AWSの営業がきついと言われる理由は、残業の長さではありません。売った後にどれだけ使われたかまでが自分の数字になるという、従量課金ならではの責任範囲にあります。
社員口コミの総合評価は4.45、月間残業は20.1時間、有給消化率は77.7%です。時間の面では恵まれている一方、8項目のうち「人材の長期育成」だけが3.1と突出して低くなっています(OpenWork アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の社員クチコミ)。
この記事では、日本で営業を採用している法人がどこなのかを最初に整理したうえで、公開された口コミの集計値、公式の求人票、米国本社の決算資料だけを使って、年収と働き方と職種の実態をまとめます。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起AWSは「夜中まで働くからきつい」タイプの会社ではありません。数字の追い方と評価の仕組みが独特で、そこが合うかどうかで印象がまったく変わります。まずは事実から確認していきましょう。
AWSの営業がきついと言われる理由


AWSの営業に固有のきつさは、4つの構造から生まれます。米国本社での位置づけ、従量課金という料金体系、パートナー経由の販売比率、そして行動指針にもとづく評価です。
順に、公開されている資料で裏が取れる範囲だけを見ていきます。
グループの利益を支える事業という位置づけ
米国のAmazon.com, Inc.が公表した2026年第2四半期の決算資料によると、全社の売上高は2,006億ドル、営業利益は275億ドルでした。このうちAWSセグメントの売上高は422億ドル、営業利益は166億ドルです(Amazon.com 2026年第2四半期 決算リリース)。
売上では全体の約2割にとどまるAWSが、営業利益では6割前後を稼ぐ構図になっています。AWSセグメントの営業利益率は39.4%で、同じ資料に記載されています。
これは米国Amazon.com, Inc.の連結ベースの数字であり、日本法人の業績ではありません。ただし日本の営業が置かれた市場環境を測るうえでは、無視できない前提になります。
グループ全体の利益を支える事業であるほど、成長率への期待は高くなります。同じ決算資料はAWSの売上高が前年同期比37%増だったことも伝えており、この水準が翌期以降の基準になっていきます。
使った分だけ課金される料金体系
AWSは大半のサービスで従量制料金を採用しています。公式の料金ページには、長期契約や複雑なライセンスは不要で、サービスの使用を停止したときの追加コストや解約料金はないと明記されています(AWS の料金)。
買う側にとっては始めやすく、やめやすい仕組みです。売る側から見ると、契約書に判をもらった瞬間に売上が確定する商売ではなくなります。
実際、公式の求人票にある職務内容には「AWSの導入と継続的な利用拡大を推進する」という記述があります(amazon.jobs エンタープライズ営業(ストラテジックアカウント))。導入は出発点であり、そこから使用量が伸びなければ数字は積み上がりません。
この構造が、売り切り型の商材を扱ってきた人にとっては大きな負荷になります。案件をクローズした後も、利用状況を見ながら次の用途を提案し続ける動き方が求められるためです。
年単位のまとまった契約を取る形もあります。公式の料金ページによると、1年または3年の期間で一定量の使用を約束するプランが用意されており、値引きと引き換えに顧客側が使用量を先に確約する設計になっています。
パートナー経由の間接販売が大きい構造
AWSは自社の営業だけで顧客に届けているわけではありません。公式サイトによると、AWSパートナーネットワークは198か国に広がり、数千のソフトウェアおよびサービスパートナーが参加しています(AWS パートナーネットワーク)。
同じページには、パートナーがAWSのソリューションを再販する形や、共同販売を進める形が紹介されています。日本国内でも、SIerやリセラーを通じて導入されるケースは珍しくありません。
- 自社の営業が直接クローズする直接販売
- パートナーが再販する形の間接販売
- パートナーと一緒に提案する共同販売
- AWS Marketplace経由での購入
複数の経路があるということは、自分の担当顧客であっても、取引の主導権が常に自分にあるとは限らないということでもあります。パートナー側の営業体制や提案内容に、自社の数字が左右される場面が出てきます。
求人票にもパートナーセールスマネージャーやパートナーソリューションアーキテクトといった職種が並びます。間接販売を担当する専任組織が置かれていることからも、この経路の比重がうかがえます。
行動指針にもとづく評価
Amazonにはリーダーシップ・プリンシプルという行動指針があり、公式の採用サイトで全16項目が日本語で公開されています(Amazon リーダーシップ・プリンシプル)。
「Customer Obsession」「Ownership」「Dive Deep」「Deliver Results」といった項目が並び、採用でも日々の業務でも判断の基準として使われると説明されています。
なかでも「Insist on the Highest Standards」には、リーダーは継続的に求める水準を引き上げる、という記述があります。基準そのものが毎年上がっていく前提で設計された評価軸です。
社員口コミの8項目では、法令順守意識が4.8、待遇面の満足度が4.7と高い水準にあります。その一方で人材の長期育成は3.1にとどまり、手厚く育ててもらう環境ではないことが数字に表れています。
同じ「きつい」でも、利益への期待、従量課金の責任範囲、パートナーとの関係、評価基準のどれが効いているかで打つ手が変わります。AWSの場合は残業が月20.1時間と長くないため、時間以外の要因から疑うほうが実態に合います。



4つのうち、転職で解決できるのは「評価基準が合わない」場合くらいです。ほかの3つはクラウド業界に共通する構造なので、同業に移っても付いてきます。
AWSの営業の年収


AWSの営業の年収を調べるとき、最初に押さえておきたいのは、参照できる資料の種類が限られているという点です。
どの数字がどこから来ているのかを分けて見ていきます。
有価証券報告書が存在しない理由
日本で営業職を採用しているのは、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社です。米国のAmazon.com, Inc.やAmazon Web Services, Inc.とは別の法人格を持つ日本法人にあたります。
公式の案内によると、2021年11月1日に株式会社から合同会社へ組織変更し、2022年2月1日からは日本国内のすべてのアカウントに対する契約当事者がAmazon Web Services, Inc.から日本法人に切り替わりました(AWS Japan FAQ)。
合同会社は有価証券報告書の提出義務を負いません。実際、経済産業省が運営する法人情報サイトでも、この法人の財務情報の欄は空欄のままです(gBizINFO アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)。
つまり平均年間給与の公式な開示は存在しません。この記事で扱う年収は、すべて社員の口コミを集計した推計値になります。
他社の記事で「AWSの平均年収」として紹介されている数字も、出どころをたどると口コミサイトの集計値であることがほとんどです。一次情報と推計値を混同しないよう注意してください。
営業職の口コミ平均は1,550万円
OpenWorkの職種別集計では、営業職の平均年収は1,550万円です。回答者は97人、年収の範囲は500万円から4,000万円とされています(OpenWork 年収・給与制度)。
同じページに載っている他職種の数字と並べると、社内での位置関係が見えてきます。
| 職種 | 回答者数 | 平均年収 | 年収範囲 |
|---|---|---|---|
| 開発 | 6人 | 1,870万円 | 1,200万円〜3,000万円 |
| アーキテクト | 22人 | 1,745万円 | 970万円〜3,100万円 |
| SA | 7人 | 1,671万円 | 700万円〜3,000万円 |
| 営業 | 97人 | 1,550万円 | 500万円〜4,000万円 |
| コンサルタント | 7人 | 1,448万円 | 1,070万円〜1,800万円 |
| マネージャー | 14人 | 1,444万円 | 1,150万円〜2,000万円 |
| 技術 | 7人 | 1,193万円 | 970万円〜1,400万円 |
| サポート | 7人 | 1,038万円 | 530万円〜1,500万円 |
| エンジニア・SE | 51人 | 1,000万円 | 600万円〜1,700万円 |
回答者数が97人と多く、営業職は社内でも上位の年収帯にあることがわかります。開発やアーキテクトには届かないものの、エンジニア・SEの1.5倍を超える水準です。
ただし年収範囲の広さに注意が必要です。500万円から4,000万円まで8倍の開きがあり、同じ営業職でも職位によってまったく違う待遇になります。
世間の水準との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員に限っても545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
この水準と並べると、AWSの営業職の位置づけがはっきりします。
| 区分 | 平均年収 | 出典の種類 |
|---|---|---|
| AWS 営業職 | 1,550万円 | 口コミ集計 回答97人 |
| AWS 全社 | 1,377万円 | 口コミ集計 正社員281人 |
| SIer・ソフト開発・システム運用業界 | 578万円 | 口コミ集計の業界平均 |
| 正社員全体 | 545万円 | 国税庁の公的統計 |
| 給与所得者全体 | 478万円 | 国税庁の公的統計 |
営業職の1,550万円は、正社員全体の平均545万円のおよそ2.8倍にあたります。全社平均の1,377万円で見ても、業界平均578万円を799万円上回る計算です。
厚生労働省の統計では、35歳から39歳の所定内給与額の平均は月34.1万円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。口コミ回答者の平均年齢が37歳であることを踏まえると、同年代の一般的な水準とは別の世界にあることがわかります。
年収の内訳には株式報酬が含まれる点も押さえておきたいところです。口コミの給与制度欄には年俸を12分割する形に株式が上乗せされる旨の記載があり、株価の動きで手取りが変わる構造になっています(OpenWork 年収・給与制度)。
基本給と株式報酬と一時金では、受け取り方も税の扱いも変わります。オファー面談では総額だけでなく、固定部分がいくらで、株式が何年かけて渡されるのかまで確認してください。ここを曖昧にしたまま入社すると、入社2年目以降の見込みがずれます。
AWSの労働時間と働き方の実態


AWSの営業を「激務」と表現する記事は多く見かけますが、公開されている集計値はその印象と少し違う姿を示しています。
時間、休暇、勤務場所の3点から確認します。
残業は月20.1時間で有給消化率は77.7%
OpenWorkの集計によると、月間残業時間は20.1時間、有給休暇消化率は77.7%です。回答者は351人で、総合評価は4.45となっています(OpenWork 社員クチコミ)。
月20時間の残業は、1日あたり1時間程度の計算です。時間の面で消耗する職場ではないことが、数字にはっきり出ています。
有給消化率77.7%も、外資系IT企業として特別に低い水準ではありません。休暇を取りにくい雰囲気があるという書かれ方は、集計値とは噛み合いません。
ただしこれは全職種を合わせた平均です。顧客都合で動く営業やソリューションアーキテクトは、会議が顧客の予定に引っ張られるため、部署による差は残ります。
8項目の評価スコアが示すもの
総合評価だけでなく、項目ごとのスコアを見ると組織の性格が見えてきます。
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 待遇面の満足度 | 4.7 |
| 社員の士気 | 4.5 |
| 風通しの良さ | 4.5 |
| 社員の相互尊重 | 3.9 |
| 20代成長環境 | 4.1 |
| 人材の長期育成 | 3.1 |
| 法令順守意識 | 4.8 |
| 人事評価の適正感 | 4.4 |
| 総合評価 | 4.45 |
8項目のうち7つが3.9以上に収まるなかで、人材の長期育成だけが3.1です(OpenWork 社員クチコミ、回答者351人)。環境は整っているが、育てながら伸ばす組織ではないという読み方になります。
法令順守意識が4.8という数字も見逃せません。制度や労務管理の面で不満が出るタイプの会社ではなく、きつさの原因はそこにないと判断できます。
人事評価の適正感が4.4と高いことも、同じ方向を指しています。評価そのものは納得感を持って受け止められており、だからこそ結果がそのまま跳ね返ってくるということです。
出社を前提とした働き方への回帰
Amazonは全社方針として、2025年1月2日から週5日の出社を前提とする運用に戻しています。公式サイトに掲載された最高経営責任者の文書に、この日付が明記されています(Amazon CEO Andy Jassyによる出社方針の更新)。
同じ文書では、各組織に対して管理職に対する現場メンバーの比率を15%以上引き上げるよう求めたことも述べられています。階層を減らし、意思決定を速くする狙いだと説明されています。
管理職1人あたりが見るメンバーが増えるということは、細かく面倒を見てもらえる場面が減るということでもあります。長期育成のスコアが3.1にとどまる背景とも重なります。
なお四半期ごとの数字の締まり方や成果が出ない場合の扱いは、外資系IT企業に広く共通する話です。この点は外資系営業がきつい理由とIT営業がきつい理由で詳しく扱っています。
出社前提に戻っているため、通勤時間は入社後の生活を大きく左右します。求人票には東京勤務だけでなく大阪勤務の募集も出ています。応募前に勤務地と担当エリアの組み合わせを確認しておくと、入社後の想定がずれにくくなります。



残業20.1時間という数字を見て「思ったほどではない」と感じた方は、たぶん時間以外の部分でつまずきます。次のセクションで、職種ごとに何を求められるのかを見ていきましょう。
AWSの営業職の種類と役割


AWSの営業は、ひとつの職種名でくくれるものではありません。公式の採用ページと実際の求人票を見ると、役割が細かく分かれていることがわかります。
まず、採用している法人の基本情報から確認します。
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の会社概要


経済産業省が運営する法人情報サイトによると、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の法人番号は6011001106696、本店所在地は東京都港区麻布台1丁目3番1号、設立年月日は2015年7月29日です(gBizINFO 法人情報)。
代表者は職務執行者の白幡晶彦氏、従業員数は4,676人と記載されています。同じサイトの事業所情報には、東京都品川区上大崎3丁目1番1号の事業所に被保険者2,980人という数字も載っています。
公式の採用ページでは、営業とパートナー営業のチームについてお客様のクラウド利用の促進と加速をサポートするという説明が置かれています(AWS Japan 営業 / パートナー営業)。
売ることではなく、使ってもらうことを起点に役割が定義されている点が、この会社の営業を理解する鍵になります。
アカウントマネージャーとエンタープライズ営業
顧客を直接担当する職種です。公式の求人票では、業界ごとに募集が分かれています。
- 製造業・自動車を担当するグローバルアカウントマネージャー
- 金融機関を担当するシニアアカウントマネージャー
- 通信・メディア・ゲームを担当するエンタープライズ営業
- 自治体や中央省庁を担当するパブリックセクターの営業
- スタートアップを担当するクラウドソリューション営業
ストラテジックアカウントを担当する求人には、応募要件として7年以上のIT業界での法人営業経験と、5年以上の大規模かつ複雑なグローバルアカウントを中心とした営業経験が挙げられています(amazon.jobs エンタープライズ営業)。
同じ求人票では、担当する顧客を売上高1兆円以上の大手企業と記しています。入口の段階で、扱う案件の規模が明示されているということです。
一方、スタートアップ担当の求人では要件が5年以上のテクノロジー分野での営業経験となっており、担当する顧客層によって求められる経験年数が変わります(amazon.jobs クラウドソリューション営業(スタートアップ担当))。
ソリューションアーキテクトとカスタマーソリューションマネージャー
技術の側から提案を支える職種です。営業と組んで動くため、実質的に営業活動の一部を担います。
求人票には、エンタープライズ担当、金融サービス業界担当、ゲーム・エンターテインメント担当、社会インフラ担当、公共担当など、業界ごとに細分化されたソリューションアーキテクトの募集が並びます。
カスタマーソリューションマネージャーは、導入後の活用を進める立場です。売った後の利用拡大に責任を持つ設計が、職種の構成にも反映されています。
営業として入社しても、この2つの職種と日常的に連携することになります。技術の話がまったくわからないままでは、会話が成立しません。
パートナー営業とスペシャリストセールス
間接販売を担当するのがパートナー営業です。求人票にはパートナーセールスマネージャー、パートナーソリューションアーキテクト、パートナーアカウントマネージャーといった職種名が確認できます。
スペシャリストセールスは、特定の技術領域に絞って提案する役割です。AI、データ分析、データベース、移行、セキュリティといった領域ごとに配置されています。
| 職種の系統 | 主な役割 | 数字の追い方 |
|---|---|---|
| アカウントマネージャー | 担当顧客の導入と利用拡大 | 担当顧客全体の利用額 |
| パートナー営業 | パートナーとの共同販売 | パートナー経由の取引額 |
| スペシャリストセールス | 特定領域の提案 | その領域のサービス利用額 |
| ソリューションアーキテクト | 技術面からの提案支援 | 案件の技術的な進捗 |
| カスタマーソリューションマネージャー | 導入後の活用推進 | 顧客の利用定着と拡大 |
同じ「AWSの営業」という言葉でも、どの系統に配属されるかで日々の仕事はまったく別物になります。求人票の職種名を読み飛ばさないことが、入社後のギャップを減らす近道です。
アカウントマネージャーとパートナー営業では、動く相手も評価される指標も変わります。応募の段階でどちらの系統かを確かめ、面接では担当予定の業界とセグメントを質問してください。求人票に業界名まで書かれている募集がほとんどです。
AWSの営業に向いている人と向いていない人
ここまで見てきた構造をもとに、どんな人が力を発揮しやすいのかを整理します。
年収の高さだけで判断すると、入社後につまずきやすくなります。
向いている人の特徴
自分で課題を見つけて動ける人が評価されやすい環境です。人材の長期育成が3.1という数字は、手取り足取り教わる前提では厳しいことを示しています。
- 指示を待たずに担当領域の課題を自分で定義できる
- 技術の話を苦にせず、必要に応じて自分で学べる
- 売った後の利用状況まで追いかけることを面倒に感じない
- パートナーや社内の技術職と組んで成果を出すことに抵抗がない
- 基準が毎年上がっていく環境を成長機会と捉えられる
とくに3つ目が重要です。契約して終わりではなく、使われ続けて初めて数字になるという感覚を持てるかどうかが、長く続けられるかの分かれ目になります。
英語で書かれた資料や社内のやり取りに触れる場面も多くなります。求人票の多くが英語と日本語の併記になっている点からも、その傾向が読み取れます。
向いていない人の特徴
逆に、次のような働き方を望む人には合いにくい環境です。
- 決まった型に沿って提案を繰り返したい
- 研修と上司の指導で段階的に育ててほしい
- 受注した時点で自分の仕事が終わる商材を扱いたい
- 技術的な話題はエンジニアに任せきりにしたい
- 評価の基準が毎年変わらないことを重視する
2つ目については、20代成長環境が4.1と決して低くない点も付け加えておきます。学ぶ機会はあるものの、与えられるのを待つ形では機能しないということです。
3つ目は、従量課金の商材に共通する話です。売り切り型の営業から移ると、この点で最も大きなギャップを感じます。
選考で問われること
Amazonの採用では、リーダーシップ・プリンシプルにもとづく行動面接が中心になります。公式の採用ページには、複数の社員と個別に面談する「インタビューループ」という方式と、過去の行動を状況・課題・行動・結果の順で語るSTARメソッドが説明されています(amazon.jobs Interview loop)。
日本語の採用ページでも、ループ面接とバーレイザーが選考の要素として挙げられています(amazon.jobs 採用方法)。配属先とは別の組織から面接官が入る仕組みが、採用基準を揃える役割を担っています。
対策としては、過去の実績を行動指針の項目に紐づけて整理しておくことが有効です。16項目すべてではなく、自分の経験と結びつく5つほどに絞って準備すると話しやすくなります。
数字を語るときは、受注額だけでなくその後の伸びまで説明できると評価されます。使われ続けることに責任を持つ会社だからこそ、そこまで追った経験が効いてきます。
項目名を覚えても面接では通用しません。自分の職歴から具体的な場面を5つ選び、それぞれがどの項目に当てはまるかを紐づけてください。数字と、そのとき自分が下した判断をセットで語れる状態にしておくのが実用的です。
AWSの営業がきついと感じたときの対処法


きついと感じたとき、いきなり退職を考える前に確認したいことがあります。
原因によって、社内で解決できるものと、会社を変えないと解決しないものが分かれるためです。
負荷の出どころを切り分ける
まず、何がきついのかを言葉にします。時間なのか、評価なのか、担当先なのか、扱う商材なのかで打てる手が変わります。
| きつさの原因 | 社内で対処できるか | 転職で解決するか |
|---|---|---|
| 担当顧客との相性 | できる。担当替えや配分の見直し | 会社を変えても同種の問題は起きる |
| 職種が合っていない | できる。営業からパートナー営業などへの異動 | 職種を指定して応募すれば解決しやすい |
| 利用拡大まで追う働き方が合わない | 難しい | 売り切り型の商材を選べば解決する |
| 基準が上がり続ける評価が合わない | 難しい | 評価設計の異なる企業を選べば解決する |
| 英語を使う場面の多さ | 一部できる。担当領域による | 国内企業を選べば解決する |
上2つは社内で動かせる変数です。下3つは会社の設計そのものなので、社内では変えられません。ここを取り違えると、転職しても同じ理由で苦しむことになります。
社内の職種変更を検討する
AWSの営業組織は職種が細かく分かれています。これは負担でもありますが、選択肢の多さでもあります。
顧客と直接向き合うのがつらいなら、パートナー営業という道があります。逆に特定の技術領域を深く扱いたいなら、スペシャリストセールスという選択肢が用意されています。
担当業界を変えるだけでも、仕事の性格は大きく変わります。公共部門と民間企業では、商談の進み方も意思決定の流れも別物です。
社内公募の仕組みがどうなっているかは、在籍中でなければわかりません。辞める判断をする前に、直属の上司以外にも相談先を作っておくことをおすすめします。
数字を記録に残しておく
転職を考え始めたら、まず実績を数字で書き出します。受注額だけでなく、担当顧客の利用額がどう伸びたかまで残しておくことが重要です。
従量課金の商材を扱った経験は、そのままでは伝わりません。使用量の伸び率、提案したサービスの数、パートナーとの協業件数といった形にして初めて評価されます。
在籍中でなければ取れないデータもあります。四半期ごとの実績や社内の評価コメントは、退職後に振り返るのが難しくなります。
年代によって現実的な選択肢は変わります。30代なら30代におすすめの転職エージェント、40代なら40代におすすめの転職エージェントを参考にしてください。IT業界内での移動を考えるならIT転職エージェントおすすめも候補になります。
1四半期だけの結果で判断すると、担当替えや市況の影響を自分の実力と取り違えます。少なくとも2四半期分を並べて、傾向として苦しいのか一時的なものなのかを見極めてから動いてください。



担当顧客を変えてもらっただけで、きつさが消えたという例は実際にあります。会社を変える前に、社内で動かせるものが残っていないかを一度洗い出してみてください。
AWSの営業経験が活きる転職先


AWSでの営業経験は、転職市場で扱いやすい部類に入ります。
どんな経験がどこで評価されるのかを整理します。
評価されやすいスキル
最も強いのは、従量課金の商材を売り切りではなく育てた経験です。使用量で売上が決まる商材は増えており、同じ売り方を再現できる人材は重宝されます。
- 従量課金の商材で利用拡大まで責任を持った経験
- 大規模で複雑な顧客組織に提案した経験
- パートナーと組んで共同で案件を進めた経験
- 技術職と連携して提案を組み立てた経験
- 行動指針にもとづく評価で成果を出した経験
職務経歴書では、担当したセグメント、目標に対する達成率、担当顧客の利用額の伸びを数字で並べてください。定性的な表現より、この形式のほうが伝わります。
クラウドの認定資格を持っていれば、あわせて記載する価値があります。技術の話ができる営業であることの証明になるためです。
転職先の選択肢
近いところから見ていくと、他のクラウド事業者やSaaS企業が最有力です。商材の売り方が共通しているため、立ち上がりが速くなります。
SIerやAWSパートナー企業も有力な候補です。AWSを売る側から、AWSを扱うパートナー側へ回る形で、制度や認定の知識がそのまま使えます。
視点を変えて、事業会社でクラウド活用を推進する企画職に移る道もあります。売る側から買う側へ回るキャリアです。
この3つは求められるものが違います。クラウド事業者なら再現性、パートナー企業なら顧客基盤と業界知識、事業会社なら社内を動かす調整力が問われます。
クラウド商材の売り方に関する共通の話はSaaS営業がきつい理由にまとめています。技術職への転換を考える場合はエンジニア向け転職エージェント、業界未経験から挑む場合は未経験におすすめの転職エージェントも参考になります。
営業職の口コミ平均1,550万円は、正社員平均545万円の2.8倍にあたります。同水準を維持できる転職先は多くありません。下がっても得られるものが何かを先に言語化しておくと、判断がぶれにくくなります。
AWSの営業に関するよくある質問
AWSの営業への転職を検討する人からよく出る質問をまとめました。
ここまで扱ってきた数字と出典にもとづいて回答します。
AWSの営業は本当にきついのでしょうか?
時間の面では、月間残業20.1時間、有給消化率77.7%と極端な水準ではありません。きついと言われるのは、従量課金のため売った後の利用拡大まで責任を負うこと、パートナー経由の販売が大きく自分だけで完結しないこと、そして人材の長期育成スコアが3.1という自走前提の環境によるものです。時間で消耗する職場ではなく、責任範囲と評価基準が独特な職場だと捉えるほうが実態に近くなります。
AWSの営業の年収はいくらでしょうか?
OpenWorkの職種別集計では、営業職の平均年収は1,550万円です。回答者は97人、年収の範囲は500万円から4,000万円とされています。ただし日本法人のアマゾンウェブサービスジャパン合同会社は合同会社のため有価証券報告書の提出義務がなく、平均年間給与の公式な開示は存在しません。この数字はあくまで口コミの集計値である点に注意してください。
日本のAWSはどの会社が採用しているのでしょうか?
日本で営業職を採用しているのはアマゾンウェブサービスジャパン合同会社です。米国のAmazon.com, Inc.やAmazon Web Services, Inc.とは別の法人になります。公式の案内によると2021年11月1日に株式会社から合同会社へ組織変更し、2022年2月1日からは日本国内のすべてのアカウントに対する契約当事者も日本法人に切り替わりました。求人票の雇用主名も「Amazon Web Services Japan GK」と表記されています。
未経験からAWSの営業に転職できるのでしょうか?
営業そのものが未経験という場合は難しいのが実情です。ストラテジックアカウントを担当する求人では7年以上のIT業界での法人営業経験が、スタートアップ担当の求人でも5年以上のテクノロジー分野での営業経験が要件として挙げられています。一方でIT業界での法人営業経験があれば、クラウドの実務経験がなくても応募できる募集は存在します。アカウントSEなど顧客と対面してきたエンジニアも対象に含める記載がある点は、経路として知っておく価値があります。
AWSの営業はどんな職種に分かれているのでしょうか?
大きく、顧客を直接担当するアカウントマネージャー、パートナーと組むパートナー営業、特定領域を扱うスペシャリストセールスの3系統に分かれます。これに技術面から支えるソリューションアーキテクトと、導入後の活用を進めるカスタマーソリューションマネージャーが加わります。さらに製造業、金融、通信、ゲーム、公共部門、スタートアップといった業界別に担当が細かく分かれており、求人票の職種名から配属後の仕事内容をある程度読み取れます。
口コミサイトの評価は回答者の職種と在籍時期に左右されます。気になった点は求人票の記載や面接での質問で裏を取ってください。担当セグメントと評価指標は、会社側も具体的に答えられる項目です。
まとめ
AWSの営業がきついと言われる理由は、労働時間ではありません。従量課金という料金体系のため、売った後にどれだけ使われたかまでが自分の数字になる点にあります。
日本で採用しているのはアマゾンウェブサービスジャパン合同会社で、米国のAmazon.com, Inc.やAmazon Web Services, Inc.とは別法人です。合同会社のため有価証券報告書はなく、年収は口コミの集計値でしか確認できません。
その集計値では、営業職の平均は1,550万円、回答者97人、範囲は500万円から4,000万円です。正社員全体の平均545万円と比べれば高水準ですが、8倍の開きがある点は見落とせません。
働き方は月間残業20.1時間、有給消化率77.7%と穏やかな部類です。一方で8項目のうち人材の長期育成だけが3.1にとどまり、2025年1月2日からは全社方針として週5日の出社が前提になっています。
きついと感じたときは、原因が担当顧客なのか職種なのか、それとも会社の設計そのものなのかを切り分けてください。社内にはアカウントマネージャー、パートナー営業、スペシャリストセールスという選択肢があります。そのうえで合わないと判断したなら、従量課金の商材を育てた経験は市場で正当に評価されます。









