月収22万円の手取りは178,115円です。額面の220,000円から41,884円が税金と社会保険料として引かれ、手元に残るのがこの金額になります。40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住で協会けんぽに加入している場合の数字です。
引かれる割合は額面の19.0%、手取り率は81.0%です。年収にすると額面264万円、手取りでは2,137,384円になります。
この記事の数字は、2026年度(令和8年度)の保険料率と、令和8年分から引き上げられた基礎控除で計算しています。改定前の控除額で計算している記事とは、所得税が月数百円ずれます。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収22万円は新卒や20代前半で受け取る人が多い水準です。額面と手取りの差は月4万円強あります。家賃を決めるときや貯金の計画を立てるときは、22万円ではなく178,115円を基準にしてください。
月収22万円の手取りは178,115円|年収は264万円


月収22万円から引かれるのは月41,884円です。内訳は社会保険料が32,318円、所得税が1,441円、住民税が8,125円で、手元に残るのが178,115円になります。
額面のうち手取りとして残る割合は81.0%です。月収が上がるほど所得税の負担が重くなるため、この手取り率は月収が高い層より高めに出ます。
年収で見ると額面2,640,000円、手取り2,137,384円です。1年間に引かれる税金と社会保険料の合計は502,616円になります。
40歳未満・扶養なしの場合
もっとも標準的な条件である40歳未満・扶養家族なし・賞与なしで計算した結果が次の表です。この記事の他の項目も、断りがない限りこの条件で統一しています。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 220,000円 | 2,640,000円 |
| 控除合計 | 41,884円 | 502,616円 |
| 手取り | 178,115円 | 2,137,384円 |
| 手取り率 | 81.0% | 81.0% |
「額面の8割が手取り」という目安をよく見かけますが、月収22万円ではその目安がほぼそのまま当てはまります。手取り率81.0%は、額面の8割よりわずかに多く残る計算です。
ただしこの比率は収入帯によって変わります。額面が上がれば所得税の税率区分も上がるため、同じ感覚で月収40万円や50万円の手取りを推測すると実際より多く見積もることになります。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは176,616円に下がります。逆に扶養家族が1人いると所得税と住民税が軽くなり、手取りは182,307円まで増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 178,115円 | 2,137,384円 | 81.0% |
| 40歳以上・扶養なし | 176,616円 | 2,119,400円 | 80.3% |
| 40歳未満・扶養1人 | 182,307円 | 2,187,684円 | 82.9% |
介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から徴収が始まります(全国健康保険協会 介護保険料率について)。誕生月をまたいで手取りが減ったように見えるのは、多くの場合これが理由です。
扶養家族が1人いる場合の手取りは182,307円、手取り率は82.9%です。同じ月収22万円でも、扶養の有無で手取りの水準は変わります。配偶者を扶養に入れたときや外れたときは、給与明細の控除欄を確認してください。
賞与がある場合
ここまでの数字はすべて賞与なしの前提です。賞与が支給される場合、額面年収はその分だけ264万円より増えます。
賞与にも税金と社会保険料はかかります。健康保険4.925%、厚生年金9.15%、雇用保険0.5%という本人負担の料率は、月々の給与と同じように賞与にも適用されます。
一方で住民税は賞与から天引きされません。住民税は前年の所得をもとに年税額が決まり、6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から引かれる仕組みだからです。
- 賞与からは健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税が引かれる
- 住民税は賞与から引かれず、翌年度の月々の天引き額に反映される
- 求人票の「月給22万円」だけを見ると、賞与の有無で年収の見え方が大きく変わる
求人を比べるときに月給だけを並べると、賞与の有無で実際の年収を読み違えます。月給が同じ22万円でも、賞与のある会社とない会社では年間の手取りがまったく別の水準になります。
月給22万円に固定残業代が含まれているかどうかで、実質的な基本給は変わります。22万円のうち3万円が残業代相当なら、定時で帰った月の基本給は19万円です。手取りを比べる前に、基本給と各種手当の内訳を求人票か労働条件通知書で確認してください。
月収22万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収22万円から引かれる41,884円の中身を、1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での計算です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 本人負担の料率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 10,835円 | 130,020円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 253円 | 3,036円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 20,130円 | 241,560円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 1,100円 | 13,200円 | 0.5% |
| 所得税 | 1,441円 | 17,300円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 8,125円 | 97,500円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 41,884円 | 502,616円 | 額面の19.0% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金を合わせた社会保険料は月32,318円です。控除全体の77.2%を占めており、税金よりはるかに重い負担になっています。
これに対して所得税は月1,441円、住民税は月8,125円です。給与明細の控除欄を占めているのは、税金ではなく社会保険料だということが数字から読み取れます。
もっとも大きいのは厚生年金の20,130円です。本人負担の料率は9.15%で、同額を勤務先も負担しています。将来受け取る老齢厚生年金の額は、この保険料の記録をもとに計算されます。
健康保険と厚生年金は、額面そのものではなく「標準報酬月額」という等級表に当てはめて計算します。月収22万円は健康保険の第18級、標準報酬月額220,000円に該当します。
- 標準報酬月額は毎年4月から6月の給与をもとに決まり、9月分から1年間適用される
- 昇給や減給で給与が大きく変わったときは、年の途中でも随時改定される
- 4月から6月に残業が集中すると、その年の社会保険料が1年間高くなる
新卒入社の場合、標準報酬月額は入社時の給与をもとに決まります。1年目の夏に残業が多かったとしても、その影響が出るのは翌年の9月分からです。
健康保険料率は都道府県ごとに違います。2026年度の東京支部は9.85%で、本人負担はその半分の4.925%です。勤務先が協会けんぽではなく健康保険組合に加入している場合は、料率が独自に決まるためこの金額とは差が出ます。
所得税
所得税は月1,441円、年17,300円です。給与所得控除と社会保険料控除、基礎控除を差し引いた課税所得に、税率5%と復興特別所得税2.1%をかけて算出します(国税庁 所得税の税率)。
年収264万円の場合、所得税の税率区分は最も低い5%です。控除合計41,884円のうち所得税は1,441円にとどまり、住民税8,125円よりも軽い負担になっています。
ここが他の解説記事と最も食い違う部分です。令和8年分から基礎控除は95万円から104万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。
合計18万円の引き上げによって、いわゆる「年収の壁」が160万円から178万円に動いたのもこの改正によるものです。改定前の控除額で計算している記事では、同じ月収22万円でも所得税が月数百円高く出ます。
住民税
住民税は月8,125円、年97,500円です。内訳は所得割92,500円と均等割5,000円で、均等割の5,000円には森林環境税1,000円が含まれています(総務省 個人住民税)。
住民税は前年の所得に対して課税されます。そのため新卒1年目は住民税が引かれず、手取りは178,115円より多くなります。
社会人2年目の6月から住民税の天引きが始まると、月収が1円も変わっていないのに手取りが8,125円減ります。1年目の給与明細に見慣れた金額から、住民税の分だけ手取りが下がることになります。
この減り方を「給与を下げられた」と勘違いして相談に来る人は少なくありません。実際には昇給していても、住民税の開始と相殺されて手取りが横ばいに見えることがあります。
所得税とは基礎控除の額が違う点にも注意が必要です。所得税の基礎控除は104万円に引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2025年度の料率と令和7年分の控除で同じ月収22万円を計算すると、手取りは月177,509円でした。2026年度は178,115円なので、改定によって月606円、年間7,276円増えたことになります。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(東京) | 10,901円 | 10,835円 | ▲66円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 253円 | +253円 |
| 雇用保険 | 1,210円 | 1,100円 | ▲110円 |
| 所得税 | 2,125円 | 1,441円 | ▲684円 |
| 手取り | 177,509円 | 178,115円 | +606円 |
負担が増えた項目は新設された子ども・子育て支援金だけです。2026年4月分の保険料から、医療保険料に上乗せするかたちで徴収が始まりました(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。
減った項目のうち最も大きいのは所得税の684円です。ただし2026年中の給与明細では、所得税の引き下げはまだ反映されません。基礎控除の改正は令和8年12月に施行され、12月の年末調整でまとめて精算される仕組みだからです。
毎月の源泉徴収税額表が新しい控除額に対応するのは2027年1月からです。2026年の11月までの給与明細を見て減税が実感できなくても、金額そのものは後から戻ってきます。
2026年は毎月の天引きが改定前の税額のままなので、12月の年末調整で差額がまとめて還付されます。月収22万円の所得税は改定前より月684円軽くなっているので、その分が12月にまとめて精算されます。生命保険料控除やiDeCoの掛金がある人はさらに上乗せされるため、控除証明書を11月までに提出し忘れないようにしてください。



料率の細かい話に見えますが、手取りが増えたのか減ったのかはここでしか判断できません。とくに2026年は所得税の減税が12月まで給与明細に出てこないので、年末調整の結果を見てから判断するのが正確です。
月収22万円は世間的にどのレベルか


年収264万円は、給与所得者全体で下位27.2%に位置します。平均を大きく下回る水準であり、この点は正直に押さえておく必要があります。
ただし年代や性別を変えて見ると評価は変わります。順に確認します。
平均との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員(正職員)に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
| 区分 | 平均給与 |
|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 |
| 正社員(正職員) | 545万円 |
| 非正規 | 206万円 |
| 男性 | 587万円 |
| 女性 | 333万円 |
年収264万円は全体平均478万円より214万円低く、正社員平均545万円とは281万円の差があります。一方で非正規雇用の平均206万円は上回っています。
平均478万円という数字は、正社員と非正規を合わせた全体の平均です。非正規の平均206万円に引き下げられている点を踏まえると、正社員として働いている人にとっての比較対象は545万円のほうになります。
上位何%か
給与所得者51,365,699人を年収順に並べると、264万円は上から72.8%の位置に来ます。言い換えると、自分より年収が高い人が7割以上いる計算です。
| 区分 | 母集団 | 上位 | 下位 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 51,365,699人 | 72.8% | 27.2% |
| 男性 | 29,250,024人 | 85.3% | 14.7% |
| 女性 | 22,115,674人 | 56.3% | 43.7% |
全体では下位27.2%、つまり下から4分の1あたりにあたります。煽るつもりはありませんが、月収22万円は統計上けっして高い水準ではありません。
この事実をどう受け止めるかは年齢によります。20代前半でこの位置にいることと、40代でこの位置にいることでは、意味がまったく違ってきます。
男女差
同じ年収264万円でも、男女のどちらで見るかで位置が変わります。男性なら下位14.7%、女性なら下位43.7%と、相対的な位置がはっきり分かれます。
男性の平均給与は587万円、女性の平均は333万円です。同じ年収264万円でも、比較する相手によって受ける印象が変わります。
この開きは、女性に非正規雇用や短時間勤務が多いことを反映したものです。女性の中で相対的に中位に近いからといって、その水準が十分だという話にはなりません。
相当する年齢階級
厚生労働省の調査によると、所定内給与額の平均は年齢計で男女計340.6千円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。月収22万円に最も近いのは、男女計・男性・女性のいずれも~19歳の階級になります。
| 年齢階級 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| ~19歳 | 208.3千円 | 212.5千円 | 201.4千円 |
| 20~24歳 | 242.8千円 | 245.7千円 | 239.6千円 |
| 年齢計の平均 | 340.6千円 | 373.4千円 | 285.9千円 |
所定内給与額は残業代と賞与を含みません。20~24歳の平均242.8千円をすでに下回っている点は、率直に受け止める必要があります。
ただし残業代が加われば実際の支給額は変わります。所定内給与額での比較は、あくまで基本給と固定的な手当だけを並べた数字です。
年齢計の平均340.6千円と自分の月収22万円を並べても、判断材料になりません。20代前半なのか30代なのかで意味が変わるためです。給与の妥当性を測るときは、自分の年齢階級の所定内給与額と、残業代を除いた自分の基本給を並べて比べてください。
月収22万円の生活レベル


ここから先の生活費は、想定値ではなく総務省の家計調査の実額を使います(総務省統計局 家計調査 2025年平均)。手取り178,115円に近い階級の、実際の支出です。
結論を先に書くと、単身なら黒字、二人以上の世帯では厳しいというのがこの月収帯の実態です。
単身世帯
単身の勤労者世帯で手取り178,115円に最も近いのは、年間収入100~200万円の階級です。この階級の可処分所得は173,426円、消費支出は138,107円になります。
預貯金の純増は月15,733円、年間にすると188,796円です。平均消費性向は79.6%なので、手取りの2割程度を残せている計算になります。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 33,895円 |
| 住居(うち家賃地代24,407円) | 26,966円 |
| 光熱・水道 | 11,540円 |
| 交通・通信 | 14,365円 |
| 教養娯楽 | 13,061円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 38,280円 |
| 消費支出 合計 | 138,107円 |
この階級の可処分所得173,426円は、月収22万円の手取り178,115円より4,689円低い水準です。完全に一致する階級は公表されていないため、最も近い階級として扱っています。
つまり実際の手元資金はこの表よりわずかに多く、貯蓄に回せる額も月15,733円より少し上振れする可能性があります。とはいえ、桁が変わるような差ではありません。
二人以上の世帯
世帯人員が増えると景色が一変します。二人以上の勤労者世帯で公表されている最も低い階級は年間収入300~350万円で、可処分所得は278,764円です。
| 区分 | 単身世帯 | 二人以上の世帯 |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 173,426円 | 278,764円 |
| 消費支出 | 138,107円 | 237,375円 |
| 預貯金純増・黒字 | 15,733円 | 41,389円 |
| 平均消費性向 | 79.6% | 85.2% |
| 世帯人員 | 1人 | 2.70人 |
| 世帯主の平均年齢 | ― | 55.7歳 |
注意したいのは、月収22万円の手取り178,115円が、この階級の可処分所得278,764円を下回っていることです。家計調査で公表されている最も低い収入階級にすら届きません。
さらに、二人以上の世帯の消費支出237,375円に対して手取りは178,115円です。単独の収入で二人以上の世帯を支えるなら、赤字になる可能性が高い水準になります。
教育費の負担も重くのしかかります。家計調査では世帯主が40代の世帯で月27,878円、50代で34,484円が教育費に充てられています。手取り178,115円からこの金額を捻出するのは現実的ではありません。
共働きを前提にするか、住居費を大幅に抑えるか、収入そのものを動かすか。二人以上の世帯でこの月収帯を維持する場合、いずれかの手を打たないと家計が回りません。
家賃の平均が低く見える理由
先の単身世帯の表で、家賃地代が24,407円と低いことに違和感があるかもしれません。これは持ち家の人や社宅住まいの人、実家暮らしの人を含めた平均だからです。
実際に民営の借家に住んでいる世帯だけを見ると、家賃は単身で49,831円、二人以上の勤労者世帯で69,450円になります。大都市圏では二人以上の世帯で81,508円です。
| 区分 | 1か月あたりの家賃 |
|---|---|
| 単身世帯の家賃地代(持ち家等を含む平均) | 24,407円 |
| 民営借家に住む単身世帯 | 49,831円 |
| 民営借家に住む二人以上の勤労者世帯 | 69,450円 |
| 同(大都市) | 81,508円 |
| 借家(専用住宅)全国平均 | 59,656円 |
| 借家(専用住宅)東京都 | 87,118円 |
住宅・土地統計調査でも、借家(専用住宅)の1か月あたり家賃は全国59,656円、東京都87,118円と報告されています(総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)。
東京都の平均家賃87,118円は、手取り178,115円に対して重い水準です。この月収帯で都内の平均的な賃貸に住むと、家賃が家計の中心的な負担になります。
平均値には持ち家世帯が混ざるため、家賃の負担は実態より軽く見えます。賃貸で暮らしている場合は、家賃地代の平均24,407円ではなく、民営借家に限った49,831円と比べてください。差は月2万円以上あり、この差がそのまま貯蓄可能額の差になります。



同じ月収22万円でも、実家暮らしか一人暮らしかで残る金額はまったく違います。家賃が5万円か0円かで年間60万円の差が出るので、この月収帯で貯金を作りたいなら住居費の選択が最も効きます。
月収22万円でできること・できないこと


手取り178,115円という水準で、家賃・貯金・住宅ローンがそれぞれどこまで可能かを整理します。
できることとできないことの線引きをはっきりさせておくと、無理な契約を避けられます。
家賃
「家賃は手取りの3分の1まで」という言い方が広く使われていますが、この3分の1という基準に公的な根拠はありません。金融広報中央委員会の解説で一般的な目安として示されているのは、手取りの2〜3割です(知るぽると ひとり暮らしの生活設計)。
手取り178,115円なら、目安は35,623円から53,434円になります。統計上の実額である民営借家の単身49,831円は、この範囲の上のほうに収まります。
| 基準 | 家賃の目安 |
|---|---|
| 手取りの2割 | 35,623円 |
| 手取りの3割 | 53,434円 |
| 参考 民営借家に住む単身世帯の実額 | 49,831円 |
| 参考 東京都の借家の平均家賃 | 87,118円 |
東京都で借りる場合は事情が変わります。都内の平均家賃87,118円は目安の上限53,434円を大きく超えており、月収22万円で都内の平均的な物件に住むのは現実的ではありません。
都内で一人暮らしをするなら、平均より家賃の安い地域を選ぶか、共益費や更新料まで含めた総額で予算を組む必要があります。
貯金
単身の勤労者世帯で同水準の階級の預貯金純増は、月15,733円です。年間にすると188,796円になります。
年188,796円という貯蓄ペースでは、まとまった資金を作るのに時間がかかります。賞与がなければ、この積み上げがそのまま年間の貯蓄額になります。
参考までに、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値は1,264万円です(総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編)。平均を下回る世帯が66.1%を占めるため、平均値は実感とずれやすい点に注意してください。
平均2,059万円という数字を見て落ち込む必要はありません。3分の2の世帯が平均に届いていないのが実態です。
実家暮らしであれば家賃と食費の負担が軽くなり、貯蓄ペースは大きく変わります。この月収帯で資産を作るなら、収入を増やすより先に住居費をどう扱うかを決めるほうが効果が早く出ます。
住宅ローン
額面年収264万円で返済比率を25%に抑える場合、年間の返済額は660,000円、月々では55,000円になります。金利2.0%・35年・元利均等返済で試算すると、借入可能額はおよそ1,660万円です。
| 金利 | 月返済額 | 借入可能額(35年) |
|---|---|---|
| 1.5% | 55,000円 | 約1,796万円 |
| 2.0% | 55,000円 | 約1,660万円 |
| 2.5% | 55,000円 | 約1,538万円 |
金利1.5%なら約1,796万円、2.5%なら約1,538万円です。金利の差がそのまま借りられる額の差になります。
見落とされやすいのは、金融機関が見る返済比率が額面基準だという点です。額面年収264万円の25%は年660,000円でも、手取り年収2,137,384円に対しては30.9%にあたります。
借りられる額と、無理なく返せる額は別物です。審査に通る上限をそのまま借入額にすると、手取りの3割を35年間返済に回し続けることになります。
住宅ローンの審査は額面年収をもとにした返済比率で判断されますが、実際に返すのは手取りからです。月収22万円なら、額面基準の25%は手取り基準では30.9%になります。管理費や修繕積立金、固定資産税も加わるため、実際の住居費はさらに上振れする前提で計画してください。
月収22万円に到達する年代と仕事


月収22万円がどのくらいのキャリア段階に相当する水準なのかを、公的統計から確認します。
所定内給与額は残業代と賞与を含まない金額です。手当を除いた基本給に近い数字として読んでください。
男性・男女計
所定内給与額で見ると、男女計で22万円に最も近いのは~19歳の208.3千円です。男性でも~19歳の212.5千円が最も近く、20~24歳の245.7千円でこの水準を初めて超えます。
つまり月収22万円は、統計上は10代後半の平均に近い水準です。20代前半にはすでに平均が24万円台に乗っているため、20代半ばでこの月収が続いている場合は同年代の平均を下回っていることになります。
新卒の初任給としては珍しくない金額です。問題は、ここから何年で上がるかのほうにあります。
第二新卒の時期であれば、業界を変えるだけで基本給の水準が動くことがあります。第二新卒におすすめの転職エージェントでは、社会人経験が浅い段階での動き方を整理しています。
女性
女性の所定内給与額は、~19歳で201.4千円、20~24歳で239.6千円です。20代前半までは、男性の212.5千円・245.7千円と大きな差がありません。
ところが年齢計の平均で見ると、男性373.4千円に対して女性285.9千円です。差が広がるのは20代後半以降になります。
平均勤続年数は男性14.2年に対し女性10.4年です。勤続年数の差と管理職比率の差が、年齢を重ねるほど賃金差として積み上がっていきます。
この構造を踏まえると、20代のうちに賃金カーブが上がる職種や企業へ移れるかが分かれ目になります。女性におすすめの転職エージェントでは、長く働ける環境の見極め方を扱っています。
企業規模
同じ年齢・同じ職種でも、在籍する企業の規模によって賃金水準は変わります。賃金構造基本統計調査では大企業・中企業・小企業の3区分で集計されており、規模が大きいほど平均賃金は高くなる傾向が示されています。
月収22万円が続く背景には、職務内容ではなく企業側の賃金テーブルの上限があるケースが少なくありません。個人の評価を上げても、その会社の等級表の天井が低ければ届く金額は限られます。
- 賃金テーブルの上限は、同じ職務でも企業規模で差が出る
- 昇給率が年1%台にとどまる会社では、5年経っても月収は数千円しか動かない
- 所定内給与額は2025年に前年比3.1%増となったが、伸び方は企業によって大きく異なる
自社の賃金テーブルは、就業規則や賃金規程で確認できます。等級ごとの上限額を見れば、今の会社で到達できる金額の見当がつきます。
現職の月収22万円のうち3万円が残業代なら、残業のない会社に移ると額面19万円になります。求人を比べるときは、基本給と固定残業代を分けたうえで、残業を除いた額面同士を並べてください。所定内給与額の統計と比較するときも同じ考え方になります。
月収22万円から手取りを増やす方法


手取りを1万円増やすには、額面を約14,000円上げる必要があります。控除は率で効くため、額面の伸びほど手取りは伸びません。この前提を踏まえて3つの道を比べます。
どれか1つに絞る必要はありません。効果が出るまでの時間と、上げられる幅が違うだけです。
昇進・昇給
在籍したまま収入を上げる方法です。賃金構造基本統計調査では2025年の所定内給与額が前年比3.1%増となっており、近年の賃上げは続いています。
ただし年3.1%の昇給が続いたとしても、月収22万円から27万円に届くまでには数年かかります。月収27万円まで上げても手取りは215,384円で、増えるのは月37,269円です。
役職に就けば一度に上がりますが、ポストの数には限りがあります。昇給だけに頼る場合は、自社の賃金テーブルで何年後にいくらになるかを先に確認しておくほうが確実です。
社会人2年目には住民税の天引きが始まる点も計算に入れてください。1年目から2年目にかけては、昇給しても手取りが横ばいか微減になることがあります。
固定費
収入を増やさずに使える額を増やす方法です。家賃・通信費・保険料は一度見直せば効果が続きます。
この月収帯では、固定費の削減が昇給より早く効きます。手取りを1万円増やすのに額面14,000円の上積みが必要なのに対し、支出を1万円削れば手元に残る額はそのまま1万円増えるためです。
- 家賃の見直しは金額が最も大きく、住み替えの一度で効果が続く
- 通信費は格安プランへの変更で毎月の負担を下げられる
- iDeCoや企業型確定拠出年金の掛金は全額が所得控除の対象になる
iDeCoは掛金が所得控除になるため、所得税と住民税の両方が軽くなります。ただし60歳まで引き出せないため、貯蓄が月15,733円ペースのこの月収帯では、生活防衛資金を確保してから始めるほうが無難です。
保険についても、20代のうちは大きな保障が必要ないケースが多くあります。毎月の保険料が1万円を超えている場合は、内容を一度確認する価値があります。
転職
もっとも短期間で額面が動くのは転職です。手取り20万円を目指すなら月収248,000円、手取り22万円なら月収276,000円が必要になります。
| 目標の手取り | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 180,000円 | 223,000円 | 2,676,000円 |
| 200,000円 | 248,000円 | 2,976,000円 |
| 220,000円 | 276,000円 | 3,312,000円 |
| 270,000円 | 341,000円 | 4,092,000円 |
手取り27万円を狙うなら額面341,000円、額面年収では4,092,000円が必要です。額面と手取りの伸びの差は、そのまま社会保険料と税金の増分になります。
未経験の職種へ移る場合は、いったん額面が下がることもあります。未経験におすすめの転職エージェントでは、目先の年収と3年後の到達点を分けて考える視点を扱っています。
30代でこの月収帯にいる場合は、時間の使い方が変わります。30代におすすめの転職エージェントで、年収交渉に強いエージェントを比較しています。
「手取り20万円がほしい」ではなく「月給248,000円以上」と伝えるほうが話が早く進みます。採用側が扱うのは額面の数字で、手取りは個人の条件で変わるためです。現職の源泉徴収票と求人票の基本給の内訳を並べて提示すると、交渉の土台がはっきりします。



額面を上げるほど控除も増えるので、手取りの伸びは思ったより緩やかです。月収22万円から27万円へ5万円上げても、手元に残るのは37,269円だと見込んでおくと判断を誤りません。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表を載せます。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件です。
自分の給与明細と突き合わせるときは、健康保険の加入先が協会けんぽかどうかを先に確認してください。
月収から手取りを調べる
月収22万円を起点に、額面と手取りの対応を並べた表です。額面が上がるにつれて、手取りとの差が広がっていくことが読み取れます。
| 月収(額面) | 手取り月額 | 額面年収 |
|---|---|---|
| 220,000円 | 178,115円 | 2,640,000円 |
| 223,000円 | 180,000円 | 2,676,000円 |
| 248,000円 | 200,000円 | 2,976,000円 |
| 270,000円 | 215,384円 | ― |
| 276,000円 | 220,000円 | 3,312,000円 |
| 341,000円 | 270,000円 | 4,092,000円 |
月収22万円では控除が41,884円で手取りは178,115円、月収27万円では手取り215,384円です。月収を5万円上げても、手取りの増加は37,269円にとどまります。
40歳以上で介護保険料がかかる場合は、いずれの行も手取りがこの表より下がります。月収22万円なら手取りは176,616円になります。
目標の手取りから逆算する
欲しい手取りが先に決まっている場合は、こちらの表で必要な額面を確認してください。転職活動で希望年収を伝えるときの根拠になります。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 180,000円 | 223,000円 | 2,676,000円 |
| 200,000円 | 248,000円 | 2,976,000円 |
| 220,000円 | 276,000円 | 3,312,000円 |
| 270,000円 | 341,000円 | 4,092,000円 |
手取り18万円なら額面223,000円、手取り20万円なら248,000円、手取り22万円なら276,000円です。月収22万円から見ると、手取り18万円は額面223,000円ですぐ手が届く一方、手取り22万円には額面276,000円が要ります。
手取りを1万円増やすのに必要な額面の上げ幅は約14,000円です。求人票の月給を見たときは、この換算を当てはめると手取りの見当がつきます。
転職の応募書類や面接で希望を聞かれたときは、月額ではなく額面年収で答えるほうが誤解が生まれません。手取り20万円が目標なら額面年収2,976,000円が基準になります。賞与の有無で同じ額面年収でも月給が変わるため、月給と賞与の内訳まで確認してください。
月収22万円に関するよくある質問
月収22万円について寄せられることの多い疑問を、この記事で扱った数字をもとに整理します。
月収22万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は2,640,000円です。手取りは年2,137,384円になります。
賞与がある場合は、その分だけ額面年収が増えます。賞与にも健康保険4.925%、厚生年金9.15%、雇用保険0.5%と所得税がかかるため、支給額がそのまま手取りになるわけではありません。
月収22万円で一人暮らしはできますか?
できます。家計調査の実額では、手取りに最も近い階級の単身勤労者世帯の消費支出は138,107円で、預貯金の純増は月15,733円です。
ただし家賃次第で結論は変わります。民営借家に住む単身世帯の平均家賃49,831円なら手取りの2〜3割という目安の範囲に収まりますが、東京都の平均家賃87,118円は目安の上限53,434円を大きく超えます。
新卒2年目に手取りが減るのはなぜですか?
住民税の天引きが始まるためです。住民税は前年の所得に対して課税されるため、収入のなかった年の翌年にあたる新卒1年目は徴収されません。
2年目の6月から月8,125円が引かれ始めます。月収が変わっていなくても手取りが8,125円減るため、昇給分と相殺されて横ばいに見えることがあります。
2026年の改定で手取りは増えましたか?
月収22万円の場合、月606円・年7,276円の増加です。健康保険料率と雇用保険料率の引き下げ、基礎控除の引き上げが増加要因で、新設された子ども・子育て支援金だけが減少要因になります。
所得税の引き下げが給与明細に反映されるのは12月の年末調整からです。毎月の天引き額が変わるのは2027年1月以降になります。
給与明細の控除欄と、この記事の内訳表を並べて比べてください。健康保険料が合わない場合は、勤務先が協会けんぽではなく健康保険組合や共済に加入している可能性があります。組合健保は料率が独自に決まるため、この記事の計算とは差が出ます。



数字が細かく見えても、押さえるのは3つだけです。手取りは178,115円、住民税は2年目から始まる、手取りを1万円増やすには額面14,000円が要る。この3点を覚えておけば、求人票を見たときの判断が早くなります。
まとめ
月収22万円の手取りは178,115円です。額面から41,884円が引かれ、その77.2%にあたる32,318円が社会保険料で占められています。年収にすると額面264万円、手取り2,137,384円になります。
40歳以上なら介護保険料の分で手取りは176,616円まで下がり、扶養家族が1人いれば182,307円まで上がります。2026年度の改定によって手取りは年7,276円増えましたが、所得税の引き下げが給与明細に現れるのは12月の年末調整からです。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で下位27.2%、平均478万円には214万円届かない水準です。所定内給与額で最も近いのは~19歳の208.3千円で、20~24歳の平均242.8千円はすでに下回っています。
生活の余裕は世帯構成で大きく変わります。単身なら月15,733円を貯められる一方、二人以上の世帯では家計調査の最も低い収入階級の消費支出237,375円にも届かず、赤字になる可能性が高い水準です。
この月収帯でまず押さえるべきは、社会人2年目の6月から住民税8,125円が加わることと、住居費が家計を左右することの2点です。収入を上げるなら、手取りではなく額面で目標を設定してください。手取りを1万円増やすのに必要な額面の上げ幅は約14,000円になります。









