月収36万円の手取りは284,957円です。額面36万円から75,042円が税金と社会保険料として引かれた残りで、40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件で計算した金額になります。
引かれる割合は額面の20.8%、手元に残る割合は79.2%です。年収に直すと432万円で、給与所得者の平均478万円には46万円届きません。求人票の「月給36万円」は数字の見た目ほど余裕のある水準ではない、というのが統計から出る答えです。
この記事の数字は2026年度(令和8年度)の保険料率と、令和8年分から引き上げられた基礎控除で計算し直しています。改定前の控除で計算している記事とは、所得税が月683円ずれます。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
※タブ切り替えできます
| エージェント | 求人数 | 詳細 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
|
リクルートエージェント |
公開求人数76万件超 | 業界最大級の求人数。未経験からハイクラスまで幅広く対応する、まず登録したい定番エージェント。 | 無料登録 |
|
マスメディアン |
業界特化求人5,000件超 | 広告・Web・マスコミ業界に特化。業界出身アドバイザーが対応し、年収800万円以上の求人も約4割。 | 無料登録 |
|
ランスタッド |
保有求人数推定2万件超 | 外資系・グローバル企業に強い世界最大級の人材会社。求人の8割が非公開で、年収800万円以上が中心。 | 無料登録 |
| エージェント | 評価 | クチコミ | 公式サイト |
|---|---|---|---|
|
リクルートエージェント |
特におすすめ |
・とにかく求人の量がすごく、希望条件に近い案件を次々紹介してもらえた。 ・書類添削や面接対策が丁寧で、初めての転職でも安心して進められた。 |
無料登録 |
|
キャリアチケット転職エージェント |
特におすすめ |
・20代向けという安心感があり、将来を見据えたキャリア提案をしてもらえた。 ・面談が丁寧で、IT・コンサルなど成長業界への転職を一緒に考えてくれた。 |
無料登録 |
|
ランスタッド |
おすすめ |
・外資系企業の求人に強く、年収交渉までしっかりサポートしてもらえた。 ・対応のスピードが速く、テンポよくスムーズに選考を進められた。 |
無料登録 |
関連記事:転職エージェントはやめとけ?「見捨てられる」その評判、デメリットと裏側をプロが徹底解剖!
関連記事:【暴露】転職サイトおすすめ完全ガイド|<評判・口コミ>2026年最新版で徹底比較
関連記事:【暴露】転職エージェントおすすめ完全ガイド<評判・口コミ>2026年最新版で徹底比較
\ あなたに合ったエージェントがわかる /
転職エージェントは...
※クリックすると読みたい箇所にスキップできます
株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収36万円は、標準報酬月額がちょうど36万円の等級に乗る境目の帯です。4月から6月の残業が多いと1つ上の等級に押し上げられ、社会保険料が1年間高いままになります。手取りを気にするなら、この時期の働き方まで含めて見てください。
月収36万円の手取りは284,957円|年収は432万円


月収36万円から差し引かれるのは月75,042円です。内訳は社会保険料52,884円、所得税5,700円、住民税16,458円で、手元に残るのが284,957円になります。
年間では額面4,320,000円に対して手取りが3,419,492円、控除の合計は900,508円です。1年で90万円が天引きされている計算になります。
手取り率は79.2%です。「額面の8割が手取り」という目安は、この帯ではまだぎりぎり通用する水準だといえます。
40歳未満・扶養なしの場合
最も標準的な条件である40歳未満・扶養家族なし・賞与なしで計算した結果が次の表です。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 360,000円 | 4,320,000円 |
| 控除合計 | 75,042円 | 900,508円 |
| 手取り | 284,957円 | 3,419,492円 |
| 手取り率 | 79.2% | 79.2% |
この条件での標準報酬月額は360,000円で、健康保険の等級では第25級にあたります。厚生年金の標準報酬も同じ360,000円です。
標準報酬月額は実際の月給そのものではなく、等級ごとに区切られた金額です。月収36万円はこの等級の基準額とぴったり一致するため、等級の下限にも上限にも余裕がない位置にあります。
つまり額面が少し増えるだけで、社会保険料が一段上がる可能性があるということです。この点は後の手取りを増やす方法でも関わってきます。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは下がります。逆に扶養家族がいると所得税と住民税が軽くなるため、手取りは増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 284,957円 | 3,419,492円 | 79.2% |
| 40歳以上・扶養なし | 282,483円 | 3,389,800円 | 78.5% |
| 40歳未満・扶養1人 | 289,324円 | 3,471,892円 | 80.4% |
40歳以上になると手取り月額は282,483円、手取り率は78.5%まで下がります。年額では3,389,800円です。
扶養家族が1人いる場合は手取り月額が289,324円、手取り率は80.4%まで上がります。年額では3,471,892円になります。
介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から天引きが始まります(全国健康保険協会 介護保険料率について)。誕生月に手取りが減ったように見えるのはこのためです。
賞与がある場合
賞与にも社会保険料と所得税がかかります。月給36万円のまま賞与が加わると、年間の額面と手取りは次のように変わります。
| 賞与 | 額面年収 | 手取り年収 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| なし | 4,320,000円 | 3,419,492円 | 79.2% |
| 2か月分(72万円) | 5,040,000円 | 3,962,724円 | 78.6% |
| 4か月分(144万円) | 5,760,000円 | 4,489,056円 | 77.9% |
賞与が4か月分あれば額面年収は576万円に届きます。月収だけで判断すると、年収ベースの実力を144万円分読み違えることになります。
一方で手取り率は賞与が増えるほど下がります。賞与なしの79.2%に対し、4か月分では77.9%です。賞与は月給より手元に残る割合が低いという点は覚えておいてください。
月給36万円のうち6万円が45時間分の固定残業代であれば、定時で帰った月の実質的な基本給は30万円です。賞与は基本給をもとに計算される会社が多いため、固定残業代の比率が高いほど年収は伸びにくくなります。手取りを比べる前に、基本給と手当の内訳を求人票か労働条件通知書で確認してください。
月収36万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収36万円から引かれる75,042円の中身を、1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での金額です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 本人負担の料率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 17,730円 | 212,760円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 414円 | 4,968円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 32,940円 | 395,280円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 1,800円 | 21,600円 | 0.5% |
| 所得税 | 5,700円 | 68,400円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 16,458円 | 197,500円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 75,042円 | 900,508円 | 額面の20.8% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
社会保険料の小計は月52,884円です。控除全体75,042円のうち70.5%を占めており、税金より社会保険料のほうがはるかに重いことが分かります。
- 健康保険 17,730円(料率4.925%)
- 厚生年金 32,940円(料率9.15%)
- 雇用保険 1,800円(料率0.5%)
- 子ども・子育て支援金 414円(料率0.115%)
最も大きいのは厚生年金の32,940円です。控除全体の4割以上を厚生年金が占めている計算になります。
厚生年金の料率9.15%は上限で固定されているため、これ以上引き上げられることはありません。ただし標準報酬月額の等級が上がれば、料率が同じでも負担額は増えます。
子ども・子育て支援金は2026年度から新設された項目です(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。月414円と金額は小さいものの、給与明細に見慣れない項目が増えたと感じる方が多い部分です。
雇用保険料は1,800円です。この帯では金額こそ小さいものの、失業給付の基礎になる保険料として毎月天引きされています。
所得税
所得税は月5,700円、年68,400円です。控除全体の中では最も小さい項目にあたります。
所得税が安く見えるのは、社会保険料の全額と給与所得控除、基礎控除が課税所得から差し引かれているためです。支払った社会保険料は全額が所得控除になるため、課税対象になる金額は額面よりかなり小さくなります。
令和8年分から基礎控除が引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。この改定で、月収36万円の所得税は683円下がっています。
税率そのものは変わっていません(国税庁 所得税の税率)。課税所得が増えれば税率も上がる累進構造のため、額面が伸びるほど所得税の伸び方は急になります。
住民税
住民税は月16,458円、年197,500円です。所得税の68,400円と比べると、税金としては住民税のほうがはるかに重くなっています。
内訳は所得割が年192,500円、均等割が年5,000円です(総務省 個人住民税)。所得割の税率は所得に関係なく一律10%です。
住民税で注意したいのは支払いのタイミングです。前年の所得をもとに計算され、翌年6月から翌々年5月にかけて天引きされます。
つまり今月の給与から引かれている住民税は、去年の収入に対する税金です。新卒1年目に住民税が引かれないのも、転職で収入が下がった翌年に手取りが想定より少なくなるのも、この仕組みが理由になります。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2026年度は保険料率と控除の両方が動きました。2025年度の条件で計算した場合との差を比べます。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 17,838円 | 17,730円 | -108円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 414円 | +414円 |
| 雇用保険 | 1,980円 | 1,800円 | -180円 |
| 所得税 | 6,383円 | 5,700円 | -683円 |
| 住民税 | 16,466円 | 16,458円 | -8円 |
| 手取り | 284,392円 | 284,957円 | +565円 |
差し引きで手取りは月565円、年6,788円増えました。増加要因は健康保険料率と雇用保険料率の引き下げ、そして基礎控除の引き上げです。
減少要因は新設された子ども・子育て支援金の月414円だけになります。
ただし所得税の軽減が毎月の給与に反映されるとは限りません。源泉徴収の計算方法によっては年末調整でまとめて戻る形になるため、月々の明細では増えていないように見えることがあります。
内訳表と自分の給与明細を並べて見ると、どこでずれているかがすぐ分かります。厚生年金が合わなければ標準報酬月額の等級、健康保険が合わなければ加入している健保組合の種類、住民税だけが大きく違うなら前年の所得が現在と違っている可能性が高いといえます。協会けんぽ以外の健保組合は料率が独自に設定されているため、東京支部の4.925%とは一致しません。



社会保険料が控除の7割を占めるという事実は、節税を考えるうえで重要です。所得税をいくら削っても効果は限定的で、手取りを大きく動かすのは額面そのものだと理解しておいてください。
月収36万円は世間的にどのレベルか


年収432万円がどのあたりに位置するのかを、公的統計で確認します。結論から書くと、全体では平均をやや下回り、男女別では評価が正反対になります。
平均との比較
国税庁の民間給与実態統計調査による平均給与と、年収432万円を並べたのが次の表です。
| 区分 | 平均給与 | 年収432万円との関係 |
|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 | 46万円下回る |
| 正社員(正職員) | 545万円 | 113万円下回る |
| 非正規 | 206万円 | 上回る |
| 男性 | 587万円 | 下回る |
| 女性 | 333万円 | 上回る |
全体平均478万円との差は46万円です。平均には届いていないというのが正直なところになります。
正社員の平均545万円と比べると113万円の差があります。正社員として働いている場合、社内での位置づけは中位からやや下寄りと考えるのが妥当です。
一方で非正規の平均206万円は大きく上回っています。数字の出典は国税庁 民間給与実態統計調査です。
上位何%か
給与所得者全体のなかでの位置は、上位47.1%です。下位から数えると52.9%にあたります。
母集団は51,365,699人です。ほぼ真ん中よりわずかに上という位置づけになります。
平均478万円を下回っているのに上位半分に入るのは、一部の高所得者が平均を押し上げているためです。平均値と中央値がずれる典型的な形だといえます。
この2つの見方は矛盾しません。平均に届いていないのは事実で、それでも半分より上にいるのも事実です。どちらか一方だけを見て安心したり落ち込んだりする必要はありません。
男女差
同じ年収432万円でも、男女で見え方が大きく変わります。
| 区分 | 上位 | 下位 | 母集団 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 47.1% | 52.9% | 51,365,699人 |
| 男性 | 62.5% | 37.5% | 29,250,024人 |
| 女性 | 26.7% | 73.3% | 22,115,674人 |
男性のなかでは上位62.5%で、男性の平均587万円には届いていません。男性としては平均以下の水準です。
女性のなかでは上位26.7%です。女性の平均333万円を上回っており、女性であれば上位4分の1に入る水準になります。
同じ金額でも、性別によって社内での位置づけも転職市場での評価も変わります。自分の数字を比べる相手を間違えると判断を誤るため、どの母集団で見ているのかを意識してください。
相当する年齢階級
厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、月収36万円に近い年齢階級を確認します。ここで使う所定内給与額には残業代と賞与が含まれていません。
| 区分 | 最も近い年齢階級 | その額 | 年齢計の平均 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 40〜44歳 | 364.3千円 | 340.6千円 |
| 男性 | 60〜64歳 | 358.5千円 | 373.4千円 |
| 女性 | 45〜49歳 | 305.7千円 | 285.9千円 |
男女計では40〜44歳の364.3千円が最も近く、平均賃金がこの額面を初めて超えるのも40〜44歳です。
男性では60〜64歳の358.5千円が最も近い数字になります。ただし男性の平均賃金はもっと早い段階でこの額を超えており、35〜39歳で366.2千円に達します。上り坂で通過する36万円と、下り坂で通過する36万円は意味が違います。
女性の平均賃金では、どの年代でも月収36万円に到達しません。上限は305.7千円です。出典は厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査です。
賃金構造基本統計調査の所定内給与額には、残業代も賞与も含まれていません。求人票の月給36万円が固定残業代込みであれば、所定内給与額としてはもっと低い水準になります。統計と自分の数字を比べるときは、残業代を除いた基本給と諸手当の合計で比べてください。前提をそろえないまま比べると、実態より上に見えてしまいます。
月収36万円の生活レベル


手取り284,957円でどのような暮らしになるのかを、総務省の家計調査で確認します。単身か二人以上かで結論が大きく変わる帯です。
以下の金額はすべて実際の家計の平均値です。理想の家計ではなく、同じくらいの収入の世帯が実際に使っている金額だという点を踏まえて読んでください。
単身世帯
単身の勤労者世帯で、手取り284,957円に最も近いのは年間収入300万円から400万円の階級です。
この階級の可処分所得は251,367円で、この記事の手取り284,957円より33,590円低い水準になります。以下の費目は実態よりやや控えめな金額として読んでください。
| 費目 | 月額 |
|---|---|
| 食料 | 43,717円 |
| 住居(うち家賃地代27,965円) | 31,125円 |
| 光熱・水道 | 11,559円 |
| 交通・通信 | 18,862円 |
| 教養娯楽 | 18,933円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 43,827円 |
| 消費支出の合計 | 168,023円 |
| 預貯金純増 | 71,550円 |
消費支出168,023円に対して預貯金純増は月71,550円、年858,600円です。平均消費性向は66.8%で、収入の3分の1を貯蓄に回せている計算になります。
実際の手取りは階級の可処分所得より33,590円高いため、余力はこの数字よりさらにあると考えてよい水準です。単身であれば、この帯は貯蓄をはっきり積み上げられる位置にあります。
出典は総務省 家計調査 2025年平均です。
二人以上の世帯
二人以上の勤労者世帯では、手取り284,957円に最も近いのが年間収入300万円から350万円の階級です。
| 項目 | 二人以上の勤労者世帯 | 単身の勤労者世帯 |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 278,764円 | 251,367円 |
| 消費支出 | 237,375円 | 168,023円 |
| 手元に残る額 | 41,389円 | 71,550円 |
| 平均消費性向 | 85.2% | 66.8% |
世帯人員は平均2.7人、世帯主の平均年齢は55.7歳です。消費支出は237,375円で、単身の168,023円を大きく上回ります。
手元に残るのは月41,389円です。赤字ではないものの、単身のときの半分近くまで余力が落ちます。
さらに教育費が加わると状況は変わります。世帯主が40代の世帯では月27,878円、50代では月34,484円が教育費に充てられています。
この金額をそのまま41,389円から差し引くと、手元にはほとんど残りません。子どもの教育費がかかる時期に月収36万円の1馬力で回すのは、数字のうえではかなり厳しいといえます。
家賃の平均が低く見える理由
家計調査の住居費が31,125円、家賃地代が27,965円と低く見えるのには理由があります。
この平均には持ち家世帯・社宅住まい・実家暮らしが含まれているためです。家賃を払っていない世帯が平均を押し下げています。
実際に家賃を払っている世帯だけで見ると、金額は一気に上がります。
| 区分 | 家賃の平均 |
|---|---|
| 民営借家 単身 | 49,831円 |
| 民営借家 二人以上の勤労者世帯 | 69,450円 |
| 民営借家 二人以上(大都市) | 81,508円 |
| 借家(専用住宅)全国 | 59,656円 |
| 借家(専用住宅)東京都 | 87,118円 |
東京都の借家の平均家賃は87,118円で、全国平均59,656円を大きく上回ります(総務省 令和5年住宅・土地統計調査)。
手取り284,957円から87,118円の家賃を払うと、残りは家計調査の単身世帯の消費支出とほぼ同じ水準です。東京で借りるか地方で借りるかが、この帯の生活実感を最も大きく左右します。
家計調査の住居費31,125円を自分の予算の基準にすると、実際に部屋を探したときに必ず足りなくなります。持ち家や社宅を含んだ平均だからです。賃貸で暮らす前提なら、民営借家の平均49,831円か、住んでいる地域の借家の平均を基準にしてください。東京都なら87,118円が出発点になります。



単身と二人以上で、この帯は評価が真っ二つに分かれます。単身なら貯蓄を積める水準ですが、家族を養う想定だと教育費の時期に余力がほぼ消えます。同じ284,957円でも、世帯構成を抜きにした議論には意味がありません。
月収36万円でできること・できないこと


手取り284,957円で現実的に手が届く範囲を、家賃・貯金・住宅ローンの3つで整理します。
家賃
家賃の目安は手取りの2割から3割です。手取り284,957円なら56,991円から85,487円の範囲になります。
よく言われる「手取りの3分の1」には公的な根拠がありません。知るぽると ひとり暮らしの生活設計が示しているのは2割から3割です。
3分の1を上限にすると、公的に示されている目安の上限を超える家賃まで許容してしまいます。家賃は毎月固定で出ていく費目なので、上限の取り方の違いが年単位で効いてきます。
東京都の借家の平均家賃87,118円は、3割の上限85,487円をわずかに超える水準です。都内で平均的な物件を借りると、目安の上限ぎりぎりになると考えてください。
全国平均の59,656円であれば、2割から3割のレンジの中に無理なく収まります。住む場所を変えるだけで家計の余力が変わるのは、家賃の絶対額が大きいためです。
貯金
単身の家計調査ベースでは、月71,550円・年858,600円を預貯金に回せています。
平均消費性向66.8%という数字は、収入の3分の1を使わずに残せている状態を意味します。単身で家賃を抑えられているうちは、この水準を維持しやすい帯です。
比較対象として、二人以上世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値1,264万円です(総務省 家計調査 貯蓄・負債編)。
平均を下回る世帯は66.1%にのぼります。平均2,059万円という数字は一部の高額世帯に引っ張られた値なので、中央値1,264万円のほうを目安にしてください。
二人以上の世帯では手元に残るのが月41,389円まで落ちるため、同じペースでの貯蓄はできません。世帯構成が変わるタイミングで、貯蓄計画も組み直す必要があります。
住宅ローン
返済比率25%・月返済90,000円・35年・元利均等という前提で、借入可能額を金利別に並べます。
| 金利 | 借入可能額 | 月返済額 | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 1.5% | 約2,939万円 | 90,000円 | 35年 |
| 2.0% | 約2,717万円 | 90,000円 | 35年 |
| 2.5% | 約2,518万円 | 90,000円 | 35年 |
金利が1.5%から2.5%に上がるだけで、借入可能額は約2,939万円から約2,518万円まで下がります。同じ返済額でも、借りられる金額は金利に大きく左右されます。
ここで注意したいのは返済比率の見方です。額面年収の25%は年1,080,000円ですが、手取り年収3,419,492円に対しては31.6%にあたります。
金融機関の審査は額面年収で判断されるため、審査に通る金額と無理なく返せる金額は一致しません。手取りベースで3割を超える返済は、家計の余裕をかなり削ります。
管理費・修繕積立金・固定資産税・保険料も加わるため、実際の住居費はローン返済額より1万円から2万円上振れすると考えておくのが安全です。
住宅ローンは額面年収をもとに審査されるため、月収36万円でも金利2.0%なら約2,717万円の借入が通ることがあります。ただし同じ返済額を手取り年収3,419,492円で見ると31.6%で、家計調査の単身世帯が住居費に充てている割合を大きく超えます。借入可能額をそのまま予算にせず、手取りの2割から3割に収まる返済額から逆算してください。
月収36万円に到達する年代と仕事


賃金構造基本統計調査の所定内給与額で見ると、月収36万円に届く年代は男女で大きくずれます。
以下の数字には残業代と賞与が含まれていません。総支給ベースの月収36万円とは前提が違う点に注意してください。
男性・男女計
男女計の年齢計は340.6千円です。月収36万円はこれを上回っており、全年代を平均した水準より上にあります。
年齢階級別で最も近いのは40〜44歳の364.3千円で、男女計の平均賃金がこの額面を初めて超えるのも40〜44歳です。
男性の年齢計は373.4千円なので、男性の平均で見ると月収36万円は年齢計にも届いていないことになります。男性が初めてこの額を超えるのは35〜39歳の366.2千円です。
男性で最も近いのは60〜64歳の358.5千円ですが、これは定年後の再雇用で賃金が下がった結果の数字です。同じ金額でも、30代で到達するのと60代で下がってきて通過するのとでは意味が違います。
30代で月収36万円に届いていない場合は、30代におすすめの転職エージェントで今の経験がどの年収帯で評価されるかを確認しておくと、昇給を待つか動くかの判断材料になります。
女性
女性の平均賃金では、どの年代でも月収36万円に到達しません。最も高い45〜49歳でも305.7千円が上限です。
女性の年齢計は285.9千円で、男性の373.4千円との間には大きな開きがあります。
この状況で月収36万円に到達している女性は、統計上かなり上の位置にいるといえます。年収432万円が女性の上位26.7%という数字とも一致します。
平均勤続年数は男性14.2年に対して女性10.4年です。勤続年数の差がそのまま賃金カーブの差につながっている構造があります。
すでに到達している場合、転職で年収を落とさないことを最優先にすべき水準です。女性におすすめの転職エージェントで、働き方を変えながら現在の条件を維持できるかを先に確かめてください。
企業規模
同じ月収36万円でも、勤務先の規模によって社内での位置づけは変わります。
所定内給与額の平均は企業規模が大きいほど高くなる傾向があり、大企業の30代で36万円なら同世代の中位、小規模な企業で36万円ならかなり上のほうという差が生まれます。
自分の数字を全国平均の340.6千円と比べる前に、同じ規模・同じ職種の水準と比べることが先です。比べる相手を間違えると、実力を過小評価したり過大評価したりします。
2025年の所定内給与額は前年比3.1%の伸びでした。全体の賃金が上がっている局面では、同じ額面にとどまることが相対的な後退を意味します。
技術職であれば同職種内の相場感が特に重要です。エンジニアにおすすめの転職エージェントで、同じスキルセットがどの水準で評価されているかを確認しておくと判断が早くなります。
男女計の40〜44歳の平均は364.3千円で、月収36万円はこれをわずかに下回ります。男性の場合は35〜39歳の366.2千円にも届いていません。ただし女性の平均では45〜49歳でも305.7千円が上限なので、同じ金額でも評価は正反対になります。自分がどの母集団のなかで判断されるのかを踏まえて、昇給を待つか転職するかを決めてください。



賃金全体が前年比3.1%で伸びている局面では、額面が据え置きのままだと実質的には後退しています。社内での昇給率が全体の伸びを下回っているなら、市場の評価を一度確かめる価値があります。
月収36万円から手取りを増やす方法


手取りを増やす手段は、額面を上げるか固定費を下げるかの2つしかありません。それぞれ効き方が違うため、順に見ていきます。
昇進・昇給
この帯では、手取りを1万円増やすのに額面を約15,000円上げる必要があります。増えた額面のうち3分の1前後が税金と社会保険料に回るためです。
目標を「手取りであと1万円」と設定すると、必要な昇給額を見誤ります。交渉も評価も額面で行われるため、目標は額面ベースで立ててください。
注意したいのは標準報酬月額の等級です。月収36万円は等級の基準額とちょうど一致する位置にあるため、少しの昇給で等級が上がり、社会保険料の負担が一段増えることがあります。
等級が上がると厚生年金の将来の受給額も増えるため、負担増が一方的な損というわけではありません。ただし目先の手取りは、昇給額ほどには増えないという点は押さえておいてください。
固定費
固定費の削減には、税金も社会保険料もかかりません。削った金額がそのまま手元に残るという点で、昇給より効率の良い手段です。
単身の家計調査で金額の大きい費目は次のとおりです。
- 食料 月43,717円
- その他(被服・保健医療・家具等) 月43,827円
- 住居 月31,125円(うち家賃地代27,965円)
- 教養娯楽 月18,933円
- 交通・通信 月18,862円
最も効くのは家賃です。東京都の平均87,118円の物件から全国平均59,656円の水準へ移るだけで、家計の余力は大きく変わります。
同じ効果を昇給で出そうとすると、手取り1万円あたり額面15,000円という比率で必要額が膨らみます。固定費の削減がいかに効率的かが分かります。
ただし家賃を下げれば通勤時間や住環境との引き換えになります。削減額を時間単価に換算して、割に合うかどうかで判断してください。
転職
月収を5万円上げて41万円にすると、手取りは322,680円になります。現在の284,957円から37,723円の増加です。
昇給で額面を月5万円積み上げるには通常数年かかります。転職はこの帯で最も大きく額面を動かせる手段だといえます。
ただし年収が一時的に下がる可能性もあります。特に職種や業界を変える場合は、入社時の年収が現職を下回ることが珍しくありません。
40代以降は求人の幅が絞られます。40代におすすめの転職エージェントで、現在の経験がどの年収帯で評価されるかを先に確認しておくと、動くかどうかの判断がつけやすくなります。
社会保険料は4月から6月の給与の平均で標準報酬月額を決め、9月分から翌年8月分まで適用されます。月収36万円はちょうど等級の基準額に乗る位置にあるため、この3か月の残業代が上乗せされると1つ上の等級に押し上げられ、1年間高い保険料を払い続けることになります。残業の時期を選べる立場なら、4月から6月は抑えて他の月に回すほうが年間の手取りは増えます。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表を載せます。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件です。
月収から手取りを調べる
自分の額面に近い行を見れば、天引き後の金額と手取り率が分かります。
| 月収(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り月額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 29,380円 | 875円 | 7,008円 | 162,736円 | 81.4% |
| 24万円 | 35,256円 | 2,000円 | 9,216円 | 193,527円 | 80.6% |
| 28万円 | 41,132円 | 3,133円 | 11,433円 | 224,301円 | 80.1% |
| 30万円 | 44,070円 | 3,700円 | 12,541円 | 239,688円 | 79.9% |
| 32万円 | 47,008円 | 4,366円 | 13,841円 | 254,783円 | 79.6% |
| 34万円 | 49,946円 | 5,033円 | 15,150円 | 269,870円 | 79.4% |
| 36万円 | 52,884円 | 5,700円 | 16,458円 | 284,957円 | 79.2% |
| 38万円 | 55,822円 | 6,366円 | 17,766円 | 300,044円 | 79.0% |
| 40万円 | 60,178円 | 6,958円 | 18,925円 | 313,938円 | 78.5% |
| 42万円 | 60,278円 | 7,775円 | 20,516円 | 331,430円 | 78.9% |
| 44万円 | 64,636円 | 8,441円 | 21,683円 | 345,239円 | 78.5% |
| 46万円 | 68,992円 | 9,633円 | 22,850円 | 358,524円 | 77.9% |
| 50万円 | 73,450円 | 12,441円 | 25,600円 | 388,508円 | 77.7% |
| 55万円 | 82,214円 | 15,633円 | 28,725円 | 423,427円 | 77.0% |
| 60万円 | 86,720円 | 26,058円 | 32,775円 | 454,446円 | 75.7% |
月収20万円では手取り率81.4%ですが、36万円では79.2%、60万円では75.7%まで下がります。額面が増えるほど手取り率は下がるという関係は、この帯でも変わりません。
表の中で社会保険料の伸び方が一定でないのは、標準報酬月額の等級が段階的に切り替わるためです。等級の境目付近では、額面が少し増えても手取りがほとんど動かない区間が生まれます。
目標の手取りから逆算する
目標とする手取りから、必要な額面を逆算した表です。その手取りを初めて超える月収を1,000円単位で示しています。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 290,000円 | 366,000円 | 4,392,000円 |
| 310,000円 | 392,000円 | 4,704,000円 |
| 330,000円 | 419,000円 | 5,028,000円 |
| 380,000円 | 490,000円 | 5,880,000円 |
手取り29万円なら月収366,000円、手取り33万円なら月収419,000円が必要です。手取りの目標を4万円引き上げるだけで、必要な額面は5万円以上動きます。
40歳以上で介護保険料がかかる場合は、いずれも必要な額面が上乗せされます。扶養家族がいる場合は逆に必要な額面が下がります。
面接や条件交渉の場で使われるのは額面の金額です。手取りで30万円ほしいと伝えても、企業側は額面30万円として受け取る可能性があります。目標の手取りが決まっているなら、この逆算表で必要な額面に置き換えてから交渉に臨んでください。手取り29万円なら額面366,000円、年収では4,392,000円が伝えるべき数字になります。
月収36万円に関するよくある質問
月収36万円について検索されることの多い疑問を、この記事で使った数字でまとめます。
月収36万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は4,320,000円です。手取り年収は3,419,492円になります。
賞与が2か月分あれば額面年収は504万円、4か月分なら576万円です。月収だけで年収を判断すると、賞与の有無で144万円の読み違いが生じます。
月収36万円は高いほうですか?
給与所得者全体では上位47.1%で、ほぼ真ん中よりわずかに上です。ただし平均478万円には46万円、正社員の平均545万円には113万円届きません。
男女別では評価が変わります。男性のなかでは上位62.5%で平均以下、女性のなかでは上位26.7%で明確に上位の水準です。
月収36万円で家族を養えますか?
子どもの教育費がかかる時期は厳しいというのが数字から出る答えです。二人以上の勤労者世帯で手取りに最も近い階級では、手元に残るのが月41,389円にとどまります。
ここに世帯主40代で月27,878円、50代で月34,484円の教育費が加わると、ほとんど残らない計算になります。共働きにするか、住居費の安い地域を選ぶ必要があります。
4月から6月の残業を減らすと手取りは増えますか?
増える可能性があります。社会保険料は4月から6月の給与の平均で決まり、9月分から翌年8月分まで同じ金額が適用されるためです。
月収36万円は標準報酬月額360,000円の等級にちょうど乗る位置にあるため、この3か月に残業代が上乗せされると等級が上がりやすくなります。1年分の社会保険料が3か月の働き方で決まるという構造は、この帯では特に効いてきます。
まず給与明細の控除欄と、この記事の内訳表を並べて比べてください。厚生年金が合わない場合は標準報酬月額の等級を、健康保険が合わない場合は加入している健保組合の料率を確認します。住民税だけが大きく違うときは、前年の所得が現在と異なっている可能性が高いといえます。協会けんぽ以外の健保組合や東京都以外の支部では料率が違うため、この記事の金額と一致しないのが普通です。



数字を細かく追うと不安になりますが、月収36万円は単身なら年85万円を貯められる水準です。世帯構成と住む場所で結論が変わるだけで、この帯そのものが厳しいわけではありません。
まとめ
月収36万円の手取りは284,957円です。額面から75,042円が引かれ、その70.5%にあたる52,884円が社会保険料で占められています。年収にすると432万円です。
40歳以上なら介護保険料の分で手取りは282,483円まで下がり、扶養家族が1人いれば289,324円まで上がります。2026年度の改定で手取りは年6,788円増えましたが、所得税の軽減が給与明細に現れるのは年末調整以降になることがあります。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で上位47.1%、平均478万円に46万円届かない水準です。男性のなかでは平均以下ですが、女性のなかでは上位26.7%にあたります。
生活の余裕は世帯構成で変わります。単身なら年858,600円を貯められる一方、二人以上の世帯では手元に残るのが月41,389円まで落ち、教育費のかかる年代ではほとんど残りません。
手取りを増やすなら、昇給を待つか、固定費を削るか、転職で額面を動かすかの3つです。この帯では手取り1万円に額面15,000円が必要なうえ、4月から6月の残業が1年分の社会保険料を決めるため、時期の選び方まで含めて考えてください。









