資生堂の営業がきつい理由は?年収・働き方の実態と転職先を解説

この記事のポイント
  • 資生堂は2024年に1,477人、2025年に257人が早期退職・希望退職に応じており、組織再編が相次いでいます
  • 有価証券報告書の平均年間給与は708万円ですが、口コミの営業職平均は497万円と開きがあります
  • 営業は専門店事業とコスメティクスブランド事業(量販店・ドラッグストア)の二正面に分かれ、美容部員との連携も求められます
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

資生堂は化粧品メーカーの中でも歴史が長く、ブランド力の強さで知られています。一方で近年は構造改革のニュースが続いており、「安定した大手」というイメージだけで判断すると実態とのギャップを感じやすい会社でもあります。

目次

資生堂の営業がきついと言われる理由

資生堂の営業がきつい理由

資生堂の営業がきついと言われる背景には、相次ぐ組織再編、百貨店・専門店と量販店・ドラッグストアという二正面の営業構造、店頭で接客する美容部員との連携責任の3つがあります。順に見ていきます。

資生堂の会社概要と上場区分

株式会社資生堂は1872年に東京銀座で創業し、1927年に設立された化粧品メーカーです(会社プロフィール)。本店所在地は東京都中央区銀座7-5-5、汐留の本社事務所(GLOBAL VISION CENTER)は東京都港区東新橋1-6-2にあります(会社プロフィール)。

資生堂の公式サイト
出典 資生堂 企業情報サイト

代表者は代表執行役社長CEOの藤原憲太郎氏、資本金は645億円です(会社プロフィール)。東京証券取引所プライム市場に上場しており、有価証券報告書で平均年間給与などの一次情報が開示されています。この点は非上場の化粧品メーカーとの大きな違いです。

相次ぐ早期退職・希望退職という組織再編

資生堂は2024年2月、日本事業を統括する資生堂ジャパンで45歳以上かつ勤続20年以上を対象にした早期退職支援プランの実施を発表しました(会社開示資料)。募集期間は同年4月17日から5月8日で、退職日は9月30日でした。

応募者数は1,477名で、特別加算金などの費用として約180億円を2024年12月期第1四半期に計上しています(会社開示資料)。想定人数の約1,500名に近い規模の応募があったことになります。

再編はこれで終わりませんでした。2025年11月、米州事業の減損を受けて本社と国内一部子会社を対象にした希望退職プログラム「ネクストキャリア支援プラン」の実施が決定し、257名が応募しています(会社開示資料)。退職日は2026年3月31日の予定で、関連費用は約30億円が2025年12月期第4四半期に計上される見通しです。

  • 2024年2月 資生堂ジャパンで早期退職支援プランを発表、応募者1,477名
  • 2024年11月 中国・免税事業の悪化を受けた構造改革を発表
  • 2025年11月 希望退職プログラム「ネクストキャリア支援プラン」を発表
  • 2026年1月 希望退職の応募者257名、退職日は2026年3月31日と決定

短期間に複数回の組織再編が続いている会社では、営業担当者の所属部署や上司が変わる頻度も自然と高くなります。腰を据えて同じ顧客を担当し続けられるとは限らない点は、きつさとして語られやすい要素です。

百貨店・量販店という二正面の営業構造

資生堂ジャパンは2016年7月付けの組織改正で、百貨店・専門店を担当する専門店事業本部と、量販店・ドラッグストアなど組織小売業を担当するコスメティクスブランド事業本部に営業体制を再編しました(会社開示資料)。専門店事業は地域支社制、通信営業は専任の支社が担うなど、販路ごとに組織が分かれています。

百貨店向けはブランドの世界観を丁寧に伝える接客提案が重視される一方、量販店・ドラッグストア向けは棚割りや価格競争への対応力が問われます。異動で担当販路が変わると、求められる提案の型を一から学び直す場面も出てきます。

さらに通信営業に特化した汐留支社が別に新設されており、店舗を介さない販路への対応力も求められます。同じ会社の中に性格の異なる3つの営業組織が併存しているため、配属によって日々の業務内容が大きく変わる点は、他の消費財メーカーと比べても特徴的です。

美容部員との連携と資生堂ショックに見る現場の負荷

資生堂の店頭には約1万人規模の美容部員(2022年10月以降は呼称が「パーソナルビューティパートナー」に変更)がおり、営業担当は店頭の販売目標を美容部員と一緒に背負う構造になっています。店頭の数字は美容部員だけでなく営業の評価にも直結します。

2015年11月には、NHKの特集をきっかけに美容部員の働き方をめぐる方針が「資生堂ショック」として大きく報じられました。育休後の時短勤務者にもフルタイムと同じ1日18人の接客目標が課されることに社内外で賛否が広がった出来事です(J-CASTニュース)。

会社側は「接客はノルマではなく目標」と説明していましたが、現場では子育てをしていない社員に土日・遅番の負担が集中しているという不満もあったと報じられています。時期としては10年以上前の出来事ですが、店頭の販売目標をどう配分するかという論点は、現在の営業現場にも通じるテーマです。

ワンポイントアドバイス
組織再編の多さは個人の責任ではない

短期間での複数回の組織再編は、個人の実力とは関係のない要因できつさを感じさせます。配属や評価に不満がある場合、まず会社全体の動きなのか自分の部署固有の事情なのかを切り分けて考えてみてください。

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