月収27万円の手取りは215,384円です。額面の27万円から54,615円が税金と社会保険料として差し引かれ、手元に残るのがこの金額になります(40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の場合)。
引かれる割合は額面の20.2%で、手取り率は79.8%です。年収にすると324万円になり、給与所得者の平均478万円には154万円届きません。
この記事の数字は、2026年度(令和8年度)の保険料率と、令和8年分から引き上げられた基礎控除で計算し直したものです。旧い控除額のまま計算している記事とは、所得税で月683円の差が出ます。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収27万円は、求人票で「月給27万円以上」と書かれている水準です。手元に残るのは21万5,000円ほどで、額面との差は月5万円を超えます。生活設計は必ず手取りベースで考えてください。
月収27万円の手取りは215,384円|年収は324万円


月収27万円から引かれるのは月54,615円です。内訳は社会保険料が41,082円、所得税が2,783円、住民税が10,750円で、手元に残るのが215,384円になります。
額面年収は324万円、手取り年収は2,584,616円です。年間の控除額は655,384円にのぼります。
手取り率は79.8%です。「額面の8割が手取り」という目安がよく使われますが、ほぼその目安どおりになります。
40歳未満・扶養なしの場合
もっとも標準的な条件である40歳未満・扶養家族なし・賞与なしで計算すると、次の金額になります。この記事の基準となる数字です。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 270,000円 | 3,240,000円 |
| 控除合計 | 54,615円 | 655,384円 |
| 手取り | 215,384円 | 2,584,616円 |
| 手取り率 | 79.8% | 79.8% |
健康保険と厚生年金の計算に使われる標準報酬月額は280,000円です。健康保険では第21級にあたります。
標準報酬月額は額面そのものではありません。27万円ちょうどの人も28万円の人も同じ等級に入るため、額面が1万円違っても社会保険料が変わらないことがあります。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは213,475円に下がります。逆に扶養家族が1人いると所得税と住民税が軽くなり、219,751円まで増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 215,384円 | 2,584,616円 | 79.8% |
| 40歳以上・扶養なし | 213,475円 | 2,561,700円 | 79.1% |
| 40歳未満・扶養1人 | 219,751円 | 2,637,016円 | 81.4% |
扶養1人なら手取り年額2,637,016円、40歳以上なら2,561,700円です。同じ月収27万円でも、条件しだいで年額は大きく変わります(全国健康保険協会 介護保険料率について)。
介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から天引きが始まります。月収が変わっていないのに誕生月から手取りが減るのは、多くの場合これが理由です。
賞与がある場合
ここまでの324万円という年収は、賞与がまったくない前提の金額です。賞与が支給される会社であれば、年収はこれより増えます。
賞与にも健康保険・厚生年金・雇用保険と所得税がかかります。標準賞与額という別の基準で計算されるため、毎月の給与とは控除の仕組みが少し違います。
注意したいのは、賞与からは住民税が引かれない点です。住民税は前年の所得をもとに年額が決まり、12か月に分けて毎月の給与から天引きされるためです。
月給27万円という条件が同じでも、賞与の有無で年収は大きく変わります。求人を比べるときは月給ではなく、賞与込みの年収見込みで並べてください。
月給27万円のうち4万円が30時間分の固定残業代というケースは珍しくありません。その場合、残業をしなかった月の実質的な基本給は23万円です。手取りを比べる前に、基本給と手当の内訳を求人票と労働条件通知書で確認してください。
月収27万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収27万円から引かれる54,615円の中身を、1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での金額です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 本人負担の料率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 13,790円 | 165,480円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 322円 | 3,864円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 25,620円 | 307,440円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 1,350円 | 16,200円 | 0.5% |
| 所得税 | 2,783円 | 33,400円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 10,750円 | 129,000円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 54,615円 | 655,384円 | 額面の20.2% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金を合わせた社会保険料は41,082円です。控除全体の75.2%を占めます。
税金より社会保険料のほうがはるかに重いのが、この月収帯の特徴です。所得税2,783円と住民税10,750円を足しても、社会保険料41,082円には遠く及びません。
最大の項目は厚生年金の25,620円です。標準報酬月額280,000円に本人負担分9.15%をかけた金額で、控除全体のほぼ半分にあたります。
健康保険料率は都道府県ごとに違います。2026年度の東京支部は9.85%で、本人負担はその半分の4.925%です。勤務先が組合健保や共済組合に加入している場合は料率が独自に決まるため、この記事の金額とは差が出ます。
- 健康保険と厚生年金は「標準報酬月額」という等級表に当てはめて計算する
- 月収27万円の標準報酬月額は280,000円で、健康保険では第21級にあたる
- 等級は毎年4月から6月の給与をもとに決まり、9月分から1年間適用される
- 子ども・子育て支援金は2026年度に新設された項目で、医療保険料に上乗せして徴収される
この4点に共通するのは、社会保険料が「今もらっている額面」ではなく「少し前に決まった等級」で動くという点です。給与が変わってもすぐには天引き額が変わりません。
所得税
所得税は月2,783円、年33,400円です。額面年収324万円から給与所得控除と社会保険料控除、基礎控除を差し引いた課税所得に、税率5%と復興特別所得税2.1%をかけて算出します(国税庁 所得税の税率)。
ここが古い解説記事と食い違う部分です。令和8年分から基礎控除は95万円から104万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。
合計18万円の控除引き上げにより、いわゆる年収の壁が160万円から178万円へ動いたのもこの改正によるものです。
月収27万円の場合、この改正によって所得税は月683円下がりました。
住民税
住民税は月10,750円、年129,000円です。内訳は所得割124,000円と均等割5,000円で、均等割の5,000円には森林環境税1,000円が含まれています(総務省 個人住民税)。
住民税は前年の所得に対して課税されます。そのため新卒1年目は住民税が引かれず、2年目の6月から月10,750円の負担が加わります。
月収が変わっていないのに社会人2年目から手元が苦しくなる原因の大半は、この住民税の開始にあります。
所得税とは基礎控除の額が違う点にも注意が必要です。所得税の基礎控除は104万円に引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2025年度の料率と令和7年分の控除で同じ月収27万円を計算すると、手取りは214,804円でした。2026年度は215,384円なので、改定によって月580円、年間6,964円増えたことになります。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 13,874円 | 13,790円 | ▲84円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 322円 | +322円 |
| 雇用保険 | 1,485円 | 1,350円 | ▲135円 |
| 所得税 | 3,466円 | 2,783円 | ▲683円 |
| 手取り | 214,804円 | 215,384円 | +580円 |
負担が増えたのは新設された子ども・子育て支援金だけです。2026年4月分の保険料から、医療保険料に上乗せして徴収が始まりました(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。
ただし2026年中の給与明細では、所得税の引き下げはまだ反映されません。基礎控除の改正は令和8年12月に施行され、12月の年末調整でまとめて精算される仕組みだからです。
毎月の源泉徴収税額表が新しくなるのは2027年1月からです。それまでは天引き額が旧い税額のままになります。
2026年は毎月の天引きが改定前の税額のままなので、12月の年末調整で差額がまとめて還付されます。毎月の明細で所得税683円分の引き下げを実感できなくても、精算はこれから行われます。



細かい料率の話に見えますが、手取りが増えたのか減ったのかはここでしか判断できません。2026年は所得税の減税が12月まで明細に出てこないので、年末調整の結果を見てから判断するほうが正確です。
月収27万円は世間的にどのレベルか


年収324万円は、給与所得者全体で上位64.2%の位置にあります。平均を上回る水準ではなく、下から3分の1あたりに位置します。
煽らずに書くと、この年収は統計上は平均以下です。ただし年代と性別によって評価は大きく変わります。
平均との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員(正職員)に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
年収324万円は全体平均より154万円低く、正社員平均とは221万円の差があります。月収27万円は求人票で見慣れた水準ですが、統計上の位置づけははっきり平均以下になります。
一方で、パートやアルバイトを含む非正規雇用の平均は206万円です。年収324万円は非正規の平均を上回る水準です。
全体平均478万円は、正社員545万円と非正規206万円を混ぜた数字です。自分の年収を比べるなら、雇用形態をそろえた数字と比べるほうが実態に近くなります。
上位何%か
給与所得者51,365,699人を年収順に並べると、324万円は上から64.2%の位置に来ます。下位では35.8%です。
言い換えると、自分より年収が高い人が6割以上いる計算になります。
| 区分 | 母集団 | 上位 | 下位 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 51,365,699人 | 64.2% | 35.8% |
| 男性 | 29,250,024人 | 78.7% | 21.3% |
| 女性 | 22,115,674人 | 45.0% | 55.0% |
母集団は5,136万人です。日本で給与をもらって働いている人のほぼ全体を含む数字なので、業界や職種を限定しない「世間一般」の位置づけとして読めます。
男女差
同じ年収324万円でも、男女のどちらで見るかで位置が変わります。男性なら上位78.7%で下から2割あたり、女性なら上位45.0%で平均をやや下回る程度です。
| 区分 | 平均給与 | 年収324万円の位置 |
|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 | 上位64.2% |
| 男性 | 587万円 | 上位78.7% |
| 女性 | 333万円 | 上位45.0% |
女性の平均給与333万円に対して、年収324万円はわずかに下回る程度です。男性の平均587万円とは大きな開きがあり、同じ金額でも意味合いがまったく違います。
「月収27万円は低いのか」という問いに一つの答えがないのは、この差が理由です。比較の基準を決めずに議論しても結論は出ません。
相当する年齢階級
厚生労働省の調査によると、所定内給与額の平均は年齢計で男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。
月収27万円に最も近いのは、男女計では25〜29歳の279.4千円、男性では25〜29歳の288.0千円です。女性では60〜64歳の270.8千円が最も近くなります。
| 区分 | 年齢階級 | 所定内給与額 |
|---|---|---|
| 男女計 | 25〜29歳 | 279.4千円 |
| 男女計 | 年齢計 | 340.6千円 |
| 男性 | 25〜29歳 | 288.0千円 |
| 男性 | 年齢計 | 373.4千円 |
| 女性 | 30〜34歳 | 283.2千円 |
| 女性 | 60〜64歳 | 270.8千円 |
| 女性 | 年齢計 | 285.9千円 |
この表の金額は所定内給与額で、残業代と賞与を含みません。残業代込みで月収27万円という場合は、ここに並んでいる金額より実質的な水準は低くなります。
逆に残業ゼロで月収27万円なら、20代後半の平均を上回っていることになります。同じ27万円でも中身の評価は変わります。
全体平均340.6千円と比べると月収27万円は低く見えますが、20代後半の平均は279.4千円です。年齢計の平均には50代の高い賃金が含まれているため、20代が全体平均と比べても正しい判断はできません。比較する相手は自分と同じ年齢階級の数字にしてください。
月収27万円の生活レベル


ここから先の生活費は、想定値ではなく総務省の家計調査の実額を使います(総務省統計局 家計調査 2025年平均)。手取り215,384円に近い階級の、実際の支出です。
先に結論を書くと、単身なら月6万円前後を貯められますが、二人以上の世帯では赤字になる可能性が高い水準です。
単身世帯
単身の勤労者世帯で手取り215,384円に最も近いのは、年間収入200万〜300万円の階級です。この階級の可処分所得は202,183円、消費支出は142,387円になります。
預貯金の純増は月61,623円で、年間では739,476円です。平均消費性向は70.4%で、手取りの3割近くを残せている計算になります。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 38,779円 |
| 住居(うち家賃地代21,620円) | 22,702円 |
| 光熱・水道 | 11,875円 |
| 交通・通信 | 21,465円 |
| 教養娯楽 | 14,326円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 33,240円 |
| 消費支出 合計 | 142,387円 |
ただしこの階級の可処分所得202,183円は、月収27万円の手取り215,384円より13,201円低い金額です。完全に一致する階級はないため、最も近い階級として読む必要があります。
手取りのほうが13,201円多いぶん、単身であればこの表の消費支出より支出に余裕を持たせることも、そのまま貯蓄に回すこともできます。
二人以上の世帯
世帯人員が増えると状況が一変します。二人以上の勤労者世帯で手取り215,384円に最も近いのは、年間収入300万〜350万円の階級です。
この階級の可処分所得は278,764円、消費支出は237,375円で、黒字は41,389円です。しかし手取り215,384円は、家計調査で公表されている最も低い階級の可処分所得278,764円すら下回っています。
| 区分 | 単身世帯 | 二人以上の世帯 |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 202,183円 | 278,764円 |
| 消費支出 | 142,387円 | 237,375円 |
| 黒字・預貯金純増 | 61,623円 | 41,389円 |
| 平均消費性向 | 70.4% | 85.2% |
| 世帯人員 | 1人 | 2.7人 |
二人以上の世帯の消費支出237,375円は、月収27万円の手取り215,384円を上回ります。単独の収入で二人以上の世帯を支える場合、家計は赤字になる可能性が高い水準です。
この階級の世帯主の平均年齢は55.7歳です。子どもが独立したあとの世帯を多く含んでいるため、子育て中の世帯であれば支出はさらに増えます。
教育費は世帯主が40代の世帯で月27,878円、50代で34,484円です。共働きを前提にするか、住居費を大きく抑えるかのどちらかが必要になります。
家賃の平均が低く見える理由
先の単身世帯の表で、家賃地代が21,620円と低いことに違和感があるかもしれません。これは持ち家の人や社宅住まいの人、実家暮らしの人を含めた平均だからです。
実際に民営の借家に住んでいる世帯だけを見ると、家賃は単身で49,831円、二人以上の勤労者世帯で69,450円になります。大都市圏では二人以上の世帯で81,508円です。
| 区分 | 1か月あたりの家賃 |
|---|---|
| 単身世帯の家賃地代(持ち家等を含む平均) | 21,620円 |
| 単身・民営借家 | 49,831円 |
| 二人以上の勤労者世帯・民営借家 | 69,450円 |
| 二人以上・民営借家(大都市) | 81,508円 |
| 借家(専用住宅)全国平均 | 59,656円 |
| 借家(専用住宅)東京都 | 87,118円 |
住宅・土地統計調査でも、借家(専用住宅)の1か月あたり家賃は全国59,656円、東京都87,118円と報告されています(総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)。
東京都の平均家賃87,118円は、手取りの2〜3割という目安の上限64,615円を大きく超えています。都内で平均的な賃貸に住むと、家計調査の平均像とはかけ離れた収支になります。
平均値には持ち家世帯が混ざるため、家賃の負担は実態より軽く見えます。賃貸で暮らしている場合は、家賃地代の平均21,620円ではなく、民営借家に限った49,831円と比べてください。同じ単身世帯の数字でも倍以上の開きがあります。



同じ月収27万円でも、単身か家族を支えているかで意味がまったく違います。二人以上の世帯では家計調査の最も低い階級にも届かないので、転職や住み替えを考えるときは世帯単位の収入で計算してください。
月収27万円でできること・できないこと


手取り215,384円という水準で、家賃・貯金・住宅ローンがそれぞれどこまで可能かを整理します。
家賃
「家賃は手取りの3分の1まで」という言い方が広く使われていますが、この3分の1という基準に公的な根拠はありません。金融広報中央委員会が目安として示しているのは手取りの2〜3割です(知るぽると ひとり暮らしの生活設計)。
手取り215,384円なら、43,077円から64,615円が目安になります。単身の民営借家の実額49,831円はこの範囲に収まります。
一方で、二人以上の勤労者世帯の民営借家69,450円は目安の上限64,615円を超えます。大都市の81,508円や東京都の平均87,118円になると、目安からさらに離れます。
東京で家族向けの賃貸に住みながら月収27万円で家計を回すのは、統計上は相当に厳しい条件です。地域を変えるか、住居費の補助がある会社を選ぶかで大きく変わります。
貯金
単身の勤労者世帯で同水準の階級の預貯金純増は月61,623円、年間では739,476円です。単身であれば年70万円台の貯蓄は現実的な範囲に入ります。
二人以上の世帯では話が変わります。黒字41,389円という数字は可処分所得278,764円の階級のものなので、手取り215,384円でこの黒字を再現することはできません。
参考までに、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値は1,264万円です(総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編)。
平均を下回る世帯が66.1%を占めます。平均値は一部の高額世帯に引き上げられるため、中央値1,264万円のほうが実感に近い数字です。
住宅ローン
額面年収324万円で返済比率を25%に抑える場合、年間の返済額は810,000円、月々では67,500円になります。この条件で35年・元利均等返済の借入可能額を金利別に並べると次のようになります。
| 金利 | 月返済額 | 借入可能額(35年・元利均等) |
|---|---|---|
| 1.5% | 67,500円 | 約2,205万円 |
| 2.0% | 67,500円 | 約2,038万円 |
| 2.5% | 67,500円 | 約1,888万円 |
金利1.5%なら約2,205万円、2.5%なら約1,888万円です。金利上昇局面では、審査に通る額そのものが目減りします。
注意が必要なのは、額面年収の25%は手取り年収に対しては31.3%にあたる点です。額面324万円の25%は810,000円ですが、手取り年収2,584,616円で見ると3割を超えます。
金融機関の審査は額面で判断されますが、実際に返済するのは手取りからです。借りられる額と無理なく返せる額は別物として考える必要があります。
額面年収324万円の返済比率25%は月67,500円ですが、手取り215,384円に対しては31.3%を占めます。家賃の目安が手取りの2〜3割であることを踏まえると、この返済額は目安の上限を超えています。借入額を決める前に、手取りベースでも計算し直してください。
月収27万円に到達する年代と仕事


月収27万円がどのくらいのキャリア段階で届く水準なのかを、公的統計から確認します。所定内給与額での比較なので、残業代と賞与は含みません。
男性・男女計
男女計で月収27万円に最も近いのは25〜29歳の279.4千円です。この額面を初めて超えるのも25〜29歳になります。
男性では25〜29歳の288.0千円が最も近く、20代後半で平均が月収27万円を超えます。つまり男性にとっては、20代のうちに通過する水準ということになります。
男女計の年齢計平均は340.6千円、男性は373.4千円です。30代以降も同じ月収27万円のままなら、同年代の平均から離れていくことになります。
20代のうちに次の一手を考えるなら、第二新卒におすすめの転職エージェントで、経験が浅い段階でも年収を落とさずに動ける求人の探し方を整理しています。
女性
女性の所定内給与額で月収27万円に最も近いのは60〜64歳の270.8千円です。この額面を初めて超えるのは30〜34歳の283.2千円になります。
女性の年齢計平均は285.9千円で、男性の373.4千円を大きく下回ります。女性の賃金カーブは30代以降ほぼ横ばいで、年齢を重ねても大きくは伸びません。
背景には管理職比率や勤続年数の違いがあります。平均勤続年数は男性14.2年に対し女性10.4年です。
女性におすすめの転職エージェントでは、この構造を踏まえた選び方を整理しています。
企業規模
同じ職種・同じ年齢でも、在籍する企業の規模によって賃金水準は変わります。賃金構造基本統計調査は大企業・中企業・小企業の3区分で集計されており、規模が大きいほど平均賃金は高くなる傾向が続いています。
月収27万円に届きやすいのは、大企業の20代前半から半ば、あるいは中小企業の20代後半から30代です。同じ仕事をしていても、規模の違いだけで数万円の差が生まれます。
2025年の所定内給与額は前年比3.1%の伸びでした。賃上げは続いていますが、その恩恵の大きさも企業規模によって差があります。
現職の月収27万円のうち4万円が残業代なら、残業のない会社に移ると額面23万円になります。求人票の月給に固定残業代が含まれているかどうかを確認し、残業を除いた基本給同士で並べてください。額面の数字だけを比べると判断を誤ります。



20代後半で月収27万円なら平均に近い水準ですが、30代でこの金額のままだと同年代との差は開いていきます。焦る必要はありませんが、年代ごとの平均は一度確認しておいてください。
月収27万円から手取りを増やす方法


手取りを1万円増やすには、額面を約12,000円上げる必要があります。控除は率で効くため、額面の伸びほど手取りは伸びません。この前提を踏まえて3つの道を比べます。
昇進・昇給
在籍したまま収入を上げる方法です。賃金構造基本統計調査では2025年の所定内給与額が前年比3.1%増となっており、近年の賃上げ基調は続いています。
ただし年3.1%の昇給で月収27万円から32万円まで届かせるには、相応の年数がかかります。役職に就けば一気に上がりますが、ポストの数には限りがあります。
この月収帯で特に注意したいのが、4月から6月の残業で標準報酬月額の等級が上がることです。等級は4月から6月の給与をもとに決まり、9月分から1年間適用されます。
繁忙期の残業で一時的に額面が増えると、その年の社会保険料が1年間高いまま固定されます。残業代が落ち着いた秋以降は、手取りだけが目減りした状態になります。
昇給を狙うなら、4月から6月に集中する残業よりも、基本給そのものを上げる交渉のほうが手取りへの効果は安定します。
固定費
収入を増やさずに使える額を増やす方法です。家賃・通信費・保険料は一度見直せば効果が続きます。
- 家賃を1万円下げると、年12万円の手取り増と同じ効果になる
- 単身の民営借家の平均は49,831円で、手取りの2〜3割という目安の範囲内に収まる
- iDeCoや企業型確定拠出年金の掛金は全額が所得控除の対象になる
- 所得税の税率が5%の層では、控除による減税額は住民税10%分のほうが大きくなる
この4点に共通するのは、額面を動かさずに手取りベースの余裕をつくる発想です。月収27万円の帯では控除の絶対額が小さいため、節税より家賃の見直しのほうが効きます。
家賃を東京都の平均87,118円から単身の民営借家の平均49,831円まで下げられれば、額面を数万円上げたのと同じだけ手元の余裕が生まれます。
転職
もっとも短期間で額面が動くのは転職です。月収を5万円上げて32万円にすると、手取りは254,783円になり、39,399円の増加になります。
手取りの増え方が額面より鈍いことは、目標設定の段階で織り込んでおく必要があります。目標は手取りではなく額面で立てるほうが実務的です。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 220,000円 | 276,000円 | 3,312,000円 |
| 240,000円 | 301,000円 | 3,612,000円 |
| 260,000円 | 326,000円 | 3,912,000円 |
| 310,000円 | 392,000円 | 4,704,000円 |
手取りを30万円台に乗せるには額面39万円台が必要です。年収でいえば4,704,000円で、給与所得者の平均478万円に近い水準になります。
どのくらい上げられるかは年代と職種で変わります。30代なら30代におすすめの転職エージェント、未経験分野へ移るなら未経験におすすめの転職エージェントで、それぞれの動き方を整理しています。
「手取り24万円がほしい」ではなく「月給30万円以上」と伝えるほうが話が早く進みます。企業側が提示できるのは額面だからです。現職の源泉徴収票と求人票の基本給・固定残業代の内訳を並べて提示すると、交渉の土台がはっきりします。



額面を上げるほど控除も増えるので、手取りの伸びは思ったより緩やかです。月収27万円の帯では、手取りを1万円増やすのに額面1万2,000円が必要だと覚えておくと見積もりを誤りません。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表を載せます。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件です。
月収から手取りを調べる
この記事で扱った月収と、その手取りを並べた表です。月収27万円と32万円は実額、それ以外は目標の手取りから逆算した金額をもとにしています。
| 月収(額面) | 手取り月額 | この記事での位置づけ |
|---|---|---|
| 270,000円 | 215,384円 | 本記事の基準となる金額 |
| 276,000円 | 220,000円を超える | 額面年収3,312,000円 |
| 301,000円 | 240,000円を超える | 額面年収3,612,000円 |
| 320,000円 | 254,783円 | 月収27万円から5万円アップ |
| 326,000円 | 260,000円を超える | 額面年収3,912,000円 |
| 392,000円 | 310,000円を超える | 額面年収4,704,000円 |
月収27万円の手取り率は79.8%です。40歳以上で介護保険料がかかる場合、月収27万円の手取りは213,475円になります。
扶養家族が1人いる場合は逆に手取りが増えます。月収27万円なら219,751円になります。
目標の手取りから逆算する
目標の手取り額から、必要な額面を逆算した表です。その手取りを初めて超える月収を示しています。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 220,000円 | 276,000円 | 3,312,000円 |
| 240,000円 | 301,000円 | 3,612,000円 |
| 260,000円 | 326,000円 | 3,912,000円 |
| 310,000円 | 392,000円 | 4,704,000円 |
手取りを26万円に乗せるには月収326,000円、31万円なら392,000円が必要です。昇給だけで届かせるには時間がかかります。
手取りを1万円増やすのに必要な額面の上げ幅は約12,000円です。転職で月給の上積みを勝ち取っても、手取りの伸びはその額より小さくなります。
求人票の年収レンジは幅を持たせて書かれており、実際に提示されるのは下限に近い金額であることが多くなります。手取り目標から必要な額面を先に決めておき、下限がその金額を下回る求人は候補から外すと、条件交渉の段階で消耗しません。
月収27万円に関するよくある質問
月収27万円について検索されることの多い疑問を、この記事で使った統計にもとづいて整理します。
月収27万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は324万円です。手取り年収は2,584,616円になります。年間の控除額は655,384円で、額面の20.2%にあたります。
賞与がある会社であれば年収はこれより増えますが、賞与にも社会保険料と所得税がかかります。月給だけで年収を判断すると、賞与の有無によって読み違いが生じます。
月収27万円は平均より低いですか?
低い水準です。年収324万円は給与所得者全体で上位64.2%にあたり、平均給与478万円には154万円届きません。正社員の平均545万円との差は221万円です。
ただし年代で評価は変わります。男女計の20代後半の平均は279.4千円なので、20代であれば平均に近い水準です。女性の年齢計平均285.9千円と比べても、大きく離れてはいません。
月収27万円で一人暮らしはできますか?
できます。家計調査で手取りに最も近い単身勤労者世帯の消費支出は142,387円で、預貯金の純増は月61,623円、年739,476円です。
ただし家賃の水準しだいで結論は変わります。東京都の借家の平均家賃87,118円は目安の上限64,615円を超えており、この条件では貯蓄の余力はかなり縮みます。目安を大きく超える家賃になるためです。家賃の目安は手取りの2〜3割にあたる43,077円から64,615円です。
月収27万円で家族を養えますか?
単独の収入で二人以上の世帯を支えるのは厳しい水準です。二人以上の勤労者世帯で最も収入が低い階級でも消費支出は237,375円あり、手取り215,384円を上回ります。
この階級の可処分所得278,764円と比べても、手取り215,384円は下回っています。教育費は世帯主40代の世帯で月27,878円かかるため、共働きにするか住居費を大きく抑えるかの判断が必要になります。
給与明細の控除欄と、この記事の内訳表を並べて比べてみてください。健康保険料が13,790円と合わない場合は、勤務先が協会けんぽではなく組合健保や共済組合に加入している可能性があります。組合健保は料率が独自に決まるため、この記事の計算とは差が出ます。



数字だけを見ると平均以下という結論になりますが、20代であれば同年代の平均に近い水準です。今の金額そのものより、5年後にどこまで動かせるかで考えてください。
まとめ
月収27万円の手取りは215,384円です。額面から54,615円が引かれ、その75.2%にあたる41,082円が社会保険料で占められています。年収にすると324万円です。
40歳以上なら介護保険料の分で手取りは213,475円まで下がり、扶養家族が1人いれば219,751円まで上がります。2026年度の改定で手取りは年6,964円増えましたが、所得税の引き下げが給与明細に現れるのは12月の年末調整からです。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で上位64.2%、平均478万円には154万円届かない水準です。年齢では男女計・男性ともに25〜29歳の平均に相当し、女性の平均では30〜34歳で超える金額になります。
生活の余裕は世帯構成で決まります。単身なら年739,476円を貯められる一方、二人以上の世帯では家計調査の最も低い階級の消費支出237,375円にも届かず、単独の収入では赤字になる可能性が高い水準です。
収入を上げるなら、昇給を待つか、固定費を削るか、転職で額面を動かすかの3択になります。手取りを1万円増やすのに額面約12,000円が必要なため、目標は手取りではなく額面で設定してください。4月から6月の残業で社会保険料の等級が上がる点にも注意が必要です。









