ベルコの営業がきつい理由は?代理店中心の雇用構造と年収の実態を解説

この記事のポイント
  • 全従業員7,128人のうち正社員はわずか32人で、営業の大半は代理店契約・業務委託という雇用構造
  • 代理店の労働組合をめぐる「ベルコ事件」では裁判所と労働委員会の判断が分かれた
  • 公式の平均年収は非公開で、参考にできるのは地域代理店の求人例と口コミサイトの評価のみ
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起

「ベルコの営業」と一口に言っても、本社の正社員として働く人はごくわずかで、実際に会員獲得や葬儀の現場を担っているのは全国の代理店に所属する人たちです。まずこの雇用構造を理解してから、年収や働き方の実態を見ていきましょう。

目次

ベルコの営業がきついと言われる理由

ベルコの営業がきついと言われる理由

ベルコの営業がきついと言われる背景には、正社員がごくわずかで営業の大半を代理店が担う雇用構造、代理店をめぐる労使紛争、来場者への会員獲得という営業スタイル、そして互助会業界そのものへの逆風という4つの要因があります。順に見ていきます。

正社員はわずか32人、営業の大半は代理店契約という雇用構造

経済産業省に提出された報告資料によると、ベルコの全従業員7,128人のうち、正社員はわずか32人にとどまります。残る7,000人超は、本社と直接業務委託契約を結ぶか、各地の代理店主(支部長)と雇用契約を結ぶ形で働いています(東洋経済オンライン「冠婚葬祭業に蔓延する『個人請負』の深い闇」2017年3月21日付)。

同記事によると、会員募集の営業スタッフ、葬祭所長やホールの館長、施行スタッフ、結婚式場の支配人やフロントスタッフ、さらには支社長代理までが業務委託の対象に含まれるとされています。「代理店主」という肩書きがあっても実質は名ばかりだと訴える元従業員もいます。

区分人数(2017年7月時点)契約形態
正社員32人本社との直接雇用
代理店契約・業務委託約7,096人代理店主との雇用、または本社との業務委託
合計7,128人経済産業省への提出資料ベース

このデータは2017年時点のものですが、就活会議に掲載されている企業データでも従業員数は同じ32人という数字が使われており、代理店中心の体制が長く続いていることがうかがえます(就活会議 株式会社ベルコ)。

代理店の労働組合をめぐる「ベルコ事件」

ベルコの代理店をめぐっては、裁判所と労働委員会で正反対の判断が下された「ベルコ事件」として知られる労使紛争があります。北海道の代理店で働いていた契約社員2人が雇止めを受け、本社に地位確認を求めて提訴したのが発端です。

2018年9月28日、札幌地裁は、代理店主の勤務実態から労働者性は認められないとして、代理店主を本社の「商業使用人」とは認めず、本社との労働契約の成立を否定し、原告の請求を退けました(労働新聞社 判例コラム「ベルコ事件」札幌地判平30・9・28)。

一方、同じ代理店で労働組合を結成しようとした従業員2人が実質的に解雇された件について、北海道労働委員会は2019年、業務委託契約の拘束の度合いが一般的な業務委託より強いことを理由にベルコの使用者性を認め、不当労働行為と認定して原職復帰などを命じる救済命令を出しました(労働新聞社 2019年6月27日付)。

同じ代理店をめぐる争いで、司法と労働委員会の判断が分かれたという事実は、代理店という働き方の線引きの難しさを物語っています。

セレモニーや終活相談会を入口にした会員獲得

互助会の営業は、戸別訪問だけでなく、セレモニーホールで開く供養祭や終活相談会などのイベントを入口に来場者へ入会を案内するスタイルが一般的とされています(PRESIDENT Online「『葬儀代をコツコツ積み立てていれば安心』は本当なのか」2024年9月10日付)。

求人票では「飛び込み営業なし」とうたう代理店もありますが、これは個々の代理店の募集条件であり、担当エリアや代理店によって実際の営業スタイルには幅があります。入会の案内だけでなく、将来の葬儀や結婚式の相談を受ける役割も兼ねるため、商品知識と接客スキルの両方が求められます。

葬儀の簡素化と解約トラブルという業界の逆風

互助会は、終戦後の厳しい時代にわずかなお金を出し合って助け合う相互扶助の精神から生まれた制度です。しかし近年は葬儀の簡素化と競争の激化により、営利を優先する傾向が強まっているという指摘があります(PRESIDENT Online 2024年9月10日付)。

同記事によると、経済産業省の消費者相談報告書では、解約手数料をめぐる相談が今も一定数寄せられているとされます。互助会という仕組みそのものへの信頼が揺らぎやすい時期に、会員獲得の現場に立つ営業の負担は大きくなりがちです。

ワンポイントアドバイス
きつさの出どころを「契約形態」と「業務内容」に分けて考える

ベルコの営業がきついと感じる理由は、代理店や業務委託という働き方そのものの不安定さと、会員獲得という仕事の難しさの2つが混ざっています。応募前に、自分の契約先が本社なのか代理店なのかを必ず確認してください。

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