。資格一本で独立して生計を立てている人は、登録者全体のなかでは少数派とされます。

ワンポイントアドバイス
資格取得後の働き方を具体的に描く

合格後すぐに独立を目指すのではなく、管理会社やマンション管理組合の運営支援会社に勤務しながら実務経験を積むルートが現実的です。

資格を活かせる求人を探すなら

マンション管理士の資格を評価する管理会社やコンサルティング会社の求人は、転職エージェント経由で見つかるケースも多くあります。

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