「トヨタ 営業 きつい」と検索したとき、多くの人が思い浮かべているのは街のトヨタ販売店で新車を売る仕事です。ところがトヨタ自動車株式会社の営業部門と、トヨタ車を売る販売店の営業は、別の会社の別の職種にあたります。
有価証券報告書に載る平均年間給与1,006万円はトヨタ自動車単体の数字で、販売店社員の年収ではありません。実際、販売店大手であるトヨタモビリティ東京の営業職の口コミ平均は575万円です(OpenWork トヨタモビリティ東京の年収・給与制度)。
この記事では両者を最初に切り分けたうえで、トヨタ固有のきつさ、年収の出どころ、労働時間の実態、営業職の中身、転職先までを公開データだけで整理します。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起最初の分かれ道はシンプルです。応募先の社名が「トヨタ自動車株式会社」なのか、「トヨタモビリティ〇〇」「ネッツトヨタ〇〇」なのか。ここを確認しないまま情報を集めると、まったく別の会社の話を読み続けることになります。
トヨタの営業がきついと言われる理由


トヨタの営業がきついと語られるとき、その中身は本体の営業部門と販売店の営業でまったく異なります。ここでは混同されやすい構造から順に整理します。
トヨタ自動車の営業部門と販売店の営業の違い
トヨタ自動車株式会社は愛知県豊田市に本社を置く自動車メーカーで、主な事業内容は自動車の生産と販売です。従業員数は73,133人、連結では390,927人にのぼります(トヨタ自動車 会社概要)。
一方、クルマを店頭で売っているのは全国の販売店です。有価証券報告書にも国内ではトヨタモビリティ東京などの全国の販売店を通じて顧客に販売すると明記されています(トヨタ自動車 有価証券報告書)。
つまりトヨタ自動車の営業職は、販売店と組んで国内や海外の販売戦略を設計する仕事です。来店客に見積もりを出して契約を取る仕事ではありません。
- トヨタ自動車株式会社の営業は、販売戦略の立案と販売店や海外代理店との折衝が中心
- 販売店の営業は、来店客への接客と契約、納車後のフォローが中心
- 採用も給与テーブルも人事評価も、それぞれの会社で別に運用されている
求人サイトで「トヨタ」と検索すると両方が混ざって表示されます。社名の最後まで読む習慣をつけるだけで、情報の取り違えはかなり減らせます。
全車種併売による販売店同士の競合
販売店の営業にとって最も大きな変化は、2020年5月の全車種併売化です。トヨタは2019年6月に、2022年から25年を目途としていた全車種併売化を前倒しすると発表しました(トヨタ 全販売店全車種併売化を2020年5月に前倒し)。
それまでは「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の系列ごとに専売車種が決まっていました。併売後はどの店でも同じ車種を売れる状態になり、当時の国内6,000店舗の最大活用が狙いとされています。
買い手にとっては便利な変更です。ただし売り手から見ると、同じ車を同じ価格帯で扱う競合が近隣に増えたことを意味します。
ブランドの差ではなく担当者の対応や条件で選ばれる場面が増えるため、価格交渉の場数と提案の引き出しがそのまま成績に響きます。これはトヨタ販売店に固有の、比較的新しいプレッシャーです。
販売会社の統廃合と国内市場の縮小
併売化から5年が経ち、系列販売店の統廃合が進んでいます。日本経済新聞によると、2020年からの5年間で販売会社は34社減り、店舗数も約300店減少しました(日本経済新聞 トヨタ、販売チャネル統合5年で販社13%減)。
店舗が減れば、残る店舗が受け持つ商圏と台数は広がります。同時に、統合をまたいだ人事異動や評価基準の擦り合わせといった、売る以外の負荷も発生します。
国内の新車市場は人口減を背景に縮小が見込まれています。市場が伸びない環境で前年超えの目標を置かれる構図が、きついと語られる土台にあります。



店舗が減って商圏が広がるという話は、裏を返せば1人が抱える顧客数が増えるということです。求人票の募集背景が「増員」なのか「欠員補充」なのかは、面接で必ず確認してください。
なお、ノルマや土日出勤といったカーディーラー営業に共通する話はカーディーラー営業がきつい理由で整理しています。ここではトヨタ固有の論点に絞ります。
口コミスコアに表れる本体と販売店の差
同じトヨタの名前でも、社員の評価はまったく違う水準に出ます。OpenWorkの総合評価は、トヨタ自動車が4.18で回答者2,451人、トヨタモビリティ東京が2.86で回答者273人です。
| 評価項目 | トヨタ自動車 | トヨタモビリティ東京 |
|---|---|---|
| 総合評価 | 4.18 | 2.86 |
| 待遇面の満足度 | 4.3 | 2.7 |
| 社員の士気 | 3.8 | 2.8 |
| 風通しの良さ | 3.8 | 2.8 |
| 社員の相互尊重 | 4.3 | 3.0 |
| 20代成長環境 | 3.4 | 2.6 |
| 人材の長期育成 | 3.9 | 2.6 |
| 法令順守意識 | 4.9 | 3.8 |
| 人事評価の適正感 | 3.3 | 2.5 |
出典はOpenWork トヨタ自動車の社員クチコミとOpenWork トヨタモビリティ東京の社員クチコミです。いずれも社員の投稿を集計した値であり、会社が公表した数字ではありません。
8項目すべてで本体が上回りますが、開きが大きいのは待遇面の満足度、人材の長期育成、人事評価の適正感です。販売店側は評価の納得感が2.5と最も低く、ここが不満の中心になっていることが読み取れます。
法令順守意識だけは販売店も3.8と比較的高い水準です。制度が緩い職場という評価ではなく、評価と処遇への納得感が薄いという評価だと見るのが実態に近くなります。
口コミサイトは会社ごとにページが分かれています。トヨタ自動車のページを見て販売店の待遇を判断すると、待遇も評価も実態より高く見積もることになります。応募先の正式社名でページを開き直してください。
トヨタの営業の年収


年収の話でつまずきやすいのは、出どころの違う数字が同じ「トヨタの年収」として流通している点です。一次情報と口コミ集計を分けて見ていきます。
有価証券報告書の平均年間給与は1,006万円
トヨタ自動車は東京証券取引所のプライム市場に上場しています。2026年3月期の有価証券報告書によると、提出会社の従業員数は73,133人、平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.1年、平均年間給与は10,060,464円でした。
前期にあたる2025年3月期は9,825,635円で、増減率は2.4%です。いずれもトヨタ自動車 有価証券報告書に記載された数字で、賞与と基準外賃金を含みます。
この金額は提出会社、つまりトヨタ自動車株式会社単体の全従業員の平均です。事務系の営業職だけを抜き出した数字ではありませんし、販売店社員は一切含まれていません。
技能職を含む全社平均である点にも注意が必要です。職種やグレードによって実際の支給額は上下します。
販売店の営業職の口コミ平均は575万円
販売店側の数字を見ると景色が変わります。トヨタモビリティ東京の口コミ集計では、営業職の平均年収は575万円で、回答者は113人、範囲は300万円から1,500万円です(OpenWork トヨタモビリティ東京の年収・給与制度)。
同じページの職種別データでは、事務が493万円、エンジニアが464万円、メカニックが424万円、整備士が421万円と並びます。社内では営業が最も高い水準です。
| 区分 | 金額 | 出典の性質 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 平均年間給与 | 1,006万円 | 有価証券報告書(一次情報) |
| トヨタモビリティ東京 営業職 | 575万円 | 口コミ集計(回答者113人) |
| トヨタモビリティ東京 全社 | 538万円 | 口コミ集計(正社員185人) |
| 小売業界の平均 | 437万円 | 口コミ集計(OpenWork) |
| 給与所得者全体の平均給与 | 478万円 | 国税庁の公的統計 |
出典はトヨタ自動車 有価証券報告書、OpenWork、国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査です。集計方法が異なる数字を並べているため、単純な優劣として読まないでください。
それでも傾向ははっきりしています。本体と販売店では400万円以上の開きがあり、販売店の中では営業がいちばん稼げる職種にあたります。
世間の水準と比較した位置づけ
国税庁の調査では給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
販売店の営業職575万円は正社員平均を30万円ほど上回る水準です。トヨタ自動車の1,006万円は、正社員平均のおよそ1.8倍にあたります。
販売店の営業は世間相場より少し上、本体は大きく上。この差が同じ社名の下に同居していることが、年収の情報が錯綜する原因になっています。
なお厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、所定内給与額の平均は年齢計で34.1万円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。年収ベースの数字と月額ベースの数字を混ぜないよう気をつけてください。
販売店の営業求人は歩合を含んだ上限が目立つ形で書かれることがあります。300万円から1,500万円という幅は実在しますが、入社直後に当てはまるのは下限側です。固定給と歩合の比率を面接で必ず確認してください。
トヨタの労働時間と働き方の実態


労働時間だけを見ると、本体と販売店に大きな差はありません。差が出るのは休みの取りやすさと、長く勤め続けられるかどうかです。
残業時間と有給消化率の比較
口コミ集計による月間残業時間は、トヨタ自動車が27.0時間、トヨタモビリティ東京が24.9時間です。残業の長さで見れば販売店のほうがむしろ短いという結果になっています。
一方で有給休暇消化率は、トヨタ自動車が87.8%、トヨタモビリティ東京が62.1%と25ポイント以上開きます(OpenWork トヨタ自動車、OpenWork トヨタモビリティ東京)。
販売店は土日に来店が集中し、担当顧客の納車や点検の予定も入ります。休もうと思えば休めるが、担当の予定が埋まっていて動かしにくいという構造です。
きつさの正体が時間の長さだと思い込んでいると、対策を誤ります。販売店で問題になりやすいのは総労働時間より休みの分断のほうです。
販売店の定着状況と勤続年数
OpenWorkが女性の活躍推進企業データベースを引用して掲載している職場情報によると、トヨタモビリティ東京の平均勤続年数は男性18.2年、女性7.5年です。
同じ情報では、採用から10年後の継続雇用割合は男性49.7%、女性17.9%とされています。月あたりの平均残業時間は16.3時間、有給休暇取得率は58.4%で、最終更新は2025年5月14日です(OpenWork トヨタモビリティ東京 職場情報)。
長く残る人は非常に長く残り、その一方で入社10年のうちに半数が会社を離れている。この二極化が、口コミの評価が割れる背景にあります。
勤続18.2年という数字は、合わない人が早期に抜けた後の母集団を映したものでもあります。平均値だけで定着の良し悪しを判断しないほうが安全です。
女性の働きやすさに関する公表値
有価証券報告書には、提出会社と主要な連結子会社の人事データが載っています。トヨタ自動車の管理職に占める女性労働者の割合は3.9%、男性労働者の育児休業取得率は79.0%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で67.0%です。
トヨタモビリティ東京は管理職の女性比率が5.6%、男性の育児休業取得率が84.0%、男女の賃金の差異が全労働者で72.9%となっています(トヨタ自動車 有価証券報告書)。
販売店側は職場情報で女性労働者の割合が9.7%と公表されており、営業の現場が男性中心で回ってきた業界であることが数字に表れています。
育児休業の取得率はどちらも高い水準です。制度の整備状況と、営業現場の男女比は別の話として読む必要があります。
販売店の休暇事情は会社全体の平均より、配属される店舗の人員体制に左右されます。面接では担当顧客が何人規模か、休みの日に来店があった場合の対応ルールがどうなっているかまで踏み込んで聞いてください。
トヨタの営業職の種類と役割


トヨタで営業と呼ばれる仕事は大きく3つに分かれます。会社概要を押さえたうえで、それぞれの役割を見ていきます。
トヨタ自動車株式会社の会社概要


トヨタ自動車株式会社は1937年8月28日創立、本社は愛知県豊田市トヨタ町1番地です。代表取締役社長は近健太、資本金は6,354億円で、主な事業内容は自動車の生産と販売です。
従業員数は73,133人、連結では390,927人です(トヨタ自動車 会社概要、2026年3月末現在)。有価証券報告書では子会社602社、関連会社および共同支配企業159社と記載されています。
2026年3月期の日本国内の生産実績は4,148,936台で、前期比3.7%増でした(トヨタ自動車 有価証券報告書)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | トヨタ自動車株式会社 |
| 代表取締役社長 | 近健太 |
| 創立 | 1937年8月28日 |
| 資本金 | 6,354億円 |
| 従業員数 | 73,133人(連結390,927人) |
| 本社所在地 | 愛知県豊田市トヨタ町1番地 |
| 主な事業内容 | 自動車の生産・販売 |
いずれもトヨタ自動車の公式サイトに掲載されている内容です。
トヨタ自動車の国内営業
キャリア採用の職種紹介では、国内営業は日本事業として位置づけられています。従来のビジネスモデルから変革し、販売店と共に、新しい未来を創造すると説明されています(トヨタ自動車 職種紹介)。
相手はエンドユーザーではなく販売店です。商品の投入計画、販売施策、販売店ネットワークのあり方といったテーマを扱います。
数字の責任は個人の契約本数ではなく、担当する車種や地域の販売台数として現れます。個人の追客力より、社内外を巻き込んで計画を動かす力が問われる仕事です。
メーカー側の営業に共通する働き方はメーカー営業がきつい理由でも扱っています。トヨタ本体への転職難易度や選考についてはトヨタ自動車への転職を参照してください。
トヨタ自動車の海外営業
海外営業は、地域や国の特性を踏まえてビジネスを展開する職種です。職種紹介にはトヨタの海外販売台数比率は85%以上という記載があります(2022年現在、トヨタ自動車 職種紹介)。
販売の大半が海外にあるということは、為替や各国の規制、現地の販売代理店との関係が業務に直結するということです。
時差をまたいだやり取りや海外赴任の可能性があり、そこを負担と感じるか機会と感じるかで評価が分かれます。国内営業とは同じ営業でも生活のリズムが変わります。
販売店の営業とサブスク販売の広がり
販売店の営業は、来店客への接客から見積もり、契約、登録手続き、納車、その後の点検や車検の案内までを担当します。自動車保険や用品の提案も業務に含まれます。
ここに近年加わったのがサブスクの取り扱いです。トヨタのKINTOは任意保険やメンテナンス費用を月額に含めたカーリースで、申し込みはウェブで完結できる一方、販売店でも受付が可能です(KINTOのしくみ)。
契約時には車を受け取る販売店とメンテナンスを受ける販売店を選び、契約終了後は販売店に車を返却します。つまり販売店は、売る窓口であると同時に受け渡しと整備の拠点でもあります。
従来の値引き交渉を軸にした売り方だけでは対応しきれない領域が増えている、と言い換えることもできます。
- 新車販売は値引きと下取り条件を軸にした従来型の商談
- サブスクは月額に何が含まれるかを説明する料金設計型の商談
- 中古車や車検は既存顧客との関係を前提にした継続型の対応
この3つは必要な説明の組み立て方が違います。同じ営業職でも、扱う比率によって1日の過ごし方が変わります。
販売店の営業は、新車、中古車、サブスク、保険、車検と守備範囲が広い職種です。何にどれくらいの時間を割いているかは店舗によって差があります。配属予定店舗の商材比率を聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。



トヨタ自動車の国内営業と販売店の営業は、扱う相手も評価のされ方も別物です。「クルマが好きだから」という動機だけで両方に応募すると、面接で志望動機が噛み合わなくなります。
トヨタの営業に向いている人と向いていない人
向き不向きは会社への憧れではなく、日々の業務の性質との相性で決まります。本体と販売店に分けて整理します。
トヨタの営業に向いている人の特徴
販売店の営業に向いているのは、来店客と会話を重ねて信頼を積み上げることを苦にしない人です。全車種併売で競合が増えた今は、車種知識だけでなく対応の質が選ばれる理由になります。
また、納車後の車検や保険更新まで含めた長い付き合いを前向きに捉えられる人が定着しやすい傾向にあります。一度売って終わりではない点が、この仕事の骨格だからです。
本体の営業に向いているのは、社内外の関係者を巻き込んで計画を動かすことに面白さを感じる人です。自分の契約本数ではなく、担当領域全体の数字を動かす発想が求められます。
トヨタの営業に向いていない人の特徴
販売店の営業でつまずきやすいのは、土日に予定を入れる生活を続けたい人です。来店が集中する曜日に働くのが前提であり、有給消化率62.1%という数字はその働き方を反映しています。
評価の納得感を重く見る人も注意が必要です。人事評価の適正感が2.5という口コミスコアは、努力と評価のつながりが見えにくいと感じる社員が一定数いることを示しています。
本体の営業では、成果がすぐ数字で返ってくる手応えを求める人が物足りなさを感じることがあります。ルート営業と同じく、成果が見えるまでの時間が長い仕事だからです。
向き不向きを判断する軸
判断に迷ったときは、次の3つを自分の言葉で答えてみてください。答えが出ない項目があるなら、情報収集がまだ足りていません。
- 休みが平日中心になる生活を、5年先まで続けられるか
- 評価の納得感と、収入の水準のどちらを優先したいか
- 顧客と直接向き合いたいのか、仕組みを動かしたいのか
この3つに共通するのは、会社の看板ではなく自分の生活設計を起点に考えているかどうかです。トヨタという社名の安心感だけで決めると、入社後に判断材料が足りなくなります。
販売店の営業は、店舗の立地と規模で来店数も商圏も変わります。向いていないと感じた原因が職種ではなく配属にある場合、社内の異動で解決できることもあります。辞める判断の前に切り分けてください。
トヨタの営業がきついと感じたときの対処法


きついと感じたときにまずやるべきは、転職サイトへの登録ではありません。何がきついのかを特定する作業です。
きつさの原因を分解する
原因は大きく、労働時間、評価と処遇、人間関係、業務内容の4つに分かれます。口コミスコアを見る限り、トヨタ販売店で問題になりやすいのは評価と処遇の納得感です。
待遇面の満足度2.7、人事評価の適正感2.5という数字は、時間より納得感が課題になっていることを示しています。原因が時間ではないのに時短だけを考えても、解決にはつながりません。
紙に書き出して切り分けるだけで、打つ手が変わります。評価が原因なら評価基準の確認、人間関係が原因なら異動の相談というように、対応先が具体化します。
社内で条件を変える選択肢
販売会社の統廃合が進んだ結果、同じ会社の中に規模も客層も違う店舗が並ぶようになりました。扱う車種の構成も店舗によって差があります。
つまり、会社を変えずに環境を変えられる余地が以前より広がっています。異動の希望を出す前に、社内にどんな店舗と職種があるかを把握しておくと交渉しやすくなります。
販売店には営業以外にも、サービスフロント、事務、整備といった職種があります。クルマに関わり続けたいが接客の量を減らしたい場合、社内の職種転換が現実的な答えになることもあります。
転職市場での自分の位置を確認する
社内で打てる手がないと判断したら、外の相場を確認します。ここで大事なのは、辞めると決めてから調べるのではなく、判断材料として先に調べることです。
職務経歴書には、頑張ったという言葉ではなく具体的な実績を数字で並べてください。販売台数、目標達成率、車検の入庫率、保険の継続率など、販売店の営業には定量化しやすい指標が揃っています。
年代によって現実的な選択肢は変わります。30代なら30代におすすめの転職エージェント、40代なら40代におすすめの転職エージェントを参考にしてください。
面接では必ず退職理由を聞かれます。きつかったからでは通りません。評価基準が不透明で改善の見込みがなかった、というところまで具体化できていれば、次の会社を選ぶ基準としても機能します。



原因の特定を飛ばして転職すると、同じ不満を別の会社で繰り返すことになりがちです。面倒でも、最初に切り分ける時間をとってください。
トヨタの営業経験が活きる転職先


トヨタでの営業経験は、本体か販売店かによって評価されるポイントが変わります。それぞれ強みの説明の仕方を変えるのが近道です。
評価されやすいスキル
販売店の営業で評価されやすいのは、個人に対して数百万円の買い物を決めてもらった経験です。検討期間が長く、家族の同意が必要になる商材を扱ってきた事実は、そのまま他業界でも通用します。
加えて、納車後の車検や保険更新まで担当した継続対応の経験は、既存顧客のフォローを重視する会社にとって分かりやすい強みになります。
本体の営業なら、販売店や海外代理店といった社外の組織を動かした経験が武器です。自分で売った数ではなく、担当領域の数字をどう動かしたかで語ると伝わります。
転職先の選択肢
最も近いのは他ブランドの販売店や中古車販売、買取の営業です。商材の知識と商談の型をそのまま持ち込めるため、立ち上がりが早くなります。
業界を変えるなら、住宅や不動産など個人向けの高額商材が候補になります。検討期間の長さとローンを含む資金計画の説明という点で、カーディーラー営業との共通点が多い領域です。
未経験の職種に移る場合は、事前の情報収集の量が結果を左右します。未経験におすすめの転職エージェントのような媒体で、求められる経験の水準を先に確認しておいてください。
年収の面では注意が必要です。販売店の営業職の口コミ平均575万円は正社員平均545万円を上回る水準であり、同じ額を維持できる転職先は限られます。
土日休みを優先すれば、多くの場合は年収が下がります。いくらまでなら受け入れられるのか、その代わりに何を得たいのかを先に決めておくと、求人を見比べる時間を大幅に短縮できます。
トヨタの営業に関するよくある質問
検索で特に多い疑問を、公開データに基づいて整理します。
トヨタの営業は本当にきついですか?
どちらのトヨタかで答えが変わります。販売店の営業は月間残業が24.9時間と極端に長いわけではありませんが、有給休暇消化率が62.1%と低く、人事評価の適正感が2.5にとどまります。休みの取りにくさと評価への納得感が課題です。一方でトヨタ自動車本体は総合評価4.18、有給消化率87.8%と高水準で、きつさの中身はまったく異なります。
トヨタの営業の年収はいくらですか?
トヨタ自動車株式会社の平均年間給与は2026年3月期の有価証券報告書で10,060,464円です。ただしこれは技能職を含む単体全従業員の平均であり、販売店社員は含まれません。販売店大手であるトヨタモビリティ東京の営業職は口コミ集計で575万円、回答者113人、範囲は300万円から1,500万円です。どちらの数字を見ているかで400万円以上ずれます。
トヨタ販売店はトヨタ自動車の子会社ですか?
すべてが子会社というわけではありません。トヨタモビリティ東京は有価証券報告書に連結子会社として記載されていますが、全国の販売会社には独立資本で運営されている会社が多数あります。採用も給与制度も各社が個別に決めており、応募先によって待遇も評価制度も異なります。正式社名で会社情報を調べ直すことが欠かせません。
全車種併売で販売店の営業はどう変わりましたか?
2020年5月に全車種併売化が実施され、それまで系列ごとに分かれていた専売車種がなくなりました。どの店でも同じ車種を扱えるようになったため、近隣店舗との競合が発生しやすくなっています。さらに日本経済新聞によると、2020年からの5年間で販売会社は34社減り、店舗数も約300店減少しました。競合の増加と統廃合が同時に進んだ5年間だったといえます。
未経験からトヨタの営業に転職できますか?
販売店の営業は未経験採用を行っている会社が多く、入口としては開かれています。ただし口コミスコアでは20代成長環境が2.6、人材の長期育成が2.6と低く、手厚い研修で段階的に育ててもらう想定だとギャップを感じる可能性があります。一方でトヨタ自動車本体のキャリア採用は職種ごとに専門性を求める形が基本で、営業未経験からの応募は難度が上がります。
トヨタの営業経験は転職市場で評価されますか?
評価されます。販売店の営業なら、個人に高額商材を販売し、納車後も継続して関係を維持した経験が強みになります。他ブランドの販売店、中古車や買取、住宅や不動産といった高額商材の営業で活かしやすい経験です。本体の営業なら、販売店や海外代理店を動かして販売計画を実行した経験が、メーカーや商社の事業企画で評価されます。
口コミサイトの評価は回答者の職種と在籍時期に左右されます。気になった点は求人票の記載や面接での質問で裏を取ってください。とくに評価期間と歩合の比率は、会社側も具体的に答えられる項目です。
まとめ
トヨタの営業がきついと言われるとき、その多くは販売店の営業を指しています。トヨタ自動車株式会社の営業部門とは別の会社の別の職種であり、採用も給与制度も評価も別に運用されています。
年収の一次情報である有価証券報告書の平均年間給与10,060,464円は、トヨタ自動車単体の全従業員の平均です。販売店大手の営業職は口コミ集計で575万円と、400万円以上の開きがあります。
働き方の面では、月間残業が本体27.0時間、販売店24.9時間と大きな差はありません。差が出るのは有給休暇消化率で、本体87.8%に対し販売店は62.1%にとどまります。
トヨタ固有の論点としては、2020年5月の全車種併売化で近隣店舗との競合が発生したこと、その後の5年で販売会社が34社減り店舗も約300店減ったこと、そしてKINTOのようなサブスクの広がりで販売店の役割が売る窓口から受け渡しと整備の拠点へ広がったことが挙げられます。
きついと感じたときは、原因が時間なのか評価なのかを先に切り分けてください。販売店の口コミでは人事評価の適正感が2.5と最も低く、時間ではなく納得感が課題になっている可能性が高いといえます。そのうえで環境が合わないと判断したなら、個人に高額商材を売り切った経験は業界を越えて評価されます。









