月収31万円の手取りは246,033円です。額面31万円から63,966円が税金と社会保険料として引かれ、残りが振り込まれます。40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住で協会けんぽに加入している場合の金額です。
引かれる割合は額面の20.6%で、年収に直すと372万円になります。給与所得者の平均478万円とは106万円の開きがあり、統計のうえでは平均より下の水準です。
この月収帯にはもう一つ特徴があります。月収31万円は健康保険の第23級がちょうど始まる位置にあり、額面より1万円高い標準報酬月額320,000円を基準に保険料が決まります。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収31万円は等級表の境目に乗っている珍しい帯です。額面が数千円違うだけで保険料の基準が2万円変わるので、この記事では等級の仕組みを先に押さえておきます。
月収31万円の手取りは246,033円|年収は372万円


月収31万円から天引きされるのは月63,966円です。内訳は社会保険料46,958円、所得税3,958円、住民税13,050円で、手元に残るのが246,033円になります。
年額で見ると、額面3,720,000円に対して控除が767,596円、手取りが2,952,404円です。手取り率は79.4%で、額面のおよそ8割が残る計算になります。
40歳未満・扶養なしの場合
もっとも標準的な条件で計算した結果が次の表です。賞与を含めず、月給だけで1年を通した場合の金額になります。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 310,000円 | 3,720,000円 |
| 控除合計 | 63,966円 | 767,596円 |
| 手取り | 246,033円 | 2,952,404円 |
| 手取り率 | 79.4% | 79.4% |
手取り25万円に届くかどうかを気にして検索する人が多い帯ですが、月収31万円では手取り25万円には届きません。24万円台の後半で止まります。
通勤手当は非課税の範囲内なら所得税の計算から外れます。一方で社会保険料は通勤手当を含めた支給額で等級が決まるため、定期代が高い人ほどこの表より手取りが下がる方向に動きます。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは243,833円まで下がります。扶養家族が1人いる場合は所得税と住民税が軽くなり、250,400円まで増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 246,033円 | 2,952,404円 | 79.4% |
| 40歳以上・扶養なし | 243,833円 | 2,926,000円 | 78.7% |
| 40歳未満・扶養1人 | 250,400円 | 3,004,804円 | 80.8% |
同じ月収31万円でも、条件しだいで手取りは24.3万円から25.0万円まで動きます。手取り25万円に乗るのは扶養が1人いる場合だけという結果になりました。
介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から徴収が始まります(全国健康保険協会 介護保険料率について)。誕生月の給与明細で手取りが減っていたら、多くはこれが理由です。
賞与がある場合
賞与にも健康保険・厚生年金・雇用保険と所得税がかかります。住民税は前年の所得をもとに月割りで徴収される仕組みなので、賞与月に上乗せされることはありません。
| 賞与 | 額面年収 | 手取り年収 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| なし | 3,720,000円 | 2,952,404円 | 79.4% |
| 2か月分(62万円) | 4,340,000円 | 3,420,126円 | 78.8% |
| 4か月分(124万円) | 4,960,000円 | 3,887,848円 | 78.4% |
賞与が4か月分あれば額面年収は496万円に届きます。月収31万円という同じ条件でも、賞与の有無で年収は124万円変わる計算です。
賞与が増えるほど手取り率がわずかに下がるのは、賞与にかかる所得税が月給とは別の税率表で計算されるためです。年収が上がるほど適用される率も上がります。
月給31万円の中に固定残業代が3万円含まれていれば、残業がない月の実質的な基本給は28万円です。賞与や退職金は基本給を基準に決まる会社が多いため、同じ月給31万円でも生涯で受け取る総額は大きく変わります。
月収31万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収31万円から引かれる63,966円の中身を1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での金額です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 本人負担の料率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 15,760円 | 189,120円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 368円 | 4,416円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 29,280円 | 351,360円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 1,550円 | 18,600円 | 0.5% |
| 所得税 | 3,958円 | 47,500円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 13,050円 | 156,600円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 63,966円 | 767,596円 | 額面の20.6% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金の合計は46,958円です。控除全体の73.4%を占めており、所得税と住民税を足した税負担の2倍以上になっています。
健康保険と厚生年金は、額面そのものではなく標準報酬月額という等級表に当てはめて計算します。月収31万円は健康保険の第23級で、標準報酬月額は320,000円です。
第23級が適用されるのは報酬月額310,000円以上330,000円未満の範囲です。月収31万円はこの範囲の入口ちょうどに位置しています。
つまり額面31万円の人は、額面より1万円高い32万円を基準にして健康保険料と厚生年金保険料を払っています。ひとつ下の第22級なら標準報酬月額は300,000円なので、額面が1,000円違うだけで基準額が2万円動く場所です。
- 健康保険料率は都道府県ごとに異なり、2026年度の東京支部は9.85%。本人負担はその半分の4.925%
- 厚生年金の料率は全国一律18.3%で、本人負担は9.15%
- 雇用保険料だけは標準報酬月額を使わず、実際の支給額に0.5%をかけて計算する
- 子ども・子育て支援金は2026年4月に新設され、医療保険料に上乗せする形で徴収される
この4つのうち毎月の増減に連動するのは雇用保険料だけです。残業代が増えた月に社会保険料が動かないのは、等級の見直しが年に一度しかないためです。
所得税
年収372万円の場合、所得税は年47,500円です。給与所得控除と社会保険料控除、基礎控除104万円を差し引いた課税所得に、税率5%と復興特別所得税2.1%をかけて算出します(国税庁 所得税の税率)。
令和8年分から基礎控除は95万円から104万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。合わせて18万円の引き上げで、いわゆる年収の壁が160万円から178万円へ動いた改正です。
月収31万円の課税所得は5%の税率帯に収まるため、控除の引き上げがそのまま税額の減少につながりました。税率が10%に切り替わるのは課税所得195万円からで、この月収帯からはまだ距離があります。
住民税
住民税は年156,600円、月に直すと13,050円です。内訳は所得割151,600円と均等割5,000円で、均等割には森林環境税1,000円が含まれます(総務省 個人住民税)。
目を引くのは、住民税が所得税の3倍を超えている点です。所得税が年47,500円なのに対し、住民税は156,600円あります。
差が生まれる理由は控除額です。所得税の基礎控除は104万円に引き上げられた一方、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれているため、同じ年収でも課税される所得が大きくなります。
住民税は前年の所得に対して課されます。新卒1年目に天引きがなく、2年目の6月から急に手取りが減るのはこの後払いの仕組みによるものです。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2025年度の料率と控除で同じ月収31万円を計算すると、手取りは245,459円でした。2026年度は246,033円なので、改定によって月574円、年間では6,896円増えたことになります。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 15,856円 | 15,760円 | ▲96円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 368円 | +368円 |
| 雇用保険 | 1,705円 | 1,550円 | ▲155円 |
| 所得税 | 4,641円 | 3,958円 | ▲683円 |
| 住民税 | 13,058円 | 13,050円 | ▲8円 |
| 手取り | 245,459円 | 246,033円 | +574円 |
増えた要因は健康保険料率と雇用保険料率の引き下げ、そして基礎控除の引き上げです。減った要因は新設された子ども・子育て支援金だけで、2026年4月分の保険料から徴収が始まりました(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。
ただし2026年中の給与明細には、所得税の引き下げがまだ反映されません。改正の施行が令和8年12月で、12月の年末調整でまとめて精算される仕組みだからです。毎月の源泉徴収税額が変わるのは2027年1月以降になります。
月574円の増加は、コンビニで2回買い物をすれば消える額です。同じ期間に物価が上がっていれば実質的には目減りします。制度改定の上下を追うより、額面そのものを動かすほうが手取りへの影響ははるかに大きくなります。



料率の改定で増えるのは月数百円です。増えたか減ったかを正確に知りたい人は、12月の年末調整が済んでから前年の源泉徴収票と見比べてください。
月収31万円は世間的にどのレベルか


年収372万円は、給与所得者全体のなかで上位56.5%に位置します。真ん中よりやや下、というのが正確な表現です。
平均との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員(正職員)に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
年収372万円は全体平均に106万円届かず、正社員平均とは173万円の差があります。月収31万円という数字は求人票では見劣りしませんが、統計に当てはめると平均以下という結果です。
正社員以外の平均は206万円です。全体平均478万円はこの層を含んだ数字なので、正社員同士で比べると差はさらに広がります。
平均を下回るという事実は、この月収帯を考えるうえで避けて通れません。ただし平均値は高所得層に引き上げられやすい指標で、実際の分布の真ん中とは別物です。
上位何%か
給与所得者51,365,699人を年収順に並べると、372万円は上から56.5%の位置に来ます。自分より年収が高い人が半数を少し超えている状態です。
| 年収 | 上位 | 下位 |
|---|---|---|
| 300万円 | 68.1% | 31.9% |
| 336万円 | 62.3% | 37.7% |
| 372万円 | 56.5% | 43.5% |
| 420万円 | 48.9% | 51.1% |
| 480万円 | 39.7% | 60.3% |
| 600万円 | 24.9% | 75.1% |
上位50%の線があるのは年収420万円の少し手前です。月収でいえば35万円前後で、月収31万円からは月4万円ほどの距離があります。
この分布は正社員と非正規を合わせた全体の数字です。正社員に限った階級別の分布は公表されていないため、正社員同士での正確な順位は算出できません。
男女差
同じ年収372万円でも、男女のどちらで見るかで位置づけが反転します。男性なら上位71.9%、女性なら上位36.1%です。
| 区分 | 平均給与 | 年収372万円の位置 | 母集団 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 | 上位56.5% | 51,365,699人 |
| 男性 | 587万円 | 上位71.9% | 29,250,024人 |
| 女性 | 333万円 | 上位36.1% | 22,115,674人 |
女性の平均給与333万円を基準にすれば年収372万円は平均を上回りますが、男性の平均587万円とは大きく離れます。月収31万円の評価が人によって食い違うのは、この差が理由です。
相当する年齢階級
厚生労働省の調査では、所定内給与額の平均は年齢計で男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。
男女計で月収31万円にもっとも近いのは30〜34歳の312.3千円で、額面31万円を初めて超えるのもこの年代です。男性で見るともっと意外な結果になります。
| 年齢階級 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 242.8千円 | 245.7千円 | 239.6千円 |
| 25〜29歳 | 279.4千円 | 288.0千円 | 268.8千円 |
| 30〜34歳 | 312.3千円 | 330.4千円 | 283.2千円 |
| 35〜39歳 | 340.6千円 | 366.2千円 | 292.4千円 |
| 40〜44歳 | 364.3千円 | 398.2千円 | 303.6千円 |
| 45〜49歳 | 377.9千円 | 420.7千円 | 305.7千円 |
| 50〜54歳 | 388.8千円 | 437.5千円 | 305.4千円 |
| 65〜69歳 | 285.3千円 | 304.3千円 | 240.7千円 |
男性の平均でもっとも月収31万円に近いのは、実は65〜69歳の304.3千円です。定年後の再雇用で賃金が下がった年代の水準と、30代前半の水準がほぼ重なります。
この表は所定内給与額なので、残業代と賞与を含みません。残業代込みで月収31万円に届いている場合、基本給の水準はこの表より一段下にあると考えるのが実態に近くなります。
月収31万円は30代前半の平均にほぼ並ぶ一方、40代後半の平均には6万円以上届きません。今の給与が妥当かを確かめるときは、年齢計の340.6千円ではなく自分の年代の行だけを見てください。
月収31万円の生活レベル


ここからの生活費は、想定額ではなく総務省の家計調査の実額を使います(総務省統計局 家計調査 2025年平均)。手取り246,033円に近い階級が、実際にいくら使っているかを見ます。
単身世帯
単身の勤労者世帯で年間収入300万〜400万円の階級を見ると、可処分所得は251,367円、消費支出は168,023円です。手取り246,033円との差は5,334円で、比較の相手としてはほぼ重なります。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 43,717円 |
| 住居(うち家賃地代27,965円) | 31,125円 |
| 光熱・水道 | 11,559円 |
| 交通・通信 | 18,862円 |
| 教養娯楽 | 18,933円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 43,827円 |
| 消費支出 合計 | 168,023円 |
預貯金の純増は月71,550円、年間にすると858,600円です。平均消費性向は66.8%で、手取りの3分の1を使わずに残せていることになります。
単身で月収31万円なら、支出を平均並みに保つかぎり貯蓄は無理なく続く水準です。ただし後述するとおり、家賃の平均値には持ち家世帯が混ざっているため、賃貸暮らしでは余裕が縮みます。
二人以上の世帯
世帯人員が増えると結論が変わります。二人以上の勤労者世帯でもっとも収入が低い階級は年間収入300万〜350万円で、その可処分所得は278,764円です。
| 区分 | 単身世帯 | 二人以上の世帯 |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 251,367円 | 278,764円 |
| 消費支出 | 168,023円 | 237,375円 |
| 黒字 | 83,344円 | 41,389円 |
| 平均消費性向 | 66.8% | 85.2% |
| 世帯人員 | 1人 | 2.70人 |
| 世帯主の平均年齢 | - | 55.7歳 |
直視すべきなのは、手取り246,033円が、家計調査で公表されている最も低い階級の可処分所得278,764円すら下回るという点です。二人以上の世帯をこの収入だけで支える場合、統計上の比較対象がそもそも見当たりません。
消費支出237,375円をわずかに上回る程度しか残らないため、平均的な支出をすれば黒字はごく薄くなります。家電の買い替えや医療費のような突発的な出費があれば、簡単に赤字へ傾きます。
さらにこの階級の世帯主の平均年齢は55.7歳で、子どもが独立した後の世帯が多く含まれます。教育費のかかる時期はここに上乗せがあり、世帯主が40代の世帯では月27,878円、50代では34,484円が加わります。
家賃の平均が低く見える理由
費目表の家賃地代が27,965円と低いことに違和感を持つかもしれません。これは持ち家の人、社宅住まいの人、実家暮らしの人をすべて含めた平均だからです。
民営の借家に住む世帯だけを取り出すと、家賃は単身で49,831円、二人以上の勤労者世帯で69,450円になります。大都市圏の二人以上世帯では81,508円です。
住宅・土地統計調査でも、借家(専用住宅)の1か月あたり家賃は全国59,656円、東京都87,118円と報告されています(総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)。
東京都の平均家賃87,118円を払うと、手取り246,033円のうち3分の1を超える額が家賃に消えます。家計調査の平均値をそのまま自分に当てはめると、住居費を2倍以上見誤ることになります。
平均値には持ち家世帯が混ざるため、住居費は実態より軽く出ます。賃貸で暮らしているなら、家賃地代の平均27,965円ではなく民営借家に限った49,831円と比べてください。単身でも月2万円以上の開きがあります。



同じ月収31万円でも、一人暮らしか家族を支えているかで意味が反転します。転職を考えるときは、額面ではなく自分の世帯構成でいくら残るかを出してから比べてください。
月収31万円でできること・できないこと


手取り246,033円で、家賃・貯金・住宅ローンがそれぞれどこまで可能かを整理します。判断の基準には公的な目安と統計の実額を使います。
家賃
「家賃は手取りの3分の1まで」という言い方が広く使われていますが、この3分の1という基準に公的な根拠はありません。金融広報中央委員会の解説で目安として示されているのは手取りの2〜3割です(知るぽると ひとり暮らしの生活設計)。
手取り246,033円なら49,207円から73,810円が目安の範囲になります。統計上の実額である単身49,831円は範囲の下限にちょうど収まり、二人以上の69,450円は上寄りの位置です。
東京都で借りる場合は事情が変わります。都内の平均家賃87,118円は目安の上限73,810円を1万円以上超えており、平均的な物件を選んだ時点で目安から外れます。
- 目安の下限49,207円に抑えると、単身の平均的な貯蓄ペースを維持しやすい
- 上限73,810円まで使うと、家賃だけで手取りの3割に届く
- 東京都の平均家賃87,118円は目安の外側にあり、他の費目を削る前提になる
- 更新料・管理費・駐車場代は家賃の目安に含めて考える
この4つに共通するのは、家賃を決めた時点で毎月の自由度がほぼ固定されるという点です。月収31万円の帯では、家賃の判断が貯蓄額をそのまま左右します。
貯金
単身の勤労者世帯で同水準の階級の預貯金純増は月71,550円、年間858,600円です。このペースなら3年で250万円を超えます。
二人以上の世帯では黒字が月41,389円ですが、これは可処分所得278,764円の階級での数字です。手取り246,033円で二人以上の世帯を支えるなら、年50万円の貯蓄も簡単ではありません。
参考までに、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値は1,264万円です(総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編)。平均を下回る世帯が66.1%を占めるため、平均値は実感とずれやすい指標です。
住宅ローン
返済比率25%、返済額を月77,500円に設定し、35年・元利均等返済で試算すると、借入可能額は金利によって次のように変わります。
| 金利 | 月返済額 | 借入可能額(35年) |
|---|---|---|
| 1.5% | 77,500円 | 約2,531万円 |
| 2.0% | 77,500円 | 約2,340万円 |
| 2.5% | 77,500円 | 約2,168万円 |
金利が1%違うだけで借入可能額は363万円変わります。金利が上がる局面では、同じ返済額で買える物件のグレードが目に見えて下がります。
注意したいのは審査の基準と実生活のずれです。額面年収372万円の25%は年930,000円ですが、手取り年収2,952,404円に対しては31.5%にあたります。借りられる額と無理なく返せる額は別物です。
金融機関は額面年収で返済比率を判断しますが、実際に返すのは手取りからです。月77,500円の返済は手取り246,033円の3割を超えます。管理費・修繕積立金・固定資産税を足すと負担はさらに増える前提で見積もってください。
月収31万円に到達する年代と仕事


月収31万円がどのくらいのキャリア段階で届く水準なのかを、公的統計から確認します。ここで扱う数字はすべて残業代と賞与を含まない所定内給与額です。
男性・男女計
男女計では30〜34歳の312.3千円がもっとも近く、この年代で額面31万円を初めて超えます。男性は同じ30〜34歳で330.4千円に達しており、より早い段階で通過する水準です。
20代のうちに月収31万円へ届いているなら、同年代の平均をはっきり上回っています。25〜29歳の男女計平均は279.4千円で、3万円以上の差があります。
20代で到達を早めたい場合は、最初の数年でどの業界に身を置くかが効きます。第二新卒におすすめの転職エージェントでは、社会人経験が浅い段階で使えるエージェントの違いを整理しています。
女性
女性の所定内給与額は45〜49歳と55〜59歳の305.7千円が上限です。女性の平均賃金では、どの年代でも月収31万円に到達しません。
30〜34歳で283.2千円、40〜44歳で303.6千円と伸びたあと、40代後半以降はほぼ横ばいになります。男性が45〜49歳で420.7千円まで伸びるのとは対照的な形です。
背景にあるのは管理職比率と勤続年数の差です。平均勤続年数は男性14.2年に対して女性10.4年になっています。女性におすすめの転職エージェントでは、この構造を前提にした求人の選び方を解説しています。
企業規模
同じ年齢でも、勤務先の規模によって賃金水準は変わります。賃金構造基本統計調査の企業規模別の集計では、年齢計で大企業385.1千円、中企業326.2千円、小企業305.6千円です。
| 年齢階級 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 301.7千円 | 270.6千円 | 258.2千円 |
| 30〜34歳 | 344.6千円 | 299.4千円 | 286.5千円 |
| 35〜39歳 | 386.3千円 | 322.3千円 | 305.3千円 |
| 40〜44歳 | 422.0千円 | 346.1千円 | 318.9千円 |
| 45〜49歳 | 439.3千円 | 362.1千円 | 330.0千円 |
| 年齢計 | 385.1千円 | 326.2千円 | 305.6千円 |
大企業なら30代前半で月収31万円を超える一方、小企業は年齢計の平均305.6千円が月収31万円に届いていません。同じ職務でも、在籍する企業の規模で到達年齢が10年以上ずれることになります。
小企業で40代を迎えても月収31万円に届かない場合、賃金テーブルの上限が先に来ている可能性があります。昇給の余地を確かめるには、社内の等級表と同じ職種の大企業求人の提示額を並べてみてください。
月収31万円から手取りを増やす方法


手取りを1万円増やすには、額面を約12,000円上げる必要があります。控除は率で効くため、額面の伸びほど手取りは伸びません。この前提で3つの道を比べます。
昇進・昇給
在籍したまま収入を上げる方法です。賃金構造基本統計調査では2025年の所定内給与額が前年比3.1%増となっており、近年の賃上げは続いています。
ただし年3.1%の昇給では、月収31万円から34万円に届くまでに3年前後かかります。役職に就けば一段飛びで上がりますが、ポストの数には限りがあります。
昇給の時期にも注意が必要です。社会保険料の等級は原則として4月から6月の報酬で決まるため、昇給が7月以降なら、その分の保険料が上がるのは翌年の9月分からになります。
固定費
収入を動かさずに使える額を増やす方法です。家賃・通信費・保険料は一度見直せば効果が翌月から続きます。
- 家賃を1万円下げれば、手取りを1万円増やすために額面を12,000円上げるのと同じ効果になる
- 通信費の見直しは月3,000円から5,000円の削減が一般的
- iDeCoや企業型確定拠出年金の掛金は全額が所得控除の対象になり、所得税と住民税の両方が軽くなる
- 生命保険料控除や医療費控除は、年末調整と確定申告で取りこぼしやすい
この4つに共通するのは、手取りベースの余力を交渉なしで作れる点です。額面を上げるより確実で、成果が出るまでの時間も短くなります。
転職
もっとも短期間で額面が動くのは転職です。月収を5万円上げて36万円にすると、手取りは284,957円になり、38,924円増えます。
| 条件 | 月収(額面) | 手取り月額 | 差 |
|---|---|---|---|
| 現在 | 310,000円 | 246,033円 | - |
| 月収5万円アップ | 360,000円 | 284,957円 | +38,924円 |
額面で5万円増やしても、手元に残るのは38,924円です。増えた分の2割強が税金と社会保険料に回ります。転職で年収アップを判断するときは、この目減りを先に織り込んでください。
どこまで上げられるかは年代と職種で変わります。30代なら30代におすすめの転職エージェント、40代なら40代におすすめの転職エージェントで、年収交渉に強いエージェントを比較しています。
職種によって相場の上限も違います。求人数が多く単価が上がりにくい事務職向けの転職エージェントのような職種と、資格や経験が価格に直結する職種では、同じ月収31万円からでも届く水準が変わります。
「手取り27万円がほしい」と言うより「月収341,000円以上」と伝えるほうが話が早く進みます。企業が提示するのは額面のため、手取りで希望を出すと解釈のずれが生じます。現職の源泉徴収票を手元に置いて交渉してください。



額面が上がれば控除も増えるので、手取りの伸びは想像より緩やかです。月5万円の年収アップでも手元に残るのは3.9万円だと見込んでおくと、判断を誤りません。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表です。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件で計算しています。
月収から手取りを調べる
| 月収(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り月額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11万円 | 16,158円 | 0円 | 416円 | 93,425円 | 84.9% |
| 13万円 | 19,664円 | 0円 | 1,483円 | 108,852円 | 83.7% |
| 15万円 | 22,034円 | 0円 | 3,250円 | 124,716円 | 83.1% |
| 17万円 | 24,972円 | 0円 | 4,958円 | 140,069円 | 82.4% |
| 19万円 | 27,910円 | 591円 | 6,458円 | 155,040円 | 81.6% |
| 21万円 | 32,268円 | 1,083円 | 7,416円 | 169,232円 | 80.6% |
| 23万円 | 35,206円 | 1,650円 | 8,525円 | 184,619円 | 80.3% |
| 25万円 | 38,144円 | 2,216円 | 9,633円 | 200,006円 | 80.0% |
| 27万円 | 41,082円 | 2,783円 | 10,750円 | 215,384円 | 79.8% |
| 29万円 | 44,020円 | 3,341円 | 11,841円 | 230,796円 | 79.6% |
| 31万円 | 46,958円 | 3,958円 | 13,050円 | 246,033円 | 79.4% |
| 33万円 | 49,896円 | 4,625円 | 14,358円 | 261,120円 | 79.1% |
| 35万円 | 52,834円 | 5,291円 | 15,666円 | 276,207円 | 78.9% |
| 37万円 | 55,772円 | 5,958円 | 16,966円 | 291,303円 | 78.7% |
| 39万円 | 55,872円 | 6,775円 | 18,558円 | 308,794円 | 79.2% |
| 41万円 | 60,228円 | 7,366円 | 19,725円 | 322,680円 | 78.7% |
| 43万円 | 64,586円 | 7,958円 | 20,883円 | 336,572円 | 78.3% |
| 45万円 | 64,686円 | 9,250円 | 22,475円 | 353,589円 | 78.6% |
| 47万円 | 69,042円 | 10,441円 | 23,641円 | 366,874円 | 78.1% |
| 49万円 | 73,400円 | 11,633円 | 24,808円 | 380,158円 | 77.6% |
| 51万円 | 73,500円 | 13,258円 | 26,400円 | 396,841円 | 77.8% |
| 53万円 | 77,856円 | 14,441円 | 27,558円 | 410,144円 | 77.4% |
| 55万円 | 82,214円 | 15,633円 | 28,725円 | 423,427円 | 77.0% |
| 57万円 | 82,314円 | 21,441円 | 30,516円 | 435,727円 | 76.4% |
| 59万円 | 86,670円 | 24,216円 | 31,875円 | 447,238円 | 75.8% |
月収が上がるほど手取り率は下がります。月収19万円では81.6%が残るのに対し、31万円では79.4%、59万円では75.8%まで落ちます。
この表の社会保険料は健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金の合計です。40歳以上なら介護保険料が加わるため、手取りはこの表より下がります。
目標の手取りから逆算する
目標の手取りを先に決めて、必要な額面を逆算した表です。その手取りを初めて超える月収を1,000円単位で示しています。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 250,000円 | 315,000円 | 3,780,000円 |
| 270,000円 | 341,000円 | 4,092,000円 |
| 290,000円 | 366,000円 | 4,392,000円 |
| 340,000円 | 434,000円 | 5,208,000円 |
手取り25万円なら月収315,000円、手取り29万円なら366,000円が必要です。月収31万円からの距離は、前者で5,000円、後者で56,000円になります。
手取り25万円までは額面であと5,000円という近さです。残業代や手当が少し増えるだけで越えられる位置にありますが、その伸びが社会保険料の等級に響く点には注意が必要です。
月収31万円は健康保険の第23級の入口で、適用範囲の上限は報酬月額330,000円です。4月から6月の平均が2万円上がると第24級に移り、標準報酬月額が340,000円になります。等級が上がるとその年の9月分の保険料から1年間、毎月の天引きが増えます。
月収31万円に関するよくある質問
月収31万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は3,720,000円です。手取りは年2,952,404円になります。賞与が2か月分あれば額面年収は434万円、4か月分なら496万円まで伸び、手取り年収はそれぞれ3,420,126円、3,887,848円です。月収だけで年収を判断すると、賞与の有無で100万円以上の読み違いが生じます。
月収31万円の手取りは25万円を超えますか?
40歳未満・扶養なしでは超えません。手取りは246,033円で、25万円には届かない位置にとどまります。40歳以上になると介護保険料が加わって243,833円まで下がります。扶養家族が1人いる場合だけは250,400円となり、25万円を上回ります。目標を手取り25万円に置くなら、額面で315,000円が必要です。
月収31万円は平均より上ですか?
平均より下です。年収372万円は給与所得者全体の平均478万円に106万円届かず、上位56.5%に位置します。正社員平均545万円との差は173万円です。ただし女性に限れば平均333万円を上回り、上位36.1%に入ります。年代で見ると30代前半の平均とほぼ同じ水準です。
月収31万円で一人暮らしはできますか?
できます。同水準の単身勤労者世帯の消費支出は168,023円で、手取り246,033円との差は7万円以上あります。預貯金の純増は月71,550円、年858,600円です。ただし東京都の平均家賃87,118円の物件に住むと家賃だけで手取りの3分の1を超え、貯蓄のペースは大きく落ちます。
この記事の内訳表と自分の給与明細の控除欄が合わない場合、勤務先が協会けんぽではなく組合健保や共済に加入している可能性があります。組合健保は料率を独自に決めるため、健康保険料は数千円単位でずれます。



この帯で多い質問は「手取り25万円に届くか」です。月収31万円では届きませんが、額面であと5,000円という距離なので、手当の見直しで越えられる人もいます。
まとめ
月収31万円の手取りは246,033円です。額面から63,966円が引かれ、その73.4%にあたる46,958円を社会保険料が占めています。年収にすると372万円です。
40歳以上なら介護保険料の分で243,833円まで下がり、扶養家族が1人いれば250,400円まで上がります。2026年度の改定で手取りは年6,896円増えましたが、所得税の引き下げが給与明細に現れるのは12月の年末調整からです。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で上位56.5%、平均478万円には106万円届かない水準です。年齢では30代前半の平均に相当し、女性の平均賃金ではどの年代でも到達しません。
生活の余裕は世帯構成で決まります。単身なら年858,600円を貯められる一方、二人以上の世帯では家計調査の最も低い階級の可処分所得すら下回り、黒字はごく薄くなります。
収入を上げるなら、昇給を待つか、固定費を削るか、転職で額面を動かすかの3択です。手取りを1万円増やすには額面12,000円が必要になるため、目標は手取りではなく額面で立ててください。









