月収20万円の手取りは162,736円です。額面20万円から37,263円が税金と社会保険料として引かれた残りで、40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件で計算した金額になります。
引かれる割合は額面の18.6%です。年収にすると240万円で、給与所得者の平均478万円には238万円届きません。統計上は全体の下位24.0%にあたる水準です。
この記事の数字は、2026年度(令和8年度)の保険料率と、令和8年分から引き上げられた基礎控除で計算し直しています。新設された子ども・子育て支援金も反映済みで、旧料率のまま書かれた記事とは所得税が月700円ほどずれます。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収20万円は、新卒や20代前半の求人でいちばん見かける金額です。1年目は住民税が引かれないため、2年目の6月に手取りが7,000円ほど減ります。この落ち込みを知らずに家賃を決めると、翌年に効いてきます。
月収20万円の手取りは162,736円|年収は240万円


月収20万円から引かれるのは月37,263円です。内訳は社会保険料が29,380円、所得税が875円、住民税が7,008円で、手元に残るのが162,736円になります。
手取り率は81.4%です。引かれるものの大半は税金ではなく社会保険料で、控除37,263円のうち78.8%を占めます。所得税は月875円しかかかりません。
額面と手取りの差は月37,263円、年間では447,160円です。求人票の月給だけを見て家賃や生活費を決めると、この差の分だけ計画がずれます。
40歳未満・扶養なしの場合
もっとも標準的な条件である40歳未満・扶養家族なし・賞与なしで計算した結果が次の表です。健康保険は協会けんぽ東京支部、業種は一般の事業を前提にしています。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 200,000円 | 2,400,000円 |
| 控除合計 | 37,263円 | 447,160円 |
| 手取り | 162,736円 | 1,952,840円 |
| 手取り率 | 81.4% | 81.4% |
「額面の8割が手取り」という目安がよく使われますが、月収20万円では8割より少し多く残ります。所得税の負担がほぼゼロに近いためです。
社会保険料の計算に使う標準報酬月額は200,000円で、健康保険では第17級にあたります。厚生年金の標準報酬月額も同じ200,000円です。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは1,378円下がります。逆に扶養家族が1人いると所得税と住民税が軽くなり、手取りは3,625円増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 162,736円 | 1,952,840円 | 81.4% |
| 40歳以上・扶養なし | 161,358円 | 1,936,300円 | 80.7% |
| 40歳未満・扶養1人 | 166,361円 | 1,996,340円 | 83.2% |
介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から天引きが始まります(全国健康保険協会 介護保険料率について)。給与が変わっていないのに誕生月から手取りが減るのは、これが理由です。
扶養家族が1人いる場合の手取り166,361円は、扶養なしより年間43,500円多くなります。配偶者や親を扶養に入れられるかどうかで、同じ額面でも年間4万円以上の差が生まれます。
賞与がある場合
この記事の基準は賞与なしです。月給20万円が12か月続く前提で、額面年収240万円、手取り年収1,952,840円という数字を出しています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面年収 | 2,400,000円 |
| 控除合計(年額) | 447,160円 |
| 手取り年収 | 1,952,840円 |
| 手取り率 | 81.4% |
賞与が出る会社なら、この年額に賞与分が上乗せされます。賞与にも健康保険・厚生年金・雇用保険と所得税がかかるため、支給額がそのまま手元に残るわけではありません。
注意したいのは、賞与に住民税がその場で引かれない点です。賞与に対応する住民税は翌年の6月以降、毎月の給与から分割して徴収されます。
月給20万円のうち3万円が固定残業代というケースがあります。その場合、残業しなかった月の実質的な基本給は17万円です。手取りを比べる前に、基本給・固定残業代・各種手当の内訳を求人票か内定通知書で確認してください。
月収20万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収20万円から引かれる37,263円の中身を、1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での計算です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 料率(本人負担分) |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 9,850円 | 118,200円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 230円 | 2,760円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 18,300円 | 219,600円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 1,000円 | 12,000円 | 0.5% |
| 所得税 | 875円 | 10,500円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 7,008円 | 84,100円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 37,263円 | 447,160円 | 額面の18.6% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金を合わせた社会保険料は29,380円です。控除全体の78.8%を占め、税金の7,883円をはるかに上回ります。
この月収帯の特徴は、手取りを決めているのがほぼ社会保険料だという点です。所得税と住民税を合わせても月8,000円に届かないため、節税を工夫しても手取りはあまり動きません。
健康保険料率は都道府県ごとに違います。2026年度の東京支部は9.85%で、本人負担はその半分の4.925%です。厚生年金の保険料率は全国一律18.3%で、本人負担は9.15%になります。
健康保険と厚生年金は、額面そのものではなく標準報酬月額という等級表に当てはめて計算します。月収20万円は健康保険の第17級で、標準報酬月額は200,000円です。
- 健康保険の等級は第1級から第50級まであり、上限は標準報酬月額139万円
- 厚生年金の等級は第1級から第32級まであり、上限は標準報酬月額65万円
- 等級は4月から6月の給与をもとに決まり、9月分から1年間適用される
- 子ども・子育て支援金は2026年4月分から医療保険料に上乗せして徴収が始まった
4月から6月に残業が集中すると、その年の社会保険料が1年間高いままになります。月収20万円の人がこの3か月だけ22万円になると、等級が第18級に上がって天引き額が増えます。
所得税
年収240万円の場合、所得税は年10,500円です。給与所得控除と社会保険料控除、基礎控除104万円を差し引いた課税所得に、税率5%と復興特別所得税2.1%をかけて算出します(国税庁 所得税の税率)。
ここが他の解説記事と食い違う部分です。令和8年分から基礎控除は95万円から104万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。合計18万円の引き上げにより、いわゆる「年収の壁」が160万円から178万円になりました。
改定前の控除額で計算している記事では、同じ月収20万円でも所得税が月1,558円と出ます。2026年度の数字である875円とは月683円の差です。
所得税が月875円しかかからないのは、控除の引き上げがこの年収帯にとくに効いているためです。年収240万円は課税所得が小さく、税率5%の区分に収まります。
住民税
住民税は年84,100円で、内訳は所得割79,100円と均等割5,000円です。均等割の5,000円には森林環境税1,000円が含まれています(総務省 個人住民税)。
住民税は前年の所得に対して課税されます。新卒1年目は前年の所得がほぼないため住民税が引かれず、その分だけ手元に残る金額が多くなります。
それが2年目の6月から月7,008円引かれ始め、手取りは162,736円まで下がります。給与が1円も変わっていないのに手取りが減るため、この時期に生活が苦しくなったと感じる人が多くいます。
所得税とは基礎控除の額が違う点にも注意が必要です。所得税の基礎控除は104万円に引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。



社会人2年目の6月は、月収20万円の人がいちばん驚くタイミングです。1年目の手取りを基準に家賃や奨学金の返済額を決めていると、2年目にそのまま7,000円の赤字になります。初年度のうちに、住民税の分を先に取り分けておくのが安全です。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2025年度の料率と令和7年分の控除で同じ月収20万円を計算すると、手取りは162,115円でした。2026年度は162,736円なので、改定によって月621円、年間7,460円増えています。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(東京) | 9,910円 | 9,850円 | ▲60円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 230円 | +230円 |
| 雇用保険 | 1,100円 | 1,000円 | ▲100円 |
| 所得税 | 1,558円 | 875円 | ▲683円 |
| 住民税 | 7,016円 | 7,008円 | ▲8円 |
| 手取り | 162,115円 | 162,736円 | +621円 |
負担が増えたのは新設された子ども・子育て支援金だけです。2026年4月分の保険料から、医療保険料に上乗せする形で徴収が始まりました(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。
ただし2026年中の給与明細では、所得税の引き下げはまだ反映されません。基礎控除の改正は令和8年12月に施行され、12月の年末調整でまとめて精算される仕組みだからです。毎月の源泉徴収税額表が変わるのは2027年1月からになります。
2026年は毎月の天引きが改定前の税額のままなので、12月の年末調整で差額がまとめて還付されます。月収20万円なら年8,000円前後が戻る計算です。11月までの明細で減税を実感できなくても、精算はこれからになります。
月収20万円は世間的にどのレベルか


年収240万円は、給与所得者全体で下位24.0%に位置します。上から数えると76.0%の位置で、平均を大きく下回る水準です。
平均との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員(正職員)に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
年収240万円は全体平均より238万円低く、正社員平均とは305万円の差があります。月収に直すと、平均との差は毎月およそ20万円です。
| 区分 | 平均給与 | 年収240万円との差 |
|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 | ▲238万円 |
| 正社員(正職員) | 545万円 | ▲305万円 |
| 非正規 | 206万円 | +34万円 |
| 男性 | 587万円 | ▲347万円 |
| 女性 | 333万円 | ▲93万円 |
比較の対象として近いのは非正規雇用の平均206万円です。年収240万円は、正社員として働いていても非正規の平均に近い位置にあることになります。
煽るつもりはありませんが、この事実は正直に受け止めたほうが判断を誤りません。平均より下だと分かったうえで、上げる手段を選ぶほうが建設的です。
上位何%か
給与所得者51,365,699人を年収順に並べると、240万円は下から24.0%の位置に来ます。4人に1人は自分より年収が低く、4人に3人は自分より高い計算です。
| 区分 | 母集団 | 下位 | 上位 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 51,365,699人 | 24.0% | 76.0% |
| 男性 | 29,250,024人 | 12.6% | 87.4% |
| 女性 | 22,115,674人 | 39.1% | 60.9% |
この分布にはパート・アルバイトを含む非正規の給与所得者も入っています。正社員だけに絞れば、年収240万円の位置はさらに下がります。
男女差
同じ年収240万円でも、男女のどちらで見るかで位置がはっきり変わります。男性なら下位12.6%、女性なら下位39.1%です。
男性で年収240万円は、8人に1人しかいない低い水準にあたります。男性の平均給与587万円とは347万円の開きがあり、差は年齢が上がるほど広がります。
女性の場合、年収240万円は下から約4割の位置です。女性の平均給与333万円との差は93万円で、男性ほどの乖離はありません。
この違いは、女性に短時間勤務や非正規の比率が高いことが影響しています。同じ金額でも「平均から遠いかどうか」の感覚が男女で異なるのは、母集団の構成が違うためです。
相当する年齢階級
厚生労働省の調査によると、所定内給与額の平均は年齢計で340.6千円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。月収20万円にもっとも近いのは、最も若い〜19歳の階級になります。
| 区分 | 〜19歳の所定内給与額 | 年齢計の平均 |
|---|---|---|
| 男女計 | 208.3千円 | 340.6千円 |
| 男性 | 212.5千円 | 373.4千円 |
| 女性 | 201.4千円 | 285.9千円 |
月収20万円は、統計上は10代の平均賃金に相当する水準です。20代前半以降でこの金額にとどまっている場合、同年代の平均からは離れていることになります。
ただしこの数字は所定内給与額で、残業代と賞与を含みません。残業代込みで月収20万円なら、基本給ベースではさらに低い位置づけになります。
賃金構造基本統計調査の数字は残業代・賞与を除いた額面です。給与明細の「総支給額」ではなく基本給と固定的な手当の合計に近いものだと考えてください。手取りと比べると2割ほど高く見えるため、そのまま比較すると自分の収入を低く見積もりすぎます。
月収20万円の生活レベル


ここから先の生活費は、想定値ではなく総務省の家計調査の実額を使います(総務省統計局 家計調査 2025年平均)。手取り162,736円に近い階級の、実際の支出です。
単身世帯
単身の勤労者世帯で手取り162,736円にもっとも近いのは、年間収入100万円未満の階級です。可処分所得は168,206円で、本記事の手取りとの差は5,470円あります。
家計調査で公表されている階級のうち、これが最も近いというだけで完全には一致しません。実際の手取りより5,470円多い前提の数字だという点を踏まえて読んでください。
この階級の消費支出は136,227円です。費目別の内訳は次のとおりです。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 33,259円 |
| 住居(うち家賃地代26,040円) | 26,933円 |
| 光熱・水道 | 12,006円 |
| 交通・通信 | 13,838円 |
| 教養娯楽 | 16,014円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 34,177円 |
| 消費支出 合計 | 136,227円 |
平均消費性向は81.0%で、預貯金の純増は月846円にとどまります。年間にしても10,152円で、1万円を少し超える程度しか貯まっていません。
一人暮らしは成立しますが、貯蓄はほとんど進まないというのがこの階級の実態です。家賃が2万6,000円台という前提での数字なので、都市部で賃貸に住めばこの黒字は消えます。
二人以上の世帯
世帯人員が増えると、状況がはっきり変わります。二人以上の勤労者世帯でもっとも収入が低い階級は年間収入300万〜350万円で、可処分所得は278,764円です。
手取り162,736円は、この最も低い階級の可処分所得278,764円すら下回ります。つまり家計調査には、月収20万円で二人以上を養う世帯に対応する階級が存在しません。
| 区分 | 単身世帯 | 二人以上の世帯 |
|---|---|---|
| 該当する階級 | 年間収入100万円未満 | 年間収入300〜350万円 |
| 可処分所得 | 168,206円 | 278,764円 |
| 消費支出 | 136,227円 | 237,375円 |
| 預貯金純増 | 846円 | ー |
| 黒字 | ー | 41,389円 |
| 平均消費性向 | 81.0% | 85.2% |
| 世帯人員 | 1人 | 2.70人 |
| 世帯主の平均年齢 | 参考値なし | 55.7歳 |
二人以上の世帯の消費支出237,375円に対し、手取りは162,736円しかありません。単独の収入だけで二人以上の世帯を支えると、赤字になる可能性が高いといえます。
この階級の世帯主の平均年齢は55.7歳で、子どもが独立した後の世帯が多く含まれます。子育て中の世帯なら教育費が加わるため、必要額はさらに増えます。
教育費は世帯主が40代の世帯で月27,878円、50代で34,484円です。月収20万円の手取りからこの金額を捻出するのは、現実的には難しい水準になります。
家賃の平均が低く見える理由
先の表で家賃地代が26,040円と低いことに違和感があるかもしれません。これは持ち家の人や社宅住まいの人、実家暮らしの人を含めた平均だからです。
実際に民営の借家に住んでいる世帯だけを見ると、家賃は単身で49,831円、二人以上の勤労者世帯で69,450円になります。大都市圏では二人以上の世帯で81,508円です。
| 区分 | 1か月あたりの家賃 |
|---|---|
| 家計調査 単身の民営借家 | 49,831円 |
| 家計調査 二人以上の勤労者世帯の民営借家 | 69,450円 |
| 家計調査 大都市の二人以上世帯 | 81,508円 |
| 住宅・土地統計調査 全国の借家 | 59,656円 |
| 住宅・土地統計調査 東京都の借家 | 87,118円 |
住宅・土地統計調査でも、借家(専用住宅)の1か月あたり家賃は全国59,656円、東京都87,118円と報告されています(総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)。
手取り162,736円で東京都の平均的な賃貸に住むと、家賃だけで手取りの半分以上が消えます。この月収帯で都内に住むなら、実家・社宅・シェアハウスのいずれかを検討する現実的な理由がここにあります。
平均値には持ち家世帯が混ざるため、家賃の負担は実態より軽く見えます。賃貸で暮らしている場合は、家賃地代の平均26,040円ではなく、民営借家に限った49,831円と比べてください。差は月2万円以上あります。



単身か、誰かを支えているかで、月収20万円の意味はまったく違います。ひとり暮らしなら成り立ちますが、貯蓄は年1万円程度です。家族を養う前提なら、家計調査のどの階級にも当てはまらない水準だと知っておいてください。
月収20万円でできること・できないこと


手取り162,736円という水準で、家賃・貯金・住宅ローンがそれぞれどこまで可能かを整理します。
家賃
「家賃は手取りの3分の1まで」という言い方が広く使われていますが、この3分の1という基準に公的な根拠はありません。金融広報中央委員会の解説で目安として示されているのは手取りの2〜3割です(知るぽると ひとり暮らしの生活設計)。
手取り162,736円なら、目安は32,547円から48,821円になります。統計上の実額である単身の民営借家49,831円は、この上限をわずかに超える金額です。
| 基準 | 家賃の目安 |
|---|---|
| 手取りの2割 | 32,547円 |
| 手取りの3割 | 48,821円 |
| 単身の民営借家の実額 | 49,831円 |
| 東京都の借家の平均 | 87,118円 |
東京都の平均家賃87,118円は、目安の上限48,821円を大きく上回ります。この月収帯で都内の平均的な物件を借りると、他の費目を大幅に削らないと家計が回りません。
初期費用も見落とせません。敷金・礼金・仲介手数料・前家賃を合わせると、入居時には手取り1か月分を超える現金が必要になります。
貯金
家計調査で最も近い階級の預貯金純増は月846円、年10,152円です。貯蓄ができないわけではありませんが、月1,000円に届かないのが統計上の姿になります。
この階級の平均消費性向は81.0%です。可処分所得の8割が消費に回っている状態で、残る2割の大半も非消費支出などに充てられています。
参考までに、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値は1,264万円です(総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編)。平均を下回る世帯が66.1%を占めるため、平均値は実感とずれやすい点に注意してください。
月収20万円で貯蓄を増やすなら、支出を削るより収入を上げるほうが早いのが実情です。消費支出136,227円のうち固定費以外を削れる余地は限られています。
住宅ローン
額面年収240万円で返済比率を25%に抑えると、年間の返済額は600,000円、月々では50,000円になります。この返済額で借りられる金額を金利別に試算すると次のとおりです。
| 金利 | 月返済額 | 借入可能額(35年・元利均等) |
|---|---|---|
| 1.5% | 50,000円 | 約1,633万円 |
| 2.0% | 50,000円 | 約1,509万円 |
| 2.5% | 50,000円 | 約1,399万円 |
金利が1%違うと借入可能額は230万円前後変わります。ただし注意したいのは、額面年収の25%は手取り年収1,952,840円に対しては30.7%にあたることです。
金融機関の審査は額面年収をもとにした返済比率で判断されますが、実際に返すのは手取りからです。月50,000円の返済は、手取り162,736円のうち3割を占めます。
借入可能額1,500万円前後という水準は、地方の中古物件なら手が届きますが、都市部の新築マンションには届きません。住宅を検討するなら、先に収入を上げるか、共働きで世帯年収を上げる前提になります。
審査上は年収240万円でも1,500万円前後の借入が可能と出ます。ただし手取りベースでは返済比率が30.7%になり、家計調査の黒字846円では返済が始まった瞬間に赤字です。返済計画は額面ではなく手取りから逆算してください。
月収20万円に到達する年代と仕事


月収20万円がどのくらいのキャリア段階で届く水準なのかを、公的統計から確認します。ここでも数字は所定内給与額で、残業代と賞与を含みません。
男性・男女計
男女計の所定内給与額で月収20万円にもっとも近いのは〜19歳の208.3千円です。この階級で既に20万円を超えているため、統計上は最も若い年代の水準にあたります。
男性では〜19歳が212.5千円です。男性の年齢計の平均は373.4千円で、月収20万円との開きはこの階級を離れるほど大きくなります。
20代半ば以降で月収20万円のままなら、同年代の平均から離れていると考えたほうが実態に合います。年齢が上がるほど平均との差は開いていきます。
新卒入社から数年で状況を変えたい場合は、早い段階で動くほど選択肢が広く残ります。第二新卒におすすめの転職エージェントで、経験が浅くても年収を落とさずに動ける求人の探し方を整理しています。
女性
女性の所定内給与額は〜19歳で201.4千円、年齢計の平均は285.9千円です。男性の年齢計373.4千円とは87.5千円の差があります。
年収240万円という水準は、女性の給与所得者のなかでは下位39.1%にあたります。男性の下位12.6%とは位置づけが大きく異なります。
背景には勤続年数の違いもあります。平均勤続年数は男性14.2年に対し、女性は10.4年です。昇給の機会が積み上がる期間そのものに差があります。
女性におすすめの転職エージェントでは、この構造を踏まえた選び方を整理しています。短時間勤務や育休の取得実績まで確認できる求人の探し方が中心です。
企業規模
同じ職種でも、企業規模によって賃金水準は変わります。賃金構造基本統計調査は大企業・中企業・小企業の3区分で集計されており、規模が大きいほど平均賃金は高くなります。
月収20万円という水準は、小規模な事業所の若手や、初任給水準に近い設定の求人で多く見られます。同じ職務でも、在籍する企業の規模によって数万円の差が生まれます。
2025年の所定内給与額は前年比3.1%の増加でした。賃上げ自体は続いていますが、この伸び率だけで年齢計の平均340.6千円との差を埋めるには長い時間がかかります。
月収20万円が業界の相場なのか、勤務先の水準なのかを見分けるには、同じ職種・同じ地域の求人を10件ほど並べて中央値を見るのが早い方法です。相場より低ければ職種を変えずに勤務先を変えるだけで額面が動きます。
月収20万円から手取りを増やす方法


手取りを1万円増やすには、額面を約14,000円上げる必要があります。控除は率で効くため、額面の伸びほど手取りは伸びません。この前提を踏まえて3つの道を比べます。
昇進・昇給
在籍したまま収入を上げる方法です。賃金構造基本統計調査では2025年の所定内給与額が前年比3.1%増となっており、近年の賃上げは続いています。
ただし月収20万円に同じ伸び率を当てはめても、上乗せは月数千円にとどまります。この伸び方で月収25万円に届くには、何年もかかります。
役職に就けば一気に上がりますが、20代前半でポストが回ってくる会社は限られます。昇給だけを待つ選択は、時間の面で不利になりやすいのが実情です。
固定費
収入を増やさずに使える額を増やす方法です。家賃・通信費・保険料は一度見直せば効果が続きます。
- 家賃を1万円下げると、年12万円の手取り増と同じ効果になる
- 通信費の見直しは月3,000円から5,000円の削減が一般的
- iDeCoや企業型確定拠出年金の掛金は全額が所得控除の対象になる
- 奨学金の返還は減額返還制度で毎月の負担を一時的に下げられる
ただしこの月収帯では、節税効果はあまり期待できません。所得税が月875円しかかからないため、所得控除を増やしても戻る金額が小さいからです。
iDeCoに拠出しても、減らせる所得税の上限は年10,500円です。節税目的より、老後資金を強制的に積み立てる手段として考えるほうが実態に合います。
手取りを増やす効果がはっきりしているのは家賃です。月1万円下げれば、年12万円の手取り増と同じ効果になり、これは額面を月14,000円上げるのに相当します。
転職
もっとも短期間で額面が動くのは転職です。目標の手取りから必要な月収を逆算すると、次のようになります。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 170,000円 | 211,000円 | 2,532,000円 |
| 190,000円 | 237,000円 | 2,844,000円 |
| 210,000円 | 262,000円 | 3,144,000円 |
| 260,000円 | 326,000円 | 3,912,000円 |
月収を5万円上げて25万円にすると、手取りは200,006円になります。増える手取りは37,270円で、額面の上げ幅5万円に対して手取りの伸びは7割強にとどまります。
未経験から職種を変える場合でも、業界を選べば額面は動きます。未経験におすすめの転職エージェントで、経験を問わない求人の探し方を整理しています。
20代のうちに動くのと30代で動くのとでは、提示される金額の幅が変わります。30代におすすめの転職エージェントでは、年収交渉に強いエージェントを比較しています。
「手取り19万円がほしい」と伝えても、担当者は額面でしか求人を探せません。必要な額面は237,000円なので、「月収23万7,000円以上」と数字で示すほうが話が早く進みます。現職の源泉徴収票を手元に置いて交渉してください。



額面を上げるほど控除も増えるので、手取りの伸びは思ったより緩やかです。「年収50万円アップ」と言われても、手元に残るのは35万円前後だと見込んでおくと判断を誤りません。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表を載せます。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件です。
月収から手取りを調べる
月収10万円から30万円までの手取りをまとめました。控除合計には健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税のすべてが含まれます。
| 月収(額面) | 控除合計 | 所得税 | 住民税 | 手取り月額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100,000円 | 14,822円 | 0円 | 416円 | 85,177円 | 85.2% |
| 120,000円 | 18,052円 | 0円 | 708円 | 101,947円 | 85.0% |
| 140,000円 | 23,207円 | 0円 | 2,358円 | 116,792円 | 83.4% |
| 160,000円 | 27,595円 | 0円 | 4,091円 | 132,404円 | 82.8% |
| 180,000円 | 32,500円 | 258円 | 5,800円 | 147,499円 | 81.9% |
| 190,000円 | 34,959円 | 591円 | 6,458円 | 155,040円 | 81.6% |
| 200,000円 | 37,263円 | 875円 | 7,008円 | 162,736円 | 81.4% |
| 210,000円 | 40,767円 | 1,083円 | 7,416円 | 169,232円 | 80.6% |
| 220,000円 | 41,884円 | 1,441円 | 8,125円 | 178,115円 | 81.0% |
| 230,000円 | 45,381円 | 1,650円 | 8,525円 | 184,619円 | 80.3% |
| 240,000円 | 46,472円 | 2,000円 | 9,216円 | 193,527円 | 80.6% |
| 250,000円 | 49,993円 | 2,216円 | 9,633円 | 200,006円 | 80.0% |
| 260,000円 | 51,093円 | 2,566円 | 10,333円 | 208,906円 | 80.3% |
| 280,000円 | 55,698円 | 3,133円 | 11,433円 | 224,301円 | 80.1% |
| 300,000円 | 60,311円 | 3,700円 | 12,541円 | 239,688円 | 79.9% |
月収が上がるほど手取り率は下がります。10万円では85.2%ですが、20万円では81.4%、30万円では79.9%です。額面が増えるほど、増えた分に対する控除の割合が大きくなります。
月収18万円までは所得税がほぼゼロに近い水準です。180,000円で月258円、190,000円で月591円と、20万円に近づくにつれて発生し始めます。
目標の手取りから逆算する
欲しい手取りが決まっているなら、そこから必要な額面を逆算するほうが求人を探しやすくなります。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 170,000円 | 211,000円 | 2,532,000円 |
| 190,000円 | 237,000円 | 2,844,000円 |
| 210,000円 | 262,000円 | 3,144,000円 |
| 260,000円 | 326,000円 | 3,912,000円 |
手取り17万円という控えめな目標でも、額面では211,000円が必要です。今が20万円なら11,000円の上乗せになります。
40歳以上で介護保険料がかかる場合は、いずれも額面で上乗せして考えてください。40歳未満との差は月収20万円の時点で1,378円あります。
転職サイトの検索条件は額面で設定されています。手取り19万円を目指すなら、月収ではなく年収284万円以上で絞り込むと候補が正確に出ます。賞与ありの求人なら月給はこれより低くても年収で届く場合があります。
月収20万円に関するよくある質問
月収20万円について、検索でよく調べられている疑問をまとめました。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件での回答です。
月収20万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は240万円です。手取りは年1,952,840円になります。賞与が出る会社ならこの金額に賞与分が加わりますが、賞与にも社会保険料と所得税がかかるため支給額がそのまま残るわけではありません。月収だけで年収を判断すると、賞与の有無で読み違いが生じます。
月収20万円で一人暮らしはできますか?
できます。家計調査の実額では、手取りにもっとも近い階級の単身勤労者世帯の消費支出は136,227円で、預貯金の純増は月846円にとどまります。ただし家賃地代の平均が26,040円という前提の数字で、民営の借家に限ると49,831円、東京都の平均は87,118円になります。都内で普通に部屋を借りると、この黒字は残りません。
社会人2年目に手取りが減るのはなぜですか?
住民税が引かれ始めるためです。住民税は前年の所得に対して課税されるので、前年の所得がほぼない新卒1年目は天引きがありません。2年目の6月から月7,008円が引かれ、手取りは162,736円まで下がります。給与が変わっていないのに手取りが減るのは、ほとんどの場合これが理由です。
2026年の改定で手取りは増えましたか?
月収20万円の場合、月621円・年7,460円の増加です。健康保険料率の引き下げ、雇用保険料率の引き下げ、基礎控除の引き上げが増加要因で、新設された子ども・子育て支援金だけが減少要因になります。ただし所得税の引き下げが給与明細に反映されるのは12月の年末調整からで、毎月の天引き額が変わるのは2027年1月以降です。
給与明細の控除欄と、この記事の内訳表を並べて比べてみてください。健康保険料が9,850円と合わない場合は、勤務先が協会けんぽではなく組合健保や共済に加入している可能性があります。組合健保は料率が独自に決まるため、この記事の計算とは差が出ます。



月収20万円は、数字だけ見れば平均から遠い水準です。ただしこの金額で立ち止まっている期間が短ければ、生涯年収への影響は限定的です。今の額面が相場より低いかどうかを先に確かめてください。
まとめ
月収20万円の手取りは162,736円です。額面から37,263円が引かれ、そのうち78.8%にあたる29,380円が社会保険料で占められています。年収にすると240万円です。
40歳以上なら介護保険料の分で手取りは161,358円まで下がり、扶養家族が1人いれば166,361円まで上がります。2026年度の改定で手取りは年7,460円増えましたが、所得税の引き下げが給与明細に現れるのは12月の年末調整からです。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で下位24.0%、平均478万円には238万円届かない水準です。所定内給与額で最も近いのは〜19歳の208.3千円で、統計上は最も若い年代の平均に相当します。
生活の余裕は世帯構成で決まります。単身なら成り立つものの貯蓄は年10,152円にとどまり、二人以上の世帯では家計調査の最も低い階級の可処分所得すら下回ります。
この月収帯で最初に効くのは、社会人2年目からの住民税7,008円を織り込んでおくことです。そのうえで収入を上げるなら、昇給を待つより額面そのものを動かすほうが早く、手取りを1万円増やすには額面を約14,000円上げる必要があります。









