月収14万円の手取りは116,792円です。額面14万円から23,207円が税金と社会保険料として引かれます。40歳未満・扶養なし・賞与なし・協会けんぽ東京支部という条件での金額です。
引かれる割合は額面の16.6%で、手取り率は83.4%です。年収に直すと168万円、手取り年収は1,401,512円になります。給与所得者全体の平均478万円とは310万円の開きがあり、平均を大きく下回る水準です。
この記事の数字は2026年度の保険料率と、令和8年分から引き上げられた基礎控除で計算しています。改定前の控除額を使っている記事とは住民税と所得税の欄がずれるため、金額の前提をそろえて読んでください。
FOCUS AGENT:東田 尚起

株式会社リクルートにてHR領域に従事。
求人広告営業(indeed/リクナビnext)をメインに、転職エージェントとしても従事。
自ら立ち上げた就職系メディアの事業売却を経験し、転職支援と日系企業を中心に複数社のRPO業務も担う。
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株式会社CAREER FOCUS/東田尚起月収14万円は、所得税が0円になる一方で社会保険料がそのまま効いてくる収入帯です。手取りを増やしたいとき、税金の対策よりも額面そのものを動かすほうが効きます。
月収14万円の手取りは116,792円|年収は168万円


月収14万円から引かれるのは月23,207円です。内訳は社会保険料が20,849円、所得税が0円、住民税が2,358円で、手元に残るのが116,792円になります。
控除のうち社会保険料が89.8%を占めます。この収入帯では所得税がかからないため、引かれるものの大半が健康保険と厚生年金だという構造になります。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面(総支給) | 140,000円 | 1,680,000円 |
| 控除合計 | 23,207円 | 278,488円 |
| 手取り | 116,792円 | 1,401,512円 |
| 手取り率 | 83.4% | 83.4% |
「額面の8割が手取り」という目安がよく使われますが、月収14万円では8割よりやや多い83.4%が残ります。所得税がゼロになる分だけ、高い収入帯より手取り率が高く出るためです。
40歳未満・扶養なしの場合
もっとも基本になる条件が、40歳未満・扶養家族なし・賞与なしのケースです。健康保険と厚生年金は標準報酬月額142,000円の等級に当てはめて計算します。
健康保険では第11級、厚生年金でも標準報酬142,000円の区分にあたります。額面の14万円そのものではなく、この等級表の金額をもとに保険料が決まる点が、月収から手取りを暗算しにくい理由です。
- 健康保険と厚生年金は標準報酬月額の等級表で決まる
- 等級は4月から6月の給与をもとに決定し、9月分から1年間適用される
- 雇用保険だけは等級ではなく、毎月の賃金額に料率をかけて計算する
等級制のため、額面が数千円動いても保険料が変わらない範囲があります。逆に等級の境目をまたぐと、わずかな昇給で保険料だけが増えることもあります。
40歳以上や扶養がいる場合
40歳になると介護保険料の負担が始まり、手取りは115,750円まで下がります。扶養家族が1人いる場合は住民税が軽くなり、手取りは118,734円に増えます。
| 条件 | 手取り月額 | 手取り年額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満・扶養なし | 116,792円 | 1,401,512円 | 83.4% |
| 40歳以上・扶養なし | 115,750円 | 1,389,000円 | 82.7% |
| 40歳未満・扶養1人 | 118,734円 | 1,424,812円 | 84.8% |
扶養が1人増えても手取りが118,734円にとどまるのは、この収入帯ではもともと所得税が0円で、軽くなる余地が住民税しか残っていないためです(全国健康保険協会 介護保険料率について)。
年収の高い人なら扶養控除の効果は所得税と住民税の両方に及びますが、月収14万円では片方しか効きません。扶養を増やしても手取りが思ったほど変わらないのは、この構造によるものです。
賞与がある場合
賞与にも健康保険・厚生年金・雇用保険がかかります。月給14万円のまま賞与が加わると、年間の額面と手取りは次のように動きます。
| 賞与 | 額面年収 | 手取り年収 | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| なし | 1,680,000円 | 1,401,512円 | 83.4% |
| 2か月分(28万円) | 1,960,000円 | 1,616,480円 | 82.5% |
| 4か月分(56万円) | 2,240,000円 | 1,826,748円 | 81.6% |
賞与が4か月分あれば額面年収は224万円に届きます。月収14万円という数字だけで判断すると、年収ベースでは50万円以上の読み違いが生じます。
ただしこの収入帯では、賞与が支給されない雇用形態も少なくありません。求人票を見るときは月給よりも先に、賞与の有無と支給実績の記載を確認してください。
月給14万円でも、賞与4か月分がある会社とない会社では年間で56万円の差がつきます。求人票の「賞与年2回」という表記だけでは実績がわからないため、面接では前年度の支給月数を質問しておくと判断を誤りません。
月収14万円から引かれる税金・社会保険料の内訳
月収14万円から引かれる23,207円の中身を1円単位で分解します。協会けんぽ東京支部・一般の事業・東京都在住という条件での金額です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 | 本人負担の料率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 6,993円 | 83,916円 | 4.925% |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満のため負担なし |
| 子ども・子育て支援金 | 163円 | 1,956円 | 0.115% |
| 厚生年金 | 12,993円 | 155,916円 | 9.15% |
| 雇用保険 | 700円 | 8,400円 | 0.5% |
| 所得税 | 0円 | 0円 | 課税所得に応じて5%〜 |
| 住民税 | 2,358円 | 28,300円 | 所得割10%+均等割5,000円 |
| 合計 | 23,207円 | 278,488円 | 額面の16.6% |
料率の出典は全国健康保険協会 令和8年度の保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。
社会保険料
健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金を合わせた社会保険料は月20,849円です。控除全体の89.8%を占め、この収入帯では税金よりはるかに重い負担になります。
もっとも大きいのは厚生年金の12,993円です。本人負担の料率は9.15%で固定されており、収入が低くても軽くなる仕組みはありません。
健康保険料率は都道府県ごとに異なります。2026年度の東京支部は9.85%で、本人負担はその半分の4.925%です。
なお、この収入帯で見落とされやすいのが社会保険の加入要件です。パートやアルバイトでも、週の所定労働時間が20時間以上で月額賃金が8.8万円以上などの条件を満たせば、勤務先の厚生年金と健康保険に加入します。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 月額賃金が8.8万円以上であること
- 学生ではないこと
加入すると毎月の手取りは確実に減ります。一方で将来の老齢厚生年金や、傷病手当金・出産手当金といった健康保険の給付を受けられるようになるため、手取りだけで損得を判断する話ではありません。
所得税
年収168万円の場合、所得税は0円です。給与所得控除と基礎控除を差し引いた時点で課税所得が残らないため、源泉徴収の対象になりません。
令和8年分から基礎控除は95万円から104万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました(国税庁 令和8年分以後の基礎控除の見直し等)。合わせて18万円の引き上げで、いわゆる年収の壁が160万円から178万円へ動いたのはこの改正によるものです。
つまり年収168万円は、改正後の非課税ラインである178万円の内側に収まっています。課税所得が生じないため、国税庁 所得税の税率の5%区分にも到達しません。
この点は減税の恩恵を受けにくいことも意味します。もともと払っていない税金は、控除が増えても減らせないためです。
住民税
住民税は年28,300円で、内訳は所得割23,300円と均等割5,000円です。月あたりでは2,358円が給与から引かれます(総務省 個人住民税)。
住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。所得税の基礎控除が104万円に引き上げられても住民税は連動しないため、所得税が0円でも住民税だけは発生します。
均等割の5,000円には森林環境税1,000円が含まれます。所得の多寡にかかわらず定額でかかるため、収入が低いほど負担感は相対的に重くなります。
ただし年収168万円は住民税の非課税限度額に近い水準です。限度額は自治体や扶養の状況によって変わるため、この記事の計算は課税される前提としていますが、お住まいの自治体では均等割が非課税になる場合があります。
住民税は前年の所得に対して課税されます。働き始めた1年目は引かれず、2年目の6月から天引きが始まるため、月収が変わっていないのに手取りが減ったように感じる原因になります。
2026年度の改定で手取りがどう変わったか
2025年度の料率と控除で同じ月収14万円を計算すると、手取りは116,076円でした。2026年度は116,792円なので、改定による増加は月716円にとどまります。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(東京) | 7,036円 | 6,993円 | ▲43円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0円 | 163円 | +163円 |
| 雇用保険 | 770円 | 700円 | ▲70円 |
| 住民税 | 3,125円 | 2,358円 | ▲767円 |
| 手取り | 116,076円 | 116,792円 | +716円 |
年額にすると8,600円の増加です。基礎控除の引き上げによる減税効果は、この収入帯ではほとんど働きません。もともと所得税が0円だったため、控除が増えても減る税金がないからです。
増えた分の大半は住民税の軽減と雇用保険料率の引き下げによるものです。一方で新設された子ども・子育て支援金が163円の負担増となっています(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度)。
高い収入帯では減税の効果が大きく出ますが、月収14万円では改定があっても手取りの体感はほとんど変わりません。年8,600円という数字を正直に受け止めておく必要があります。
まず健康保険料が6,993円になっているかを見てください。ここが合わない場合、勤務先が協会けんぽではなく組合健保や共済に加入している可能性があります。組合健保は料率が独自に決まるため、この記事の内訳表とは差が出ます。



この収入帯は税金がほぼかからないぶん、制度改定の恩恵も小さく出ます。手取りを動かしたいなら、控除の話より労働時間と時給のどちらを動かせるかを先に考えるほうが現実的です。
月収14万円は世間的にどのレベルか


年収168万円は、給与所得者全体で下位15.2%に位置します。上から数えると84.8%の人が自分より上にいる計算です。
平均との比較
国税庁の調査では、給与所得者全体の平均給与は478万円、正社員に限ると545万円です(国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査)。
年収168万円は全体平均より310万円低く、正社員平均とは377万円の差があります。煽らずに書けば、統計上はかなり下の位置にある水準です。
ただし比較対象を変えると印象は変わります。パートやアルバイトを含む非正規雇用の平均は206万円で、この区分と比べれば差はかなり縮まります。
平均478万円は正社員と非正規を合わせた数字であり、フルタイム正社員の実感とは離れています。自分の働き方に近い区分と比べるほうが実態をつかみやすくなります。
上位何%か
給与所得者5,136万人を年収順に並べると、168万円は下から15.2%の位置に来ます。近い年収帯と並べると次のようになります。
| 年収 | 下位 | 上位 |
|---|---|---|
| 100万円 | 7.7% | 92.3% |
| 150万円 | 13.2% | 86.8% |
| 168万円 | 15.2% | 84.8% |
| 200万円 | 18.8% | 81.2% |
| 300万円 | 31.9% | 68.1% |
| 400万円 | 48.0% | 52.0% |
年収400万円でようやく中央値に届きます。年収168万円から中央値までは、額面で大きく積み増す必要がある計算です。
男女差
同じ年収168万円でも、男女のどちらで見るかで位置が変わります。男性なら下位7.3%、女性なら下位25.6%です。
| 区分 | 平均給与 | 母集団 | 年収168万円の位置 |
|---|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 478万円 | 51,365,699人 | 下位15.2% |
| 男性 | 587万円 | 29,250,024人 | 下位7.3% |
| 女性 | 333万円 | 22,115,674人 | 下位25.6% |
男性では下から7%台に入る一方、女性では4人に1人がこの水準以下という分布です。女性の平均給与333万円そのものが全体平均478万円を下回っており、短時間勤務や非正規の比率が高いことが背景にあります。
相当する年齢階級
厚生労働省の調査で一般労働者の所定内給与額を見ると、男女計で最も低い年齢階級は〜19歳の208.3千円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。
| 区分 | 最も近い年齢階級 | その階級の所定内給与額 | 年齢計の平均 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 〜19歳 | 208.3千円 | 340.6千円 |
| 男性 | 〜19歳 | 212.5千円 | 373.4千円 |
| 女性 | 〜19歳 | 201.4千円 | 285.9千円 |
注目したいのは、最も若い年齢階級の平均でも月収14万円を上回っていることです。フルタイムの一般労働者の統計には、月収14万円が平均になる年齢階級が存在しません。
所定内給与額は残業代と賞与を含まない金額です。月収14万円がフルタイム勤務での支給額なのであれば、年齢に関係なく統計上の平均を下回っていることになります。
逆に、短時間勤務や週4日勤務での月収14万円であれば、この比較は成立しません。自分の労働時間を前提に読む必要があります。
賃金構造基本統計調査の所定内給与額は、フルタイムの一般労働者を対象にした数字です。時短勤務やパートで月収14万円なら、時給換算して比べるほうが実態に近くなります。フルタイムで14万円なら、まず基本給と手当の内訳を確認してください。
月収14万円の生活レベル


ここからの生活費は想定値ではなく、総務省の家計調査の実額を使います(総務省統計局 家計調査 2025年平均)。手取り116,792円に近い階級の、実際の支出です。
単身世帯
単身の勤労者世帯で手取り116,792円に最も近いのは、年間収入100万円未満の階級です。この階級の可処分所得は168,206円で、消費支出は136,227円となっています。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 33,259円 |
| 住居(うち家賃地代26,040円) | 26,933円 |
| 光熱・水道 | 12,006円 |
| 交通・通信 | 13,838円 |
| 教養娯楽 | 16,014円 |
| その他(被服・保健医療・家具等) | 34,177円 |
| 消費支出 合計 | 136,227円 |
ここで正直に書いておくべきことがあります。この階級の消費支出136,227円は、手取り116,792円を上回っています。統計上もっとも近い階級ですら、手取りだけでは支出を賄えていない水準です。
この階級の平均消費性向は81.0%、預貯金の純増は月846円です。年間にしても10,152円で、貯蓄の余地はほとんど残りません。
可処分所得168,206円と手取り116,792円の差は51,414円あります。差が小さくないため、この階級の数字はあくまで「最も近い参考値」として読む必要があります。
二人以上の世帯
世帯人員が増えると状況は厳しくなります。二人以上の勤労者世帯で最も収入が低い階級は年間収入300万〜350万円で、可処分所得は278,764円、消費支出は237,375円です。
| 区分 | 単身世帯 | 二人以上の世帯 |
|---|---|---|
| 最も近い階級 | 年間収入100万円未満 | 年間収入300〜350万円 |
| 可処分所得 | 168,206円 | 278,764円 |
| 消費支出 | 136,227円 | 237,375円 |
| 黒字・預貯金純増 | 846円 | 41,389円 |
| 平均消費性向 | 81.0% | 85.2% |
| 世帯人員 | 1人 | 2.70人 |
手取り116,792円は、家計調査で公表されている最も低い階級の可処分所得278,764円すら下回ります。単独の収入で二人以上の世帯を支える場合、消費支出237,375円に届かず赤字になる可能性が高いといえます。
この階級の世帯主の平均年齢は55.7歳です。子どもが独立した後の世帯を含んだうえでこの支出水準という点も、あわせて押さえておく必要があります。
教育費がかかる時期はさらに負担が増えます。世帯主が40代の世帯では月27,878円、50代では34,484円が教育費として支出されています。
貯蓄面でも差は大きくなります。二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2,059万円、中央値は1,264万円で、平均を下回る世帯が66.1%を占めます(総務省統計局 家計調査 貯蓄・負債編)。
家賃の平均が低く見える理由
先の表で家賃地代が26,040円と低いことに違和感があるかもしれません。これは持ち家の人や社宅住まいの人、実家暮らしの人を含めた平均だからです。
実際に民営の借家に住む世帯だけを見ると、家賃は単身で49,831円、二人以上の勤労者世帯で69,450円です。大都市圏では二人以上の世帯で81,508円になります。
住宅・土地統計調査でも、借家の1か月あたり家賃は全国59,656円、東京都87,118円と報告されています(総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)。
東京都の平均家賃87,118円は、手取り116,792円の大半を占める金額です。この収入帯で都内の平均的な賃貸に住むと、家賃を払った残りで生活することが難しくなります。
月収14万円の家計は、住居費をいくら負担しているかで評価が正反対になります。実家暮らしで住居費の負担が軽ければ貯蓄も可能ですが、民営借家で全額を負担すると家計は一気に締まります。まず住居費を固定費から切り出して考えてください。



単身か家族を支えているか、実家か賃貸かで、同じ月収14万円でも意味がまったく変わります。統計の平均値を見る前に、自分の住居費がいくらかを先に確認してください。
月収14万円でできること・できないこと


手取り116,792円という水準で、家賃・貯金・住宅ローンがそれぞれどこまで可能かを整理します。できないことも正直に書きます。
家賃
「家賃は手取りの3分の1まで」という言い方が広く使われていますが、この3分の1という基準に公的な根拠はありません。金融広報中央委員会の解説で示されているのは手取りの2〜3割です(知るぽると ひとり暮らしの生活設計)。
手取り116,792円なら23,358円から35,038円が目安になります。統計上の実額である単身の民営借家49,831円は、この目安の上限を大きく超えています。
| 基準 | 金額 | 手取り116,792円との関係 |
|---|---|---|
| 手取りの2割 | 23,358円 | 目安の下限 |
| 手取りの3割 | 35,038円 | 目安の上限 |
| 単身・民営借家の平均 | 49,831円 | 目安の上限を超える |
| 借家の平均(全国) | 59,656円 | 目安の上限を大きく超える |
| 借家の平均(東京都) | 87,118円 | 手取りの大半を占める |
つまり公的な目安に収めようとすると、選べる物件は3.5万円以下ということになります。地方であれば現実的な範囲ですが、都市部では相当に限られます。
貯金
家計調査で最も近い階級の預貯金純増は月846円、年10,152円です。手取りベースで見れば、この収入帯で計画的に貯蓄するのは容易ではありません。
毎月1万円を貯めるには、支出を1万円削るか収入を約13,000円増やすかのどちらかになります。支出側にはすでに削りしろが少ないため、実際には収入側を動かすほうが早いケースが多くなります。
二人以上の世帯では黒字が月41,389円とされていますが、これは可処分所得278,764円がある階級の数字です。手取り116,792円でこの黒字を再現することはできません。
住宅ローン
額面年収168万円で返済比率を25%に抑える場合、年間の返済額は420,000円、月々では35,000円です。金利別の借入可能額は次のようになります。
| 金利 | 月返済額 | 借入可能額(35年・元利均等) |
|---|---|---|
| 1.5% | 35,000円 | 約1,143万円 |
| 2.0% | 35,000円 | 約1,057万円 |
| 2.5% | 35,000円 | 約979万円 |
ここで注意したいのは、返済比率の計算が額面年収をもとにしている点です。額面年収の25%にあたる420,000円は、手取り年収1,401,512円に対しては30.0%にあたります。
金融機関が貸せると判断する額と、無理なく返せる額は別物です。手取りの3割を35年間返済に充て続ける前提が現実的かどうかは、慎重に見る必要があります。
住宅ローンの審査は額面年収での返済比率で判断されますが、実際に返すのは手取りからです。月収14万円の場合、額面基準の25%が手取り基準では30.0%になります。審査に通った金額をそのまま借りる前に、手取りベースで何%になるかを必ず計算してください。
月収14万円に相当する年代と仕事


月収14万円がどのようなキャリア段階や働き方に対応するのかを、公的統計から確認します。
男性・男女計
所定内給与額で見ると、男女計で最も低い年齢階級は〜19歳の208.3千円、男性では〜19歳の212.5千円です。いずれも月収14万円を上回っています。
年齢計の平均は男女計で340.6千円、男性で373.4千円です。フルタイムの一般労働者の統計には、月収14万円に相当する年齢階級が存在しません。
この事実は、月収14万円がフルタイム勤務での金額である場合、雇用形態や業界のどこかに原因があることを示しています。基本給が低いのか、手当が少ないのか、業界全体の水準が低いのかを切り分けて考える必要があります。
20代で状況を変えたい場合は、選択肢が比較的多く残っています。第二新卒におすすめの転職エージェントでは、社会人経験が浅い段階での動き方を整理しています。
女性
女性の所定内給与額は〜19歳で201.4千円、年齢計の平均で285.9千円です。男性の年齢計373.4千円と比べると、平均の水準そのものが低く出ています。
平均勤続年数は男性14.2年に対し女性10.4年です。勤続年数の短さが昇給の機会の少なさにつながり、結果として平均賃金の差を広げています。
短時間勤務や非正規での就業比率が高いことも背景にあります。女性におすすめの転職エージェントでは、働き方の制約を前提にしたうえで収入を上げる方法を扱っています。
企業規模
同じ職種でも企業規模によって賃金水準は変わります。賃金構造基本統計調査では大企業・中企業・小企業の3区分で集計されており、規模が大きいほど平均賃金が高くなる傾向が続いています。
2025年の所定内給与額は前年比3.1%増でした。ただし賃上げの実施率や上げ幅は企業規模によって差があり、小規模事業所ほど恩恵が届きにくい傾向があります。
業界や職種を変えずに企業規模だけを変えるという動き方もあります。事務職におすすめの転職エージェントのように、職種軸で求人を比較すると相場の幅が見えやすくなります。
今の月収が低いと感じたら、まず同じ職種の求人票を20件ほど並べて月給のレンジを確認してください。自社の水準が相場の下限に近いのか、業界全体が低いのかで、取るべき手が変わります。職種を変えるべきか会社を変えるべきかの判断材料になります。
月収14万円から手取りを増やす方法


手取りを1万円増やすには、額面を約13,000円上げる必要があります。控除は率で効くため、額面の伸びほど手取りは伸びません。この前提で3つの道を比べます。
昇進・昇給
在籍したまま収入を上げる方法です。賃金構造基本統計調査では2025年の所定内給与額が前年比3.1%増となっており、賃上げの流れは続いています。
ただし月収14万円に年3%の昇給が続いても、1年あたりの増加額は小さくとどまります。この速度で月収17万円の水準に届くには、相当の年数がかかります。
役職に就けば一気に上がりますが、ポストの数は限られます。昇給だけに頼ると、生活が改善するまでの時間が長くなりすぎる点が弱みです。
固定費
収入を増やさずに使える額を増やす方法です。住居費・通信費・保険料は一度見直せば効果が続きます。
- 家賃を1万円下げると、年12万円の手取り増と同じ効果になる
- 通信費は契約プランを見直すと毎月の固定支出を下げられる
- 公的な家賃の目安は手取りの2〜3割、つまり23,358円から35,038円
この収入帯では、iDeCoの所得控除による節税効果は期待しにくくなります。もともと所得税が0円のため、控除を増やしても減らせる税金が住民税の一部に限られるためです。
固定費の削減は確実に効きますが、削れる幅には上限があります。家計調査の消費支出136,227円を見るかぎり、この水準からさらに削るのは容易ではありません。
転職
もっとも短期間で額面が動くのは転職です。目標の手取りから逆算すると、必要な額面は次のようになります。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 120,000円 | 144,000円 | 1,728,000円 |
| 140,000円 | 170,000円 | 2,040,000円 |
| 160,000円 | 197,000円 | 2,364,000円 |
| 210,000円 | 262,000円 | 3,144,000円 |
月収を5万円上げて19万円にすると、手取りは155,040円になります。増えるのは38,248円で、額面の上げ幅5万円より少なくなります。
未経験から職種を変える場合は、応募できる求人の探し方が結果を左右します。未経験におすすめの転職エージェントで、経験を問わない求人の見分け方を整理しています。
年代によって現実的な上げ幅は変わります。30代なら30代におすすめの転職エージェント、40代なら40代におすすめの転職エージェントで、年収交渉に対応できるエージェントを比較しています。
「手取り14万円がほしい」ではなく「月給17万円以上」と伝えるほうが話が早く進みます。手取りは扶養や年齢で変わるため、企業側は額面でしか提示できません。現職の源泉徴収票と求人票の基本給を並べて示すと、交渉の土台がはっきりします。



額面を上げても控除が同時に増えるので、手取りの伸びは緩やかになります。月収を5万円上げても手元に残るのは38,248円です。目標は手取りではなく額面で立ててください。
月収と手取りの早見表
額面から手取りを調べる表と、目標の手取りから必要な月収を逆算する表を載せます。いずれも40歳未満・扶養なし・賞与なし・東京都在住の条件です。
月収から手取りを調べる
月収8万円から30万円までの手取りを1万円刻みで並べました。自分の額面に近い行を探してください。
| 月収(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り月額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8万円 | 12,383円 | 0円 | 416円 | 67,200円 | 84.0% |
| 9万円 | 12,937円 | 0円 | 416円 | 76,646円 | 85.2% |
| 10万円 | 14,406円 | 0円 | 416円 | 85,177円 | 85.2% |
| 11万円 | 16,158円 | 0円 | 416円 | 93,425円 | 84.9% |
| 12万円 | 17,344円 | 0円 | 708円 | 101,947円 | 85.0% |
| 13万円 | 19,664円 | 0円 | 1,483円 | 108,852円 | 83.7% |
| 14万円 | 20,849円 | 0円 | 2,358円 | 116,792円 | 83.4% |
| 15万円 | 22,034円 | 0円 | 3,250円 | 124,716円 | 83.1% |
| 16万円 | 23,504円 | 0円 | 4,091円 | 132,404円 | 82.8% |
| 17万円 | 24,972円 | 0円 | 4,958円 | 140,069円 | 82.4% |
| 18万円 | 26,442円 | 258円 | 5,800円 | 147,499円 | 81.9% |
| 19万円 | 27,910円 | 591円 | 6,458円 | 155,040円 | 81.6% |
| 20万円 | 29,380円 | 875円 | 7,008円 | 162,736円 | 81.4% |
| 22万円 | 32,318円 | 1,441円 | 8,125円 | 178,115円 | 81.0% |
| 25万円 | 38,144円 | 2,216円 | 9,633円 | 200,006円 | 80.0% |
| 30万円 | 44,070円 | 3,700円 | 12,541円 | 239,688円 | 79.9% |
所得税が発生し始めるのは月収18万円からです。月収17万円までは所得税が0円で、控除は社会保険料と住民税だけになります。
手取り率は月収14万円で83.4%、月収30万円で79.9%です。収入が上がるほど手取り率が下がるのは、所得税が累進的に効いてくるためです。
目標の手取りから逆算する
目標の手取りから必要な額面を逆算した表です。その手取りを初めて超える月収を1,000円単位で示しています。
| 目標の手取り月額 | 必要な月収(額面) | 必要な額面年収 |
|---|---|---|
| 100,000円 | 118,000円 | 1,416,000円 |
| 110,000円 | 132,000円 | 1,584,000円 |
| 120,000円 | 144,000円 | 1,728,000円 |
| 130,000円 | 158,000円 | 1,896,000円 |
| 140,000円 | 170,000円 | 2,040,000円 |
| 150,000円 | 183,000円 | 2,196,000円 |
| 160,000円 | 197,000円 | 2,364,000円 |
| 180,000円 | 223,000円 | 2,676,000円 |
| 200,000円 | 248,000円 | 2,976,000円 |
手取り12万円なら月収144,000円、手取り14万円なら月収170,000円が必要です。目標を手取りで決めたら、この表で額面に変換してから求人を探してください。
40歳以上で介護保険料がかかる場合は、その分だけ手取りが下がります。表の金額よりやや高い額面を目標にしておくと、想定とのずれが小さくなります。
求人票に月給17万円とあれば、この表から手取りは140,069円と読めます。ここから家賃と固定費を引いた残りが実際に使える額です。複数の求人を比べるときは、額面ではなくこの残りの金額で並べ替えると判断しやすくなります。
月収14万円に関するよくある質問
月収14万円について検索されることの多い疑問を、この記事で使った数字に沿って整理します。
月収14万円の年収はいくらですか?
賞与がない場合、額面年収は168万円です。手取り年収は1,401,512円になります。賞与が2か月分あれば額面年収は196万円、4か月分なら224万円です。月収だけで年収を判断すると、賞与の有無で50万円以上の読み違いが生じます。
月収14万円で一人暮らしはできますか?
住居費次第です。家計調査で最も近い階級の消費支出は136,227円で、手取り116,792円を上回っています。公的な目安である手取りの2〜3割に家賃を収めるなら上限は35,038円となり、単身の民営借家の平均49,831円より低い物件を選ぶ必要があります。実家暮らしや社宅であれば余裕は生まれます。
月収14万円で所得税はかかりますか?
かかりません。年収168万円は令和8年分から引き上げられた基礎控除104万円と給与所得控除の範囲内に収まるため、課税所得が生じず所得税は0円です。ただし住民税は基礎控除が43万円のまま据え置かれているため、年28,300円が課税されます。住民税の非課税限度額に近い水準のため、自治体によっては均等割が非課税になる場合があります。
2026年の改定で手取りは増えましたか?
月716円、年8,600円の増加です。住民税の軽減と雇用保険料率の引き下げが増加要因で、新設された子ども・子育て支援金が163円の負担増になっています。基礎控除の引き上げによる減税効果は、もともと所得税が0円のこの収入帯ではほとんど働きません。
週20時間以上・月額賃金8.8万円以上などの条件を満たすと厚生年金と健康保険に加入し、毎月の手取りは確実に減ります。その代わり老齢厚生年金が増え、傷病手当金や出産手当金の対象にもなります。目先の手取りだけで判断せず、受けられる給付と合わせて考えてください。



よくある質問で多いのが「一人暮らしできますか」という疑問です。答えは住居費で決まります。家賃を3.5万円以下に抑えられるかどうかが分岐点になります。
まとめ
月収14万円の手取りは116,792円です。額面から23,207円が引かれ、その89.8%にあたる20,849円が社会保険料で占められています。年収にすると168万円になります。
この収入帯では所得税が0円になる一方、住民税は年28,300円かかります。40歳以上なら介護保険料の分で手取りは115,750円まで下がり、扶養家族が1人いれば118,734円まで上がります。
2026年度の改定による手取りの増加は月716円、年8,600円にとどまりました。基礎控除の引き上げは、もともと所得税を払っていないこの収入帯にはほとんど届きません。
世間的な位置づけは、給与所得者全体で下位15.2%、平均478万円とは310万円の開きがあります。フルタイムの一般労働者の統計では、最も若い〜19歳の平均208.3千円すら上回れていません。
生活の余裕は住居費で決まります。手取りを増やすなら、1万円の手取り増に額面13,000円が必要だという前提で、額面ベースの目標を立ててください。









